2006/04/30

HDD断念始末


  五月連休になったら、外付けHDDを買う予定でいたのですが、その気分が失せました。 思い立ったのが随分前だったので、数週間に亘って新聞広告をチェックし、買うべき機種の候補を絞る一方、机の周りを整理して、置き場所まで確保していたのですが、それらの準備が全て無駄になりました。

  そもそも外付けHDDを買おうと思ったきっかけは、パソコンのCD-RWドライブの調子が悪くなり、データの書き込みに異様に時間がかかるようになってしまった事でした。 ソフトは≪Win CD-R≫なんですが、書き込みだけでなく、読み込みすら出来なくなる事も多く、使い難く危なっかしい事この上無し。 外付けCD-RWドライブやDVD-RWドライブを買う事も考えましたが、ブルーレイ・ディスクの影がちらほら見え始めている時でもあり、どちらもいつ消滅してしまうか分かりません。 それならいっそ、外付けHDDを記録用に使う方がアクセスが速くて良いのではないかと思ったのです。

  今、最も容量が多いHDDは、1TB(テラ・バイト)なんていうのがあるようですが、値段が八万円と滅茶苦茶な額になってしまうので、もちろんパス。 パソコンより高いではないか! 妥当な価格としては一万円前後でしょう。 160GBの物がちょうどそのくらいですが、13000円出せば250GBに手が届き、17000円奮発すれば300GBがあります。 ≪舌切り雀≫のお土産ではありませんが、なるべく数字が大きい物を買いたくなるのが人情。 そこで、300GBの物を最有力の候補にしていました。 今考えてみると、17000円といえば、四捨五入すると二万円なのであって、妥当価格の倍近くになってしまうのですが、品物を選んでいる時には、「買いたい買いたい」で頭がいっぱいになっているので、細かい所はすっとんでしまうんですな。

  候補を絞るに当たって、アマゾンで、カスタマー・レビューをかなり読んだんですが、ああいう個人的な意見というのは、眉唾でいけませんな。 誉めている意見は、メーカー・レビューを書き写したような事ばかりですし、貶している意見は、その人物が買った商品だけの欠陥なのか、製品全体の欠陥なのか区別がつきません。 大体、人間というのは、買った物に欠陥があると、頭に来てメーカーを糞味噌に貶したがりますが、問題なく動く場合は何も言いませんから、悪い意見ばかりが多く投稿されるのであって、カスタマー・レビューというシステムそのものに問題があると言えます。 保証期間があるんだから、正常作動しなかったら、交換してもらえばいいんだよ。 工業製品には必ず不良品があるの。 なんで、そんな単純な事が分からぬ? メーカーを完全無欠の神様だと思ってるのか?

  呆れた事に、「日本メーカーの製品なのに、本体の刻印を見たらサムスン製だった。 サムスンは不良品メーカーだ。 使ってみたら案の定不具合が出た。 韓国製品を日本製品に混ぜて売るな」などという噴飯な意見もありました。 馬鹿が。 今時、韓国製部品を使っていないパソコン関連機器など、この世に存在せんわ。 それに、サムスンが不良品メーカーなら、世界中の電機メーカーは全て不良品メーカーになってしまうぞ。 日本メーカーが必死で後を追いかけている世界のトップ企業だという事を知らんのか? まったく、差別主義者というのは救いようがない。 もともとの心がねじけている上に、情報収集能力も無く、常識的な事も知らない。 こういう気違いの投稿を放置しているアマゾンもアマゾンだな。

  激怒はさておき、300GBで一番安いI.O.データの製品を買おうと予定していたのですが、連休に入る前日に、HDDに記録する予定の画像を見返していたら、その余りの下らなさに驚いてしまいました。 「とても、17000円のHDDに入れるような代物ではないな・・・」と悟ってしまったのです。 みな外出用の安物カメラで撮った写真なのですが、画質が悪く、加工しなければ見れないような物ばかり。 使えそうな写真は、既に小さく加工して、他の所に記録してあるので、原版を残す意味はあまりありません。 実際に確認するまでは、こんなにひどい写真ばかりだとは思わなかったんですなあ。 我ながら、迂闊だった。 これなら、何かの拍子に失う事があっても、惜しくはありません。

  そう思った途端に、17000円の方が惜しくなったのです。 折り悪く、バイクの後輪タイヤの交換で15000円出て行った直後でもあり、吝嗇回路が作動して、財布の紐を引き絞ったという次第。 たかが五月連休の為に、32000円も使えるものかね!

  外付けHDDなんて、無ければ無いで、どうにかなるからいいんです。 今までだって、それでやって来たんだから。 「外付けHDDに重要なデータを保存しておけば、パソコンの買い替えや修理の時にデータの移送が簡単にできる」とも言いますが、私の場合、書いた文章のほとんどはネット上に置いてありますし、作動不安定ながらもCD-RWの記録もありますから、そんなに緊急性は無いのです。 パソコンを買い替える予定もしばらくありませんし、一・二年待てば、外付けHDDの価格が更に落ちるのは疑いないところ。 なぜ急いで買う必要がある? どうも、連休のイベント作りの為だけに外付けHDDを欲しがっていたきらいがある。 いかんなあ、こういう買物依存症的出費は。

  というわけで、外付けHDDは諦めました。 すまんの、I.O.データさん。 その気にさせてしまって。 いや、向こうは知らないからいいか。