2006/04/16

第七の言葉


  日本語、英語、韓国朝鮮語、中国語、フランス語の五つは、ある程度勉強していたので何とか文が作れたんですが、毎日言語を変えて更新するとなると、一週間は七日あるわけで、二つ足りません。

  そこで、たまたま数年前に古本屋で買って持っていた≪コンサイス独和辞典≫を引っ張り出し、ドイツ語を加えてみました。 ただし、単語はもちろん、文法すら満足に覚えておらず、翻訳ソフトを最大の頼りにしている有様なので、情けないほど単純な文しか作れません。 独和だけでは不安なので、早急に和独も買う予定です。 古本屋にあればの話ですが。

  さて、六つまでは何とか揃いましたが、最後の一つが困り果てました。 他に翻訳ソフトが使える言語には、スペイン語やロシア語などがあるんですが、翻訳ソフトという奴は、途轍もない誤訳を頻繁にやらかしてくれるので、それだけに依拠するというわけには行かないのです。 最低限、単語の意味を調べる為の辞書がいります。 外国語の文を書くためには、≪和○辞典≫と≪○和辞典≫の二冊が必要ですが、新品で買うと、一冊4・5千円するので、そうホイホイと買えません。 とりあえず、近隣の古本屋を回って、スペイン語かロシア語の辞書を探してみます。 Bloggerの閲覧者は、スペイン語人とロシア語人、同じくらいの割合だと思うので、どちらでも良いです。 


  実は、以前からアイヌ語を習ってみたかったんですが、アイヌ語は辞書が充実していないのです。 唯一本格的な辞書が、収録語数8600語で、一万円もするというからたじろぎます。 普通の国語辞典だと、5万語くらい入っていますから、8600はかなり少ない数字です。 アイヌ語においては、≪発展≫よりも≪保存≫の方が優先されているようで、現代的な会話に用いるために新語を追加する事は、控えられているようなのです。

  ネット上で、アイヌ語で会話をしている掲示板を探してみましたが、一箇所も発見できませんでした。 アイヌ語新聞などを見ると、現代語彙を書く時には、日本語の単語を流用しているようですが、日本語の単語が増えれば増えるほど、アイヌ文としての純度が落ちるので、書く喜びが損なわれます。 アイヌ語の基本単語を組み合わせて、新語を作ってしまうという手もあるはずですが、誰も試みていないようです。 話し手が極端に減ってしまっているために、「自分の一存で伝統的なアイヌ語を変えてしまうわけにはいかない」と畏れているように見受けられます。

  しかし、私個人の意見としては、アイヌ民族であれば、個人の一存で新語を作ってしまっても良いと思います。 言語は社会と個人の両方に属しますから、個人にも言語を変化させる権利があると考えられるからです。 むしろ、日本語が大量に混じる方が弊害が大きいでしょう。 日本語の単語を使いたくないがために、アイヌ語で現代会話をしないというのも勿体ない話。 だけど、こういう事は異民族があれこれ口出し出来ることではないですな。 まして、アイヌ語を追いつめた元凶の和人の分際で、そんな事をいうのは、厚顔無恥も甚だしい話です。

  現在、アイヌ語の文は、カタカナ表記とローマ字表記の二種類が並存していますが、音節末子音がある言語なので、ローマ字表記の方が適しているように思います。 音素数が少ないですから、独自の文字を作ってしまってもいいような気がしますが、これも、異民族がどうこう言う事ではないですな。 ちなみに、ローマ字で書かれたアイヌ文は、非常にカッコいいです。 日本語をローマ字で書くと、単語がやたらに長くなって、書くに堪えず読むに堪えない文面になりますが、アイヌ語は単語の文字数が短いので、カチッと決まるのです。 欧米語と違って、文頭を大文字にしないのは謎。

  とにかく、辞書が手に入らないのでは、アイヌ語の作文は当面、諦めざるを得ません。 図書館にはあるようですから、デジカメを持って行って、全ページ撮影して来ようか? 700ページあるから、見開きで撮影しても350枚・・・・ちと、きついか。 しかし、一万円はもっときつい。 ネット上で単語を拾って、自分で辞書を作る事も出来ますが、それも時間がかかりそうですなあ。 もうちょっと安くしてもらえんかのう。