2006/05/21

地球の為に


  原油供給が逼迫している現在の世界情勢を見ると、「地球上の資源の総量は限られているんだなあ」と改めて痛感します。 人間、生活が豊かになれば、それだけ消費するエネルギー量が増えるわけですが、全人類の半数以上が貧困状態にいる現在でも、こんな有様ですから、全員が豊かになって、貧困者がいなくなったら、原油なんぞスッカラカン、石炭もカラッケツ、樹木は薪にされて森林は丸裸、燃やせる物は何もなくなって、文明の大後退が起こるのは疑いないところです。

  「世界には、今日の食べ物も手に入らない子供達が何億人もいるんです」とかいって資金援助を募る広告を良く見ますが、その種の活動をしている人達は、貧困が撲滅されるという事がどういう事なのか分かっていてやっているんでしょうかね? いや、絶対分かっていないと思うね。 こういう種類の人間は、非常に単純な思考パターンに則って行動しています。 おそらく子供の頃に、「人を助けるのは、いい事だ」と意識の深層に刷り込まれ、それを疑った事も無いんでしょう。 そして大人になって、慈善団体などに首を突っ込むようになると、「地球上から貧困を撲滅しよう!」などという尤もらしいスローガンに陶酔して、猪突猛進するわけです。

  だけどなあ、ちっと考えてみろよ。 人類全員の生活を先進国レベルにまで引き上げたら、地球上の資源は、枯渇どころの話じゃない、瞬間的に消滅するんだぜ。 どうするんだよ、その後を? 「そんな極端な事ではなく、貧困による死者を無くす程度が目的」とでも言うかい? だけどなあ、豊かな人間が増えれば増えるほど、資源の総量は減っていくんだよ。 増えるなんて事はない。 その現実を変えられないだろう? どうするんだい? 破綻が目に見えているじゃないか。 貧しい人達を豊かにしてやろうとして、最終的には今以上に貧しくしてしまうのではないのかい? あんた方のやっている事は、近視眼的行動以外の何物でもないとは思わないかい?

  全人類が豊かになると、資源がなくなるだけでなく、環境汚染もどんどん深刻化していきます。 環境保全技術の開発なんて追いつくもんですか! ≪循環型社会≫などという言葉がありますが、本当に循環しているかどうか大いに疑わしいです。 ゴミの分別も、リサイクルも、実際には表面的パフォーマンスに過ぎないんじゃないでしょうか? 何をやるにもエネルギーは掛かるのであって、リサイクルをすればするほど、その為の新たなエネルギーが消費されていくのですが、どうもその辺の仕組みが理解されていないようです。 ≪エネルギー≫の概念を履き違えているとしか思えません。

  身近な例で一番滑稽なのは、≪牛乳パックで、クラフトワーク≫です。 地獄行きの大馬鹿だね。 よく見ろ! 新たなエネルギーを投入して、ゴミを増やしているだけなのが分からないのか! そのクラフトワークが、投入したエネルギーに見合うだけの役に立つというのか? 頼むから、何かをやる前に頭を使ってくれ! 脳味噌入ってるんだろう? 本当に地球が枯れてしまうぞ!

  人間にも生物の本能が残っていて、生活が楽になると子供の死亡率が下がりますから、子作りに励む理由が薄れ、人口が減ります。 これは自然の法則なんですが、国によっては、政策で人口を増やそうと目論む所があり、その理由が「年金制度を維持するため」とか言われると、そのあまりの利己的発想に頭痛がしてきます。 大馬鹿野郎め! 一人当たりエネルギー消費が多い先進国で人口を増やしたら、地球がいかれちまうじゃねーかよ! 一体どういうつもりなんだ! 何が、≪京都議定書≫だ! 当のホスト国が全然分かってねーじゃねーか!

  浜の真砂は尽きるとも、「困っている人達の為に何かしたい」と望む人は尽きないようですが、地球全体のバランスを考えもせず、「自分には何かが出来るはずだ」と考えるのは、不遜というものです。 あからさまに言ってしまうと、あんたにゃ、何にも出来ないんだよ。 やればやるほど、悪くなるんだよ。 もし何か出来る事があるとしたら、極力、エネルギーを使わずに生活する事ですかね。 先進国でエネルギー消費が減れば、発展途上国が使えるエネルギー量が増えますから、回りまわって貧困者の救済に貢献する事になります。 くれぐれも、逆の事をしないように。 逆の事というのは、「自分が行けば助けられる」などと思い込んで、飛行機で乗りつけたりする事です。 あんたなんか、来てくれなくてもいいんだ。 糞の役にも立たないんだ。 頼むから来ないでくれ。 何かしてくれるというなら、家でじっとしていてくれ。 そうすれば、あんたが使わなかったエネルギーが貧困者に回るんだ。

  それでもじっとしていられないという人は、いっそ死んでくれると助かります。 先進国の国民が一人死ねば、その人物が一生の間に使うエネルギーが浮きます。 人間、どんなろくでなしのゴロツキでも、穀潰しの能無しでも、寿命だけはやたら長いですから、一生に使うエネルギーは膨大な量になります。 樹木に換算すれば、標高百メートル級の山が丸裸になるほど使うんじゃないでしょうか? さっさと死んでくれれば、それだけ地球が助かる事になります。 こういう考え方は極端? いやいや、極端であっても、将来的に地球を悪くする事はない考え方だと思いますぜ。

  まあ、死ぬほどの事ではないと思ったら、何もしない事ですな。 もはや人間は、ただ生きているだけでも地球を追い詰めているのだという事を忘れないようにしましょう。 宇宙移民の時代になれば、状況は一変しますが、現在の宇宙技術では、夢のまた夢です。