2006/10/08

写真サイト

  自分のサイトの改造作業をしつつ、引き続き、写真サイトを見て回っています。 写真サイトのいい所は、コンテンツがほぼ共通していて、どこを見ればいいか直ぐに分かる事です。 大概、≪ギャラリー≫と≪写真掲示板≫、それと≪プロフィール≫を見れば、作者がどんな人か分かります。

  写真のジャンルは、多い順に、≪風景≫、≪花≫、≪動物≫、≪人物≫、≪静物≫となっているようです。 特に、風景と花は、ほとんど全員が撮っています。

  風景は、誰でも撮るが故に、良い写真を撮ろうと思うと、並大抵の腕ではそっぽ向かれてしまいます。 大抵の人間は物心ついて以来、風景写真を嫌というほど見て育ってきているので、目が肥えていない人というのが存在しないのです。 単に目に見える風景を撮影すればいいわけですが、やってみると、それが難しいのです。 遠出が出来ない人はダメ、早起きできない人はダメ、三脚などの器材を担いで歩く体力が無い人はダメ。 まあ、障碍だらけです。 それでいて、フォト・コンテストなどでは、風景写真はまず入りません。 やむなく、風景写真だけでコンテストをやっているような始末。 労多くして功少なしというジャンルです。

  花は、昔は滅茶苦茶難しかったんですが、デジカメのお陰で、だいぶ撮り易くなりました。 フィルム・カメラで屋外で花を撮ろうとすると、風が邪魔をします。 接写ですから、ピントはキリキリに合わせなければならないのですが、ちょっと風が吹いただけで、花が揺れて、焦点がずれてしまうのです。 そのせいで、昔私がどれだけフィルムを無駄にした事か。 それに比べると、デジカメは楽ですわ。 フィルム・カメラより撮像反応が速いので、花の動きを止められるのです。 この恩恵を活用して、花をメインに撮っている人はかなり多いです。 やっぱり、写真は華やかな色で埋っている方が綺麗に見えますからね。 「はーっ!」と感嘆するような素晴らしい作品を撮る人もいます。

  動物写真は、ペットを飼っている人に限られます。 動物園の動物も含めて、自分に馴れていない動物というのは、なかなか撮れないんですな。 私も飼っている犬や亀の写真は無数に撮れますが、外へ出ると、なかなか動物を撮る事が出来ません。 よその家の庭先に繋がれている犬を撮ると、覗きになってしまうのでタブー。 猫は路上をうろついていますが、止まってくれません。 近づくと確実に逃げるから、写真になりませんや。 動物園は、柵から動物までの距離がありすぎて、象やキリンのように大きい物を除くと、ろくな写真になりません。 望遠レンズが必須ですが、望遠で動く対象を撮るのは、恐ろしく難しいです。 同様に、野鳥の写真も、並々ならぬ腕がいります。 果敢に撮っている人がいるようですが、敬服に値しますな。 私なんざ、カラスやハトでさえ、まともに撮れません。

  写真の世界に片足突っ込んだ事のある人ならすぐにピンと来ると思いますが、人間というのは一番撮りにくいです。 まーず、モデルが見つかりません。 撮った写真を公開する事を前提にすると、ますます見つかりません。 家族や友人・知人をモデルにした場合、サイトに掲載する許可を取れるかといったら、出来んでしょう? そういうもんなんですわ。 そもそも、家族でも、ほとんど撮らせてくれません。 ≪ちびまる子≫のタマちゃんが怒るのも無理は無い事で、写される側にしてみると、ポーズを取らされたり、時間を拘束されるばかりで、面白くもなんともないんですな。 プロのモデルを雇って撮影している人もいるようですが、そういう人は大抵セミプロ以上で、サイトにも撮影依頼の料金表が出ていたりします。

  簡単に撮れるのに、割合人気がないのが、静物です。 静物と言っても、生け花や果物といった、室内の静物だけに限らず、街角にある物体なども含みます。 路上観察写真なども、ほぼ同じ物を対象にしています。 しかし、これをやっている人が少ないんですよ。 静物写真ばかりずらっと並んでいると、無味乾燥な感じがするのも事実で、たぶんそういう雰囲気を嫌っているんでしょうが、ちょっと勿体ない気もします。

  写真サイトの掲示板について、前回、「互恵精神に則った真面目で和やかなネット交際が維持されている」と書きましたが、未だに例外が見つかりません。 ただ、閉鎖したと思しき所はかなり見られました。 想像するに、なまじ交際が上手な人が多いが故に、お客が来すぎて、対応しきれなくなってしまうのでしょう。 私も一回だけ経験がありますが、一日当たり五件以上書き込まれると、レスが追いつかなくなります。 レスだけ打っていればいいというわけではなく、こちらも巡回に行かなければなりませんし、更新もしなければなりませんから、時間的・体力的にアップアップになってしまのうのです。 嬉しい悲鳴という奴ですな。

  写真サイトがいい事ばかりかというと、必ずしもそうとも言い切れません。 作品を大切に思うあまり、撮った写真のほとんどをギャラリーに掲載してしまう人が多いのですが、あれは非常にまずいです。 最初の内はいいですが、何年か続ける内に、写真の枚数が千や二千では利かなくなって、膨大な規模のギャラリーになってしまうからです。 個人の勝手といえば勝手ですが、見る側にしてみると、一つのサイトの写真は多くても百枚くらいにして貰わないと、食傷してしまうんですな。 自信作だけを出した方が、評価も高まると思うんですがね。

  中には、明らかに露出やフレーミングに失敗した写真を、そのまま出している人もいます。 デジタル的に無加工である事を重視して、敢えて修正していないのだと思われますが、オーソドックスな風景なのに水平が出ていないような写真を見せられると、その雑な感性に気分が悪くなってきます。 たとえ、フィルムで撮った物であっても、スキャナーを通した時点で変質してしまうのですから、最初から厳密性など無いわけで、デジタル加工を闇雲に嫌悪するのはどうかと思います。

  やたらと大きな原画像を掲載している所も、ちょっとねえ・・・。 基本的にネットに公開する写真は、800×600の画面で見た時に、上下左右がぴったり収まる程度の大きさに留めるのが良いと思います。 わざわざ、横スクロールしてまで見たいと思いませんから。 大きな写真を載せたがる人というのは、「誰かが、この写真をプリントするかもしれないから・・・」と期待し、なるべく高密度になるように配慮しているのだと思われますが、常識的に考えて、他人の撮った写真をプリントする人はまずいません。 利用するにしても、デスクトップの壁紙がせいぜいでしょう。

  ギャラリーのシステムですが、サムネイルが並んでいて、一枚ずつクリックして大きくしなければならない所は、見るのに大変不便です。 スライド・ショーもまどろっこしい。 ≪NEXT≫ボタンでどんどん先へ進める事が出来て、ワンセット見終わったら自動的にメニュー画面に戻るようにしあると、大変ありがたいです。 でもそういう所は、まだ一ヶ所しか見た事がありません。

  最後に実も蓋も無い事を言いますと、平均より著しく腕が落ちる人というのは、確かに存在します。 テーマはありきたり、構図はグチャグチャ、露出はおろかピントまで合っていない、自分のカメラの最短撮影距離を知らない、等々、写真を見ただけで顔を顰めたくなるようなひどいケースもあります。 撮影方法に関する本を何冊か読むだけで全然違ってくると思うんですが、なぜか勉強しようとしないんですな。 ただ、そういう人達でも、掲示板のレスを読むと、性格は大変良いです。 作品の良し悪しにこだわらず、撮影やサイト運営を楽しんでいるのでしょう。 それもまた良しだと思います。