2006/06/11

ノート型


  何気なく新聞を読んでいたら、パソコン活用法を紹介するコーナーに、「最近売れているパソコンはノート型が主流だ」とあって、びっくりしました。 ノート型ねえ・・・・。

  仕事で持ち歩かざるを得ない人がノート型を選ぶのは当然だと思いますが、家で使う場合、ノート型には何のメリットもないんじゃないでしょうか? 私はずっとデスクトップ型なので、実際に使用した事はないんですが、店頭のデモ機で触れてみたノート型の印象は極悪です。 あまり使いにくいので、今ではデモ機にすら近寄らなくなりました。 正直な感想、あんな不便な機械にデスクトップ型以上の大枚をはたこうという人の感覚が理解できません。

  とにかく、決定的な欠陥は、画面が暗いという事です。 ありゃもうどうしようもないですな。 同じ液晶でも、デスクトップ型で使う液晶モニターは十二分に明るいですが、恐らく、パネルの厚さの関係上、発光構造そのものが異なるんでしょう。 その事は、買う前に店頭で見比べてみれば一目瞭然で分かります。 ノート型の暗ぼったい画面を見ていると、だんだん気が滅入ってきますから、特に鬱の傾向がある方は避けた方が良いと思います。 いや、皮肉でなく、至って真面目な話。

  画面の暗さだけでもノート型を否定する充分な理由になりえるのですが、困った事にもう一つ重大な欠陥があります。 キーボードの作りが、ちゃちな事です。 これもデモ機で触ってみると、デスクトップ型との違いがすぐに分かります。 デスクトップ型のキーボードが、「カタ、カタ」という音がするのに対し、ノート型のそれは、「サク、サク」という感触がします。 静かなので、一見高級そうな感じがするのですが、それは真っ赤な勘違いです。 薄く、軽くする為に性能を落とした結果、たまたまああいう触感になっただけで、最初からそれを狙ったわけではないからです。 それが証拠に、デスクトップ型のキーボードを単体売りしている製品を見れば、ノート型と同じタイプのキーボードなど一つもありません。 もし、ノート型のキーボードが高性能であれば、デスクトップ型に流用されてもいいはずですが、メーカーがそれをしないのは、譬えて言えば、材木の変わりにダンボールで家具を作るようなものだからでしょう。

  ノート型のキーボードといえば、数字キーが独立していないのも不便。 「慣れれば大丈夫」と言う前に、デスクトップ型の10キーを使ってみる事をお勧めします。 最上段の数字キーなんか、全く使わなくなるから。 それに、カナ入力の場合、数字を使おうとするたびに、ローマ字入力に変更しなければならないのが癌。 変更したのを戻し忘れて、後の文を打ってしまった時のあの怒りは、何度やっても慣れません。 そうそう、矢印キーが他のキーの間に埋もれているのも問題ですねえ。 矢印キーの使用頻度は非常に高いですが、隣のキーが密着していると、打ち間違いが起こりやすいです。 あれを間違えた時の腹立たしさも、怒髪天衝きものですな。

  初めてパソコンを買う人が、「ノート型の方が進んでる」というイメージを抱いてしまう気持ちは分からないでもないですが、実際に使ってみれば、パソコンという機械が100%実用品であって、トレンドも糞も無いという事がすぐに分かると思います。 悪い事は言わんから、デスクトップ型にしときなされましな。

  既にデスクトップ型を使用した経験があるにも拘らず、「一度はノートを使ってみたい」とか「何となくカッコ良さそう」とかいう軽薄な動機で、わざわざノート型を買うという人もいますが、結局、「使いにくい~!」という事になるんじゃないでしょうか? もちろん、人間は見栄の塊ですから、そんな本心はおくびにも出さず、「やっぱり、今買うならノート型だよ」などと吹聴して回るんでしょうがね。 「自分だけが不幸になるのは許せん。 他の連中もみんな不幸にしてやる!」という、不幸の手紙的発想を抱く人もいるに違いない。 事程左様に、渡る世間は鬼ばかりなんですな。

  ノート型の利点として、「家中どこででも使える」と言う人がいます。 「冬場、コタツに入ったまま」とか。 でも、そんなのは利点とは言いません。 ノートパソコンをコタツの上に置いて、使える状態にするのに、どれだけ手間が掛かると思ってんのよ? 本体置いて、マウス・パッド置いて、マウス置いて、マウス・ケーブル接続して、LANケーブル繋いで、ACアダプター挿して・・・・と、それだけでも重筋労働ですが、更に馬鹿な人になると、プリンターまで歩くのが寒いからって、コタツの上にプリンター載せたり、デジカメ始め、外付け周辺機器を全部コタツ上に集積したり・・・・。
  そもそも、それ以前の問題として、パソコンというのは前傾姿勢で使うものですから、コタツで打ってたら、腰が痛くなって一時間も持たないって。 実際やってみりゃ分かるっぺよ。 結局、パソコンを効率的に使おうと思ったら、専用デスクを常設するしかないんですよ。 ノート型を使っている人でも、しばらく経てば、家の中で使う場所は一ヶ所に決まってしまうのであって、それなら最初からデスクトップを買った方が、遥かに使い勝手はいいです。

  それと、昨今、≪リサイクル・パソコン≫と称して、5年くらい前の中古ノート型を、5万円前後で売っているケースがありますが、あんなの買っちゃ駄目ですぜ。 5年も経てば、CPUの処理速度やHDDの容量が完璧に時代遅れになってますから、買った後で何をするにも制約が付き纏うようになります。 増設なんかするくらいなら、高くても新品のノート型を買った方がいいですし、デスクトップ型なら、5万円以下で遥かに性能が高い新品が買えます。 リサイクル社会の構築に協力するのは吝かではありませんが、パソコンのように性能の進歩が速い商品には不向きですな。 もちろん、昔のノート型は、今のノート型以上に画面が暗いです。 鬱病患者が手首を切る事疑いなし。

  暗いといえば、パソコンでテレビを見る人がいるようですが、あれも勧めません。 テレビ画像を映すには電力が少なすぎるのか、画面全体が異様に暗いのです。 そもそも、パソコンのモニターはノート型でもデスクトップ型でも、動画用に出来てないんですな。 反応も遅く、残像だらけで、アクション映画なんぞとても見れたものではないです。 イライラ、ストレスが蓄積して、鬱病患者であれば、頚動脈を掻き切る事決まったも同然。 論より証拠、店頭でテレビと見比べれば、すぐに分かりますって。 パソコンとテレビを兼用させようなどとセコい事言ってないで、中古の14型ブラウン管テレビでも買ってきた方が、よっぽどいい映像が楽しめます。

  最後に、注意書きですが、上に書いたような事は、セカンド・パソコンとしてノート型を選ぶ場合には全く適用されません。 二台持つなら、デスクトップ型とノート型にするのは当然です。 ただ、パソコンが二台あると、必ず、反応速度が遅い方を使いにくいと感じるようになり、買い替え衝動に襲われて、後はシーソー・ゲームになってしまうので二台持つ事自体を勧めません。