2025/01/12

鼠蹊ヘルニアから糖尿病 ①

  今回から、月の第二週は、闘病記になります。 健康な方は、全く興味がないと思いますが、他に書く事もないので、御容赦あれ。 例によって、日記ブログからの移植が主になります。




  鼠蹊ヘルニアとは、下腹と脚の境目で、腸が筋肉から食み出して来る病気です。 腸そのものが出て来るわけではありませんが、ゴルフ・ボール半球くらいの大きさに、下腹部が膨らむのです。 押すと引っ込みます。 また、体を横にしていると、引っ込んでいます。 即ち、寝たきりの人は、鼠蹊ヘルニアになっても、別段、支障はないわけだ。

  そもそも、鼠蹊ヘルニアが始まったのは、2023年の6月16日からなのですが、ほぼ同時に、新型肺炎の後遺症と思われる、右腿の痛みも始まり、私自身、何がどうなっているか分からない時期が続いたので、日記の記述も、分かり難くなっています。 腿の痛みは、その内、収まって、鼠蹊ヘルニアだけが残ったわけですが、23年から24年にかけての冬の間は、あまり、気にしませんでした。

  気になり始めたのは、2024年の夏になった頃で、それまで、出ている時もあれば、引っ込んでいる時もあったのが、立っている時には、常に出ているようになりました。 これはもう、気のせいなどと言っていられないと思い、病院に行く事を決意しました。 で、新型肺炎の感染者数か減る、秋を待った次第。 そこら辺りから、日記を紹介します。



【2024/08/05 月】
  昨年の6月16日から発症した、推定・鼠蹊(そけい)ヘルニアですが、ここ一ヵ月くらい、下腹の右下端に、ゴルフ・ボールくらいの半球形に、ボコッと膨らんだ状態が、見た目で分かるようになりました。

  これはもはや、心気症のレベルではないので、病院へ行って、手術する事を決意しました。 今は、新型肺炎が第11波の最中ですから、すぐにすぐには行けませんが、例年、10月頃になると、感染者数が減って来るので、そうなったら、行く所存。

  10年以上前に、兄が同じ病気をやっていて、兄の場合、悪化させて、救急車で病院に担ぎ込まれたのですが、そこまで ひどかったという事は、腸が出たまま戻らなくなる、「嵌頓(かんとん)」まで行っていたのかも知れません。 兄がやっていたから、私も、この病気の存在を知っていたのですが、知らなかったら、何が起こったのかと、プチ・パニックを起こしていたでしょうな。

  私の場合、最初の食み出し感があってから、すでに、1年2ヵ月近く経っているわけですが、疼きのような痛みが続き、立っている時や座っている時に、ゴルフ・ボールが出る以外は、極端な症状はないです。 おそらく、10月くらいまでは、このままなんじゃないでしょうか。 ちなみに、横になっている時には、重力で腸が引っ張られて、膨らみは、出ません。

「だったら、横になっている間に、治らないものか」

  と、思うでしょう? 私もそう思いましたが、いろいろ、調べたところ、治らないらしいんですよ。 病気ではなく、怪我でもなく、体の構造上の問題なので、自然治癒力が働かないらしいんですな。 手術以外、治療方法がないらしいです。 難易度が高い手術ではないが、専門医の手で、慎重にやらないと、再発する事もあるとか。 ちなみに、兄は、最初に担ぎ込まれた病院に、専門医がおらず、そうでない医師が手術した結果、再発。 さらに、再発。 合計、3回手術したそうです。 まあ、今は、普通に暮らしているようですが。

  兄弟で罹ったから、遺伝かな?とも思ったのですが、父は、なっておらず、母方の方も、該当者はいないとの事。 よく分かりませんな。 「鼠蹊ヘルニア」と言われると、知らない人が多いですが、「脱腸」なら、聞いた事があるのでは? 名前の滑稽さだけ知れ渡って、どういう病気なのか知らないのでは、意味がありませんが。 手術例は、盲腸よりも多い、割とありふれた病気らしいです。


【2024/08/11 日】
  鼠蹊ヘルニアですが、近隣で扱っている病院を調べたら、大きな総合病院だけでした。 今日日、総合病院にかかるには、かかりつけ医の紹介状が要るとの事。 小さい医院の経営を助ける為に、そういう制度になっているらしいです。 で、近場の医院を探したのですが、外科が異様に少ない。 痔の治療をやっている所だけです。 

  2012年に、疣痔を切ってもらった医院が候補に上がりましたが、当時の日記を読んだら、術後、大腸カメラを勧められて、やっており、今回も、行けば、勧められそうです。 そんな面倒臭い事には、関わっていられません。

  2016年に、父が階段から落ちて、頭を怪我した事があったのですが、その時に行った外科医院が、近所にあります。 そちらに行くしかないか。 未だに、スリッパ式なので、気が進まないんですが、マイ・スリッパで、対処する事にします。 いずれにせよ、9月の後半になってからですが。


【注】
  結局、かかりつけ医の紹介状は諦めて、総合病院へ、直接、行く事に決めました。


【2024/10/02 水】
  明日、鼠蹊ヘルニアで、総合病院へ行く予定なので、ネットでダウン・ロードした受診申込書に、先に書き込んでおきました。 外来受付が、7時半からで、診察は、9時からとの事。 朝食を食べたら、すぐに出かけなければなりません。 診察だけだから、正午前に戻れると思いますが。

  正直なところ、鼠蹊ヘルニアよりも、病院内で、新型肺炎をうつされる方が、心配です。 なるべく、外で待とうと思っていますが、そう、うまく行くかどうか。


【2024/10/03 木】
  30分、早く起きて、朝食・その他を済ませ、7時に家を出て、旧母自で、総合病院へ。 鼠蹊ヘルニアをいよいよ、何とかする為です。

  7時半から、外来の受付ですが、すでに、20人くらい待っていました。 番号札を取るのに気づくのが遅れて、22番。 しかし、それは、あまり関係がなくて、初診の場合、カルテを作るから、ひと通り、待っている人がいなくなってから、処置されました。

  外科の受付は、8時半からで、問診表を書いて、提出。 初診の人は、予約の人の合間に呼ぶと言われました。 9時から、診察開始で、待合室で、ずっと待っていましたが、なんと、呼ばれたのが、11時半でした。 予め、合間に呼ぶと言われていなかったら、耐えられなかったでしょう。

  診察時間は、10分以下。 症状を話したら、家族構成を訊かれました。 触診は、医師が薄いビニール手袋をして、行ないました。 「鼠蹊ヘルニアは、よくある病気だから、見ただけでも分かるけれど、一応、触ってみました」という感じ。 ちなみに、診察中、「鼠蹊ヘルニア」という言葉は一回も使われませんでした。

  すぐに、手術の話にはならず、まず、検査。 今日は、レントゲン、血液採取、呼吸力検査、心電図。 10日に、CTを撮ると言われて、帰って来ました。 9千円。 出費は、まだまだ、序の口です。 私は、心臓に不整脈があるので、もしかしたら、手術できないと言われるかも知れません。 その場合は、ずっと、この病気と付き合い続けるしかないです。 最初に症状が出てから、もう、1年以上経ち、だいぶ、慣れて来たので、それならそれでも、いいんですが。

  家に帰って、12時40分くらい。 天気がもってくれて、助かりました。 外掃除。 水やり。


  いよいよ、病院へ行ったわけですが、こうなったらもう、俎板の上の鯉です。 向こうの指示通りにするしかありません。 こういう厄介な病気をやると、「大金をかけてまで、治すよう価値が、自分にあるんだろうか」と、しみじみ、思ってしまいますな。 待合室に出入りする他の患者を見ると、圧倒的に高齢者が多くて、昔だったら、とっくにあの世に行っている歳だろうに、「やっぱり、みんな、生きられる限りは、生きたいんだなあ」と、つくづく、思わされます。

  医学や医療制度がなかったら、みんな、とっくに死んでいるのです。 動物の一種類としては、そちらの方が自然なのは、議論するまでもない事。 私なんか、23歳の時に、胆石をやっていて、医学がなければ、その時に死んでいたのです。 私の人生は、3分の2、医学のお陰で与えられた、オマケなんですな。 そう思うと、尚更、自分の命の価値が、少なく感じられて来るのです。


【2024/10/08 火】
  次第に、気温が下がって来て、血行不良による、手先足先の動きの鈍さが気になり始めました。 運動散歩に行きたいところですが、鼠蹊ヘルニアの飛び出しが気になって、運動そのものが怖くなっています。 手術前に、悪くするのも、馬鹿馬鹿しいし。

  これは、病院にかかる前にも考えていた事なのですが、たとえ、手術で、鼠蹊ヘルニアが治ったとしても、私が、完全な健康体になるわけではなく、歳を取るに連れて、どんどん悪い所が増えて行くのは、避けられないんですな。


【2024/10/10 木】
  午後から病院で、CT検査があるので、昼食は軽めにせよとの指示に従い、食パンを、1切れだけ食べました。

  2時45分から、母自で、病院へ。 今日は、検査だけです。

  心臓エコー。 他の部位のエコーと同じようなものですが、時間が、5分くらいかかりました。 技師は、私の背後にいたので、何をやっているのか、分かりませんでした。

  CT。 鼠蹊ヘルニアが出た状態で撮るので、うつ伏せです。 腹の上の方と、腿の下に、硬い枕のような物を入れ、鼠蹊部を浮かせました。 地味に、辛い姿勢。 まず、そのままで撮って、次に、右手の甲に注射針を刺し、生理食塩水と、造影剤を注入。 「熱くなりますよ」と言われ、確かに、腹の方が熱くなったような気がしました。

  これで、終わり。 10560円。 高いな。 料金を高くする為に、やらなくてもいい検査をしているような気もしますが、手術してもらえないと、困るから、そんな事は、口が裂けても言いません。 また、検査の結果、手術不可と言われても、文句を言うつもりはないです。 検査自体は、無駄にはならないと思うので。

  特に、気持ちが悪くなるような事もなく、自転車を漕いで、帰って来ました。 次は、一週間後の、17日です。 検査の結果を聞くという予定。




  今回は、ここまで。 ここまでは、順調だったのですが、この次の受診から、変調します。 思えば、この頃までの私は、幸福ではないものの、能天気でした。