2014/07/06

プリンターの出番

  プリンターが不調です。 完全に壊れたわけではないのですが、一部の機能が使えなくなっているので、「不調」としか言いようがありません。 今現在、私の部屋には、2台のプリンターがありますが、その両方ともが、「不調」。 何だか、気が滅入ります。

  そもそも、私が今までに買ったプリンターは、3台です。 日記から、記録を拾いますと、

Canon BJ F860    (2002年 7月29日購入)
Canon PIXUS 455i (2004年 5月15日購入)
HP PSC 1315     (2004年12月27日購入)

  ≪Canon BJ F860≫は、居間に置いてあったパソコン用に買った物。 私の家で、パソコンを最初に置いたのは、私の自室ですが、当初、プリンターに必要性を感じなかったので、1年ちょっと、そのままで過ごし、居間に、両親用のパソコンを買った後で、「年賀状の宛名を刷る事になるから」という理由で、初めて、プリンターを買ったのです。 買った時、すでに型落ちで、店頭現品限りの処分品でしたが、インク・カートリッジが、最新機種と同じである事を確認した上で、安いのを選んだという次第。 ちなみに、15800円でした。 6色独立インクだと、当時は、高級機の位置づけでしたから、まずまず、いい買い物だったと思います。

  次の≪Canon PIXUS 455i≫は、父の部屋のパソコン用に買った物。 いや、パソコン用というより、デジカメを買ってやった時に、「紙にプリントできなければ、面白くないだろう」という流れで、買ったもの。 これは、当時、現行機で、12300円でした。 インク・カートリッジは、黒とカラーの二つで、詰め替える時には、引っ繰り返して、滴下口から、一滴一滴浸み込ませるという、面倒な代物でした。

  ≪HP PSC 1315≫は、私が昔、ワープロで書いて、紙に印刷してあった日記を、パソコンに取り込みたくなって、読み取り機能がついた複合機を買ったもの。 アマゾンで、13188円でした。 ところが、買った後で、私が当時使っていた、イイヤマのパソコンでは、認識されない機種である事が分かり、顔色真っ青に・・・。 やむなく、日記の読み取りは諦めて、父の部屋にあった、≪Canon PIXUS 455i≫と交換してもらいました。

  この複合機も、インク・カートリッジは、黒とカラーの二つでした。 黒は、何度か詰め替えましたが、カラーの方は、一度もやりませんでした。 父が、パソコンにも、デジカメにも、すぐに飽きてしまって、自然にプリンターも使わなくなり、最後には、モノクロ・コピー機として、私が、たまに借りに行く程度になってしまったからです。


  この3台の内、私の部屋にあった≪Canon PIXUS 455i≫が、一番先に、2010年7月12日に壊れました。 機械部分の故障で、カタカタ、音がするだけで、印刷するところまで行かないという、絶望的症状でした。 保証期間はとっくに過ぎていたので、修理に出しても、新品を買うより高くつくと思い、埋め立てゴミに出してしまいました。 それ以降、4年間、私の部屋には、プリンターが無かったのですが、刷ろうと思えば、居間のパソコン・セットを使えば良かったので、特段、不便を感じませんでした。

  今年に入って、岩手異動前のゴタゴタの中で、父も母も、もう、インターネットをやらないという事が分かり、居間と父の部屋、2ヵ所のパソコン・セットを解体しました。 パソコンは、元箱に入れて、天井裏にしまったのですが、プリンターは、使わないと、壊れてしまうので、そういうわけにはいきません。 で、≪Canon BJ F860≫は、私の部屋に置き、≪HP PSC 1315≫は、岩手に持って行く事にしました。

  岩手に行って、≪HP PSC 1315≫を使ってみて、不調が判明しました。 インク・カートリッジは、黒もカラーも、新しく買った物を入れたのですが、純正だった黒の方は問題なかったものの、リサイクル・インクを買ったカラーの方が駄目で、黄色が出ませんでした。 こういう時、インクが悪いのか、プリンター本体が悪いのか、調べる方法がありません。 インクの方に問題がある場合、純正のカラー・インクを買って、入れてみればいいわけですが、それが、結構高い。 中古品でも、2000円くらいする。

  ご存知のように、日本国内に於けるプリンター市場は、本体を安くし、高いインクで利益を出すという、歪んだ商法が罷り通っているため、ほいほい気軽に、インクを買い換えるわけにはいきません。 「すでに保証期間を過ぎたプリンターが不調になり、本体が壊れている可能性がある場合、純正のインクを買い換えるより、本体ごと、新しい物を買ってしまった方が、無難、且つ、経済的」というのは、誰もが、実体験として、一度は考えた事があるのではないでしょうか。

  で、結局、岩手にいる間は、何の対策もせず、そのまま使っていました。 異動手続きで、バイクの登録証のコピーを取ったのが一枚。 退職手続きで、診断書のコピーを取ったのが一枚。 この二枚は、モノクロだったので、問題無し。 他に、≪牛の博物館≫の割引券と、水沢の観光マップを、カラーで刷りましたが、どちらも、色が変でも、問題無い物だったので、支障はありませんでした。

  その後、岩手で一敗地に塗れ、沼津に帰って来たわけですが、その際、≪HP PSC 1315≫も、元箱に入れ、パソコンの箱と一纏めにして、ヤマト便で送り返しました。 モノクロ・コピー機としては、問題なく使えるので、捨てて来るなどという発想は、微塵も浮かびませんでした。 帰って来た後、置き場所も、何とか、確保。 元から置いてあった≪Canon BJ F860≫で、年賀状や写真などを刷り、≪HP PSC 1315≫で、モノクロ・コピーをとるという、分業態勢が整ったかに見えました。

  ところがどっこい、そうは問屋が・・・、何と、≪Canon BJ F860≫の方まで、色がおかしくなっていたのです。 具体的症状としては、全ての色に、赤が重なり、青は紫になり、黄色はオレンジになり、赤はより赤くなってしまいます。 そういや、岩手に行く前に、詰め替えインクの補充をしたのですが、その時、マゼンタのカートリッジの、詰め替え孔のキャップを間違えて、細い物を挿してしまい、隙間から空気が入って、かなりの量のインクが滴下口から漏れ出してしまうという事件がおきました。 すぐに、キャップを太い物に換えて、漏れは止まりましたが、その後、一度も使わずに、岩手へ行ってしまったため、帰って来るまで、異常に気づかなかったのです。

  プリント・ヘッドを洗ったり、マゼンタとシアンのカートリッジを、入れ替えてみたり、いろいろと足掻いてみましたが、復旧しません。 次にできる事は、インク・カートリッジの総入れ替えですが、リサイクル・インクなら、600円程度で買えるものの、肝心の症状が、「色が出ない」のではなく、「色が重なる」のであって、カートリッジからインクは出ているわけですから、それを新しい物に換えても、意味は無さそうです。

  マゼンタ漏出事件が、不調のきっかけになった事は間違いないと思うのですが、その影響が、カートリッジやプリント・ヘッドに留まらず、本体の電子回路にまで及んだ結果、色が重なってしまうようになったのだとすれば、もはや、本体を買い換える以外、対策は無い事になります。 ううう・・・、まもなく、失業するというのに、電気製品を買うのは、懐的に痛い・・・。 たかが、600円ですから、とりあえず、カートリッジの総入れ替えを試してみてもいいのですが、そこまで考えて、ふと、ある事に気づきました。

「600円で直ったとして、正常になったプリンターを使う機会が、さて、どれだけあるのだろう?」

  そうなんです。 使わないんですよ、全然。 私の家での、プリンターの出番といったら、年賀状の宛名刷りが、最大の晴れ舞台ですが、それは、年に一回、せいぜい1時間程度の作業で、80枚前後、刷るだけです。 次の出番は、私が観光施設に出かける時に、ネット割引券を刷るという奴ですが、こんなのは、何年かに一度しか巡って来ません。 しかも、一回につき、一枚だけ。 更に、色がおかしくても、モノクロでも、なんら不都合無しと来たもんだ。

  三番目の出番は、もはや、出番とすら言えず、プリンターのインクが詰まるのを防止するため、定期的に、決まったパターンを印刷して、メンテしておくというもの。 私の部屋に、≪Canon PIXUS 455i≫があった時には、毎週一回、それをやっていましたが、面倒臭くて、仕方ありませんでした。 壊れて、処分した後、メンテから解放されて、ほっとしたくらいです。


  うーむ・・・、そう考えると、たとえ、600円であっても、プリンターを復調させるために、お金を使うなど、馬鹿げた行為に思えて来るではありませんか。 しかも、確実に直ると、決まっているわけでもないのに・・・。 あ゛~、モチベーションが下がる一方だな~。 本体の買い換えなんて、以ての外! 新品を買ったところで、どうせ、使わないから、その内、また、壊れるに決まっています。 複合機を買えば、コピーもできるので、2台を捨てて、新しいの1台になれば、1台分のスペースが空くというメリットも考えられますが、今のところ、差し迫って、空間を空けたい必要も無いのです。 もはや、モチベーションが、沼の底を這っている観あり。


  私だけでなく、プリンターを買ったはいいが、持て余している人というのは、たくさん、いるんじゃないですかねえ? 一体、何に使うのよ? 仕事で使っている人は別として、私用では、年賀状以外、「是非とも必要」という出番が無いでしょうに。 町内会で、組長の当番が回って来たりすると、配布文書を作るのに、プリンターを使う人がいると思いますが、そんな当番は、何十年に一回でしょう? それに、配布文書を作る際に一番困るのは、原本作りよりも、複写なのであって、原本を手書きして、コンビニやスーパーにあるコピー・サービスを使えば、自力でプリンターを買って刷るより、遥かに安く上がると思います。

  各種手続きで、免許証や証書のコピーが必要になる事はありますが、それも、年に何回も無い事なのであって、コピー・サービスを利用した方が、断然、安いです。 うちの近所のスーパーにあるコピー・サービスは、A4モノクロ1枚で、5円ですが、1200枚以上刷らないと、新しい複合機を買える金額になりません。 私に限って言うなら、死ぬまでかかっても、千枚もコピーする事はありませんな。

  その上、今回の私のケースのように、中途半端に壊れてしまうと、使える機能があると分かっていても、部屋に置いておくだけで、何となく、気分が悪い。 写真なんか、滅多に刷りませんが、「刷らない」と、「刷れない」は、意味合いが異なるわけでして、刷れないと分かっていると、「何の為に、狭からぬ場所を取って、プリンターを置いているのか・・・」と、当たり所の無い苛立ちを感じ、気分が鬱々としてくるわけです。


  そもそも、買わなければ、いいんですわ。 特に、一度買って、懲りた人なら、費用対効果に重々思いを巡らせ、「もう、買わない」という決断を、ためらうべきではありませんな。 使ーねーもん、買ったって、しょーがねーじゃん。

「プリンターが壊れた」
   ↓
「新しいのを買った」
「よし、これで、いつでも、何でも、印刷できるぞ!」
   ↓
「別に、これといって、刷る物は無い・・・」
   ↓
   ↓
   ↓
「げ・・・、いつの間にか、壊れてる・・・」

  この繰り返しでんがな。 無限ループでんがな。 興奮の山と、落胆の谷が、実によく現れております。

  つまるところ、プリンターというのは、必需品ではないんですな。 無ければ無いで、どうにかなるものなのです。 パソコンの周辺機器というと、一通り揃えたくなる気持ちは分からんではないですが、そんなのは、尻の青いネット初心者が囚われる煩悩でして、10年以上やっている人間なら、多少の分別はあって然るべし。 大体、周辺機器と言っても、ペン・タブレットや、WEBカメラのように、持っていない方が普通といった物は、いくらでもあります。


  で、結局、私の部屋の、不調プリンター2台は、どうするのかというと、どうにもしようがないので、苦々しいながらも、このまま置いておこうと思います。 それぞれ、年賀状の宛名書きと、モノクロ・コピーだけのために。 「モノクロ・コピーができるなら、そちらで、年賀状の宛名も刷れるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、それが、複合機の方は、前面給紙でして、紙がU字形に曲がる事になるので、葉書のように厚い紙を入れたくないのです。 なかなか、うまく行きませんな。