2014/08/03

沖縄旅行への経緯

  7月22日(火)から、31日(木)まで、10日間、沖縄旅行に行っていました。 なんで、突然、沖縄かと言うと、それは、退職した事と、密接な関係があります。 それに至る経緯を、公開日記の方から、抜粋しましょう。 



≪6月17日 (火)≫
  会社の福利ポイントが、70万円分も余っていて、これを捨てて行くか、旅行で使ってしまうか、決めなければなりません。 70万円の旅行なんつったら、あーた、海外旅行しかありませんが、在籍中に行かねばならないので、準備期間が足りません。 国内旅行にして、二回行けばいいのですが、30万円を超すのは、北海道ツアーだけで、他は、みんな、10万円くらいになってしまいます。 「激安!」とか、いらないんですがね。

  しかし、ようやく、故郷に戻れるというのに、早々に旅行に出るというのが、どうにも、気が重くて、仕方ありません。 正直に言うと、しばらくは、どこへも行きたくないのです。 行きたくない旅行に、無理に行ったのでは、楽しいわけがありません。 70万円を惜しいと思うからいけないのであって、気が進まない旅行に行くくらいなら、捨ててしまった方が、いいのかもしれません。


(註)
  まだ、岩手にいる頃です。 この時点では、まだ、大雑把な事しか分かっておらず、「30万円を超すのは、北海道ツアーだけ」といった情報も、自分で、ネットで調べて、得たものです。 大人になってからこっち、野宿ツーリング以外に、泊りの旅行をした事がないので、どういう種類の旅行があるのか、全然、分かっていない状態。

  旅行に行くのを億劫がっている様子が、文面に、ありありと出ていますが、旅行を面倒と感じる以上に、ポイントを捨てるのが惜しいと思っていて、結局、行く事になるのは、吝嗇家の哀しい性です。



≪6月18日 (水)≫
  今日は、出勤扱いではありませんが、退職手続きのために、午後から2時間ほど、会社に行って来ました。

  残っていた福利ポイントですが、計算し直してもらったら、75万円分でした。 ちっ・・・、使い道が無いお金ばかり、どんどん増えよる。 で、7月と8月に、それぞれ1回ずつ、国内旅行に行く事にし、沖縄と北海道で、プランを作ってもらう事になりました。 普通、退職直後の旅行と言えば、長年頑張った自分にご褒美のつもりで、贅沢するものですが、ポイント消化の為に、行きたくもない旅行に行くというのは、何なんでしょう? 一種の、罰ゲームか? もう、罰はいいっすよ。 こちらに移動する事が決まってから、もう、さんざんです。


(註)
  まだ、岩手です。 この日、最終手続きのために、会社に行き、そこを出た足で、会社の近くにある、「○△商事」という子会社の事務所に寄りました。 その子会社では、私の会社の社員福利関係の仕事を請け負っているのです。 その中の、最もウエイトの大きな業務が、福利ポイントを使った旅行の、計画及び、手続き代行。 私は、会社に、25年間、在籍していましたが、ポイントで旅行に行くという発想が全く湧かず、今までに一度も、利用した事がありませんでした。

  唯一、昨年暮れから、今年の初めにかけて、北海道応援の行き来で、片道3回分の航空券が必要になり、それを頼んだのが、この「○△商事」の静岡支所だったのですが、その時は、向こうの担当者が、自分の請けた仕事を同僚に丸投げしたり、私から依頼された事自体を、完全に失念していたりといった、呆れた事態が、続々と発生。 輪を掛けて、私が携帯電話を持っていなかった事もあり、北海道と静岡で、連絡がうまく取れず、実際に航空券が送られて来たのが、搭乗日の5日前という、ヒヤヒヤのやりとりでした。

  それに懲りて、「○△商事とは、もう二度と関わらないようにしよう」と、固く心に誓ったのですが、信心が無い者の誓いが守られるはずもなく、「なーに、今度は、岩手支所の人が相手だから、大丈夫だろう。 それに、どうせ、ポイントを捨てると思えば、駄目元だしな」と、開き直って、事務所を訪ねたのです。

  ここで、改めて、ポイントを計算し直してもらったら、70万円分ではなく、75万円分だったというわけ。 海外旅行の話は、最初から出ませんでしたが、事によると、○△商事では、国内旅行までしか、扱っていないのかも知れません。 私は、よく、2時間サスペンスに出て来るような、観光会社任せの、団体ツアーを想像していたのですが、話を聞いてみると、そういうのは、もっと予算が少ないケースであって、この金額では、沖縄と北海道に分けるとしても、それぞれ一回のツアーでは使い切れないとの事。

  で、リゾート・ホテルのツイン・ルームに一人で泊まり、観光貸切タクシーを頼めば、だいぶ、消化できるだろうというような説明を受けて、(それは、余計に面倒な事になりそうだな・・・)と思いつつも、これといった代案も無いので、「はいはい、分かりました。 別に、どんな旅行にしたいとか、希望はありませんから、そちらで、良いように取り計らって下さい」と、殿様みたいな事を言って、さっさと引き揚げてきました。



≪7月7日 (月)≫
  会社の福利ポイントの残りを使った旅行ですが、旅行プランの立案を頼んでおいた会社から、見積もりと日程が届きました。 7月は、沖縄で、期間は10日間。 長いようですが、その10日で、45万円使ってしまうというのですから、超贅沢な計画です。 2日間だけ、団体ツアーですが、残りは、貸切タクシーで観光地を回るとの事。 その場合、各観光地の入場料は、自腹になる可能性、大。 なんだか、福利ポイントの消化が目的でありながら、逆に、出超になってしまいそうです。

  ほんとは、旅行なんか、行きたくないんですがね。 強制移住の次は、強制旅行かよ。 もう、いいかげん、会社の呪縛から、逃れたいんですがね。 人生は、短い。 他人の都合に合わせて、自分の時間を捨てるのも、大概にしておかないと、死ぬ寸前に、後悔しそうです。


(註)
  岩手から沼津に帰って来たのが、6月24日の朝ですから、それから、もう、二週間くらい経った頃の日記ですな。 実は、岩手の○△商事事務所では、「一週間くらいあれば、プランが決まるから、沼津の実家の方へ、電話とファクスで連絡する」と、言われたのですが、その後、梨の礫で、10日以上経っても、何の連絡もありませんでした。 「どうしても行きたい旅行」というわけではないとは言え、75万円がかかっていると思うと、気にするなと言う方が、無理というもの。

  7月1日になって、不安メーターの針が振り切れ、向こうで貰った、担当者の名刺を引っ張り出して、メール・アドレスを調べ、その後どうなったか、問い合わせのメールを打ってみました。 返事は直ぐに来ましたが、「まだ計画中」との事。 しかし、どうやら、忘れていたのではないかと思われる感触でした。 やはり、信用できんのか、○△商事よ。 静岡支所も岩手支所も、同じ穴の狢なのか・・・。

  その後、7月7日になって、ファクスではなく、メールで、日程表が送られて来ましたが、なんと、ファイルがエクセルのもので、開きたくても開けません。 あのねー、事務職でもないのに、自分のパソコンにエクセルを入れている人間なんて、ほとんどおらんよ。 ネットしかやらんのに、エクセル入れて、何に使うのよ? やむなく、他のファイルで送ってくれるように、再度、メールで頼んだところ、今度は、PDFで来ました。 これなら、見れます。

  貸切タクシーで回る観光地の入場料ですが、この後、メールでやり取りを続けたところ、こちらから何も言わないのに、全体の半分くらいは、ポイントを利用して、クーポン券を取ってくれるとの事。 おお、それは、ありがたい! ここで、○△商事の担当者を、ぐっと見直す事になります。 同じ観光施設でも、タダで入るのと、自腹で入るのとでは、大違いですからのう。

  という具合に、着々と、計画が固まっていく一方で、旅行に行きたくない気持ちも、まだ、厳然として残っており、だんだん、気が重くなって行くのです。



≪7月17日 (木)≫
  会社の福利ポイントの余りで行く、沖縄旅行の、チケット類が届きました。 航空券や乗船券、貸切タクシー券、ホテルの予約券、観光地のクーポン券など、どれがどれだか分からないほど、ごっそりと。 これだけ、集めるのは、大変だったでしょうなあ。 そもそも、静岡の人間が、沖縄に旅行に行くのに、岩手の会社にプランを作って貰ったというのが、奇妙な図式だと思わんでもなし。


(註)
  ほんとに、ごっそり送られてきました。 宅配便のひらべったい奴で。 上に書いてある物の他に、沼津駅から品川駅まで行く、東海道本線・東海道新幹線の乗車券と特急券も入っていました。 当初、○△商事担当者から提案された予定では、品川から山手線で浜松町へ行き、そこからモノレールで羽田へ向かうルートだったのですが、私が、品川から羽田へ京急で直行するルートに慣れていたので、そちらに変えてもらいました。 沖縄が目的地なのに、東京で迷って、飛行機に乗り遅れるなんざ、滑稽至極ですけんの。

  チケット類を、実際に手にするに至って、それまで、ぼんやりしていた、旅行に行くという事実が、完全に現実化しました。 もう、行くしかないのです。 単に、福利ポイントを消化したいというだけの、超後ろ向きな動機から始まった事とはいえ、○△商事の担当者のみならず、旅行会社まで巻き込んでしまった以上、もはや、後には引けますまい。



≪7月21日 (月)≫
  明日、7月22日から、31日まで、10日間、沖縄旅行に行ってきます。

  会社の福利ポイントの余りを利用した旅行で、沖縄だけで、45万円も使います。 恐らく、私の一生の内で、最も豪勢な旅行になるはず。 ですが、困った事に、今の私は、「家で、のんびり暮らしたい」という気分に支配されており、旅行のように神経を使う事は、あまりしたくないのです。

  それに、根がケチな人間なので、豪勢をありがたく感じないのも、困った事。 泊まるのは、すべて、リゾート・ホテルですが、私としては、ビジネス・ホテルで充分なんですよ。 その方が、買い物の便もいいし。 リゾート・ホテルは、人里離れた所にあると、相場が決まっており、附近に、コンビニ一軒ありますまい。 あー、憂鬱だなー。

  まあ、決まってしまった事なので、とりあえず、行って来ます。 出かけてしまえば、どうにかなるでしょう。


(註)
  ホテルは、4ヵ所ですが、全て、リゾート・ホテルでした。 私は、大人になってから、一人でホテルに泊まった事が一度も無く、リゾート・ホテルも、もちろん、未経験。 「はじめてのおつかい」的な不安が、大いに盛り上がりましたが、その一方で、もう、長い事、生きて来たので、「世の中、そんなに、分かり難い事は無いものだ。 まして、一般人向けの宿泊施設なら、誰でも簡単に利用できるように、工夫されているはず。 行けば、何とかなるだろう」とも思っていました。 歳を取って、良かったと思うのは、こんな時くらいのものです。



  公開日記からの抜粋は、以上です。 この翌日、実際に、旅行に出かける事になります。

  荷物は、キャスター付きの旅行鞄が一つと、貴重品を入れるウエスト・バッグが一つ。 他に、ホテルに旅行鞄を置いて出る時に使う、ナップ・ザックを持って行きましたが、これは畳めるので、使わない時には、旅行鞄のポケットに入れていました。 旅行鞄は、北海道に応援に行った時にも使った物なので、機内持ち込みできる大きさである事が分かっています。 そこが、結構、肝心でして、荷物を預けるのと、預けないのとでは、飛行機から降りた後、空港から出るまでの時間が、まるで違って来るのです。

  着替えは、下着シャツ、パンツ、上着シャツが、着て行く物の他に、2着ずつ。 ホテルで、毎晩、洗濯する事を前提にしていました。 9着も持って行ったら、鞄がいくら大きくても足りません。 ズボンは、チノ・パンを一本、穿いて行き、他に、短パンを一つ、荷物に入れました。 あと、タオルを2枚。

  日記をつけるための、ノートが一冊と、シャープペン、一本。 39年前に、母が、≪沖縄海洋博覧会≫に行った時に買った、≪ブルー・ガイド・ブックス 沖縄≫が、一冊。 100円ショップの目覚まし時計が、一個。 同じく、100円ショップのスリッパが一双。 水を入れた、500ccのペットボトル、一本。

  今回は、あくまで、旅行なので、この程度で充分でしょう。 「足りない物は、現地で買う」というのが、昨今の旅の極意だそうですが、私の場合、「足りない物があったら、旅が終わるまで、我慢する」という方針で行こうと、思ってました。


  続きは、次回以降に。