2005/08/31

自転車


  いまや、自転車は子供の小遣いでも買える値段になりました。 安い物は7000円くらいで売ってますから、ゲームソフトを買うと思えば、何でもない金額でしょう。 だからなのか知りませんが、捨てるのも惜し気が無くなったようです。 資源ゴミの日にゴミ出し場に行けば、「この自転車はまだ乗れます。 ご自由にお持ち下さい」と貼り紙された自転車が何台も並んでいます。

  捨てるという事は、新しい自転車に買い換えているのだと思いますが、新品を買った所で、半年もすればくたびれてしまうのですから、勿体無いを通り越して、非常に無駄な事をやっているような気がします。 自転車は単純な機械ですから、消耗部品だけを交換していれば、ほぼ無限に使い続ける事が出来ます。 部品が手に入らなくなるという事もありえません。 たとえ、50年前の自転車でも、タイヤやチューブの規格は今に到っても変わっていませんし、ブレーキパッドなども、ブレーキごと換えるという手があるので、やはり無限の延命が可能です。

  昔の自転車と今の自転車の違いは、何といっても重さですが、わざわざ軽さを求めて買い換えるほど、技術の進歩が著しいわけではありません。 材質が鉄であれば、すでに20年前の時点で軽量化は限界に達していますから、これ以上の進歩は見込めないでしょう。 アルミなら、ぐっと軽くなりますが、その分値段も高いです。 私の先輩に、10万円で買ったオールアルミのマウンテンバイクを、まだ新品の内に盗まれてしまった人がいますが、気の毒で慰めの言葉もありませんでした。 盗んだ奴は、当然アルミだから盗んだものと思われます。 アルミ自転車は人力で持ち上げられるので、鍵をかけておいてもあまり役に立たないのが弱点です。 高いから狙われ、軽いから盗み易いというのは、泣きっ面に蜂ですな。 その点、鉄の自転車は、安心して停めておける気楽さがあります。

  今の高校生が乗っている自転車には、後ろに荷台が付いていません。 あれは、いいのか悪いのか、判断に迷う所です。 私自身は、高校の時、自転車通学でしたが、軽くしたいと思って、元々付いていた荷台を外して乗っていました。 学生だと、荷台に荷物を載せるような事は滅多に無いからです。 荷台がないと、持ち上げる所が無いので、スタンドが掛け難いですが、傾けスタンドならば、持ち上げる必要も無いと言うわけなんでしょう。 でも、傾けスタンドは風には非常に弱いです。 大人の場合、荷台は使いようでして、箱をつけるなど、うまく工夫すれば、車と同じくらい多くの荷物が運べます。 でも、最近はそういう賢い使い方をしている人の姿が減りました。

  大人になって車の免許を取ると、自転車から離れてしまう人が多いですが、勿体ない話です。 自転車には自転車の使い道がありますから、両者をうまく使い分けなければ損です。 買物一つとっても、車に乗ると、駐車場がある店にしか行かなくなります。 一見、行動半径が広がったようでいて、実は近くの店に行かなくなってしまうんですな。 馬鹿馬鹿しい話です。

  それにしても、自転車の後輪のドラムブレーキというのは、どうしてあんなにキーキー鳴くんでしょうねえ。 凄い音がして周囲の迷惑になるのが分かりきっているので、使いたくても使えません。 前ブレーキと同じようなタイプにすれば、静かになると思うんですが、何か技術上の問題でもあるんでしょうか? 謎です。

  最近、パンクしないタイヤのアイデアが幾つか実用化されています。 パンクは空気が減って来ると起こり易いので、タイヤの回転力を利用してポンプを動かし、常に空気圧を一定に保つという凄いメカもありますし、チューブの中に常温で固まるジェルを充填し、穴が開いても走り続けられるというコロンブスの卵的アイデアもあります。 自転車のパンクに悩まされている我が家では、真剣に検討してみましたが、どちらも値段が一万円以上するとわかって、スパッと断念しました。 自転車本体より高いタイヤを付けて走るわけにはいきませんからねえ。