2012/07/01

バイク・シート、切れる

  ここ1年ばかり、バイクの修理に関する記事が多いです。 それもそのはず、今乗っているバイクを買ったのは、2002年の5月ですから、すでに、10年選手になっており、あちこちガタが来ても、ちっとも不思議ではないのです。

  ちなみに、先代のバイクは、買ってから8年目に、エンジン・オイルの漏れが止まらなくなり、買い換えざるを得なくなりました。 オイル交換のたびに、エレメント(フィルター)を洗浄していたのですが、その蓋を留めているボルトの穴から、オイルが染み出すので、少しずつ強く締めて行ったら、やがて、ネジがバカになってしまい、オイルがボタボタ漏れるようになってしまったのです。

  エレメントは、エンジンの一番下にあるので、そこから漏れが始まると、止まっている時にも、間断無く漏れるようになり、もはや、日常的に使う道具としては、不適当な状態に陥ります。 家に置いてあるだけなら、エンジン下にトレイを置いて、漏れたオイルを回収しつつ、一週間に一度くらいの頻度で、新しいオイルを足すという対策も取れますが、勤め先の駐輪場では、そんな真似はできません。 買い換えざるを得なかったんですな。

「エンジンの部品ごと、換えてしまったら?」

  と思います? いや、私もそれは考えたんですよ。 でも、バイク屋の話では、バイクの修理というのは、エンジンを車体から下ろすレベルになると、工賃がどーんと高くなるのだそうで、10万以上かかるような話だったので、「もう8年も乗って、あちこち、ボロボロだから、そんなに、お金をかけてまで、延命するのも、馬鹿な話か」と思って、やめたのです。

  で、今のバイクに買い換えたのですが、先代の同轍を踏まぬよう、オイル交換時に、エレメントの洗浄をするのは、やめました。 「洗浄しなくて、大丈夫なのか?」とは、私も思いましたが、実際に、10年もったところを見ると、大丈夫のようですな。 エレメントと言っても、車に着いているような、綿状の物質で濾すわけではなく、金属の網に、大きなゴミを引っ掛けるだけの方式ですから、洗浄しなくても、さしたる障碍にはならんのでしょう。 

  車もそうですが、バイクというのは、ある年数を越えると、いろんな所が、まるで、示し合わせたかのように立て続けに壊れ始めます。 前のバイクも、終りの頃は、あちこち壊れて、上述したオイル漏れ問題が起こる前の時点で、すでに、10万円近く、修理代を出していました。 本体価格が、40万円くらいですから、修理に、4分の1かけてしまったとなると、「買い換えた方が得か?」と、迷い始めるわけです。


  今のバイクも、昨年の3月から、≪ぶっ壊れステージ≫に突入しました。 まず、エンジン・ヘッドからオイル漏れが発生して、修理代が6000円。 8月には、電気系統が壊れて、エンジンがかからなくなり、5万円が飛びました。 12月に、前後タイヤを自力交換して、13000円。 今年に入って、スピード・メーター・ケーブルが切れ、部品代が1300円。 5月には、フロント・ブレーキ・ディスクが割れ、パッドと合わせて、部品代が3000円ちょい。 この間に、ヘッド・ライトのバルブが、三回切れ、テール・ライトのバルブも一回換えました。 まあ、バルブ類の値段は、大した事はありませんでしたが。

  いやあ、こうして、列挙すると、壊れまくってますなあ。 勤め先で、「まーた、壊れちゃいましたよ~」と、自虐型の話題にするにはいいんですが、通勤を正常に続ける為には、否が応でも直さなければならず、面倒この上無いです。 バイクそのものを買い換えてしまえば、状況は一気に改善しますが、それにも、二の足を踏む理由があります。

  勤め先の工場が、いつ閉鎖になるか不透明なので、新しいバイクを買った場合、寿命半ばで不要になってしまう可能性があります。 会社が倒産しなくても、工場が閉鎖されてしまえば、他工場に移籍する事になりますが、岩手か宮城にしか工場は無いので、移住するか、会社を辞めるか、人生の岐路に立つ事になります。

  もし、移住した場合ですが、東北地方では、バイクは有効な移動手段ではありません。 冬場、雪が降ると、全く使えなくなってしまうからです。 バイクどころか、自転車にも乗れません。 車を買う事になれば、ケチな私の事ですから、バイクを趣味で持ち続けるという事はしないでしょう。

  一方、思い切って、会社を辞めた場合、もう、働くつもりは無いので、通勤の必要もなくなり、やはり、バイクは不要になります。 買い物に行くくらいなら、自転車で充分です。 私にとって、バイクとは、ほぼ100%、通勤用具なんですな。 連休にツーリングに行くのは、全くのオマケ的用途なのです。

  バイクというのは、趣味で持っていると、ツーリングにしか使えないのですよ。 自転車なら、普通の服装で乗れますが、バイクを出すとなると、メットはかぶらにゃならんし、手袋はしなきゃならんし、服は夏でも長袖を着なきゃならんし、冬は冬で、全身防寒しなきゃならんしで、もう大変。 その上、カゴなんて付いていませんから、ちょっとした買い物でも、リュックを背負わねばなりません。 手軽さに欠けるのです。

  いや、私の勤め先は、今のところ、倒産するような気配は感じられませんし、工場閉鎖の話は、時折、噂が流れるものの、現状では否定されており、こんな心配をするのは、杞憂に過ぎないかもしれませんが、一応、用心しておくに越した事はありません。

  もし、倒産も工場閉鎖も無かった場合、私は、バイク通勤を続ける事になりますが、それも、結局は、定年までの話。 で、1台10年もつとして、計算すると、もう1回買い換えれば、定年まで乗れるわけですが、今すぐ買い換えると、10年以上あるので、1台では足りなくなる恐れがあります。 できれば、あと、3年くらい、今のバイクを生き長らえさせたいところ。

  もっとできれば、あと、13年くらい、延命させられれば、もう買い換えなくて済むわけですが、さすがに、そこまで望むのは、神をも恐れぬ強欲か。 いや、強欲とは言いませんかね? 強欲というのは、次から次へ、新しいバイクを欲しがる輩の事を指すのに相応しい言葉でしょう。 私の場合、「買いたくない」と、言っているわけですから、正反対です。


  ・・・といった事を、チマチマ計算しながら、乗っているわけですが、先週、また、問題が発生しました。 今度は何だ? シートの表皮の継ぎ目が、切れ始めたのです。 うーわっ! もう、勘弁してくれよ。 ヤマハよ、どうして、継ぎ目のあるシート表皮など使うのだ。 一枚革で、出来るだろうに。

  今のところ、まだ、縫い目の糸が見える程度ですが、15センチくらい、切れ目が広がっており、このまま乗り続ければ、いずれ、バカッと口を開いてしまうのは、火を見るよりも明らか。 バイクの外見で、何がダサいといって、シートが破れて、スポンジが食み出しているのが、一番ダサい。 それだけは、避けたい。

  また、見てくれだけでなく、シート表皮が切れると、そこから、雨水が浸みて、スポンジが腐り始めます。 乗るたびに、ズボンが濡れるというのも、是非、避けたいところ。 家に置いてある時には、バイク・カバーをかけてあるからいいとして、乗っている最中や、会社にの駐輪場で雨に降られた場合、シートを濡らさずに済ますというわけにはいきませんからのう。


  最初に思いついた対策は、100円ショップで売っている、バイク・シートの補修テープを貼る事。 確か、どこかの店で見ました。 今日、行ってみたところ、近所の100円ショップには無かったのですが、ネットで調べたら、ダイソーの品で、そういうのがあるとの事で、それなら、駅北まで行けば、すぐ手に入ります。

  ところが、ネットで分かった事は、それだけではなかったのです。 さすが、安いだけあって、あまり、密着性が高くないらしく、真ん中を押すと、端が剥がれてくる率が高いとのこと。 これは、ダイソーの品だけではなく、ホームセンター扱いの高い物でも、似たり寄ったりの欠点があるらしいです。

  困った事がもう一つ。 私のバイクは、シートが、黒と灰色のツートンなのです。 そして、黒い部分と灰色の部分の境目が裂け始めているのです。 補修テープは、黒ですから、それを貼るとなると、灰色部分にも黒い補修テープが、ベタッとかかる事になり、想像するだに、貧乏臭い。 当て接ぎだよ。 アップリケだよ。 昭和中期の子供の服だよ。

  「いっそ、シートだけ買い換えては?」と思って、ヤマハの製品サポートを調べたら、在庫はあるものの、シート全体だと、26145円! 冗談はよせ、そんなに出せるか。 しかし、その下位項目に、シート表皮のみというのがあり、そちらは、10101円。 それでも高いですが、一応、半額以下ですな。 どうやら、バイクのシートというのは、表皮だけ張り替える事ができる模様です。

  で、更に、「バイク シート 張り替え」で、ネット検索してみたら、おやおや、結構、引っ掛かって来ましたよ。 いるんですねえ、自分で張り替える人が。 しかも、メーカー純正のカバーではなく、切り売りの合成皮革を買ってくれば、それでも行けるとの事。 合成皮革は、1000円くらい。 他に、≪タッカー≫という、ホチキスの親分みたいな器具が必要で、それも、1000円くらいとの事。 つまり、2000円あれば、張り替えられるわけだ。

  ここまで調べた段階で、もう、「自分でやるしかない」と腹を括りました。 しかし、失敗すると、翌日からバイクを使えなくなってしまいますから、おいそれとは取り掛かれません。 夏の連休を待つか、それ以前にやるとしても、充分な準備が必要です。

  だけどねー、今着いている純正のシートには、両サイドの後ろの方に、≪YAMAHA≫のロゴが入っているんですよ。 切り売りの合成皮革には、もちろん、そんなものは入っていないわけで、そこが、ちいっと、残念ですな。 いや、まだ、張り替えられるかどうかも分からないのに、今から、そんな事を残念がるのも、変といえば、変ですがね。

  実際に張り替えたら、また、その時、報告します。