2012/07/08

バイク・シート、張り替え準備

  破れ始めたバイク・シートを張り替える話ですが、前回の最後に、「実際に張り替えたら、また、その時、報告します」と書いて締め括ったにも拘らず、今回、いきなり、続編となりました。 まだ張り替えていないんですが、まあ、中間報告ですな。

  ・・・なんと言うか、今の私は、頭の中が、シートの張り替え問題でいっぱいでして、他の事を考える余裕がないんですよ。 民主党が分裂しようが、ロンドン五輪が迫ろうが、ヒッグス粒子が発見されようが、目下の私には、一切関係無し。 自動的に、ここの記事も、他のテーマを探す気分になりません。 勢い、書ける事と言ったら、シート張り替えに関する事に限定されてしまうのです。


  先週の日曜日、前回の記事をアップした日ですが、午後から、材料と道具を探しに、車で出かけたのです。 本当は自転車で行きたいところなんですが、雨だったので、やむなく、車を借りました。 父の車ですが、父はとっくに引退していて、車を使うのは、週に一回か二回程度なので、土日、私が「貸してくれ」というと、まず間違いなく借りられます。

  車を所有しておらず、たまに家族の車を借りて運転する立場の人間から言わせて貰いますと、車という道具には、雨の日にしか必要性を感じません。 バイクや自転車とは、屋根が付いているかどうか、ただそれだけの違いでして、もし、一人乗りの車があったら、私はそれで充分です。

  家族の成員が全て大人だと、一緒に出かけるという事はまずありませんし、大型家電でも買わない限り、荷物を積めるスペースも、さして必要とは思いません。 手提げバッグが一つ置ける場所があれば、それで、用が足ります。 雨の日に濡れさえしなければいいわけで、フカフカのシートも、ラジオも、CDプレーヤーも、カーナビも、エアコンも、ヒーターも、一切不要です。 そういうのは、移動用具の本来の目的とは、直接関係ないですからのう。

  ああ、ちなみに、エアコンをオートにして乗っている人が多かろうと思いますが、燃費を良くしたかったら、切ってしまって、他の方法で、温度調整した方が、利口ですぜ。 一度やってみれば分かりますが、エアコンをオンにした時と、オフにした時の、ガソリンの減り方は、まるで違います。 エアコン無しでも、窓を開けたり、送風だけにしたり、いろいろと、調整方法はあるものです。

  何だか、えらい脱線しとりますな。 で、日曜の午後に、出かけたんですよ。 買うべきものは、

・ 合成皮革
・ タッカー

  の、二点。 合成皮革は、ビニール・レザーの事で、リーズナブルな価格帯の革張りソファーなどに張られている表皮が、たいてい、それです。 他にも、「革っぽいけど、どう見ても、動物の革じゃねえな」と思うような革は、たいてい、合成皮革。 ネット情報では、長さ50センチで、1000円くらいとの事。

  タッカーというのは、前回も書いたように、ホチキスの親分みたいな道具で、革をシート本体に留める時に使います。 サイズが大きい以外に、文房具のホチキスと違うところは、受け側の部品を外す事ができて、挟み打ちだけではなく、押し打ちもできる事。 ネット情報では、これも、1000円くらいという話。 ただし、ダイソーにも置いてあって、315円で買えるという情報もありました。 それでいいなら、そりゃ、安い方がいいですわなあ。


  最初に行ったのは、沼津市の片浜駅の南にある、ダイソーです。 ここは、結構大きな店なので、期待して行ったんですが、タッカーはありませんでした。 なぜか、針だけ売っています。 ちっき・・・、本体が無いのに、針だけ買って、どな異性中年?

  ああ、ちなみに、ダイソーでの売り場は、工具コーナーです。 ホチキスの類似品だからといって、文具コーナーではないので、御注意。 工具コーナーは、ペンチとか、レンチとか、ビス・ボルトとか、そんな品が並んでいるところ。

  この店では品切れのようでしたが、針があるという事は、店によっては本体もあるという事ですから、近辺にあるダイソーを回ってみる必要がありますな。 うーむ、面倒臭い。 しかし、安さの魅力には抗い難い。 こうなったら、なんとしても、315円で手に入れなければ。

  次に行ったのは、ホーム・センターのカインズ・ホーム。 これは、片浜駅から、更に西に行ったところにあります。 もうちょっと行けば、富士市に入るような場所。 ここのカインズは、沼津市内では、最も大きなホーム・センターです。

  日曜の午後の事とて、客でごった返していました。 雨なのに、というより、雨だからこそ、車で行ける郊外の大型店に、人が集まるんですな。 いや、その気持ちはよく分かりますよ。 これといって、買う物が無くても、店に行って、ぶらぶらと商品を眺めていると、気分が晴れてくるものです。

  ネット情報では、「カーペット・コーナーにある」との事だったので、そこへ行ったんですが、カーペットしかありませんでした。 続いて、資材コーナーに行きましたが、そこにも無し。 何かロール状に巻いてあると思って近づいたら、亀甲金網でした。 金網でシートが張れるか! 次のロールは、波トタン。 トタンでシートを張って、座れるか!

  椅子の表皮の張り替えにも使うだろうから、と思って、家具コーナーに行ってみましたが、家具コーナーには、家具が置いてあるのであって、家具の材料を売っているわけではないという、甚だ常識的な事を再認識しただけで終わりました。 やむなく、人混みを縫って、店中探しましたが、結局、どこにも無し。

  青くなりましたよ。 だって、市内で一番大きなホーム・センターに無いとなったら、それより小さな店には、無くて当然という可能性が極めて高くなりますからねえ。 事ここに至って、心中に不安が増幅し始めます。

「もしかしたら、バイクのシートを張り替える奴なんて、ほとんどいないんじゃないの?」

  それどころか、

「もしかしたら、バイクのシートを張り替える奴なんて、半径100キロ以内に、一人も棲息していないんじゃないの?」

  とまで、訝り始めます。 店で探すのを諦めて、ネットで買うべきか・・・。 ネットでなら、通販されているのを確認してありましたが、そちらは、2000円で、純正品ほどではないにせよ、あまり安いという感じはしません。

  この時点で、午後2半時。 まだ時間があるので、念の為、清水町のホーム・アシストにも行って見る事にしました。 ホーム・アシストは、大きさは、沼津のカインズ・ホームと同じくらいですが、系列が違うので、商品も異なる可能性があります。

  ただし、沼津カインズと、清水町のホーム・アシストは、私の家から見ると、正反対の方向にありまして、西の外れから、東の外れに行くくらい、距離感が遠いです。 借りた車で、そんな長距離を走るのは気が進まないのですが、この際、仕方が無いか。

  国道一号に出れば、そのまま東行するだけで、自然に、清水町のホーム・アシストまで行けるので、運転は楽なんですが、国一の清水町近辺は、結構渋滞するのが厄介。 でも、この日は、雨だったためか、車の並びは、それほどではなく、思ったより、時間を喰わずに、到着する事ができました。 3時15分くらいでしたか。

  ただ、着いてからが大変でした。 立体駐車場が満杯らしく、整理係が、ライト棒を振って、入って来る車を全て、平面駐車場の方へ送り込んでいるのですが、彼らは、空きを確認してから入れているわけではないので、中に入った車は、自分で空きを探さなければなりません。 冗談じゃないですよ。 いつ空くか分からないところで、停車して待っているのも邪魔臭いなので、ぐるぐる動き回るのですが、一向に空きが見つかりません。

  10分くらいかかって、ようやく、駐車できましたが、それでも、運がいい方でした。 下手をすれば、諦めて帰らなければならなかったところです。 車から店に向かう途中、私より先に入ったのに、まだ駐車できないで、通路で空きを待っている車を見ましたが、お気の毒に・・・。 私が駐車できたのは、全くの偶然に過ぎず、動き回っていれば、早く見つかるというわけではないのは、経験則で分かります。

  幸いな事に、この店のカーペット・コーナーで、目当ての合成皮革を発見しました。 ありましたよ。 ネット情報は、嘘ではなかったのです。 1メートル、1280円で、私が必要なのは、50センチですから、640円で済みます。 純正の10101円に比べて、何たる安さか!

  色は、黒、灰、赤、白の四色がありました。 私のバイクのシートは、黒と灰のツートンなので、黒でも灰でもよかったんですが、灰色では汚れが目立つという事に気づいて、黒に決定しました。 時間が無いですし、何度も来るには遠いところですから、速やかな決断が必要とされたのです。

  係の人を見つけて、切って貰ったのですが、鋏ではなく、棚にセットする、大きなレール・カッターがあって、それで、スーッと一気に切る光景は、ちょっとしたアハ体験でした。 もちろん、切り口はまっすぐで、綺麗なものです。

  ロールの一番外側の表面に汚れが着いていて、「そのくらいなら、拭けば落ちるだろう」と思っていたんですが、何と、その係の人は、汚れが着いた部分を、40センチほど切り捨てて、綺麗な部分を出してから、私の分を切ってくれました。 職業意識の高い人もあったものです。 昔、文房具屋で、色画用紙を買った時、一番上にあった紙を、折れ目や皺がついているのに、そのまま売ってよこした厚顔なオバハンとは、天地の差です。

「よし、これで、合成皮革は手に入ったぞ。 これさえあれば、張り替えは成功したも同然だな」

  なんでやねん? いや、気分的に、そのくらい、昂揚していたという事です。 次は、タッカーだ。 先に行った、沼津カインズでは、合成皮革が無かった事にショックを受け、タッカーどころではなく、探しもしませんでした。 この、ホーム・アシストでは、工具コーナーに、タッカーがありましたが、職人が使うプロ仕様の製品で、安いのでも、6500円もしました。 いやー、これは、買えんなー。

  この時点で、3時45分。 我が家の夕食は、4時45分からなので、それまでには帰りたいところです。

「なに! そんなに早く食べるのか?」

  いや、私も、そう思いますが、そういう習慣だから、致し方ありません。

「夜中に腹が減らんか?」

  減りますよ。 でも、菓子とか食べますから、さして問題はありません。 いや、そんな事は、どうでも宜しい。 問題は、タッカーです。 この日は諦めて、後日を期そうかとも思いましたが、翌週は早番になるので、勤めの帰りに寄り道できるものの、平日に買い物をするのは、心理的負担になりそうで、気が進みません。

  ふと思いついたのが、ホーム・アシストから少し北上した、旧国一沿いにも、ダイソーの店舗があるという事でした。 小さい店ですが、すぐそこなので、覗いてみる価値はあります。 早速、裏道を抜けて、北上。 8分くらいで、着きました。

  嬉しい事に、ここの工具コーナーで、タッカーを発見しました。 商品名は、≪工作用ホチキス≫でした。 いやあ、店の大きさに関係なく、ある所にはあるんですねえ。 惜しむらく、本体だけで、針がありません。 本体のパッケージ内に、附属の針が入っているものの、多く見積もっても、200本くらいです。 何本使うか分からないので、できれば、補充用の針も欲しいところです。

  店の人に尋ねたら、バック・ヤードに調べに行ってくれましたが、返事は、「今、入荷待ちで、品切れ中です」との事。 うーむ、最初に行った片浜のダイソーには、針だけがあり、ここには、本体だけがあるわけだ。 先に、こちらへ来ていれば、順序良く買えたんですがね。 とりあえず、ここでは、本体だけ買って出ました。 315円。

  時間は、4時。 片浜まで、また戻るわけにはいきませんが、沼津市街にある青山ダイソーになら、旧国一を西進すれば、割と簡単に行けます。 45分あれば、何とかなるでしょう。 行く事に決定。 この日は、雨に追い立てられているせいか、何かと、決断が早かったです。

  4時20分頃、沼津の青山ダイソーに到着。 なんで、青山ダイソーと言うかというと、紳士服チェーンの青山の二階に、ダイソーが店を出しているからです。 沼津市内では、一番大きいダイソーだと思います。 交通量の多い道路に面しているのと、駐車場が狭いのが、玉に瑕ですが。

  ここには、タッカー本体も、針もありました。 最初にここに来れば良かったという見方もできますが、まあ、いいや。 予定していた半日で、必要なものが全部揃ったんだから、終り良ければ、全て良しという事にしましょう。 

  補充用の針は、1200本入りで、105円。 1200本もあれば、どんな失敗しても、足りなくなる事だけは無いでしょう。 問題は、315円のタッカーで、シート本体に針を打てるかという事ですな。 ネット情報では、「充分」という声も聞かれればば、「千円のでも、打てなかった」という意見もあります。 たぶん、タッカーの性能以外に、シート本体側の硬さの違いも関係しているのでしょう。 とりあえず、やってみなければ分かりません。

  青山ダイソーを出たのは、4時30分頃。 家には、4時45分ギリギリに着きました。 時間的には、ほぼ完璧な午後の過ごし方でしたが、ガソリンを相当使ってしまいました。 安い物を探す為に走り回って、高いガソリン代を払っていれば、世話はないか。 いや、父の車なので、私は滅多に給油しないんですがね。


  とりあえず、これで、バイク・シート張り替えの材料と準備は整いました。 善哉善哉。 とりわけ宜しいのが、材料費・道具代が、合計1060円で済んだという事です。 シートごと、純正を買えば、26145円ですから、26分の1です。 泣くほど、安い。 もっとも、張り替えに成功しなければ、更なる出費が発生する恐れがあるのですが・・・。

  張り替え作業は、天気が良くて、気温が高い日が良いとの話なので、土日がそういう条件になり次第、チャレンジしてみようと思います。