2014/08/10

沖縄の土を踏む

  沖縄旅行ですが、日程は、9泊10日で、ホテルは、石垣島に3泊、宮古島に2泊、本島北部に3泊、那覇に1泊しました。 10日間に及んだ長い旅行なので、紀行文風に記して行くと、膨大な量になってしまいます。 日記をつけるために、ノートを持って行ったのですが、帰って来てから数えてみたら、なんと、60ページも書いていて、我ながら、たまげました。 道理で、毎晩、四苦八苦したわけだ。 これだけの量になってしまうと、もはや、パソコンの日記に書き写すのは不可能。 そもそも、人様の目に触れるような書き方をしていませんから、そのまま出すという事はありえないのですが、これを要約するとなると、一から書くのと同じくらいのエネルギーが必要になってしまいます。

  ちょいと話は逸れますが、他人に見せる見せないは別として、旅行はもちろん、ちょっとした遠出でも、イベントでも、普段と違った事をやった後には、こまめに記録を取っておいた方がいいです。 人間、後々まで記憶に残る事など、ごく一部に過ぎず、細部は、時間の経過と共に、みんな忘れてしまいます。 また、記憶違いも、頻繁に発生します。 そういう時、書いた物が残っていると、確認ができますし、何より、読み返した時、実に面白い。 この世の中の読み物で、自分が体験した事を、自分で書き留めた文章ほど、我が事のように感情移入して読めるものはありません。 だって、我が事だものね。 箇条書きのメモのようなものでも、無いよりは、ずっといいです。

  話を戻します。 そういうわけで、文章の長大化を避けるため、行った先や、気になった事について、項目を立て、その感想を書くという形にしようと思います。 沖縄旅行に行った人は、無数にいると思いますし、私が回ったのと同じ所へ行った人も、たくさんいるでしょう。 何も私が最初の一人というわけじゃなし、探検記のように細大漏らさず書き記す必要はないわけだ。 ・・・と、開き直って。 その実、ただ、紀行文風に書くのが面倒なだけなのですが・・・。


≪家から、羽田まで≫
  北海道応援の時に使ったのと同じルートなので、不安は少なかったのですが、何せ、他人任せの乗り物の事ですから、油断はできません。 乗る飛行機は決まっていますから、それに遅れたら、アウト。 その後の旅行を続けたかったら、次の便の航空券を、自腹で買い直すしかなく、それだけで、何万円すっ飛ぶか分かったもんじゃありません。 自分が飛ばんで、金を飛ばしてて、何とする。

  まず、最寄のバス停から、沼津駅に行くのですが、路線バスが遅れて、早くもヒヤヒヤです。 出発日は7月22日の火曜日で、平日なので、8時半というと、通勤時間帯に入っているのかもしれませんな。 7分遅れで来ましたが、いつも、こんなに遅れるんですかね? バスの場合、渋滞があるので、電車の遅れに比べたら、まだ、納得し易いですが、それにしても、7分とは・・・。 電車の時間に、ゆとりを持たせておいて、幸いでした。

  ちなみに、駅までの運賃は、200円。 自転車なら、30分くらいで行ける距離なんですが、駅の近くには、自転車を10日間も置いておける場所がありません。 帰りの到着時刻が、夜になる予定で、バスが無い可能性が高く、その点でも、自転車の方が好都合なんですが、置き場所が無いのでは、是非も無し。 図書館の駐輪所に置きっ放しなどして、放置自転車として片付けられてしまっては、たまりませんからのう。

  沼津から三島までは、数分おきに、電車が出ています。 未だ大動脈の東海道本線なので、そこは便利なもので、東京方面、名古屋方面、どちらへ向かうにしても、何十分も電車を待つという事はありません。 沼津⇔三島間は、180円ですが、今回は、沼津から品川までの乗車券があったので、一円も払いませんでした。

  予定通り、9時20分のこだまに、乗れました。 北海道応援以来、新幹線には何度も乗っているので、感動が全く無くなっています。 三島から品川だと、途中駅は、熱海、小田原、新横浜だけで、各駅停車のこだまでも、遅いとは感じません。 というか、のぞみはもちろん、ひかりでさえ、三島に停まる便は、ほとんどありませんから、こだましか選べないんですがね。 ちなみに、小田原での停車時間が長く、そこで、のぞみやひかりに抜かれます。

  10時10分に品川に着きました。 ここで、私鉄の京浜急行に乗り換えます。 乗り換え用の改札を通れば、品川駅の中を通って、京急のホームへ直行できるのですが、私は、東海道本線と新幹線の使用済み切符を貰う必要があったので、JRの改札で一旦、外に出て、京急の切符売り場まで歩き、そこから、京急の改札を通って、再入場しました。 乗り換えが分り難い時は、一旦、外へ出てしまう方が、確実で、却って早いものです。 通勤客ではないのですから、一分一秒も惜しいというわけじゃなし。

京急・品川駅

  京急品川駅は、一本のホームに、次から次に、行き先の違う電車が入って来ます。 電光掲示板だけでは混乱するので、ホームに専門の案内係がいて、構内放送をしています。 これを聞き逃すと、大変。 羽田に行くには、エアポート快特が早いのですが、半年の間に、その事を忘れていて、ちょうど入って来た蒲田行きの各駅停車に乗ってしまいました。 まあ、これでも、行けるんですがね。 蒲田で乗り換えて、羽田へ向かいましたが、これも各駅停車でした。 まあ、着けばいいんですがね。

  品川から羽田までは、410円。 北海道応援の時は、400円でしたから、消費税増税の分、値上げしたんでしょうな。 いくら、ケチが信条でも、このくらいの出費は、気になりません。 ○△商事の担当者が計画した当初のルート通り、浜松町からモノレールに乗っていたら、自腹を切る必要はなかったかもしれませんが、その代わり、十中八九、迷子になっていたでしょう。 とにかく、飛行機の時間は、最も重要なので、絶対確実に間に合うルートを選んでおかねばなりません。 往復820円程度のお金には代えられますまい。


≪羽田から、石垣島まで≫
  羽田に着いてから、航空券を見たら、何と、座席指定がまだでした。 北海道応援の時には、片道4便、全て、事前に座席指定されていたのですが、こういう券も、あるわけだ。 ちなみに、券は、旅行会社のプリンターで打ち出したもので、A4の普通の紙です。 右下に、QRコードが入っています。 チェックイン・マシンへ行き、搭乗手続きをします。 まず、画面上の「バー・コード」を選びます。 実際には、QRコードなんですが、たぶん、分かり易いように、「バー・コード」と表示しているのでしょう。 後は、自分の場合に合う選択肢を選んで行くだけ。 座席を選ぶ画面になったので、後ろの方にしました。 窓側は全て塞がっていて、通路側しか選べませんでした。

  飛行機に、自力で乗った事が無い人の為に、ちょっと書いておきますと、航空券が無いのなら、まず、自分が乗りたい飛行機の航空会社のカウンターに行きます。 機械でも買えるようですが、最初は、係員に訊いた方が、確実です。 空港や航空会社によっては、機械が無い所もあるので、とにかく、カウンターへ行ってしまえば、どうにかなります。 ただし、格安航空でない限り、当日券を買うと、かなり高いです。 2ヶ月前から予約できるらしいですが、その期間内で、買うのが早ければ早いほど、安くなります。 半額くらいになるので、旅行の日程が決まっているのなら、早めの方が、断然、お得。

  航空券をすでに持っているのなら、この日の私のように、チェックイン・マシンに直行できます。 乗る前にやらなければならないのは、最低限二つで、「搭乗手続き」と「保安検査」です。 その搭乗手続きをするのが、チェックイン・マシンなんですな。 ただし、荷物を機内に持ち込まず、貨物室に預ける場合は、まず、「手荷物預かり所」へ行きます。 人が大勢、並んでいるので、すぐに分かります。 荷物を預けた場合、その場で、搭乗手続きもやってくれるので、もう、チェックイン・マシンに寄る必要はありません。

  ところで、「手荷物預かり所」と書いてあるのを、「手荷物 = 機内持ち込み荷物」と勘違いして、混乱に陥る人が多かろうと思いますが、「手」がついていても、それは、意味上、無視して宜しい。 航空会社側から見ると、乗客が持って来るのは、全て、「手荷物」なのであって、「荷物」と「手荷物」を区別していないのです。 区別があるのは、「預ける荷物」と「機内持ち込み荷物」の二種のみ。

  飛行機の大きさによって、機内持ち込みできる荷物の大きさと重さが違って来るのですが、予め、航空会社のサイトで調べて、もし、そのサイズ内に収まる旅行鞄があれば、そちらにした方がいいです。 「飛行機に乗る時には、荷物を預けなければならない」というのは、単なるイメージ、もしくは、思い込みであって、特に、国内旅行の場合、帰りはともかく、行きに関しては、そんなに大きな荷物にならない場合が多いですから、機内持ち込みできるサイズの荷物まで、律儀に預ける必要はありません。

  預ける時は、大抵、時間にゆとりがあるからいいのですが、下りた後、受け取るのに時間がかかるのですよ。 たとえば、300人乗った飛行機で、全員が荷物を預けていた場合、「手荷物受け取り所」では、一個ずつ、列になって、コンベアーの上を流れて来るので、最悪の場合、自分の荷物が出て来るのが、300個目になるかもしれません。 平均して、20分くらいは、ゆうにかかるのであって、その間、空港から出られません。 その点、機内持ち込みしておけば、自分で持って出るだけですから、飛行機から下りた後、ものの5分で、空港を出られます。 大違いでしょう?

  去年の10月末、私が初めて飛行機に乗った時には、席の上の荷物入れに、ギリギリで入るくらい大きな荷物を持ち込んでいる人を見て、「なんで、預けてしまわないんだろう?」と首を捻ったものですが、そういう人達は、旅慣れていて、空港から出る時間を惜しんでいたんですな。 次に乗るのが、バスにせよ、タクシーにせよ、早く、空港から出て来るに、越した事はありません。 特に、バスは、一本逃すと、一時間待ちなどというのが、ざらにありますから。

  で、搭乗手続きが済んだら、次は、保安検査です。 危険物を持っていないか調べる所。 機内持ち込み荷物と、身に着けている金属製の物を籠の上に出すと、向こうで検査機械を通して、危険物の有無を調べます。 結構、いい加減な所も多くて、腕時計は着けたままでもいいとか、小銭入れはポケットに入れたままでもいいとか、いろんなケースがありました。 スプレー缶や液体も検査対象なのですが、飲み物に関しては、自分で荷物から出すか、「中に入ってます」と言わないと、調べられない事が多いです。 ここでも、鉄道の改札係の極意が生きていて、係員が注意しているのは、物よりも、「人の挙動」なのかもしれません。 飲み物は、中身を調べる機械があり、「反応しなかったので、一口、飲んでみてください」と言われた事があります。

  一旦、保安検査場を通ってしまうと、後戻りできないので、注意が必要。 「展望デッキに上がってみたい」とかいう場合、そういう場所は、保安検査場より先には、絶対ありませんから、案内図を良く見て、先に寄っておくべきです。 それ以外の用事、たとえば、お土産を買いたいとか、トイレに行きたいといった事なら、保安検査場の先にもあります。 早めに空港に着いてしまうと、座って待ちたいわけですが、待ち合い場が、保安検査場の先にあるので、さっさと通ってしまった方が、体が楽という面もあります。 なぜ、保安検査場手前の出発ロビーに椅子が無い空港が多いのか、それは謎です。 到着ロビーには、大抵あるんですがね。

  そうそう、保安検査場を通る時、航空券のQRコードをかざす機械があり、そこで、「搭乗券」がプリントされて出て来ます。 大き目のレシートみたいな紙で、搭乗口番号と座席番号が印刷してあります。 航空券の段階で、座席指定されていれば、それらの番号はすでに分かっているわけで、この搭乗券は余分ですが、この時の私のように、空港に来てから座席が決まったという場合、搭乗券を見なければ、座席が分りません。 あと、社用で飛行機を使う人で、実際に乗った証拠が必要という場合、この搭乗券が証明になります。 航空券では駄目。 なぜなら、キャンセルして払い戻しを受けても、航空券は手元に残ってしまうので、不正が可能になるからです。

  搭乗手続きと、保安検査が終わると、待ち合い場で、自分が乗る便の搭乗案内が始まるまで待ちます。 ちなみに、搭乗手続きと保安検査は、早く済ませてしまっても、問題無いです。 同じ搭乗口から、先に出る飛行機が、何便あろうと、関係無し。 肝腎なのは、自分が乗る便の搭乗案内が始まった時に、そこにいる事ですな。 遅れるのは、駄目だけど、早過ぎるのは、問題無いのです。 ただ、待っているのが、退屈なだけで・・・。

  なぜ、「待合室」ではなく、「待ち合い場」というのかというと、「室」ではないからです。 「大きな部屋」と言えないでもないですが、ぶち抜き大空間なのであって、イメージ的に、「部屋」と掛け離れています。 そこに、ずらーっと、椅子が並んでいるわけですな。 前面の壁はガラス張りで、飛行機が見えますが、前の方の席に行くと、優先席になっていたりするので、注意が必要。 バスや電車の中ならともかく、なぜ、待ち合い場に、優先席があるのか、合理的な説明が思いつきませんが、つまらん事で他人から指摘を受けると、旅の記憶を汚しかねないので、避けておくのが無難でしょう。

  搭乗案内にも、優先順があり、まず、子供が一人で乗るケースから先に搭乗が許されます。 私個人の意見としては、子供を、一人で飛行機に乗せるような旅には出すべきでないと思いますがね。 「何でも、経験だ」とか言って、行かせるんでしょうが、そんな親心があるのなら、まだ、自力では一円も稼いでいない人間が、飛行機のように高い料金を必要とする乗り物に慣れてしまう事の方を警戒するべきでしょう。 自分が稼いだ金で乗るなら、何の文句もありません。

  容易に想像できるように、飛行機慣れした子供は、大人になれば、平気で飛行機を使う旅をしまくる事になるわけですが、よほどの高給取りにでもならない限り、常に素寒貧の経済状態になるのは、目に見えています。 飛行機の乗り方なんか、知らなくても、ちっとも恥ではありません。 現に、私は、去年の10月まで、半世紀近く、飛行機とは無縁で生きて来ましたが、その事で馬鹿にされた事など、一度もありません。 恥になるのは、自分の収入の限度を超えた旅行で、破産する事の方でしょう。 「こいつ、馬鹿でねーの? 大方、親も馬鹿だったんだろう・・・」

  次が、障碍者で、これは、納得できます。 一般客が搭乗し始めると、機内がごった返すので、体が悪い人では、席まで辿り着けません。 車椅子に至っては、二進も三進も行かなくなってしまいます。 その次が、乳幼児を連れた家族連れ。 私個人としては、こんなやつら、どうでもいいと思うのですが、幼児は、さっさと席に座らせてしまわないと、お祭気分で、うろうろして、他の客の邪魔になるから、致し方ないですか。 まったく、他人のガキほど、有害なものは無い。

  次が、ファースト・クラスや、プレミアム会員になっている客。 この人達は、それなりのお金を払っているわけで、納得できます。 ただ、国内線の飛行機だと、ファースト・クラスも、一般席も、大した差が無いような気がせんでもなし。 飛行機が墜落した時には、後ろの方が、生存率が高いのであって、わざわざ高いお金を出して、死に易い席を買うというのも、どんなもんでしょう?

  最後に、一般客になります。 いつも思うのですが、搭乗ゲートに並ぶ行列が、結構、割り込み自由なのは、不思議な光景です。 たとえば、一人が並んでいて、その家族が後からやって来て、ごそっと割り込む事がありますが、誰も何も言いません。 これは、全席指定で、早い者勝ちではないから、みんな、「最終的に、乗れればいい」と、鷹揚に構えているんでしょうねえ。 私は、それが分かっていても、割り込まれると、腹が立ちますが。

  搭乗ゲートでは、航空券のQRコードを機械にかざします。 日本航空では、A4の紙ですが、全日空では、チェックイン・マシンで搭乗手続きをすると、もう一枚、小さな航空券が出て来るので、保安検査場と搭乗ゲートでは、そちらについているQRコードを使います。 分らん時には、係員に、「どちらですか?」と訊けばいいです。 全日空の方が、券が一枚多くて、面倒ですが、A4の紙を持ち歩くのは、大き過ぎて、邪魔なので、わざわざ、小さい券を出しているのかもしれません。

全日空の、航空券・大(左)、航空券・小(右下)、搭乗券(右上)

  この時、私が乗った、石垣空港行きは、全日空でした。 まだ、待ち合い場で待っている間の事ですが、あいにく、台風が石垣島に近付いていて、「石垣空港に着陸できない時には、那覇空港に着陸する、条件付のフライトです」と、放送していました。 翌日からの予定が決まっている私としては、それは、非常に困ります。 で、ゲートの係員に、「那覇空港に下りてしまった場合、どうやって、石垣島へ行けばいいんですか?」と訊いたら、「それは、私どもで、手配させていただきます」との返事。 「今日中に着けますか?」と訊くと、「それは、まだ分りません」との事。 そりゃそうか。 だけど、マジで、困るのですよ。 石に齧りついてでも、今日中に、石垣島のホテルに入らなければ・・・。

  11時55分発の予定が、離陸したのは、12時10分頃でした。 「出発時刻は、離陸時刻の事なので、15分前には、搭乗ゲート前に来ていて下さい」と、くどいほど断る割には、飛行機の離陸時刻は、なりゆき任せのようです。 まあ、天候に問題があると、全ての便が、遅れ遅れになるので、仕方がないのですが。

全日空のレトロ・デザイン、≪B767-300≫

  北海道応援の時に乗った機体は、全日空も日本航空も、≪ボーイング777-200≫でしたが、この時乗ったのは、≪ボーイング767-300≫でした。 ≪777-200≫より、小さくて、ちと不安に。 また、外観の塗装が、昔のデザインで、垂直尾翼に、レオナルド・ダ・ビンチの飛行機械が描いてある、あれなのです。 乗ってしまうと、全く見えないので、外観をレトロ塗装する事に、どういうメリットがあるのか、よく分りません。 内装は、≪777-200≫より、角張ったデザインで、狭いのも加わって、ちょっと、圧迫感がありました。 ただし、これらの感覚は、相対的、且つ、主観的なものなのでしょう。

≪B767-300≫の機内

  私の座席番号は、「42C」。 行ってみたら、一番後ろでした。 よしよし、生き残る確率が、少し上がったぞ。 左列の、通路側。 ところが、幸運な事に、窓側の席は空席でした。 私がチェックインした時には、埋まっていたわけですから、その後、キャンセルされたんでしょうね。 単に、来なかっただけかもしれませんが。 で、離陸後、窓の方ばかり見ていたら、CAの人が来て、「空いてますから、窓側へどうぞ」と言ってくれたので、ホイホイ喜んで、席を移りました。

  私見ですが、飛行機に乗ったら、窓側に座らなければ、楽しみは10分の1以下です。 高い所から、地上を見下ろすのは、どうして、あんなに面白いのでしょう? 私の精神年齢が、子供だから? いや、そうとも限りません。 子供だからといって、窓にへばりつく者ばかりではないのであって、席に座るなりイヤホンの袋を破り、機内放送にしか興味がない、もったいない奴も多いです。

  あいにく、羽田から沖縄へ向かうルートは、本州・四国・九州では、陸地の上を、ほんのちょっとしか飛ばなかったのですが、奄美大島から先は、島々が、はっきり見下ろせました。 地図と見比べて、形が分るのが、また面白い。 旅行なんか、どうでもいいから、飛行機の窓からの景色をずっと見ていたい気分でした。

どこかの環礁

  飛行時間は、3時間弱。 食事は無く、ドリンク・サービスが2回来て、私は2回とも、ホット・コーヒーにしました。 3時間弱でも、食事が無いとなると、もしや、今の国内線では、一切、食事を出していないんでしょうか? 私の母が盛んに旅行をしていた、20年くらい前には、2時間以下の飛行でも、食事は必ず出たそうですが。

  ちなみに、客室乗務員の立場からすると、食事なんぞは、出さないで済めば、それに越した事はないと思われます。 ドリンク・サービスだけでも、結構、時間と手間がかかるのであって、それを食事なんかになった日には、あーた・・・。 狂ったクソガキどもが、席をぐじゃぐじゃにしてしまうのは、火を見るよりも明らか。 いっそ、ドリンク・サービスもやめてしまい、搭乗ゲートで、250㏄のペットボトルを選ばせるようにすれば、乗務員の人数を、もっと減らせるんじゃないでしょうか? それは、LCC的発想か。 いや、LCCなら、そもそも、何も出さないか。

  やがて、飛行機が石垣島に接近。 台風も接近。 高度を下げると、空は曇って、灰色と白しか見えません。 石垣市街が見え、旧石垣空港が見え、それから、新石垣空港へ近付いていきますが、猛烈な向かい風で、大型ジェット旅客機とは思えぬほどの低速になり、機体が、ガタガタ揺れ始めました。 もはや、五郎八航空の乗客になった気分。 一回で着陸しましたが、車輪が接地した後も、機体がバンバン跳ねて、引っ繰り返るんじゃないかと思いました。 何とか、無事、停止したものの、こちとら、魂が抜けてしまったような感じ。

石垣島に接近

  こんな悪条件で着陸したのは、機長の腕を誉めるべきなのか、慎重さに欠けると批難すべきなのか・・・。 ちなみに、同じ台風で、台湾の旅客機が、着陸に失敗して、大勢の死者が出ています。 ああ、怖い怖い。 こういう事を、機長の腕などという、あやふやなものに頼るのは、あまりにも無謀じゃて。 着陸失敗したのが私の乗った飛行機であっても、ちっとも不思議ではなかったのです。 もっとも、とにもかくにも、下りてくれて、予定が狂わずに済んだのは、感謝しなければなりませんが。

  私の場合、荷物は機内持ち込みしていたので、すぐに、外に出られました。 雨混じりの強風が吹いています。 この空港は、正式名称、「南ぬ島 石垣空港」と書き、「ぱいぬじま いしがきくうこう」と読みます。 後で知ったんですが、石垣島の言葉で、「ぱい」というのは、「南」の事を意味するとの事。 つまり、「南の島 石垣空港」という事ですな。 新しい空港ですが、そんなに大きいわけではないので、迷うような事はありません。

ぱいぬじま 石垣空港


≪石垣空港から、ホテルへ≫
  「そーんな細かい項目まで、立てんでえーわ!」と、憤るなかれ。 ここが、結構、苦労したのですよ。 計画段階での、○△商事の担当者の話では、「石垣空港からホテルまでは、バスが無いので、タクシーで行ってください」と言われ、「タクシー代は、ポイントから出るんですか?」と訊いたら、「出ません」との事。 ご丁寧に、「3500円くらい、かかるそうです」と付け加えてくれましたが、冗談じゃありません。 ポイント消化のために行く旅行で、なんで、私が、3500円も自腹を切らねばならんのですか! そんな金があったら、古本でも買うっつーの。

  地図を見たら、空港は、島の東の方にあるのに対し、ホテルは、西の端に近い所にあります。 どーしてまた、こんなに離れた所に、ホテルを取るかなあ? 「二日目と三日目が、離島ツアーで、石垣港から船が出るので、港に近い所が、便利だと思いまして」とか言っていましたが、いやいやいや、地図で見ると、港からも、充分に遠いのです。 島の南岸にあるホテルとしては、港から最も遠いと言ってもいいくらい、きっちり遠い。

  基本的に健脚な方なので、「タクシーに乗るくらいなら、いっそ、歩く!」とも考えましたが、手ぶらならともかく、旅行鞄を持ってでは、かなりきつそうです。 北海道応援の時、同じ鞄を持って、寮からバス停まで、40分くらい歩いた事がありますが、その時は、歩道の舗装がしっかりしていたので、ほとんど、キャスターで引いていったのであって、石垣島の歩道の状態が分らない時点では、そんな無謀な計画は立てられません。 それに、ホテルに入る時刻があまり遅くなっても、夕食時間の関係など、後々、面倒な事が噴出しそうな予感がしました。

  で、○△商事に丸投げを決め込んでばかりもいられなくなり、自分でネットで調べてみたら、・・・なんだ、バスがあるじゃありませんか。 空港から、港の近くにある、バスターミナルまで、540円。 更に、調べると、ターミナルから、ホテルまで行くバスもあり、そちらは、210円でした。 バス停の名前が、「○○ホテル前」なのですから、これほど確実な事は無い。 合計、750円で、タクシー代とは、桁が違う安さです。 インターネット、様様。 自分で調べておいて良かった。 人任せにはできんのう。

  その後、○△商事の方でも、調べ直したらしく、チケット類が送られて来た時に、一緒に入っていた日程表に、空港からバスターミナルまでのバスの発車時刻が書き込んでありました。 たぶん、最初は、調べるのが面倒だったんでしょうな。 気持ちは分からんではないですが、仕事でやっているのなら、もそっと職業意識を高めてもらいたいものです。 ただし、調べ直しても、ターミナルからホテルまでのバスの存在は漏れていたわけで、やはり、自分で調べておいて良かったわけです。 その距離だけでも、タクシーを使ったら、1000円以上かかっていた事でしょう。 そんな金があったら、古本を買うっつーの。

空港⇔バスターミナル間のバス

  で、実際に、石垣空港に下り立ち、バス停に行くと、すでに、ターミナル行きのバスが来ていました。 車内に入ると、「バスターミナル⇔空港 540円」と大きく書いた紙が貼ってあり、「よしよし、調べた通りだ」と、更に安心しました。 3時半、ほぼ満席で、出発。 サトウキビ畑がたくさんあり、つい、写真を撮ってしまうのですが、街路樹があるので、バスの側面窓から写真を撮ると、街路樹が流れて、ろくな写真になりません。 曇っていて暗いので、シャッター・スピードが遅くなり、ピントまで合わないという、最悪の撮影条件。

  石垣市街に入ると、街の様子は、静岡県と大して変わらず、ちと、がっかりしました。 旅の最大の楽しみは、自分が住んでいる所との違いを見る事なのですが、日本国内だと、どこもかしこも、嫌がらせのように似通っていて、およそ、変化がありません。 沖縄も、例外ではなかったか・・・。 実は、街路樹を始め、庭木、山の木など、植物は、だいぶ違うのですが、無知の悲哀という奴で、初日は、畑のサトウキビ以外、気がつきませんでした。

  市街地に入ると、地元の人が何人か乗り降りしましたが、空港から乗った観光客は、全員、バス・ターミナルまで行きました。 面白いもので、同じ飛行機で、空港に下り立った人達は、みんな、同じホテルに行くのではないかと思ってしまうのですが、それは単なる錯覚でして、ターミナルに着くと、即座にバラけました。 今時、旅は道連れでもなんでもないんですなあ。

  ここのターミナルには、バス乗り場が一ヵ所しかなく、行き先の異なるバスが、時間になると、その乗り場に入って来るという方式で、それが分るまで、ホテル行きのバス停を探して、不様にうろちょろしてしまいました。 しかも、ターミナルの窓口で、先に切符を買った方が良いというのです。 しかし、私の場合、発車時刻が迫っていたので、切符を買っている暇が無く、運転手さんに断った上で、整理券を取り、降りる時に払う事にしました。 ちょうど、210円持ってましたから、両替の手間も無いし。

  バスは、市街地にあるホテルを少し回った後、西の郊外に出て、あっという間に、私が泊まるホテルに着きました。 手ぶらなら、確実に歩けた距離です。 降りたのは、私一人だけ。 つくづく、旅は道連れではないのだなあ。 想像していた通り、ホテルの周囲には、コンビニはおろか、人家一軒ありません。 これだから、リゾート・ホテルは怖い。 人里離れた所を、わざと選んで建てているのですから、周りに何も無いのが当たり前なんですが、買い物は、ホテル内の売店に限られ、日用品の類いは、一切手に入りません。 「足りない物は、現地で買う」という、昨今の旅の極意が、通用しないんですな。


≪石垣島のホテル≫
  八重山諸島にいる3泊4日間は、このホテルに泊まる事になります。 フロントで、○△商事から送られて来た、旅行会社発行の宿泊予約券(ただのA4の紙に、プリンターで印刷したもの)を見せると、確認だけして、戻されました。 当然といえば当然ですが、宿泊予約は、コンピューターで管理されていて、私の名前は、すでに、その中に入っているわけです。 ただ、それとは別に、氏名・住所・電話番号を、専用の用紙に書かされました。 面倒な話で、本人確認が目的なら、免許証のコピーでも取ってくれた方が、楽なんですがねえ。 ちなみに、旅行中、車を運転する予定はありませんでしたが、何があるか分からないので、身分証明用に、免許証は、一応、持って行きました。

  チェックインの時、一番、注意して聞いておかなければならないのは、食事の方法です。 私の場合、夕食と朝食が、予約の中に入っていたのですが、このホテルでは、それぞれ、別の場所で食べるとの事。 あああ、面倒臭い。 これだから、ビジネス・ホテルで、朝食オンリー、バイキングくらいの方が、楽でいいというのです。 説明を受けた後、3泊分の夕食券と朝食券、それと、部屋のキー、キーの引換証をもらいました。 引換証というのは、外出時、キーをフロントに預ける決まりなのですが、帰って来た時に、キーを受け取るために提示する、カード大の紙です。 ただ、この引換証があったのは、今回の旅で、このホテルだけでした。

  部屋には、案内してくれません。 部屋番号を告げられ、自分一人で行きます。 これは、全てのホテルで同じでした。 中には、「荷物は、運んでくれないのか」と訊いているお客もいましたが、「ご自分で、お願いします」と答えていました。 恐らく、到着が何組も重なった時などに、人出が足りなくなってしまうので、最初から、そういうサービスはしていないのでしょう。 古い旅館や、高級ホテルなどと比べて、従業員の数が、遥かに少ないのではないかと思いました。 その点は、ビジネス・ホテルに近い運営方法なのだと思われます。

  私の部屋は、2階の、一番奥でした。 歩く歩く。 エレベーターもありましたが、2階では、待っている時間の方が長くなってしまうので、旅行鞄を持っている時と、疲れている時以外は、階段を使いました。 廊下は、曲がったり、戻ったり、スロープを下りたり上がったり・・。 旅館にせよ、ホテルにせよ、どうして、こう、入り組んだ建物を造りたがるのかは、大いなる謎です。 地形に合わせるからですかねえ。 単純な建物の方が、迷わなくていいと思うんですが。 どうせ、各部屋の造りなんて、大体、同じなんですから。

  部屋は、ツイン。 意味がねー。 今回の旅は、全ホテル、ツインでした。 リゾート・ホテルだから、シングルが無いのは、致し方ないか。 他の部屋の中は見ませんでしたが、ドアとドアの間隔は、どこも同じだったので、たぶん、ツインの部屋が多いのだろうと思います。 それでいて、二人連れで来ている客は少なく、家族連れが圧倒的多数なのです。

  夫婦と子供の組み合わせで来た場合、部屋をどうやって分けるのか、下司な興味が湧くところです。 子供は一部屋に押し込んで、夫婦は、もう一部屋で新婚気分なんでしょうか? いやいや、そうは簡単に分けられますまい。 子供だけでは、洋風のベッドや、ユニット・バスを安全に使うのは、かなり難しいです。 まー、んな他人事は、どーでもいーか。

ツイン・ルーム

  部屋は、綺麗なものでした。 まだ、ホテル自体が、新しいんでしょうな。 古くても、20年は経っていないと見た。 ベッド二つに、窓際に、応接セット。 壁の一面に、食器棚と、鏡台がついています。 ユニット・バスの広さは、まずまず、ゆとりがありました。 岩手で住んでいた、独身寮のユニット・バスに比べれば、遥かに上等です。 普通サイズのタオルと、バス・タオルが二枚ずつ。 これは、ツインだからでしょう。 他に、バス・タブに、タオルが一枚掛けてあり、「なぜ、こんな所にタオルが?」と首を捻りました。 このタオルが何なのかは、次のホテルへ行った時に、判明する事になります。

  バス・タブの土手に、ハンド・ソープ、シャンプー、コンディショナーのボトルが置いてありました。 やっぱり、あるんだなあ、こういうものは。 万一の備えに、石鹸を一つ持っていたのですが、それは、それで、洗濯するのに役に立ちました。 洗濯機と乾燥機は、ホテル内にあるにはあるんですが、どちらも有料。 それに、私の場合、一日に出る洗濯物は、上着シャツ一枚、下着シャツ一枚、パンツ、靴下だけで、洗濯機を煩わすほどの量にはなりません。 手で洗ってしまった方が、楽なのです。 結局、旅の間、毎日、手で洗濯していました。

  テレビは、もちろん、液晶で、地デジとBSが映りました。 沖縄県は、地方局が3つで、日テレに相当する局がありません。 しかし、私は、普段から、専らBSしか見ないので、別に問題ありませんでした。 鏡台の上に、ティッシュの箱あり。 これも、用心に、詰め替え用のを持って来ていたんですが、不要でした。 基本的に、日常生活に必要な衛生関係用品は、全て揃えてあるわけだ。 無いのは、電気髭剃り機くらいのもの。 T字剃刀はありましたが、あれで、髭を剃るのは、慣れとコツが要ります。

  ドライヤーは、最初から部屋に置いてあるホテルと、フロントに言えば、貸すというホテルがありましたが、ここでは、たぶん、後者だったと思います。 撮って来た室内の写真に、ドライヤーが写っていないので。 私は、髪が短いので、ドライヤーは用無しで、あまり、注意していないのです。

  湯沸し用のポットは、どのホテルでもありましたが、このホテルでは、電気ケトルがありました。 ユニット・バスの洗面シンクで、ギリギリ水が汲める背丈。 普通のポットだったら、汲めなかったと思います。 そうなると、バスタブの方についている蛇口から汲むしかありませんが、それはちょっと、抵抗を感じるところ。 別に、不衛生というわけではないですが、自宅では、まず絶対、飲み水をそんな所から汲んだりしませんから。

  「夏なのに、ポットがいるのか?」と思うかもしれませんが、要るんですよ。 よその土地に行った時には、水道水は、そのまま飲まない方が無難。 水が変わったせいで、腹を壊すのは、非常によくあるパターンです。 著名人の旅行記を読むと、「せっかく、ここまで来たのに、下痢でダウン・・・」といった記述が、かなり高い頻度で出て来ますが、ほとんど、飲み水のせいです。 食べ物の方は、一度加熱してあるから、あたる事は、そんなにありません。 水も、一度加熱してやればいいわけで、ポットは、そのために使えるのです。 水を買って飲む習慣がある人には、ポットのそういう用途は不要ですけど。

  とりあえず、鞄を開けて、荷物をテキトーに出している内に、はっと気づいて、家に電話をかけるために、ロビーに下りました。 私は携帯を持っていないので、旅先ではいつも、昨今めっきり減った公衆電話を探すのに、少なからぬ骨を折る事になります。 もっとも、旅なんて滅多に行かないから、そのためだけに携帯を契約するなど、馬鹿げた事ですが。

  ロビーをざっと見渡しても、公衆電話が無いので、フロントで訊いたら、「あります」と言って、わざわざ、案内してくれました。 ロビーの隅の衝立の後ろに隠されていて、なぜかと思ったら、そこの天井が、雨漏れだか何だか、とにかく、壊れていて、修理するまで、隠してある模様。 家に電話。 今や、骨董品となりつつある、テレホン・カードを使うのですが、さすが、沖縄⇔静岡間だけあって、どんどん、度数が減る。 とりあえず、無事に着いた事が伝わればいいので、飛行機の着陸が、えらい揺れた事だけ話して、さっさと切りました。

  部屋に戻り、日記を書いていたら、フロントから内線電話があり、翌日の西表島ツアーを担当している、「●●観光」という会社から、電話がかかっているので、繋ぐとの事。 嫌~な予感・・・。 話を聞いてみると、案の定、「明日のツアーは、台風で、水牛車が出ない事に決まったので、中止です」との事。 水牛車のせいにしているところが、カチンと来て、「西表島に渡るだけでも渡れませんか?」と訊き返したら、その場合、ツアーとは関係無くなるので、船賃は自腹になるとの回答。 いくらか訊いたら、往復で、3400円ですと。 高いわ。 しかも、船自体が、出るかどうか、朝にならなければ分らないと言います。 不確定要素が多すぎて、もはや、検討の余地無し。

  「ツアー代金は、旅行会社に連絡して、払い戻してもらって下さい」と言われましたが、そんな簡単な話ではありますまい。 石垣島在住者ならいざ知らず、こちらは、遠くから来ているのであって、西表ツアー代だけ払い戻してもらっても、後日、また、石垣島まで来るのには、何万円か飛行機代がかかるわけで、とても、足りません。 しかし、それ以上、文句を言っても、中止の決定が変わるわけではないので、不承不承ながらも、承って、電話を切りました。 観光の第一日目から、これでは、気分が腐るなというのが無理というもの。

  6時になったので、夕食に下りました。 ロビーへ行くと、フロントの係が出て来ていて、外にある、別棟のレストランへ行くように、教えてくれました。 レストランの海側に、大きなテラスがあり、パンフを見ると、そこにテーブルと椅子が並んでいて、屋外で食事する 写真が載っているのですが、台風で風があるせいか、その日は何も出されていません。 つまり、食事は、屋内オンリーなわけですが、私には、何の問題もありません。 むしろ、冷房が利いている所の方が、ありがたいです。

  夕食券は、予約されていたもので、メニューは決まっており、「和琉会席」「和洋会席」「バーベキュー会席」の3種類から選べるとの事。 せっかく、沖縄に来たのだから、御当地料理を食べようと思って、「和琉会席」にしました。 レストランで、会席料理というのは、どんな事になるのかと思っていたら、コース料理のように、一皿ずつ運ばれて来るのでした。 盛り付けは、和風、洋風の混合。 料理の説明をしてくれましたが、琉球料理に関する知識が、決定的に欠如している私には、猫に念仏、馬の耳に小判で、ほとんど、頭に残りませんでした。 覚えているのは、「ミーバイ」という魚の刺身だけ。 味は、どれもおいしかったです。 デザートのアイスクリームの種類を選べたので、沖縄らしく、「紅芋味」にしました。 これもおいしかったです。

  西へ来ているので、日が沈むのが遅く、暗くなるのも遅いです。 部屋に戻ったのは、7時頃でしたが、まだ、ゆうゆう、明るかったです。 私の部屋は、最奥である上に、窓が山側に向いていて、道路と、小高い丘と、その上にある病院の建物以外、何も見えません。 リゾート・ホテルでありながら、こういう部屋があるとは、意外という以外ありませんな。 恐らく、ツインといっても、一番安い部屋なんでしょうなあ。 福利ポイントを、45万円分も注ぎ込んだのに、ホテル代をケチっているのは、奇妙な話のようですが、9泊10日もあって、貸切タクシーを5日も使うから、ホテルの方まで、ゆとりが出なかったのかも知れません。

部屋の窓からの景色

  8時頃、すっかり暗くなってから、部屋の電灯を点けようとして、ある事実に気づきました。 この部屋。 天井に電灯が無いのです。 壁と鏡台脇と、ベッドの近くにスタンドがありますが、全部点けても、本を読むのに困難を感じるほどの暗さ。 寝るだけなら、明るさは要らないという事なんでしょうか? むしろ、ツイン本来の用途としては、明るいと、逆に不都合とか? いやあ、こういう事は、泊まってみなければ、分からんものですなあ。 こんな事を知ったって、後の人生の肥やしにはならないと思いますけど。

  日記を書き、洗濯し、シャワーを浴び、9時から、BSプレミアムで、≪ゴジラVSデストロイア≫を見ました。 つまらんものを見てしまった。 長い一日が、ようやく、終わりました。 無事に石垣島に辿り着けた点は、吉。 翌日の西表ツアーが中止になった点は、凶。 「明日は、どうやって、一日潰そうか・・・」と考えながら、眠りにつく事になりました。 30年ぶりくらいで、浴衣を着ましたが、寝ている間に、裾が捲れて、なんとも言えぬ不快感に悩まされながら・・・。


  信じられない話ですが、これはまだ、10日間の旅行の、第1日目の記録に過ぎません。 「長大化を避けるため」などと、前置きしながら、十二分に、長大化していますな。 こんなに長引くとは、誰が想像したでしょうか。 次回からは、もっと、簡略化する事にします。 それと、今回の前半、なんだか、紀行というより、飛行機の乗り方を説明したハウツー記事みたいになってしまいましたが、私が、ここで書いたような事は、二回くらい乗れば、誰にでも分かる事です。 少なくとも、国内線に関しては、どんな人でも、全く、恐るるに足りません。