2018/01/07

セルボ・モード補修 ⑩

  新年早々、去年の話で、鬼が怒り出しそうですが、それはどうでもいいとして、去年の11月に、私の車、セルボ・モードの、購入後2回目のオイル交換をしました。 「ただのオイル交換だから、わざわざ、記事にする程の事もないだろう」と、高を括っていたのが、やってみたら、思いの外、てこずりまして、ゆうに、記事一回分、埋められるボリュームになってしまったので、それを紹介します。




  11月13日に、車のオイル交換をしようと思ったのですが、5月に使った、手動ポンプが、なぜか、オイルを吸い上げくれません。 いろいろと、やり方を変えても、駄目なので、業を煮やし、上抜きは諦めました。

  上が駄目なら、下から抜くしかありませんが、ドレン・パッキンは、毎回、新しい物にした方がいいらしいので、まず、ドレン・パッキンを買いました。

≪写真上≫
  車の下にカメラを挿し入れて撮影したので、写りが悪くて恐縮ですが、エンジン・オイルのオイル・パンについている、ドレン・ボルトです。 銀色に光っているのが、ドレン・パッキン。 ドレン・ワッシャーとも言います。 アルミ製と、銅製があり、これは、アルミの色ですな。

   セルボ・モードの、F6Aエンジンの場合、ドレン・パッキンの内径は14ミリ。 外径が分からないので、ノギスを当てて測ったのですが、車を持ち上げないまま、腕だけ、車の下に突っ込んで、無理な姿勢でやったせいで、測るたびに数値が異なってしまい、「大体、20ミリくらい」という事しか分かりませんでした。

≪写真下≫
  アマゾンの、「ガレージ・ゼロ」というショップで買った、ドレン・パッキン、「GZMT64」。 外径20×内径14×厚さ1.5ミリのアルミ製が、3枚入りで、送料込み、98円。 13日に注文して、届いたのが、18日でした。 茶封筒で、郵便受け配達。



  11月22日に、オイル交換に、再挑戦しました。 セルボ・モードで、下抜きするのは、初めてです。 20代の頃に所有していた、初代ミラでは、最低、二回は経験していますが、具体的なやり方は、完膚なきまでに、忘れてしまいました。 ちなみに、バイクでは、大雑把に計算して、22年×3回で、60回以上、オイル交換しました。

  エンジンを温める為に、10分くらい、近所を走って来た後、今年の6月頃作った、カー・ステップを組み立て、車の前輪を載せて、持ち上げました。 ダンボール箱を開いて、エンジンの下に敷き、潜り込んで、作業します。 紺色のオイル・バットは、父の遺品です。 使う工具は、ドレン・ボルトを回す為の、コンビネーション・レンチだけなので、車を持ち上げる事さえできれば、割と簡単にできます。

  ただし、ジャッキ・アップしただけで、車の下に潜るのは、あまりにも、危険です。 ボルトを回す時に、横方向に力をかけると、車が揺れて、ジャッキが外れる事があるらしいです。 カー・ステップ、もしくは、カー・スロープを用意するか、ジャッキ・アップした上で、「馬掛け」という、車の落下止めを施すか、いずれかの対策が必要。

  油を扱う作業なので、汚れてもいいように、植木の手入れの時に使っている、作業服を着て、車の下に潜りました。 元は、勤めていた時の、会社の作業服ですが、未だに役立っています。



≪写真上≫
  ドレン・ボルトに、17のコンビネーション・レンチを噛ませて、左手でボルトの近くを押さえながら、右手で、レンチの端を、二回叩いたら、するっと、緩みました。 必要最小限の締め付けをしてあったようです。

  ところが、ドレン孔が、後ろ向きに開いているものだから、オイルが、後ろへ勢いよく飛び出し、オイル・バットに入らず、車置き場のコンクリートに、オイルの池が出来てしまいました。 先に新聞紙を敷いておけばよかった。 というか、ボルトを外す時に、一気に取ってしまわないで、噴き出すオイルをボルトに当てて、真下に落としながら、勢いが弱まるのを待てば良かったんですな。

≪写真下≫
  右側から順に、「ドレン・ボルト」、「外したドレン・パッキン」、「新しく買ったドレン・パッキン」。 外したパッキンが、新しく買ったパッキンより、大きくて、厚い事に気づきました。 買ったのは、20×14×1.5ミリですが、外したのは、22×14×2ミリだったんですな。 まあ、内径さえ同じなら、外径や厚さが違っていても、使えるから、いいんですが。

  ドレン・ボルトには、古いオイルが附着しているわけですが、パーツ・クリーナーなどで洗浄するのならともかく、そうでないのなら、汚れたウエスで、古いオイルを拭きとるのは、厳禁です。 ウエスに付いているゴミが、ネジの溝に入り込んで、締まらなくなる恐れがあるからです。 何でも、拭いた方が綺麗になるような気がするんですが、ドレン・ボルトに限って、それは、錯覚です。

  1時間くらい待って、ドレン・ボルトを締め直しました。 トルク・レンチがないので、締め付け具合は、大体です。 バイクの時も、それでやって来たから、たぶん、問題ないと思います。 ドレン・ボルトで気をつけるべきなのは、トルクの精確さよりも、斜め入りですな。 あれをやってしまうと、いろいろと、とんでもない事なります。

  新しいオイルを入れて、車の方は、完成。 しかし、その後、油まみれになったウエスを洗ったり、手動ポンプを洗ったり、コンクリートの油浸みを取ったり、そちらの方で、疲れました。




  とまあ、そういう経過だったんですがね。 少し補足しておきましょうか。


  手動ポンプは、今回は、一滴たりとも、吸い上げてくれませんでした。 つまり、チューブの先端が、オイルの表面まで、届いていないのです。 5月にやった時には、届いていたわけですが、なぜ、時によって、届かなくなるのか、原因は不明です。

  負圧タンクが付いたポンプなら、先にポンピングして負圧を作っておき、チューブの入り具合を加減しながら吸い上げられるから、タンクなしのポンプより、確実性が上がると思いますが、そもそも、チューブがオイル面に届かない事があるのでは、話になりませんな。 やはり、上抜きは、不確実性が高い。


  ドレン・パッキンは、10枚入りや、20枚入りもありますが、注文寸前に、たまたま、3枚入りで送料無料というのを見つけたので、そちらに飛びつきました。 3枚なら、たとえ、次の車検が通らず、車を買い換えるような事態に至っても、無駄にする枚数が最少で済みますから。 外径と厚さが違っていたのは、痛恨のミス。 測定を甘く見てはいけませんな。


  上抜きと違って、下抜きは、オイルが、どっと流れ出て来るので、「抜けたなあ」という感慨があります。 たとえ、抜いた量が同じでも、下抜きの方が、ずっと、気持ちがいいです。 5月から、11月まで、半年で、500キロも乗っていないのですが、オイルは、結構、汚れていました。 もしかしたら、新品のオイルを入れて、透明感が多少なりとも残っているのは、ほんの数十キロくらいなのか知れませんなあ。

  ちなみに、新しく入れたオイルも、前回と同じく、ホーム・センターで買って来た、「Techno Power 10W-30 4L」です。 税込み、998円。 前回の缶に、3分の1残っていたので、まずそれを入れ、新しく買って来た缶で、足りない分を補ったという格好です。 来年5月の分まで、その缶で、もつと思います。


  オイルを入れる時には、最初に、大体の分量を、少なめに入れて、その後、エンジンに付いている、オイル・レベル・ゲージで測りながら、少しずつ足して行きます。 最初に、どかっと入れて、入れ過ぎると、また、ドレン・ボルトを外して、抜かなければなりません。  鬱病になるほど、面倒臭いので、一か八かに賭けない方が良いです。

  車の説明書に載っている、オイル量の数値は、実際の交換作業をする上では、目安にしかなりません。 特に、オイル・フィルターを外さない時は、フィルター内にオイルが残っているので、「3リットルと書いてあるから、3リットル入るのだろう」と思って、入れてしまうと、確実に、入れ過ぎになります。

  「少な過ぎるとエンジンが焼けてしまうけれど、多い分には、問題なかろう」と思いたいところですが、私のバイク時代の経験から言うと、オイルが多過ぎると、エンジンの上の方の継ぎ目から、漏れ出し易くなります。 やはり、ゲージ目盛りの上限を超えないようにしておいた方が、無難。 もし、超えていたら、鬱病覚悟で、抜いて減らすしかないです。

  オイル・レベル・ゲージは、下限から上限の間に、そこそこの量の違いがあるわけですが、大体、真ん中あたりにしておけば、問題ないと思います。 抜いたオイルの量と、入れたオイルの量に、200~300ccくらいの差があると、ギョッとしてしまいますが、ゲージで測っているのは、オイル・パンに溜まっているオイルの量なので、たとえ、ゲージ上で数ミリの違いでも、数百ccの差になる事は不思議ではないです。


  車置き場のコンクリート面に、ドバッとブチまけてしまった、古いオイルですが、その時は、「しまった! こんなの、永久にとれないぞ・・・」と青くなったものの、オイル交換作業が終わるまでの間に、やり方を考えて、洗浄を施し、何とか、元の状態に戻しました。 参考になるかもしれないので、手順を書いておきます。

① ウエスや、ティッシュで、吸い取れるだけのオイルを吸い取ります。
② 中性洗剤を溶かした水に束子を浸けて、汚れた所をゴシゴシこすり、しばらく、置いておきます。
③ 惜し気のない雑巾を上に被せて、吸い取らせ、バケツに絞り出します。

  一度で綺麗にしきれなくても、②と③を繰り返せば、ほとんど、汚れが分からなくなります。 見た目、綺麗になったからといって、ホースで水を流したりすると、油が浮き上がって、道路の方まで、虹色になってしまう恐れがあるので、やめた方がいいです。(経験者・談)


  下抜きでオイル交換をした後は、乗るたびに、エンジンの下を、ちょこちょこ覗き込んで、オイルが漏れていないか、確かめます。 ドレン・ボルトそのものを見なくても、地面に油が垂れているかどうかで、判断できます。 その為にも、下のコンクリート面は、綺麗にしておいた方が都合がいいというわけです。