2017/12/17

時代を語る車達 ①

  タイトルから想像されるほど、御大層な内容ではないのですが、この半年くらい、カメラを持って出かけた先で、目についた古い車を撮影するようになり、それを紹介しようというシリーズです。 古ければ、何でも撮るというわけではなく、多分に私の主観で、被写体を選んでいます。




  7月3日に、折自で、愛鷹山麓にある、「蓮興寺」というお寺へ行った帰り、根方街道の沿道で、放置された車を何台か見ました。

  セルボ・モードの、SRシリーズ。 サイド・モールに、「TWINCAM 16 TURBO」の文字あるから、4気筒なわけで、「SR FOUR」ですな。 3ドアで、ルーフ・スポイラーが付き、エンジン・フードには、ターボ用のエア・インテークがあります。 同じセルボ・モードでも、私の、Mセレクションとは、ほとんど、別物という感じです。

  リヤ・コンビネーション・ランプは後期型ですが、インパネは前期型。 こういう組み合わせはなかったと思うので、たぶん、リヤ・コンだけ、後期型のものに付け替えたのだと思います。 インパネを付け替えるのは、大ごとですけんのう。 ホイールは、社外品のアルミ。

  どこかへ突っ込んだらしく、前が、ひしゃげています。 直さなかったところを見ると、エンジンや、シャーシーまで、潰れてしまっているのかも知れません。 ナンバーが付いたままというのは、どういう扱いになっているんでしょう? 

  奥にあるのは、スズキ・3代目アルト(1988-1994年)の、ワークスですな。 販売していた時期は、セルボ・モードと重なっていますが、半世代前のタイプです。 いずれも、よほど、お金をかけない限り、二度と走れないと思われるものの、部品が欲しい人は、宝の山に見えるでしょうねえ。



  同じく、蓮興寺の帰りに、別の空き地で見た、「ルノー 4(カトル)」。 1961から、1992年まで生産されていた、ロング・セラー車です。 もはや、放置車というより、廃車という趣きですが、やはり、部品が欲しい人は欲しいでしょうなあ。 日本では、さほど、知名度が高くないですが、いわゆる、名車でして、熱心なファンは、いると思います。

  ところで、ダイハツに、「ミラ・ココア」という車種がありますが、あのデザインは、このルノー4から、イメージを戴いたのではないかと、私個人的に、疑っています。 同じダイハツで、「初代ミラ・ジーノ」は、「英ミニ」、「エッセ」は、「ルノー5(サンク)」、「初代コペン」は、「ポルシェ356」と、どうも、手本が分かり易過ぎる気がしますが、そんな事に微塵も気がつかないまま、買った人も多い事でしょう。


  ルノー4と同じ所にあった、マツダの、オート三輪。 調べてみたんですが、たぶん、「T1500」という車種ではないかと思います。 1962年から、70年代初頭まで作られていたとの事。 ちなみに私は、子供の頃、オート三輪を見た事はあると思いますが、はっきりした記憶がなく、乗せてもらった事は、一度もありません。

  これは、もはや、ファンが欲しがるというより、博物館が見に来るような代物ですな。 一体、何十年、ここに、停まっているんだか・・・。



  7月22日に、象山(徳倉山)の、香貫台登り口の近くで見つけた、4代目ダイハツ・ミラ(1994-1998年)。 3ドアですが、5ナンバーなので、乗用タイプです。 アルミ・ホイールを履いています。 塗装にくたびれ感があるものの、大きな凹みや傷はないようで、大事に乗られている事が窺えます。

  この車、後ろ姿が、セルボ・モードに似ていて、見間違え易いのですが、セルボ・モードと同じくらい、この型のミラも、見なくなりました。 最終年の車でも、今年でもう、19年ですからねえ。



  9月1日に、我入道海岸まで、歩いて行った時、道すがら撮った写真。 ダイハツ・ミラの4代目(1994-1998年)です。 7月に、象山の麓で見つけたのとは、違う車両で、向こうは、乗用タイプでしたが、こちらは、4ナンバーなので、ボン・バンです。 ホイールは、シルバー塗装の鉄製。

  ちなみに、今は、極端に減ってしまい、ボンバン(軽貨物)を知らない人もいると思われるので、少し説明しておきます。 貨物車ですから、荷室を広く取る為に、後席シートが、乗用よりも、ずっと前方に設置されていまして、前席を、限界まで前に出さないと、後席に大人が乗る事ができません。 大人でも、女性だけなら、前後のスペースを案配して、何とか、四人乗れるか、といったところ。

  ただ、足元が狭い後席でも、小学生くらいまでの子供なら、さほど、無理なく乗れるので、80年代に、アルトやミラが登場した時には、子育て中の女性に受け入れられて、馬鹿売れしたのです。 登場した当初は、50万円前後と、安かったですし。


  写真の車に話を戻します。 経年で、塗装が艶を失い、のっぺりしてしまっていますが、キズや凹みは、見える側に関しては、ないようです。 これも、大事に乗っているんでしょうねえ。

  98年以前の軽ですから、旧規格で、車幅が狭いです。 私のセルボ・モードと同じ。 何の気なしに、ぶらぶら歩いていて、旧規格の軽を見られるのは、今くらいが限界で、あと、5年経てば、苦労して捜さない限り、見つからなくなると思います。

  セルボ・モードに似ているから、というのを別にしても、この型のミラは、いいデザインだと思います。 この後の5代目になると、妙にレトロっぽくなって、不格好になってしまうんですわ。 ミラ・ジーノのベースにする為だったのではないかと思っているのですが、本当の所は分かりません。 5代目に関しては、ミラを買うより、ミラ・ジーノを買った方が、満足度が高かったのでは? もはや、それすらも、昔話ですけど。