2017/12/24

時代を語る車達 ②

  前回の続きです。 このシリーズ、元は、日記ブログの方に出した写真と解説文を、移植しているのですが、組写真になっている物を分離したり、文章の手直しをしたりと、結構、手間がかかります。 時に、自分のやっている事が、全く無意味で、単なる時間の無駄なのではないかと思えて来ます。 いっそ、ブログなんか、やめてしまうかと思う事もありますが、そしたらそしたで、やる事がなくなって、生きる気力が失われてしまいそうなので、深く考えないようにして、続けている次第。




  9月3日に、折自で出かけ、これといった目的地もなく、東へ向かい、沼津市・大平で、狩野川左岸の土手に上がり、函南町・日守へ向かう途中、セルボ・モードを見つけました。

  前期型で、3ドア、色は紺。 12インチ用のホイール・カバーを付けていて、リヤ・ワイパーがないという事は、割と安いタイプです。 後期型で言えば、下から2番目の、Cタイプに相当するグレードだと思いますが、前期型のグレードが同じだったのかどうかは、不詳です。

  遠くから撮っているので、細部までは分かりませんが、外観の程度は良さそうです。 惜しむらく、置かれていた場所が、整備工場の敷地の片隅だった上に、車内は、半ば物置化しており、もはや、現役ではないように見えました。



  同じく、9月3日、日守大橋を渡ったのですが、橋の上から、河川敷を見下ろしたら、畑の中の道に、トヨタの初代プレミオ(2001-2007年)が停まっていました。

  私は、この型のアリオン・プレミオが好きでねえ。 日本で作られたセダンの中では、最も完成度が高いデザインだと思います。 細かく言えば、後姿は、トランクにもランプがあるプレミオが良く、前側は、アリオンの方が、締りがあって良いです。 この型に比べると、現行の2代目アリオン・プレミオは、かなり劣り、残念過ぎて、目を背けたくなります。

  トヨタも、どうせ、もう、セダンなんて、ろくに売れないのですから、この型のアリオン・プレミオを復活させて、小改良だけしながら、細々と売り続ければいいのに。 これ以上のセダン・デザインは、今後とも、出て来ないでしょう。 セダンに乗りたい人は、昨今の、グラフィックばかり凝ったトヨタ・デザインなんて、全然、いいと思っていないんですわ。 いいと思っていないばかりか、「恥ずかしくて、乗れたもんじゃない」と思っているのです。



  9月5日、香貫山に登り、沼津斎場の裏に下りた時、斎場の入り口横に停まっていた、三菱ミニカの7代目(1993-98年)です。 後ろに、「グッピー」というロゴが入っていますが、グレードだったのか、特別仕様車だったのかは、不詳。 3ドアですが、5ナンバーなので、乗用です。 ホイールは、黒塗りの鉄製で、元は、ホイール・カバーが付いていたのでしょう。

  バンパーに、多少、塗装の剥がれがあるものの、目立つような凹みはないようです。 しかし、塗装の艶が失われている上に、水垢の線が入っていたりすると、どうにもこうにも、古ぼけて見えます。 大金をかけなくても、丁寧にコンパウンドをかけ、塗装を補修すれば、ぐっと良い見てくれになるんですがねえ。

  ネットで調べるまで、いつ頃売られていたのか、すっかり忘れていましたが、旧規格の軽だったんですな。 今の若い人には、区別がつかないと思うので書いておきますと、丸っこいスタイルですが、これ自体が、レトロ車ではなく、レトロ仕様は、また別にあります。 このデザインは、当時、最先端として出て来たもの。 その点は、セルボ・モードのデザインと変わりません。

  このデザイン、丸系統では、一つの完成形と言えるもので、日本車に限定するとしても、スバル360(1958-70年)に匹敵する価値があると思うのですが、なぜか、世間的には、そういう目で評価されてはいないようです。 しかし、砲弾型スタイルの車ばかりになってしまった今、この車に乗っていれば、人目を引くのは、間違いないわけでして、今後も、実際の注目度は高まる一方でしょう。 所有している人は、大事にして欲しいものです。



  10月7日に、御用邸裏まで、歩いて行った帰りに、ショッピング・センターの駐車場で撮った、スズキの、Keiの写真。 1998年から、2009年まで、足掛け12年間も作られていた車種です。 まだ、生産中止から、10年も経っていないわけで、今でも、いくらでも走っていますが、気づかないだけで、少しずつ数が減っているんでしょうなあ。

  大雑把に言うと、1998年の軽規格変更で、セルボ・モードが生産中止になった後、「ワゴンRほど大きくない、スズキの軽が欲しいが、アルトでは、ちょっと、ありふれてるかな」と思った人達が買ったのが、Keiでして、そういう意味では、セルボ・モードの後継車種と言えないでもないです。 コンセプト的には、セルボ・モードは乗用車、KeiはSUVと、だいぶ、掛け離れていますけど。

  登場した時には、「個性的なデザインだな」と評価していた記憶があります。 Keiが生産終了してから、5年後に登場した、ハスラー(2014-)は、SUVを通り越して、クロカンに近くなってしまいました。 Keiと、ハスラーでは、客層が、ほとんど重ならないと思うので、後継車種と見るのは、無理があります。 Keiは、中高年でも乗っている人が多いですが、ハスラーは、40歳過ぎている年齢層は、まず買わないでしょう。



  同じく、10月7日に、御用邸に行った帰りに撮った写真。 4代目ミラ(1994-1998年)の、「モデルノ」というタイプです。

  詳しい事は分からないのですが、4代目の後期型は、こういう後ろ姿になったらしいです。 前期型では、バンパーに付いていたナンバー・プレートが、リヤ・ハッチに移っています。 前期型の後ろ姿が、セルボ・モードに似過ぎていたので、後期型で、デザインを変更した・・・、というわけではないと思います。 当時、似たような後ろ姿の車は、他にもありましたから。

  これはこれで、いいデザインだと思います。 この車は、3ドアですが、5ナンバーなので、乗用です。 ホイール・カバーが付いていないところを見ると、割と安いグレードなのでしょう。 最も新しい年式だとしても、19年も経っているのに、綺麗に乗っていますなあ。