熱川バナナワニ園
2007年5月3日に、東伊豆町の≪熱川バナナワニ園≫に行って来ました。 7時に家を出て、伊豆半島を斜めに横断し、9時ちょっと前に着きました。
≪熱川バナナワニ園≫は、本園(ワニ園、熱帯植物園)と分園に分かれていて、かなり広いですが、水槽、温室、池、檻などがぎっちり押し込まれているので、展示内容の密度は高いです。
まずはワニ園。 ワニは何十種類もいましたが、「ガビアルとそれ以外」くらいしか区別がつきません。 ガビアルは口が細長いので、すぐに分かるのです。 みんな寝ていました。 ほとんど置き物状態。 ただし、寝ていても迫力はあります。 こんな生物が現に地球上に存在するという事が信じられぬ。 40万年前の日本にいたというマチカネワニの骨格標本がありましたが、やたらと大きかったです。 いたんですねえ、こんな怪物が、そこら辺に・・・・。 他にピラルクやアロワナが飼われていました。
次に熱帯植物園。 大きな温室が八棟も連なっていて、「こんなにあるのか?」と思うくらい様々な熱帯植物が揃っていました。 途中、マナティーの水槽がありました。 水槽がちと狭そうでしたが、そこそこ気持ちよさそうに泳いでました。 他に、熱帯睡蓮の温室が広々していて、睡蓮の花も美しかったです。
無料の連絡バスに乗って、ちょっと離れた所にある分園へ。 こちらではワニを自然仕立ての池で飼っています。 レッサーパンダが30匹くらいました。 よく見えるようにケージを工夫してあり、初めてレッサーパンダをしげしげ観察できました。 もっとも、ワニ同様、こちらも大半が眠っていましたが・・・・。 他に、ゾウガメ、ケヅメリクガメ、ワニガメもいました。 全部で10匹くらいと少ないせいか、飼育環境は悪くありません。 あとフラミンゴや黒トキも。 よく集めたもんです。
しかし、ここが一番力を入れているのはやはり熱帯植物ですな。 温室設備の充実度は並大抵ではありません。 植物園が基本で、動物は付加コンテンツなのでしょう。
11時40分に全部見終わって、本園の駐車場に戻りました。 結構な人出で無料バスが満員だったので、帰りは歩きました。 大した距離ではないんですが、歩いている間にバスに二回抜かれました。 そんなもんですな、人生は。
ここからは、写真でご案内。
これはバナナワニ園の本園の内、ワニ園の入口。 ややこしいですが、まず、≪本園≫と≪分園≫がそれぞれ離れた所にありまして、その≪本園≫の方が更に道路で二つに隔てられて、≪ワニ園≫と≪熱帯植物園≫になっているのです。 で、この写真は、≪本園≫の方の≪ワニ園≫の入口というわけです。
入場券は三ヶ所共通で大人1300円の所を、私は園のサイトで割引券を印刷して行ったので1200円でした。 三ヶ所どの入口でも売っていて、どこから見てもオーケー。
かなり前からある観光地なので、見ての通り、建物は小規模で古びています。 だけど、昨今の広いばかりで中身の薄いテーマパークとは段違いの充実したコンテンツを誇ります。
熱川バナナワニ園の駐輪場。 意外なようですが、駐輪場が設けてある観光地は非常に少ないです。 よく観光地の入口近くの歩道にバイクが並んでいて歩行者の邪魔になっている光景を見ますが、あれは別に嫌がらせやモラル無視でやっているわけではなく、他に置く所が無いのです。 観光地側がバイクで来る客を計算に入れていないんですな。 バナナワニ園でも、特に駐輪場は決めていないようで、空いているスペースに置く事になりました。 でも、駐車係の人は真面目で、20メートルほど歩いて、ここまで案内してくれました。
熱川バナナワニ園の、本園の、ワニ園の入口です。 もう、ややこしい! 園全体が谷間にへばりつくように作られているので、入ってすぐに階段で下へ降りることになります。
「よその人が写真に入っているが、いいのか?」
いいんです。 観光地というのは、誰が画面に入ろうがお咎め無しなんです。 そんな事を気にしていると、10枚も撮れずに出てくる破目になります。 とにかく、入場料の元を取るつもりで、撮って撮って撮りまくるのが観光地の作法なんです。 ちなみに私は、この日一日で225枚撮って来ました。
ワニ園の大体の様子。 全面コンクリートのベタ基礎を打った上で、ケージの部分だけ掘り下げて水槽を作り、青い金網で囲んでいます。 ケージの数は20くらいあったような気がします。 もちろんワニの種類ごとに分けてあります。 ワニの専門園だけあって、客とワニの隔離は完璧で、金網の上に乗り出して手でも伸ばさない限り、事故が起こるような事はなさそうです。
ワニというのは、何とも写真向けじゃない被写体なんですな。 ワニの写真は30枚くらい撮ってきましたが、たぶん、5枚も使わないと思います。 見たくないでしょ? あんまり。
ワニは合計100匹くらいいたと思いますが、その内95匹前後が眠っていました。 思うに、日本の今の季節では、気温が低くて活動エネルギーが湧いて来ないのでしょう。 いや、その方が客には好都合というもの。 ワニが本領発揮した日にゃあーた、人間なんてただのエサですからのう。 ワニをなめたらあきまへんで!
さて、ワニの写真も三枚目となると、そろそろ、「また、ワニか~~」とお思いでしょう。 でも、ワニなんですよ、ワニ園シリーズだから。 これは私が記憶している中で最も大きかったワニです。 カンボジアからいらっしゃった、イリエワニのアルビノさんです。 ワニもカメと同じで、長時間水中にいても、呼吸に支障を来たさないようです。
ガラスが嵌まったケージの中にいたので、ちょっと写真が悪いんですが、これがヨウスコウワニです。 アメリカ大陸以外にいる唯一のアリゲーター科のワニです。
中国で描かれる竜の絵は、口の辺りがワニに似ていますが、たぶん、このワニがモデルになっていると思われます。 ≪西遊記≫の沙悟浄のモデルについて、ヨウスコウカワイルカではないかという説がありますが、「出家する前には、たくさんの殺生をした」という沙悟浄の経歴から考えると、ヨウスコウワニの方がイメージが近いような気がします。 ちなみに、沙悟浄をカッパとして描くのは、日本だけの習慣です。
ワニ園の片隅にいたオウムの一種、≪オオバタン≫です。 喋る鳥なのですが、こんな具合に子供が群がっていると、鳥が喋っているのか子供が喋っているのか分からないケースがままあります。 なんで子供というのは、鳥に話し掛ける時に、わざわざ鳥の声を真似るんですかね? 外国人に外国人訛りの日本語で話しかけるのと同じで、全く無意味なんですが。
この写真は、手前のピンクの子と、鳥のポーズがそっくりなのが面白くて撮ってきました。
最近の水族館やそれに類する施設では、淡水熱帯魚を客寄せに利用している所が多いです。 入手にせよ、飼育にせよ、扱い易いんでしょう、きっと。 これはアマゾンに棲む≪ピラルク≫です。 2メートルくらいのが二匹いました。 しかし・・・頭が写っていないと、ピラルクだかナマズだか分かりませんな。
ワニ園ですが、カメも何種類かいました。 これは、南米に棲む≪マタマタ≫。 甲長30センチくらいありました。 ちょっと水槽が狭いかな? 平べったい頭と、小さな目が特徴です。 その名前のせいで、亀業界ではダジャレのネタに引っ張りだこ。
最低の写真が続いて申し訳ないとは思うのですが、光の加減をどうにも出来んのですな、こういう所では。
で、これは≪マチカネワニ≫の骨格です。 40万年前に日本列島にいたワニ。 名の由来は、いつも獲物を待ち兼ねているからではなく、大阪府豊中市・待兼山町の大阪大学豊中キャンパス内で出土したからです。 体長7メートル。 大きいようですが、現在の他のワニも、最大に成長するとこのくらいになりますから、まあ標準といった所のようです。
これも思いっきり露出が飛んでますが、売店の写真はこれ一枚しか撮って来なかったから、もう開き直りで出します。
動物園や水族館の売店に必ず置いてあるのが、ぬいぐるみ。 ここでは当然、ワニが主役ですが・・・・ワニはぬいぐるみにしても、そんなに可愛くはならないですね。 他に、レッサーパンダのぬいぐるみもありました。
ワニ園としては、子供客を喜ばせる為に、こういう絵を描きたいのでしょう。 その気持ちは分かるんですがねえ。 どうにもこうにも可愛くないんですねえ。 それに、ワニを可愛いと感じてしまうと、危険さを忘れてしまうので、却って良くないんじゃないでしょうか? ワニの頭を撫でに行く子供が出たら、一大事ですぜ。
ここからは、道路を挟んで山側にある熱帯植物園に移ります。 山の斜面に温室が八棟あり、通路やエレベーターで連結されています。
これは、第一温室のブーゲンビレア。 ピンク色の花のように見える部分は実は葉っぱで、本物の花は先端の白い小さな部分なのだそうです。
ブーゲンビレアの株。 温室の全幅を八割方埋め尽くしていました。 確認して来なかったんですが、これ全体で一株だとしたら、大変な植物ですな。 そういえば、根がどこにあるかも見て来ませんでした。 やっぱり、駆け足見物はよくありませんな。 もっとも、普通一時間で見終わる所を二時間以上粘っていたから、そんなにいい加減な見物人ではなかったと思うんですが。
こちらは、ハイビスカス。 こうしてしげしげ見ると、イメージよりも迫力ある花ですな。 どう譲っても、可憐とは言い難い。 撮って来た花が、たまたま深紅だったのが、よくなかったですかね。
熱帯植物温室の狭間にいたマナティー。 人魚に間違われるという点で、ジュゴンとよく似ていますが、ジュゴンが海洋性なのに対し、こちらはアメリカ大陸やアフリカ大陸の川に住んでいます。 ジュゴン目マナティー科だそうです。
何号温室だったか忘れましたが、熱帯睡蓮の専用温室になってました。 ここは一見の価値ありです。 温室というと植物で埋っている事が多いですから、こういう大空間があると、何となく不思議な感じがします。
熱帯睡蓮の一つ。 他にも、何十種類も咲いていましたが、いずれ劣らぬ美花揃いでした。 ま、とにかく、繊細且つ華麗! 素晴しいの一語。 とてもじゃないが、写真が追っつかないです。
奥に見えるのは、お馴染み、オオオニバス。 手前の紫の花は、また別の蓮です。 オオオニバスの花というのは見た事がありませんが、百科事典によると、直径が、25~40センチにもなるそうです。
熱帯植物園の中ほどに設けられている休憩室。 眺望抜群。 山の上に家を建てたがる人の気持ちがよく分かります。 家まで建てなくてもいいから、一日だけでもこういう所を独占して、ゆったり過ごしてみたいものです。
胡蝶蘭・ピンク。 よーく見ると、確かに飛んでいる蝶々に似ていますね。 高い物は、ン百万円とか、ン千万円とか、本当でしょうか?
胡蝶蘭・白。 たぶん、この写真が熱川バナナ・ワニ園で撮ったベスト・ショットだと思います。
正直な感想、ほんの半年前まで、HDC-2のマクロ・モードでこういう写真が撮れるとは思ってもいませんでした。 カメラの実力というのは奥の方に眠っているもののようです。
本園・熱帯植物園を見終わり、無料シャトル・バスに乗って、分園に向かいます。 所要時間3分。 マイクロ・バスは、補助席まで使って満員でした。
ここが分園の入口。 本園が谷の傾斜にへばりつくように作られているのに対し、分園は山の頂にあり、ほぼ平らに広がっています。 敷地面積からいうと、本園よりも分園の方が広いです。 恐らく、最初、本園だけでやっていたのが手狭になり、山の上を切り開いて分園を付け足したのでしょう。
分園には20×10mくらいの大きなケージがあります。 ワニが三々五々、昼寝したり、水面に浮かんだりしていました。 ワニは獲物を狙う為に、水面近くに浮く能力があるらしく、完全に脱力した状態で、プカ~ンと浮いてました。 自然に頭を寄せて集まる様子は、魚と同じですな。 脚の生えたオタマジャクシに、より近いですか。
ワニ園ですが、分園の方にはレッサー・パンダがたくさん飼われていました。 正確には西レッサー・パンダだそうです。 ワニの影響を受けたわけでもないんでしょうが、ほぼ全匹、昼寝していました。 たぶん、夜行性なんでしょうな。
パンダは中国語で≪熊猫≫ですが、本来はレッサー・パンダの事を指していた名称が、ジャイアント・パンダ(大熊猫)にも流用されたものと思われます。 ジャイアント・パンダはどう見ても、猫には見えませんが、レッサー・パンダなら、「熊っぽい猫」という形容が納得行きますから。
ただ、系統学的には、ジャイアント・パンダに近いという説と、アライグマに近いという説の両方があるそうです。
たまには幻想的な写真を。
バナナワニ園のもう一方の主役はバナナ。 これはその葉っぱです。
バナナの実も撮影したんですが、順路の南側にあったので、もろ逆光になってしまいました。 でも、主役なので、一応出します。 見事な房ですが、スーパーで売っているバナナは、一把150円くらいですから、これだけあっても5000円くらいにしかならないんですな。
ワニ園ですが、ゾウガメもいました。 ゾウガメというと、ガラパゴスが有名ですが、こちらはインド洋のアルダブラ島に棲息する、アルダブラ・ゾウガメです。 この個体は日本で育ったものらしく、甲羅の年輪がはっきり見えます。
同じアルダブラでも原産地で育った個体には甲羅に年輪が見えません。 特に左手前の亀の甲羅は、形といい艶といい、実に見事。 この丸みを見ていると、何だか、≪かもめの卵≫が食べたくなって来ます。
ここは、分園の出口の上にある展望テラスです。 熱川の街と相模湾が一望できます。 このコイン双眼鏡はニコン製ですな。 「絶対に太陽は・・・」とわざわざ書いてあるところを見ると、見る奴がいるんでしょう。
テラスで寛ぐ観光客の皆さん。 ですが、少々天気が良すぎて、長居出来る状況ではありませんでした。 ベンチの上だけでも廂をつければいいと思いますが、吹きっ曝しなので、風で飛んでしまうのかもしれませんな。
展望テラスから見下ろした分園の駐車場。 左上に入口の門が見えます。
以上、熱川バナナワニ園でした。
≪熱川バナナワニ園≫は、本園(ワニ園、熱帯植物園)と分園に分かれていて、かなり広いですが、水槽、温室、池、檻などがぎっちり押し込まれているので、展示内容の密度は高いです。
まずはワニ園。 ワニは何十種類もいましたが、「ガビアルとそれ以外」くらいしか区別がつきません。 ガビアルは口が細長いので、すぐに分かるのです。 みんな寝ていました。 ほとんど置き物状態。 ただし、寝ていても迫力はあります。 こんな生物が現に地球上に存在するという事が信じられぬ。 40万年前の日本にいたというマチカネワニの骨格標本がありましたが、やたらと大きかったです。 いたんですねえ、こんな怪物が、そこら辺に・・・・。 他にピラルクやアロワナが飼われていました。
次に熱帯植物園。 大きな温室が八棟も連なっていて、「こんなにあるのか?」と思うくらい様々な熱帯植物が揃っていました。 途中、マナティーの水槽がありました。 水槽がちと狭そうでしたが、そこそこ気持ちよさそうに泳いでました。 他に、熱帯睡蓮の温室が広々していて、睡蓮の花も美しかったです。
無料の連絡バスに乗って、ちょっと離れた所にある分園へ。 こちらではワニを自然仕立ての池で飼っています。 レッサーパンダが30匹くらいました。 よく見えるようにケージを工夫してあり、初めてレッサーパンダをしげしげ観察できました。 もっとも、ワニ同様、こちらも大半が眠っていましたが・・・・。 他に、ゾウガメ、ケヅメリクガメ、ワニガメもいました。 全部で10匹くらいと少ないせいか、飼育環境は悪くありません。 あとフラミンゴや黒トキも。 よく集めたもんです。
しかし、ここが一番力を入れているのはやはり熱帯植物ですな。 温室設備の充実度は並大抵ではありません。 植物園が基本で、動物は付加コンテンツなのでしょう。
11時40分に全部見終わって、本園の駐車場に戻りました。 結構な人出で無料バスが満員だったので、帰りは歩きました。 大した距離ではないんですが、歩いている間にバスに二回抜かれました。 そんなもんですな、人生は。
ここからは、写真でご案内。
これはバナナワニ園の本園の内、ワニ園の入口。 ややこしいですが、まず、≪本園≫と≪分園≫がそれぞれ離れた所にありまして、その≪本園≫の方が更に道路で二つに隔てられて、≪ワニ園≫と≪熱帯植物園≫になっているのです。 で、この写真は、≪本園≫の方の≪ワニ園≫の入口というわけです。
入場券は三ヶ所共通で大人1300円の所を、私は園のサイトで割引券を印刷して行ったので1200円でした。 三ヶ所どの入口でも売っていて、どこから見てもオーケー。
かなり前からある観光地なので、見ての通り、建物は小規模で古びています。 だけど、昨今の広いばかりで中身の薄いテーマパークとは段違いの充実したコンテンツを誇ります。
熱川バナナワニ園の駐輪場。 意外なようですが、駐輪場が設けてある観光地は非常に少ないです。 よく観光地の入口近くの歩道にバイクが並んでいて歩行者の邪魔になっている光景を見ますが、あれは別に嫌がらせやモラル無視でやっているわけではなく、他に置く所が無いのです。 観光地側がバイクで来る客を計算に入れていないんですな。 バナナワニ園でも、特に駐輪場は決めていないようで、空いているスペースに置く事になりました。 でも、駐車係の人は真面目で、20メートルほど歩いて、ここまで案内してくれました。
熱川バナナワニ園の、本園の、ワニ園の入口です。 もう、ややこしい! 園全体が谷間にへばりつくように作られているので、入ってすぐに階段で下へ降りることになります。
「よその人が写真に入っているが、いいのか?」
いいんです。 観光地というのは、誰が画面に入ろうがお咎め無しなんです。 そんな事を気にしていると、10枚も撮れずに出てくる破目になります。 とにかく、入場料の元を取るつもりで、撮って撮って撮りまくるのが観光地の作法なんです。 ちなみに私は、この日一日で225枚撮って来ました。
ワニ園の大体の様子。 全面コンクリートのベタ基礎を打った上で、ケージの部分だけ掘り下げて水槽を作り、青い金網で囲んでいます。 ケージの数は20くらいあったような気がします。 もちろんワニの種類ごとに分けてあります。 ワニの専門園だけあって、客とワニの隔離は完璧で、金網の上に乗り出して手でも伸ばさない限り、事故が起こるような事はなさそうです。
ワニというのは、何とも写真向けじゃない被写体なんですな。 ワニの写真は30枚くらい撮ってきましたが、たぶん、5枚も使わないと思います。 見たくないでしょ? あんまり。
ワニは合計100匹くらいいたと思いますが、その内95匹前後が眠っていました。 思うに、日本の今の季節では、気温が低くて活動エネルギーが湧いて来ないのでしょう。 いや、その方が客には好都合というもの。 ワニが本領発揮した日にゃあーた、人間なんてただのエサですからのう。 ワニをなめたらあきまへんで!
さて、ワニの写真も三枚目となると、そろそろ、「また、ワニか~~」とお思いでしょう。 でも、ワニなんですよ、ワニ園シリーズだから。 これは私が記憶している中で最も大きかったワニです。 カンボジアからいらっしゃった、イリエワニのアルビノさんです。 ワニもカメと同じで、長時間水中にいても、呼吸に支障を来たさないようです。
ガラスが嵌まったケージの中にいたので、ちょっと写真が悪いんですが、これがヨウスコウワニです。 アメリカ大陸以外にいる唯一のアリゲーター科のワニです。
中国で描かれる竜の絵は、口の辺りがワニに似ていますが、たぶん、このワニがモデルになっていると思われます。 ≪西遊記≫の沙悟浄のモデルについて、ヨウスコウカワイルカではないかという説がありますが、「出家する前には、たくさんの殺生をした」という沙悟浄の経歴から考えると、ヨウスコウワニの方がイメージが近いような気がします。 ちなみに、沙悟浄をカッパとして描くのは、日本だけの習慣です。
ワニ園の片隅にいたオウムの一種、≪オオバタン≫です。 喋る鳥なのですが、こんな具合に子供が群がっていると、鳥が喋っているのか子供が喋っているのか分からないケースがままあります。 なんで子供というのは、鳥に話し掛ける時に、わざわざ鳥の声を真似るんですかね? 外国人に外国人訛りの日本語で話しかけるのと同じで、全く無意味なんですが。
この写真は、手前のピンクの子と、鳥のポーズがそっくりなのが面白くて撮ってきました。
最近の水族館やそれに類する施設では、淡水熱帯魚を客寄せに利用している所が多いです。 入手にせよ、飼育にせよ、扱い易いんでしょう、きっと。 これはアマゾンに棲む≪ピラルク≫です。 2メートルくらいのが二匹いました。 しかし・・・頭が写っていないと、ピラルクだかナマズだか分かりませんな。
ワニ園ですが、カメも何種類かいました。 これは、南米に棲む≪マタマタ≫。 甲長30センチくらいありました。 ちょっと水槽が狭いかな? 平べったい頭と、小さな目が特徴です。 その名前のせいで、亀業界ではダジャレのネタに引っ張りだこ。
最低の写真が続いて申し訳ないとは思うのですが、光の加減をどうにも出来んのですな、こういう所では。
で、これは≪マチカネワニ≫の骨格です。 40万年前に日本列島にいたワニ。 名の由来は、いつも獲物を待ち兼ねているからではなく、大阪府豊中市・待兼山町の大阪大学豊中キャンパス内で出土したからです。 体長7メートル。 大きいようですが、現在の他のワニも、最大に成長するとこのくらいになりますから、まあ標準といった所のようです。
これも思いっきり露出が飛んでますが、売店の写真はこれ一枚しか撮って来なかったから、もう開き直りで出します。
動物園や水族館の売店に必ず置いてあるのが、ぬいぐるみ。 ここでは当然、ワニが主役ですが・・・・ワニはぬいぐるみにしても、そんなに可愛くはならないですね。 他に、レッサーパンダのぬいぐるみもありました。
ワニ園としては、子供客を喜ばせる為に、こういう絵を描きたいのでしょう。 その気持ちは分かるんですがねえ。 どうにもこうにも可愛くないんですねえ。 それに、ワニを可愛いと感じてしまうと、危険さを忘れてしまうので、却って良くないんじゃないでしょうか? ワニの頭を撫でに行く子供が出たら、一大事ですぜ。
ここからは、道路を挟んで山側にある熱帯植物園に移ります。 山の斜面に温室が八棟あり、通路やエレベーターで連結されています。
これは、第一温室のブーゲンビレア。 ピンク色の花のように見える部分は実は葉っぱで、本物の花は先端の白い小さな部分なのだそうです。
ブーゲンビレアの株。 温室の全幅を八割方埋め尽くしていました。 確認して来なかったんですが、これ全体で一株だとしたら、大変な植物ですな。 そういえば、根がどこにあるかも見て来ませんでした。 やっぱり、駆け足見物はよくありませんな。 もっとも、普通一時間で見終わる所を二時間以上粘っていたから、そんなにいい加減な見物人ではなかったと思うんですが。
こちらは、ハイビスカス。 こうしてしげしげ見ると、イメージよりも迫力ある花ですな。 どう譲っても、可憐とは言い難い。 撮って来た花が、たまたま深紅だったのが、よくなかったですかね。
熱帯植物温室の狭間にいたマナティー。 人魚に間違われるという点で、ジュゴンとよく似ていますが、ジュゴンが海洋性なのに対し、こちらはアメリカ大陸やアフリカ大陸の川に住んでいます。 ジュゴン目マナティー科だそうです。
何号温室だったか忘れましたが、熱帯睡蓮の専用温室になってました。 ここは一見の価値ありです。 温室というと植物で埋っている事が多いですから、こういう大空間があると、何となく不思議な感じがします。
熱帯睡蓮の一つ。 他にも、何十種類も咲いていましたが、いずれ劣らぬ美花揃いでした。 ま、とにかく、繊細且つ華麗! 素晴しいの一語。 とてもじゃないが、写真が追っつかないです。
奥に見えるのは、お馴染み、オオオニバス。 手前の紫の花は、また別の蓮です。 オオオニバスの花というのは見た事がありませんが、百科事典によると、直径が、25~40センチにもなるそうです。
熱帯植物園の中ほどに設けられている休憩室。 眺望抜群。 山の上に家を建てたがる人の気持ちがよく分かります。 家まで建てなくてもいいから、一日だけでもこういう所を独占して、ゆったり過ごしてみたいものです。
胡蝶蘭・ピンク。 よーく見ると、確かに飛んでいる蝶々に似ていますね。 高い物は、ン百万円とか、ン千万円とか、本当でしょうか?
胡蝶蘭・白。 たぶん、この写真が熱川バナナ・ワニ園で撮ったベスト・ショットだと思います。
正直な感想、ほんの半年前まで、HDC-2のマクロ・モードでこういう写真が撮れるとは思ってもいませんでした。 カメラの実力というのは奥の方に眠っているもののようです。
本園・熱帯植物園を見終わり、無料シャトル・バスに乗って、分園に向かいます。 所要時間3分。 マイクロ・バスは、補助席まで使って満員でした。
ここが分園の入口。 本園が谷の傾斜にへばりつくように作られているのに対し、分園は山の頂にあり、ほぼ平らに広がっています。 敷地面積からいうと、本園よりも分園の方が広いです。 恐らく、最初、本園だけでやっていたのが手狭になり、山の上を切り開いて分園を付け足したのでしょう。
分園には20×10mくらいの大きなケージがあります。 ワニが三々五々、昼寝したり、水面に浮かんだりしていました。 ワニは獲物を狙う為に、水面近くに浮く能力があるらしく、完全に脱力した状態で、プカ~ンと浮いてました。 自然に頭を寄せて集まる様子は、魚と同じですな。 脚の生えたオタマジャクシに、より近いですか。
ワニ園ですが、分園の方にはレッサー・パンダがたくさん飼われていました。 正確には西レッサー・パンダだそうです。 ワニの影響を受けたわけでもないんでしょうが、ほぼ全匹、昼寝していました。 たぶん、夜行性なんでしょうな。
パンダは中国語で≪熊猫≫ですが、本来はレッサー・パンダの事を指していた名称が、ジャイアント・パンダ(大熊猫)にも流用されたものと思われます。 ジャイアント・パンダはどう見ても、猫には見えませんが、レッサー・パンダなら、「熊っぽい猫」という形容が納得行きますから。
ただ、系統学的には、ジャイアント・パンダに近いという説と、アライグマに近いという説の両方があるそうです。
たまには幻想的な写真を。
バナナワニ園のもう一方の主役はバナナ。 これはその葉っぱです。
バナナの実も撮影したんですが、順路の南側にあったので、もろ逆光になってしまいました。 でも、主役なので、一応出します。 見事な房ですが、スーパーで売っているバナナは、一把150円くらいですから、これだけあっても5000円くらいにしかならないんですな。
ワニ園ですが、ゾウガメもいました。 ゾウガメというと、ガラパゴスが有名ですが、こちらはインド洋のアルダブラ島に棲息する、アルダブラ・ゾウガメです。 この個体は日本で育ったものらしく、甲羅の年輪がはっきり見えます。
同じアルダブラでも原産地で育った個体には甲羅に年輪が見えません。 特に左手前の亀の甲羅は、形といい艶といい、実に見事。 この丸みを見ていると、何だか、≪かもめの卵≫が食べたくなって来ます。
ここは、分園の出口の上にある展望テラスです。 熱川の街と相模湾が一望できます。 このコイン双眼鏡はニコン製ですな。 「絶対に太陽は・・・」とわざわざ書いてあるところを見ると、見る奴がいるんでしょう。
テラスで寛ぐ観光客の皆さん。 ですが、少々天気が良すぎて、長居出来る状況ではありませんでした。 ベンチの上だけでも廂をつければいいと思いますが、吹きっ曝しなので、風で飛んでしまうのかもしれませんな。
展望テラスから見下ろした分園の駐車場。 左上に入口の門が見えます。
以上、熱川バナナワニ園でした。
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