農薬立国日本
大型台風というか、大地震並みの報道になりましたね、≪冷凍餃子農薬混入問題≫。 まったく、おかしいったらない。 比較的よくある中毒事件で、一人の死人が出たわけじゃ無し、別段大ニュースではなかったんですが、一国のマスコミが総動員体制で騒ぎまくれば、これだけ大ごとに出来るという、典型事例になりました。 これだものねえ、戦争を始めれば、どの報道機関も、「お国の為」に、嘘でも法螺でも扇動でも、何でもござれで協力するわけだ。 この一件に関する感想は、もうちょっと流れを見てから書こうと思っていたんですが、真っ最中の状況を記しておくのも面白かろうと思って、急遽触れてみる事にしました。
まず、初っ端の報道では、日本の報道機関は明らかに、この問題を≪事故≫として扱っていました。 中国の工場で作られた製品だった為、≪中国製品=粗悪≫という、安直な図式に安直に当て嵌めて、「いい加減な作り方をしているから、農薬が混ざった事に気付かないまま、出荷したのだ」と、条件反射的に判断を下したのでしょう。 この時点では、製造元の工場に関する情報など、名称以外に何も分かっていなかったにも拘らず、です。 私は、この初期反応を見た段階で、もう問題の本質などどうでもよくなり、日本のマスコミがどんな珍報道をするか、そちらに興味津々となってしまいました。
二三日すると、製造元の工場について、情報が出回り始め、工場の内部の映像が流されるようになりました。 その影響で、報道の雰囲気がガラリと変わります。 近代的な設備の清潔な工場を見せられて、マスコミの連中が漠然と想像していたと思われる、汚らしい町工場で、私服のオバサン達がもそもそとギョーザを包んでいるイメージがぶっとんだのです。 わはははは! 馬鹿だねえ! 今時、中国の輸出企業が、そんな古臭い町工場で、家内制手工業みたいな生産方式を取っているわけがなかろうが! だから、お前らは、国際情勢音痴、工業常識音痴だと言うんだ。 まあ、日本国内で、細々とやっている中小企業なら、小汚い婆さん達が額寄せ合って、いわしの頭とか取っている光景はよく見るがのう。
工場の経営者や、立ち入り調査に入った日本の商社の人間の口から、工場が世界でもトップクラスの衛生管理をしているとの証言が出ると、初期の、≪生産管理の不備による事故説≫があっさり消えました。 次に出て来たのは、故意に農薬を混ぜたという、≪事件説≫ですが、これまた面白いんだわ。 故意にやったとなれば、農場での原材料の生産段階から、工場での加工段階、流通段階、販売店、消費者宅まで、あらゆる段階にその可能性が出てくるわけですが、日本のマスコミは押し並べて、工場からの出荷前、というか、中国国内にあった段階での混入以外、可能性を想定していませんでした。 馬鹿じゃないんだから、日本に着いてから、日本人が入れたという可能性がある事に気付かないわけがないと思うんですが、最初からそれを除外してしまっていたのです。
とことん、他国のせいにしたいわけだ。 「日本人はそんな悪い事はしない」とでも思っているんですかね? だからさあ、日本国内でも、食品の偽装問題でさんざん大騒ぎしましたよねえ。 まだ、去年の話だから、少々ボケが入った人でも、忘れちゃいますまい。 そんな国に住んでいるのに、どうして、同国人なら信じられるんだ? いやいや、これねえ、日本人を信じているから、他国のせいにしているのではないと思います。 「外国人は信用できない」という差別意識が脳の奥底に巣食っているから、「日本人も信用できないが、外国人はもっと信用できないから、こういう悪事をするとしたら、外国人に決まっている」という、なにやら焦点がボケた論理で、こういう判断になるのでしょう。 しかも、こういう報道していたのは、そこらの頭のおかしい週刊誌じゃないですよ。 一流紙といわれるような日本を代表する新聞までが、同レベルの見方をしていたのです。
その後、捜査が膠着してしまい、「故意による混入の可能性が高い」という事だけ、ある程度確実とされたものの、どの段階で、誰がやったかについては、分からないまま、現在に至ります。 捜査に進展が無いにも拘らず、日本の報道機関は、やはり、中国側に犯人がいるという見方を崩したくないようで、とても証拠にならないような、あやふやな材料を感知して来ては、「包装前に混入された疑いが強まった」というような見出しをデカデカと出しています。
農薬が検出された部分が包装の中か外かで、混入場所を特定しようとしているのですが、考え足らずもいい所で、「一度開封した後、また密封する事もできる」と言われてしまえば、実際にそういう器具が出回っていますから、論拠を簡単に崩されてしまいます。 農薬の種類から、中国側での混入を証明しようとしているのも浅薄この下無い。 犯人が中国側に疑いが向くように仕組んだとすれば、日本で使われていない農薬を選ぶのは当然で、両国の農薬使用事情をどんな調べた所で、間接証拠にすらなりません。 「悪意で事を行なう者は、随意に偽装工作が出来る」という、犯罪の基本中の基本を失念しているのでしょう。 こういう所にも、論理を理解できない民族的欠陥の哀しさが現れて来ますな。
日本の報道機関は、最初に中国側責任説で報道してしまった為に、引っ込みがつかなくなって、どうにか自分の言った事が嘘の報道にならないように、神の祈りつ仏を拝みつ、推移を見守っているのでしょう。 しかし、あーた、そんなに自信が無いのなら、分かってもいない事を最初から言わなければよいではないですか。 手前で手前を崖っ縁に追いやってやがんのよ。 自分を安心させる為に、中国側に不利な情報を探し出してきて、無理やり記事にして、しかも一面に出す自信が無いから、三面に載せて、まるで陰口でもきくように、こそこそ姑息な報道をしている新聞もありますが、そんな情報をどんなに積み上げても、所詮≪推定の根拠≫にしかならないのが分からんのですかね? 警察の捜査で、一つ事実が出てくれば、全部引っ繰り返ってしまいます。 自分が書いてきた事が、すべて見当外れの中傷記事に過ぎなかったと分かった時、この記者、どうするつもりなんでしょう?
事の真相は、まだ分かっていないわけですが、狂ったように大騒ぎをしている日本側に比べて、中国側の抑制ぶりには、人品の違いを痛感せずにいられません。 どんな結果が出ようが、中国側の被害は甚大なものになるはずですが、先々の事を見通して、感情的な日本批判を手控えているのです。 それに比べると、日本の報道機関の態度は、興奮して大人に食って掛かる子供に見えて仕方ありません。 何と情けない事か。 ちょっと面白いなと思ったのは、中国側の捜査担当者で、記者会見で涙を流した人がいた事です。 それ以降、日本側の攻撃的報道が目立ってトーンダウンしましたが、あの人物、もし戦略的に泣いて見せたのだとしたら、大した日本研究家です。 「日本人には論理的な説明をしても理解されないが、情に訴えると効果がある」事を見抜いていたと考えられるからです。
この問題に関して、ネット上で、すでにいろいろと書いてしまった人も多かろうと思いますが、まず、こういう事件・事故が起きた時には、何か一言言いたい気持ちをぐっと抑えて、流れを見守る事です。 ≪百観察して、十分析し、一言言う≫くらいが望ましい。 殺人事件などでも、外見的にいかにも怪しそうな関係者がテレビに映ったりすると、「こいつが犯人なんじゃないの?」などと書きたくなるものですが、外れていたら、言い訳のしようがないでしょうが。
報道機関の場合、会社や団体という組織で責任を分かち合っている為、嘘の報道をしても、別人が謝罪したり、すっとぼけたりという、卑怯な逃げが使えますが、ネットで意見を公表している個人の場合、個人間の信用で読んで貰っているわけですから、信用の失墜は致命的になります。 何度も間違えていると、常連だった読者まで、「なんだ、こいつ。 いい加減な事ばかり書きやがって」と呆れて、去っていってしまいます。 別に、真相を当てなくてもいいんですよ。 預言者や占い師じゃないんだから。 間違いに終る危険性のある事を言わなければ、それで充分なのです。
昔、≪グリコ・森永事件≫というのがありましたが、未だに犯人は捕まっていません。 生産や流通の関係者が犯人だった場合、事情聴取の対象範囲を広げたり、同じ人物への取り調べを繰り返す内に、犯人が引っ掛かる場合がありますが、もし全く無関係な人間が犯人だった場合、絞り込むのは大変です。 中国側に犯人がいれば、動機が限られて来るので絞りやすいですが、日本側だったら、犯人の特定は雲を掴むような話になってしまいます。
中国側で日本向け輸出品に毒を盛ろうとするのは、待遇に不満があるとか、過去に解雇されたとか、就職できなかったとか、工場に恨みがある者に限られる可能性が高いですが、日本側で中国からの輸入品に毒を盛る奴となると、単に中国が気に食わない奴とか、冷凍食品にシェアを奪われている別の食品業者とか、関係者に留まらないので、捜査範囲がドーンと広がってしまうのです。 ネット○翼のガイキチどもを筆頭に、事件が起きて以来、ネットの掲示板、テレビのインタビュー、新聞の読者欄などで、中国製品を糞味噌に扱き下ろしている連中は、すべて動機が疑われるのであって、こやつら全員調べるとなったら、警察がパンクしてしまいます。 でも、実際に調べてやったら面白いですな。 この馬鹿ども、顔色真っ青、冷や汗だくだくで身の潔白を訴えるに相違ない。 人を呪わば穴二つ。
中国製品離れが加速しているそうで、もし日本側に犯人がいるとしたら、思う壺に嵌まったわけで、大笑いしているでしょう。 なんとも浅はかな事よ。 そんなに自分の国を衰えさせたいか。 こういう事件が起きると、日本国内の消費が落ち込むんですよ。 今まで買われていた物が、買われなくなるわけですから、その分だけ内需が細るわけです。 「中国製品の代わりに、国産品を買えばよい」などと思っている人達に言っておきますが、中国製の冷凍食品に価格面で対抗できる国産品など、存・在・し・ま・せ・ん。 どちらかを選べると思うのが大間違いで、代替品なんて、無・い・の。 中国製冷凍食品が入って来なくなったら、冷凍食品を食べないようにするか、数倍の価格の日本製品で我慢するか、どちらかしかないのです。 素朴な疑問ですが、安くない冷凍食品に商品価値があるのかね?
次に、「日本の食品なら安全」という意見が多いようですが・・・。 だからよー、じゃあ、雪印、不二家、ミートホープ、赤福、船場吉兆、日本マクドナルドなんかは、日本の会社じゃないのかい? いくら、論理が分からないからって、こんな単純な事も分からんというのは頭が弱すぎるぞ。 「日本の食品は安全」という言葉は、去年から今年にかけて、一番言ってはいけない言葉ですぜ。 喉もと過ぎれば熱さ忘るるといいますが、すでに喉が焼け爛れているのに、懲りもせず、ぐつぐつに煮えたぎった鍋を掻き込んでいる愚か者を想像させますな。
次、「中国の農産物は日本に比べ農薬が多い」。 なんじゃ、それは? もしかしたら、日本の農家は、みんな有機農法をやっているとでも思っているのかな? 正確な統計は知りませんが、日本の農業は、相当農薬使いまくる方だと思いますよ。 トキが絶滅した理由は知ってますよね? エサが取れなくなったからですが、なぜ取れなくなったかというと、水田で農薬をしこたま使うようになった為に、泥鰌などエサになる魚が生きていられなくなったからです。
以前、料理アニメで見たんですが、農薬の影響で、日本猿の畸形が頻出している所があるらしいですな。 日本の農家は、自分の家で食べる物は、市場に出す物とは別に作っているとも指摘していました。 大昔は、商品として店頭に並べられないような出来の悪い物を、自宅で食べていたわけですが、ある時期からは理由が変わり、農薬汚染されていない作物だけ自宅専用に作るようになったというわけ。 農家も馬鹿じゃですからね。 手前で毒を喰らうような真似はしないわけです。
とまあ、私が抱いている、日本の農薬事情というのはそういうイメージなんですが、人によっては、これがまったく転倒してしまっていて、「日本の農家は農薬を使っていない」とか、もっと凄いと、「日本の農薬は安全だ」とか、ほとんど妄想に近いようなイメージを作り上げてしまっている者が、膨大な数に上るようなのです。 あのねえ、日本人ほど、作物の外見に拘る民族はいないのよ。 キュウリの曲がりも許さないし、トマトに虫喰い穴が一つあっても買わないんだよ。 味なんて二の次、外見外見、見た目が命なんです。 見た目完璧な作物を作ろうとしたら、農薬ぶちまけるしかないんですよ。 農家が悪いんじゃない。 病的に外見に拘る消費者が異常なのです。
一方中国ですが、もともと、農薬の使用はそんなに多くありませんでした。 中華料理は、大抵火を通して調理するので、作物の外見が悪くても、切ってしまえば同じ事だからです。 中国の農業に大量の農薬を持ち込んだのは、日本の商社だったと思いますが、私の記憶違いかいな? 日本に輸入する為に、日本の消費者が好む、外見に拘った作物を作るように依頼したんですな。
そういえば、「日本では禁止されている農薬が検出された」といった報道がよくありますが、日本産の作物から、日本で禁止されている農薬が検出されないのは当たり前でして、禁止されていない農薬なら、いくらでも検出されます。 言葉のマジックという奴ですな。 日本で禁止されているからといって、即健康被害があるわけではないし、日本で禁止されていないからといって、即健康被害が無いわけではありません。 だけど、日本人じゃ、この種のちょっと入り組んだ論理は分かんねえかもしんねーなー。 薬害問題などを見ても分かるように、日本という国は、薬品の規制にルーズですから、日本で合法的に使われている農薬の中に、健康被害があるものがあっても、別段驚くには値しません。
なんだかねえ、日本人って、自分の国を、清潔で安全でえらく進んだ国だと根拠もなしに信じ込んでいる節がありますな。 馬鹿抜かせつっーの。 日本産品のどこが安全なものか。 観察力・分析力・判断力の低い人間ほど、日本産品信仰が強い。 何か確固たる根拠があるのなら、聞くのは吝かではありませんが、理由が、「外国産品じゃないから」だけじゃ、話にもなりません。 そんな奴ら、ただの差別主義者でんがな。 私ゃ、日本に住んでいるから、しかたなく日本産の食品を食べているけど、もし外国に移住したら、日本産品なんて、絶対口にいれませんよ。 私自身日本人ですから、日本人の民族的性癖を世界中で最もよく知っています。 いい加減だと分かっている連中が作ったものなど、わざわざ選んで食うものですか。
私の日本人観には悪意があると思っている人、農家をやれとはいいませんから、最寄のファースト・フード店か、ファミレスで、二三週間、アルバイトをして御覧なさい。 大変為になる経験が出来ると思いますよ。 ちなみに私は、若い頃に、ファミレスで一年間アルバイトをしていましたが、その間も、それ以降も、ファミレスに客として入った事は一度もありません。 あんな所の食い物が食えるかよ。 わはははは! まあ、いいから、バイトに行ってみなって。 やってみりゃ分かるよ。
ちょっとだけ、漏らしますと・・・・、ハンバーグはどこのファミレスでも主力メニューですが、専門機関で調べてみれば、30枚に一枚くらいの割で、床掃除用の薬液が検出されるのではありますまいか? よく、生きてるよなあ。 お客さんて、丈夫なんだなあ。
もうちょっと漏らしましょうか。 ウエイトレスって、二時間勤務するとして、その間に何回手を洗うか知ってます? 限り無く少ないです。 人によってはゼロ。 忙しい時は、全員ゼロです。 かくして、残飯を片付けたそのままの手で、各種デザートを作ります。 トリプル・サンデーなんて、よく頼むよねえ。 お客さんて、丈夫なんだなあ。
まず、初っ端の報道では、日本の報道機関は明らかに、この問題を≪事故≫として扱っていました。 中国の工場で作られた製品だった為、≪中国製品=粗悪≫という、安直な図式に安直に当て嵌めて、「いい加減な作り方をしているから、農薬が混ざった事に気付かないまま、出荷したのだ」と、条件反射的に判断を下したのでしょう。 この時点では、製造元の工場に関する情報など、名称以外に何も分かっていなかったにも拘らず、です。 私は、この初期反応を見た段階で、もう問題の本質などどうでもよくなり、日本のマスコミがどんな珍報道をするか、そちらに興味津々となってしまいました。
二三日すると、製造元の工場について、情報が出回り始め、工場の内部の映像が流されるようになりました。 その影響で、報道の雰囲気がガラリと変わります。 近代的な設備の清潔な工場を見せられて、マスコミの連中が漠然と想像していたと思われる、汚らしい町工場で、私服のオバサン達がもそもそとギョーザを包んでいるイメージがぶっとんだのです。 わはははは! 馬鹿だねえ! 今時、中国の輸出企業が、そんな古臭い町工場で、家内制手工業みたいな生産方式を取っているわけがなかろうが! だから、お前らは、国際情勢音痴、工業常識音痴だと言うんだ。 まあ、日本国内で、細々とやっている中小企業なら、小汚い婆さん達が額寄せ合って、いわしの頭とか取っている光景はよく見るがのう。
工場の経営者や、立ち入り調査に入った日本の商社の人間の口から、工場が世界でもトップクラスの衛生管理をしているとの証言が出ると、初期の、≪生産管理の不備による事故説≫があっさり消えました。 次に出て来たのは、故意に農薬を混ぜたという、≪事件説≫ですが、これまた面白いんだわ。 故意にやったとなれば、農場での原材料の生産段階から、工場での加工段階、流通段階、販売店、消費者宅まで、あらゆる段階にその可能性が出てくるわけですが、日本のマスコミは押し並べて、工場からの出荷前、というか、中国国内にあった段階での混入以外、可能性を想定していませんでした。 馬鹿じゃないんだから、日本に着いてから、日本人が入れたという可能性がある事に気付かないわけがないと思うんですが、最初からそれを除外してしまっていたのです。
とことん、他国のせいにしたいわけだ。 「日本人はそんな悪い事はしない」とでも思っているんですかね? だからさあ、日本国内でも、食品の偽装問題でさんざん大騒ぎしましたよねえ。 まだ、去年の話だから、少々ボケが入った人でも、忘れちゃいますまい。 そんな国に住んでいるのに、どうして、同国人なら信じられるんだ? いやいや、これねえ、日本人を信じているから、他国のせいにしているのではないと思います。 「外国人は信用できない」という差別意識が脳の奥底に巣食っているから、「日本人も信用できないが、外国人はもっと信用できないから、こういう悪事をするとしたら、外国人に決まっている」という、なにやら焦点がボケた論理で、こういう判断になるのでしょう。 しかも、こういう報道していたのは、そこらの頭のおかしい週刊誌じゃないですよ。 一流紙といわれるような日本を代表する新聞までが、同レベルの見方をしていたのです。
その後、捜査が膠着してしまい、「故意による混入の可能性が高い」という事だけ、ある程度確実とされたものの、どの段階で、誰がやったかについては、分からないまま、現在に至ります。 捜査に進展が無いにも拘らず、日本の報道機関は、やはり、中国側に犯人がいるという見方を崩したくないようで、とても証拠にならないような、あやふやな材料を感知して来ては、「包装前に混入された疑いが強まった」というような見出しをデカデカと出しています。
農薬が検出された部分が包装の中か外かで、混入場所を特定しようとしているのですが、考え足らずもいい所で、「一度開封した後、また密封する事もできる」と言われてしまえば、実際にそういう器具が出回っていますから、論拠を簡単に崩されてしまいます。 農薬の種類から、中国側での混入を証明しようとしているのも浅薄この下無い。 犯人が中国側に疑いが向くように仕組んだとすれば、日本で使われていない農薬を選ぶのは当然で、両国の農薬使用事情をどんな調べた所で、間接証拠にすらなりません。 「悪意で事を行なう者は、随意に偽装工作が出来る」という、犯罪の基本中の基本を失念しているのでしょう。 こういう所にも、論理を理解できない民族的欠陥の哀しさが現れて来ますな。
日本の報道機関は、最初に中国側責任説で報道してしまった為に、引っ込みがつかなくなって、どうにか自分の言った事が嘘の報道にならないように、神の祈りつ仏を拝みつ、推移を見守っているのでしょう。 しかし、あーた、そんなに自信が無いのなら、分かってもいない事を最初から言わなければよいではないですか。 手前で手前を崖っ縁に追いやってやがんのよ。 自分を安心させる為に、中国側に不利な情報を探し出してきて、無理やり記事にして、しかも一面に出す自信が無いから、三面に載せて、まるで陰口でもきくように、こそこそ姑息な報道をしている新聞もありますが、そんな情報をどんなに積み上げても、所詮≪推定の根拠≫にしかならないのが分からんのですかね? 警察の捜査で、一つ事実が出てくれば、全部引っ繰り返ってしまいます。 自分が書いてきた事が、すべて見当外れの中傷記事に過ぎなかったと分かった時、この記者、どうするつもりなんでしょう?
事の真相は、まだ分かっていないわけですが、狂ったように大騒ぎをしている日本側に比べて、中国側の抑制ぶりには、人品の違いを痛感せずにいられません。 どんな結果が出ようが、中国側の被害は甚大なものになるはずですが、先々の事を見通して、感情的な日本批判を手控えているのです。 それに比べると、日本の報道機関の態度は、興奮して大人に食って掛かる子供に見えて仕方ありません。 何と情けない事か。 ちょっと面白いなと思ったのは、中国側の捜査担当者で、記者会見で涙を流した人がいた事です。 それ以降、日本側の攻撃的報道が目立ってトーンダウンしましたが、あの人物、もし戦略的に泣いて見せたのだとしたら、大した日本研究家です。 「日本人には論理的な説明をしても理解されないが、情に訴えると効果がある」事を見抜いていたと考えられるからです。
この問題に関して、ネット上で、すでにいろいろと書いてしまった人も多かろうと思いますが、まず、こういう事件・事故が起きた時には、何か一言言いたい気持ちをぐっと抑えて、流れを見守る事です。 ≪百観察して、十分析し、一言言う≫くらいが望ましい。 殺人事件などでも、外見的にいかにも怪しそうな関係者がテレビに映ったりすると、「こいつが犯人なんじゃないの?」などと書きたくなるものですが、外れていたら、言い訳のしようがないでしょうが。
報道機関の場合、会社や団体という組織で責任を分かち合っている為、嘘の報道をしても、別人が謝罪したり、すっとぼけたりという、卑怯な逃げが使えますが、ネットで意見を公表している個人の場合、個人間の信用で読んで貰っているわけですから、信用の失墜は致命的になります。 何度も間違えていると、常連だった読者まで、「なんだ、こいつ。 いい加減な事ばかり書きやがって」と呆れて、去っていってしまいます。 別に、真相を当てなくてもいいんですよ。 預言者や占い師じゃないんだから。 間違いに終る危険性のある事を言わなければ、それで充分なのです。
昔、≪グリコ・森永事件≫というのがありましたが、未だに犯人は捕まっていません。 生産や流通の関係者が犯人だった場合、事情聴取の対象範囲を広げたり、同じ人物への取り調べを繰り返す内に、犯人が引っ掛かる場合がありますが、もし全く無関係な人間が犯人だった場合、絞り込むのは大変です。 中国側に犯人がいれば、動機が限られて来るので絞りやすいですが、日本側だったら、犯人の特定は雲を掴むような話になってしまいます。
中国側で日本向け輸出品に毒を盛ろうとするのは、待遇に不満があるとか、過去に解雇されたとか、就職できなかったとか、工場に恨みがある者に限られる可能性が高いですが、日本側で中国からの輸入品に毒を盛る奴となると、単に中国が気に食わない奴とか、冷凍食品にシェアを奪われている別の食品業者とか、関係者に留まらないので、捜査範囲がドーンと広がってしまうのです。 ネット○翼のガイキチどもを筆頭に、事件が起きて以来、ネットの掲示板、テレビのインタビュー、新聞の読者欄などで、中国製品を糞味噌に扱き下ろしている連中は、すべて動機が疑われるのであって、こやつら全員調べるとなったら、警察がパンクしてしまいます。 でも、実際に調べてやったら面白いですな。 この馬鹿ども、顔色真っ青、冷や汗だくだくで身の潔白を訴えるに相違ない。 人を呪わば穴二つ。
中国製品離れが加速しているそうで、もし日本側に犯人がいるとしたら、思う壺に嵌まったわけで、大笑いしているでしょう。 なんとも浅はかな事よ。 そんなに自分の国を衰えさせたいか。 こういう事件が起きると、日本国内の消費が落ち込むんですよ。 今まで買われていた物が、買われなくなるわけですから、その分だけ内需が細るわけです。 「中国製品の代わりに、国産品を買えばよい」などと思っている人達に言っておきますが、中国製の冷凍食品に価格面で対抗できる国産品など、存・在・し・ま・せ・ん。 どちらかを選べると思うのが大間違いで、代替品なんて、無・い・の。 中国製冷凍食品が入って来なくなったら、冷凍食品を食べないようにするか、数倍の価格の日本製品で我慢するか、どちらかしかないのです。 素朴な疑問ですが、安くない冷凍食品に商品価値があるのかね?
次に、「日本の食品なら安全」という意見が多いようですが・・・。 だからよー、じゃあ、雪印、不二家、ミートホープ、赤福、船場吉兆、日本マクドナルドなんかは、日本の会社じゃないのかい? いくら、論理が分からないからって、こんな単純な事も分からんというのは頭が弱すぎるぞ。 「日本の食品は安全」という言葉は、去年から今年にかけて、一番言ってはいけない言葉ですぜ。 喉もと過ぎれば熱さ忘るるといいますが、すでに喉が焼け爛れているのに、懲りもせず、ぐつぐつに煮えたぎった鍋を掻き込んでいる愚か者を想像させますな。
次、「中国の農産物は日本に比べ農薬が多い」。 なんじゃ、それは? もしかしたら、日本の農家は、みんな有機農法をやっているとでも思っているのかな? 正確な統計は知りませんが、日本の農業は、相当農薬使いまくる方だと思いますよ。 トキが絶滅した理由は知ってますよね? エサが取れなくなったからですが、なぜ取れなくなったかというと、水田で農薬をしこたま使うようになった為に、泥鰌などエサになる魚が生きていられなくなったからです。
以前、料理アニメで見たんですが、農薬の影響で、日本猿の畸形が頻出している所があるらしいですな。 日本の農家は、自分の家で食べる物は、市場に出す物とは別に作っているとも指摘していました。 大昔は、商品として店頭に並べられないような出来の悪い物を、自宅で食べていたわけですが、ある時期からは理由が変わり、農薬汚染されていない作物だけ自宅専用に作るようになったというわけ。 農家も馬鹿じゃですからね。 手前で毒を喰らうような真似はしないわけです。
とまあ、私が抱いている、日本の農薬事情というのはそういうイメージなんですが、人によっては、これがまったく転倒してしまっていて、「日本の農家は農薬を使っていない」とか、もっと凄いと、「日本の農薬は安全だ」とか、ほとんど妄想に近いようなイメージを作り上げてしまっている者が、膨大な数に上るようなのです。 あのねえ、日本人ほど、作物の外見に拘る民族はいないのよ。 キュウリの曲がりも許さないし、トマトに虫喰い穴が一つあっても買わないんだよ。 味なんて二の次、外見外見、見た目が命なんです。 見た目完璧な作物を作ろうとしたら、農薬ぶちまけるしかないんですよ。 農家が悪いんじゃない。 病的に外見に拘る消費者が異常なのです。
一方中国ですが、もともと、農薬の使用はそんなに多くありませんでした。 中華料理は、大抵火を通して調理するので、作物の外見が悪くても、切ってしまえば同じ事だからです。 中国の農業に大量の農薬を持ち込んだのは、日本の商社だったと思いますが、私の記憶違いかいな? 日本に輸入する為に、日本の消費者が好む、外見に拘った作物を作るように依頼したんですな。
そういえば、「日本では禁止されている農薬が検出された」といった報道がよくありますが、日本産の作物から、日本で禁止されている農薬が検出されないのは当たり前でして、禁止されていない農薬なら、いくらでも検出されます。 言葉のマジックという奴ですな。 日本で禁止されているからといって、即健康被害があるわけではないし、日本で禁止されていないからといって、即健康被害が無いわけではありません。 だけど、日本人じゃ、この種のちょっと入り組んだ論理は分かんねえかもしんねーなー。 薬害問題などを見ても分かるように、日本という国は、薬品の規制にルーズですから、日本で合法的に使われている農薬の中に、健康被害があるものがあっても、別段驚くには値しません。
なんだかねえ、日本人って、自分の国を、清潔で安全でえらく進んだ国だと根拠もなしに信じ込んでいる節がありますな。 馬鹿抜かせつっーの。 日本産品のどこが安全なものか。 観察力・分析力・判断力の低い人間ほど、日本産品信仰が強い。 何か確固たる根拠があるのなら、聞くのは吝かではありませんが、理由が、「外国産品じゃないから」だけじゃ、話にもなりません。 そんな奴ら、ただの差別主義者でんがな。 私ゃ、日本に住んでいるから、しかたなく日本産の食品を食べているけど、もし外国に移住したら、日本産品なんて、絶対口にいれませんよ。 私自身日本人ですから、日本人の民族的性癖を世界中で最もよく知っています。 いい加減だと分かっている連中が作ったものなど、わざわざ選んで食うものですか。
私の日本人観には悪意があると思っている人、農家をやれとはいいませんから、最寄のファースト・フード店か、ファミレスで、二三週間、アルバイトをして御覧なさい。 大変為になる経験が出来ると思いますよ。 ちなみに私は、若い頃に、ファミレスで一年間アルバイトをしていましたが、その間も、それ以降も、ファミレスに客として入った事は一度もありません。 あんな所の食い物が食えるかよ。 わはははは! まあ、いいから、バイトに行ってみなって。 やってみりゃ分かるよ。
ちょっとだけ、漏らしますと・・・・、ハンバーグはどこのファミレスでも主力メニューですが、専門機関で調べてみれば、30枚に一枚くらいの割で、床掃除用の薬液が検出されるのではありますまいか? よく、生きてるよなあ。 お客さんて、丈夫なんだなあ。
もうちょっと漏らしましょうか。 ウエイトレスって、二時間勤務するとして、その間に何回手を洗うか知ってます? 限り無く少ないです。 人によってはゼロ。 忙しい時は、全員ゼロです。 かくして、残飯を片付けたそのままの手で、各種デザートを作ります。 トリプル・サンデーなんて、よく頼むよねえ。 お客さんて、丈夫なんだなあ。
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