2008/03/02

バイクの事でも

  木曜の帰りにバイクのタイヤがパンクしている事に気付きました。 夜中に帰って来るので、近所迷惑を慮り、家の1ブロック手前でエンジンを切って、惰性走行で門前まで辿り着くのですが、その勢いが普段より弱かったので、漸く気付いた次第。 「走ってて分からんのか?」と思うでしょうが、分からんのですわ、それが。 オフロード・タイプのバイクで、タイヤがごついので、パンクしても割と普通に走れるのですよ。 スカスカの状態でも、時速90キロくらいは出ます。

  空気が自然に減る事もあるので、金曜に出かける前に、空気を満タンにしてみました。 その時ついでに調べてみたら、なんと溝の中にピンが刺さっているじゃありませんか! 頭が5ミリばかり飛び出しています。 しかし、出勤時間が迫っていたので、取り敢えず、そのまま出発。 その日一日は行きも帰りも大丈夫でした。 「もしかしたら、短いピンで、表面に刺さっているだけかもしれない」と淡い期待を抱きつつ、土曜の朝に、ピンを引き抜いてみたら、なんと5センチ近い長物でした。 抜いた途端にプシューッと勢いよく抜ける空気。 ちびまる子風に額に縦線が・・・・。 こりゃ、否でも応でも修理しないわけには行きません。 金が飛んで行きそうだなあ。

  「ピンが刺さった状態で、一日もったんだから、抜かなきゃ良かったんじゃないの? 空気が減るたびに補充すればいいじゃん」とお思いのあなた。 いや、私も稀代の吝嗇家ですから、それは過去に試した事があるのです。 だけど、そういう事をやっていると、だんだんひどくなって、タイヤそのものを駄目にしてしまい、もっと高くつくんですわ。 世の中、ごまかしてごまかしきれる事と、きれない事があるんですな。 ある意味、タイヤのパンクは、借金取りよりも怖い。

  何年かぶりにバイクの説明書を引っ張り出して、諸元表を見てみたところ、リヤ・タイヤだけが、チューブレスである事を確認。 ラッキー! チューブ式だと、タイヤを外さなければならないので、素人の手に余りますが、チューブレスなら、市販の修理キットで、比較的簡単に直せるからです。 私は一度もやった事は無いんですが、大昔に読んだ本に、そう書いてあったのを覚えていたんですな。 修理キットは、ネットで調べた所、1500円くらいするらしいです。 高いな! バイク屋に持って行っても、1500円から2000円は取られるらしく、どっちが得か悩む所ですが、キットの方は一度買えば、4・5回分は入っているらしいので、ケチな私は自ずからそちらを選ぶ事とあいなりました。 こういうキットは、往々にして、最初の一回は使っても、二回目に使おうと思うと、材質が劣化したりしていて、結局捨てる事になりがちですが、まあ先の事は考えない事にします。

  で、土曜日に修理キットを買いに行きました。 ところが、ホームセンターやバイク用品店、100円ショップなど、あちこちを見て回っても、値段が手頃なのが置いてありません。 穴を広げるキリ状の工具と、ひも状のゴム片、接着剤、それとゴム片を押し込む工具だけなので、300円くらいであってもよさそうですが、店にあるのは2000円以上する品ばかり。 頼みの綱の100円ショップは、自転車コーナーに、チューブ用の修理キットがあっただけで、チューブレス用は全滅でした。 ホームセンターに無いのはまだ分かるとしても、バイク屋にも無いのはこれ如何に? たぶん、修理用具を売ってしまうと、お客が自分で直してしまうので、修理依頼が減るからでしょう。 うむ、理の当然、あっさり納得だ。 腹立たしくはあるけれど。

  やっと、980円のを見つけて買って来ましたが、6軒くらい回ったので、午後を全部潰してしまいました。 ええい、せっかくの休みなのに勿体ない! 普通、買物をすると気分が晴れるものですが、それはあくまで、欲しい物を買う場合の話でして、否が応でも必要な物を買っても、ちっとも楽しくありません。 なんで、休みの日まで、義務で動き回らなければならんのか。 車で回ったのですが、土曜の午後の事とて、渋滞だらけで、もううんざり。 ラジオをかければ、これがまたとことん下らん詰まらんと来たもんだ。 名前も知らんパーソナリティーのトークなんて、全然面白くありません。 お前の日常生活なんか知るか! 公共の電波で何を私的な事をべらべら喋っている! そういう事はブログにでも書け!

  今回、なんで、こんな中身の薄い事を書いているかというと、つまり、土曜日の午後にクタクタに疲れてしまったので、コラムなんか書くエネルギーは残っていないんだという事を、暗に伝えたいわけです。 まあ、そういう時もあるわさ。 毎週読んでいる人というのもあまりいないようなので、一週くらい休んでもバレやしないと思うんですが、習慣になっている更新パターンを一度崩すと、「ああ、いいやいいや、今週もパス」で、どんどん崩れていってしまうので、書かざるを得ないんですな。


  あまり短いのもなんなんで、バイクの話でもしましょうか。 私は、結構歳が行ってから乗り始めたのですが、それでもそろそろ12年くらいになります。 車に乗っていたのが6年でしたから、もうその倍になるんですね。 歳月経るのは早いもの。 うーん、感無量だ。

  普通は、18歳くらいで乗り始めて、2・3年乗るとやめてしまいます。 車の方が道具として圧倒的に便利ですから、バイクはだんだん乗らなくなり、結局は物置の邪魔物として腐って行くのが通り相場。 車とバイク、両方乗っている人もいますが、あまり多くは無いですし、大抵、車が主で、バイクの方は遊び目的です。 バイクに乗り続けたかったら、所有をバイクだけにするしかありません。

  私の場合、今の会社に入社した当初は、車で通勤していたんですが、エンジンの調子が悪くなって来たのと、ワックス掛けが面倒になったのが理由でやめてしまい、電車通勤に切り替えました。 ところが、3年ほどしたら、会社の通勤時間割が変更になり、電車が動いていない早朝や夜中に通勤しなければならなくなった為、やむなくバイクの免許を取ったのです。 かなりの変わり種と言えますな。 最初から実用目的オンリーだったので、速く走ろうとか、コーナーを攻めようなどという気は毛頭無く、徹底的に安全運転に務めてきました。 だから、12年も大きな事故を起こさずに乗って来れたのでしょう。

  バイクは怖い乗り物でして、うまい人ほど、早く死にます。 うまい人は、バイクの性能を限界まで引き出すので、何か予期せぬ状況にぶつかった時、避けるゆとりが無くなってしまうんですな。 どのくらいのスピードで、どのくらいまで倒せるかという事を、完全に把握し、体得しているつもりでも、路面状況や気象条件、他の車の挙動など、計算しきれない要素はいくらでもあります。 腕が良ければ良いほど、自信があればあるほど、死が近いのです。 死なないまでも、一度速いスピードで転倒して大怪我をすると、心理的に怖くなってしまって、二度とバイクに乗れなくなるというケースはよくあります。

  道路を走っていると、道の脇をテレテレ低速で走っているビジネス・バイクのお爺さんがよくいますが、ああいう人達がなぜ長い年月バイクに乗って来れたかといえば、無理をせず、慎重な運転に務めてきたからに外なりません。 いや、慎重でもまだ足りない。 臆病さすら必要です。 「事故は起こらない」と思った途端に、死神が寄ってくるのです。 臆病な運転をしていると、どうにも様にならないもので、決してうまいとは言われませんが、そういう人達だけが、バイクに乗り続けていられるのです。

  最後に豆知識を。 バイクのエンジンをかける時には、必ず、乗ってからかけるようにします。 クラッチをニュートラルにしてあっても、何の拍子にシフト・ペダルが落ちて、走り出してしまうか分かりません。 乗っていればそういう危険は避けられるからです。 同様に下りる時にも、エンジンを切ってから下りるようにします。 とにかく、エンジンをかけたままシートから離れてはいけないわけです。 もし、そういう事をやっている馬鹿を見かけたら、そのバイクの前には絶対に行ってはいけません。 一旦暴走すると、5メートルくらいスポーンと飛び出す事もありますから、逃げようがありません。 後ろなら大丈夫。 バック・ギヤ無いですから。

  そうそう、スーパーの駐輪場などで、スクーターのエンジンを掛けたまま、押して歩いて人がいますが、あの光景はいつ見てもぞっとします。 自転車と同じようなつもりでいるのです。 自分がアクセルを握ってる事が念頭に無い! いつ手が滑って暴走するかわかったもんじゃありません。

  暖機運転の為に、乗る前にエンジンをかけるというのは、まだ分からんでもないですが、下りた後もエンジンを切らないというのは、何の意味があるんですかねえ? ターボがついているわけじゃあるまいし。 ありゃ、ひょっとすると、周りの人間に、自分のバイクを見て貰いたいというアピールなのかも知れませんな。 「どうだい、俺のバイクは。 いいエンジン音だろう。 羨ましいだろう。 妬ましいだろう」と言いたいわけだ。 馬鹿か? 他人のバイクなんか見てる奴は、誰もおらんわ。 うるさくて、不愉快だから、目を背ける人ならたくさんいるがのう。 百歩譲って、バイクを見たがる奴はいても、お前を見たがる奴はいない。 早く気づけよ。