2008/10/26

ブログ繁盛記

  そういえば、ここもブログですが、週に一度の更新以外、何の管理もしていない為に、すっかり打ち忘れていました。 最近では、アクセス・ログのチェックも滅多にしなくなり、「読むなり焼くなり、好きにしとくれ」という、ブログ作者としては、不謹慎極まりない心境に至っています。 だからねえ、私には、ここがブログだという認識が無いんですよ。 元々が、個人サイトの時事コラムからスタートしたので、未だにその延長のような気分なのです。

  昨今、何とかして、インターネットの世界から、もっと大きな利益を得られないかと模作しているのですが、なかなか有効な利用方法が見つかりません。 誤解が無いように言っておきますと、私が求めている利益とは、アフィリエイトによる収入といった金銭の事ではなく、幸福感や満足感の事です。 ネットで金を稼ごうとしている人達も、実際にいるようですが、とんでもないね。 そんないい加減な収入源に頼っているから、いつまでも生活が安定しないんですよ。 個人利用者にとってのネットとは、≪オフの場≫と考えるのが妥当でしょう。 心を豊かにする為に使うべきなのであって、金を儲ける所じゃありません。 そういえば、ネット・トレーダーを気取っていた連中は、今回の株価大暴落で、真っ青げっそりしてるんじゃないの? 遊びの道具で金を稼ごうとしたバチが当たったのですよ。

  おっと、早くも脱線しましたが、それでその、ネット上から幸福感や満足感を得るにはどうしたらいいかと、暇さえあれば考えているわけです。 今までのネット生活で、最も楽しかったのはどんな時かというと、初めて個人サイトを立ち上げた時でしょうな、やっぱり。 一日で思いついて、一晩で作ったペット・サイトでした。 当初のコンテンツは、写真と掲示板だけ。 同じペットを飼っている人達と話すのが面白くて、「掲示板こそ、ネットの醍醐味だ!」と思い、掲示板オンリーで始めたのです。 それ以前に、ゲストとして出入りしていた所が10ヶ所くらいあったので、その人達が来てくれて、結構繁盛しました。 思い返すと、ほんの半年ほどだったけど、あの時期は充実していました。 毎日、家に帰って、どんな書き込みが来ているか、確認するのが楽しくてねえ。

  ただ、日当たり5件前後の書き込みが入るようになると、レスを書くのが苦痛になってきました。 一人当たり、15行くらい書いて来るので、レスもほぼ同じ文量を返す事になり、それが5件も溜まってた日には、一日3時間書いてもおっつかないというわけです。 その上、更新もせにゃならんし、お礼の巡回にも行かなきゃならん。 もう、拷問ですな。 結局、疲れてしまい、人の癇に障る事を書き込んで来る奴ら(全員、若い男)に対し、何度かキレている内に、ゲストはほとんどいなくなってしまいました。 キレた事だけが原因ではなく、意見の相違が際立ってくると、こちらも相手のサイトに行かなくなるので、どうしても交際が細ってしまうんですな。

  お客が減った時は、寂しいな、惨めだなと思うと同時に、「これで、地獄の日々から解放された」とホッとしました。 いくらなんでも、レスを書くのに一日3時間も費やすのは異常な生活ですけんのう。 今、このブログは、コメント・トラックバック共に拒否していますが、過去の苦い経験から教訓を得ているという理由もあります。 コメントを貰う嬉しさより、レスを書く苦痛の方が上を行くと、ほとほと懲りたのです。

  よそのブログを見ると、一記事当たりのコメントが30件、レスを足すと、60件もコメント・カウントが行っているような所がざらにあって、他人事ながら心配になってしまいます。 掲示板の書きこみに比べ、ブログのコメントがいくら短いといっても、2・3行はあるわけで、一日に30件もレスを書いていたら、他に何もできますまい。 こういうブログを運営している人というのは、たぶん、フリーターとか、専業主婦とか、ひきこもりとか、そういう人達なんでしょうな。 勤め人が、そんなに時間が取れるかってーのよ。

  でもね、ネットから何かしら幸福感・満足感を得ようと思うと、いつも、その、サイト立ち上げ直後の、殺人的に忙しかった日々を思い出すのです。 苦しいと分かっている一方で、あの盛り上がりの高揚感を忘れられないんですな。 気がつくと、「もう一度、あんな日々を送ってみたいなあ」などと夢想している自分を発見し、慌てて打ち消したりしているのです。

  新しいサイトを立ち上げる気は、もはや毛頭ありませんが、ブログなら、直ぐに作れます。 無料サービスがいくらもありますから、選びたい放題。 ブログのテーマを何にするかなど、考える必要もありません。 ストックしている写真でもアップして、テケトーな文章を添えておけば、内容としては充分でしょう。 ブログ・サービスを探す所から初めて、初回の記事アップまで、二時間もあればお釣りが来そうです。

  ここ二三週間ほど、木曜金曜頃になると、新しいブログの構想を練り始め、「よし、週末になったら、ブログを開設しよう!」などと考えては、ささやかな希望にしている有様。 だけど、実際には、週末を迎えても、ブログを作ったりはしません。 いざ作る段になると、現実に引き戻されてしまって、「そんなもん作ったって、運営できるもんか!」と没にしてしまうのです。

  個人サイトでもブログでも、基本的に、お客が呼べないのでは、作る意味がありません。 ところが、現在のネット社会の状況では、来る客の質に期待が出来ないのです。 繁盛しているブログの客層を見ると、ホストと話をしに来ているのは、ほんの一握りに過ぎず、大部分が、自分のブログの宣伝に来ている連中です。 第一回目のコメントにしてからが、「初めまして」で始まるのではなく、どこに打ち込んでも通用するような適当な誉め言葉に、「私のブログにも遊びに来て下さい」という結句を添えたもので、純度100%の宣伝コメントなのだから呆れた話。

  また、ホストの方も、それが宣伝だと分かり切っていて、微塵も意に介さず、誰に対しても通用するような適当なレスを返しています。 そもそも、そこのホストにしてからが、自分のブログを宣伝する為に、閲覧者数が多い他のブログにコメントを打って回っているのであって、相互扶助で、訪問し合って、共存共栄しているという寸法なのです。

  見ていると、あざとい集客手法を使っているんですよ。 とある、花をテーマにした写真ブログですが、自分がアップした花の名前をネット検索し、同じ花について最近触れたブログを見つけて、同じ文面のコメントを片っ端からコピー貼付して行くのです。 初対面でも、お構いなし。 そういう場合、レスなんぞ期待しておらず、自分の所にコメントを打ち返してくれる事だけを狙っているわけです。 これならば、時間が許す限り、交際相手をいくらでも増やせますわなあ。

  しかし、そういうのをネット交友と言いますかね? 「まあ、綺麗な花ですね」って、書いてあっても、それは、実際にそう思って書いているのではなくて、元から用意されていた単なる修辞に過ぎないのです。 他人に送っているのと同じ文面のコメントを貰って、嬉しいですかね? そんなの、宣伝メールと変わらないじゃん。 悪意は無いかもしれませんが、そんな事は問題ではないのであって、善意が無いだけでも、ネット交友の相手としては、確実に不適格ではありますまいか?

  大体、ゲストが30人もいたのでは、誰がどんなブログをやっているのか、記憶し切れますまい。 コメントもレスも、言葉はあっても意思は無く、空虚な社交辞令のやり取りに過ぎません。 しかも、そんな意義の無い事をする為に、毎日毎日、殺人的に忙しいのです。 閲覧者が増えようが、ブログ・サービス内でのランキングが高くなろうが、苦しみが増すだけでは、何のため運営しているのか分からないではありませんか。 苦しいのにやめられないというのは、もはや、心の病ですな。

  そうそう、他にも、アクセス数を増やす手法があるらしいです。 ほとんどの不定期客は、検索で来るので、その時々の、≪検索ワード・ランキング≫を調べ、記事の中に、その言葉を入れるのだそうです。 たとえば、話題になっているニュース・ネタとか、アイドルの名前とかを。 すると、誰かがその言葉を検索した時に、自分のブログが引っ掛かり、見に来て貰えるという仕組み。 ああ、そりゃ、確かに来そうだよねえ。 極端に言えば、≪検索ワード・ランキング≫をテーマにしたブログを作り、毎日、ランキングの上位20語を、引用という形でアップして行けば、とてつもない数のアクセスが得られるという事に・・・・。

  おいこら、早速やろうとしているあなた、馬鹿な事はやめなされ。 そんな詐欺同然の手法で集めた客に何の価値があるんだね? そういう客と、何を話すんだね? ほとんど興味がないニュースや、顔も知らないアイドルの話題で、どうやって盛り上がろうというんだね? 君ゃあ、一体、何の為にブログをやっておるのだね? 同好の士との交友が目的ではなかったのかね?

  あ、ちなみに、アクセス数を増やす為に、頻繁に更新するという手法は、もはや、ほぼ完全に効力を失ったようです。 ブログ・センターを利用する人がいなくなっちゃったからねえ。 RSS機能も、使いこなしている人が、どの程度いる事やら。 トラックバックの概念すら理解できないのに、RSSが分かるとはとても思えません。 ごく最近ブログを始めた人には、頻繁更新がまだ効くと思っている人が多いようですが、一日に何回更新しても、大して閲覧者が増えないでしょう? 努力は涙ぐましいですが、そんな事にエネルギーを注ぐ暇があったら、他のブログを見て回り、話の合いそうな人の所にコメントを打った方が良いと思います。

  他人の事はさておき、私はどうすりゃいいんですかねえ。 今後も毎週、木金に新しいブログを構想し、土日に諦めるパターンを繰り返すしかないんでしょうか? 実際に作ったとしても、お客の相手をする気が無いので、誰も来ず、結局すぐに飽きてしまうと思うんですよ。 実は、そうやって、思いつきで作って、放り出したブログを、三つばかり持っているのです。 作った私が、中身に飽きてしまっているので、もはや、更新する気にもなりません。 新しいブログを作るにしても、その前に、この三つを処分せねばいかんなあ。

  しかし、考えてみると、この≪心中宵更新≫は、奇妙なブログといえば奇妙なブログですな。 お客は無視、しかも週一更新に過ぎないのに、日当たり50~100人くらいの閲覧者が続いているのは、不思議を通り越して、不気味です。 一体、どんな人間が読んでいるんですかねえ? ≪リコーダー≫で検索して来る人が結構いるようですが、いざ来てみたら、廉価版ばかりなので、肩透かしを食らっているのではありますまいか? 期待外れで、申し訳ない。