2011/03/07

時事1103

  昨年の九月まで週一だったこのブログの更新を、岩手応援のドサクサ紛れに、月一に変更したため、土曜日が大変気楽になりました。 これは、解放の喜びだね。 街頭に繰り出し、輪になって踊りたいくらいに。 全国の、いや、全世界の、≪一人相撲型ブログ≫の作者諸君に告ぐ。 更新が苦しくなったら、ザクザク頻度を落とすのが利口だぞ。 楽になれよ。 カツ丼、喰うか?

  実は、月一でも面倒なのですが、あまり書かないと、死んだと思われるので、たまには、更新しましょう。 時事問題で、お茶を濁すくらいなら、大した手間ではないですから。


≪外相辞任≫
  在日韓国人の献金を、他の外国人の献金と同列に扱うのは、歴史的経緯から考えて、何となく釈然としませんし、素性に関わらず、献金自体が問題だろう、という気もしますが、それをさておけば、M氏の閣僚辞任は、歓迎すべき事だと思います。 この人、閣僚はおろか、国会議員は勿論、政治家そのものに向いていないのではありますまいか。

  例の中国漁船事件を大ごとにしてしまった最大の責任者ですし、外相になってからも、対中・対ロ関係を全く改善できません。 当たり前だよな、最初から喧嘩腰なんだから。 アメリカへ行って、向こうの言う通りにハイハイ頷くのは、誰にでもできる事。 外交音痴の典型だと思うのですが、なぜ、外相に任命したのか、実に不可解。

  だいぶ昔の話ですが、野党時代、党代表を務めていた時に起きた、≪捏造メール事件≫での、稚拙極まりない対応も、強く印象に残っています。 つい先日は、「ニュージーランド地震の被害者家族を、政府専用機で現地に送れないか」と提案したものの、法的根拠が無くて没。 無用の混乱を引き起こしたのは、記憶に新しいところです。 考える事が、悉く浅薄で、子供っぽいと感じるのは、私だけかいな?

  これだけ、いろいろあれば、「政治家として、不適当」と見做されても仕方ないのでは? この人よりも、もっと向いていない政治家もたくさんいると思いますが、そういう人達は普通、閣僚クラスまで上がって来ないから、問題にならないのです。

  政治家は、≪馬鹿タイプ≫と、≪悪党タイプ≫に大別されますが、この人は、そのどちらでもなく、強いて名付けるなら、≪危険タイプ≫とでも申しましょうか。 やる事なす事、危なっかしさばかり感じるのです。 この人を、次の首相にと考えていた人も多いようですが、いくら、日本の首相が誰でも務まるとはいえ、悪い事は言わない、やめといた方がいいと思いますぜ。


≪知恵袋カンニング≫
  アホなのか、凄いのか分からん男ですな。 アホというのは、知恵袋へ質問して、バレないと思っているその間抜けぶりが、アホだと思うわけです。 問題そのままだから、即バレするのであって、数学なら数字を変えるとか、英語なら単語を入れ替えるとか、検索ソフトに引っ掛からない方法は、ちょっと考えれば思いつくと思うんですがね。

  凄いと思うのは、打ち込みの速さです。 数式の打ち込みなんて、キーボードでやっても気が遠くなりますが、あの制約の多い携帯で、よく打ちましたねえ。 その点に関しては、素直に敬服します。 私には、絶対できません。 石の上で三年練習してもできないでしょう。 というか、練習しようにも、携帯そのものを持っていませんが。

  カチンと来たのは、逮捕されるとすぐに、「反省しています」と、コメントした事です。 嘘つけ。 本当に反省してたら、自首するだろうが。 発覚しなかったら、そのまま入学するつもりだったのは、明白。 「バレたから反省する」というのは、自分が犯した罪に関しては悪いと思っておらず、バレた事に関して、「失敗した」と思っているだけではないでしょうか。


≪ニュージーランド地震≫
  地震そのものは、自然災害なので仕方ないとして、マスコミの報道は、明らかに、騒ぎ過ぎだったと思います。 被害の大きさから言ったら、ハイチ地震の方が比較にならないほど甚だしかったのに、日本人留学生が被害に遭ったというだけの理由で、この報道規模の差はないでしょう。 確かに、日本人が海外で事故や事件に巻き込まれた場合、日本のマスコミには、国内に情報を伝える義務がありますが、これといった新展開が無かったにも拘らず、連日、怒涛のような報道を繰り返したのには、呆れてしまいました。

  行方不明になっている被害者を、まるで、悲劇のヒーローのように持ち上げる風潮がありますが、あれは、おかしいのではないでしょうか。 語学留学というのは、留学の中では最低レベルの部類で、それ自体を褒め称えるのには、明らかに無理があります。 看護士だった人達ですが、地震の被害者だから、「これから、海外で活躍しようとしていた」と、マスコミはその志を賞賛していましたが、もし、これが犯罪の加害者だったら、「日本国内ですら看護士が不足しているのに、どういうつもりで海外へ行こうとしていたのか」などと、扱き下ろしたに違いありません。

  地震でビルの倒壊に巻き込まれたのは、全くの偶然であって、被害者達の為人とは、何の関係もありますまい。 マスコミのやっている事は、悲劇のクライマックスを与えられたので、その物語の足りない部分を書き加えて、起承転結を揃えたがっているだけのように見えます。 なんでもかんでも、≪一杯のかけそば≫に仕立ててしまおうとする、その発想の低劣さには、吐き気すら覚えます。


≪リビア≫
  これも、起こっている事より、マスコミの取り上げ方の方が問題。 チュニジア、エジプトと、独裁政権が倒されたので、「リビアでも、同じパターンになるに違いない」と決め付けて、早々と、「カダフィ政権の終焉は時間の問題」だの、「カダフィ包囲網は狭まっている」だの、「最後に勝つのは民主主義」だのと、軽薄な報道をしていますが、勇み足もいいところです。 そんな記事を書いていた記者どもは、ここ数日、カダフィ政権側が反撃に転じ、拠点の奪回を始めたのを見て、青くなっている事でしょう。

  いやいや、大丈夫だって。 そんなに心配すんなよ。 カダフィ大佐がリビア全土を再掌握しても、お前らが死ぬわけじゃない。 せいぜい、社内や局内で大恥を掻いて、二度と人前で大口叩けなくなるだけだよ。 だーからよー、材料が揃ってないのに、なんで、未来予測なんてしようと思うのかなあ? 自分を預言者とでも思っているのか? 別に、大勢がはっきりしてから記事を書いても、誰も批判しやせんだろうに。

  エジプトとリビアで、情況が最も違うのは、エジプトでは、軍が一体の組織として動いていたのに対し、リビアでは、分裂してしまった事です。 反政府側は、迂闊にも気付いていなかったようですが、軍の一部が離反して、自分達の味方についた時、彼らはもはや、≪平和的デモ隊≫ではなく、≪反政府軍≫になってしまったのです。 反政府軍が出現した以上、政府側には自分を守る権利が生ずるわけで、軍の兵器を使って戦っても、差支えが無くなります。 それが、名分というものです。

  この点について、国連も、欧米の自称・国際世論も、よく分かっていないようですが、自分の国で同じ事が起きた時、政府がどう反応するかを想像してみれば、カダフィ政権がやっている事が、一概に非人道行為とは断じ難いという事が分かると思います。 さあ、想像してみましょう。 日本の一地方で、反政府デモが起こり、自衛隊の一部が、その勢力について、東京を目指して進撃してくる様相を見せている。 日本政府はどうするか? 指をくわえて見ているのか? ありえんわな。 政府が掌握している自衛隊や警察を使って、鎮圧しようとするわな。 そんなの当然だわな。 なぜ、リビアで、カダフィ政権が同じ事をやったら、いかんのだ?

  外国による飛行禁止区域の設定など、とんでもない話で、もう完全に、リビアに対する侵略になってしまいます。 サダム・フセイン政権のイラクにも、飛行禁止区域が設定されていましたが、あちらは、クウェート侵略に対する制裁措置として、国連で認められたのであって、今のリビアとは事情が違います。 そもそも、カダフィ政権は、外国を攻めているわけではないのですから、国際紛争の調停が本来の目的である国連が、あれこれ言うのは、筋違いでしょう。 安易に原則を曲げたら、それこそ、国際ルールも何も無くなってしまいます。

  反政府軍は、「カダフィの宮殿を爆撃して欲しい」などと外国に要請していますが、はっきり言って、そういうのは、売国行為なんじゃないでしょうか。 植民地化されていた屈辱の歴史を忘れたわけでもありますまいに。 外国軍、とりわけ、欧米の軍隊が乗り込んで来たら、それこそ、カダフィ大佐の復権は決まったようなものです。 反政府側の中に、欧米軍を引き入れた指導部への反発が生まれ、勢力が分裂して、内ゲバを始めるに違いないからです。 アラブ諸国の軍なら、受け入れやすいかもしれませんが、あいにく、アラブ諸国は、どこも自国のデモでてんてこまいで、リビアに派兵する余裕などありません。

  そういえば、キューバのフィデル・カストロ氏が、リビアの騒乱が始まって間もない時点で、「リビアには石油があるから、アメリカが侵略してくるだろう」と言っていました。 その時は、「ちょっと極端な見方かな」と思ったんですが、その後、オバマ政権が飛行禁止区域の設定を言い出したのを見て、背筋がぞーっとしました。 イラクと同じパターンだとすれば、その後に続くのは、侵略以外に無いという事になります。

  旧宗主国、つまり、かつて、リビアを植民地にしていた国ですが、そのイタリア政府が、リビア情勢について、やけに詳しく探っているのも不気味な動きです。 なんだなんだ、帝国主義時代に逆戻りさせるつもりなのか? イタリアは、外国の事よりも、自国の政治混乱を処置すべきでしょう。 頭の上の蝿を追いなよ。

  リビアの反政府側の問題点は、チュニジアやエジプトと、自国の事情が違うという点に配慮していなかった事です。 ベンガジから政府勢力を追い出した時点で、喜び過ぎたんですな。 王政時代の国旗を振って、浮かれ騒いでいましたが、そんな古臭い価値観がこびりついた旗を持ち出してくる事自体、反政府側に中心核が無い証明のようなものです。 特にまずかったのは、離反した軍の一部を、考え無しに受け入れてしまった事でしょう。 「味方になってくれなくてもいいから、中立していてくれ」と、距離を置いておけば、反政府軍にならなくて済んだのに。

  もう、こうなってしまった以上、戦い続けるしかありませんが、カダフィ政権が軍の主力を掌握しているとなると、武器弾薬の供給が無い反政府軍側は、今後、苦しくなる一方だと思います。 当然の事ですが、弾丸や砲弾は、撃ってしまえば無くなります。 外国から買う事ができなければ、自力で作るしかないですが、製造設備を持っているのかどうか。 カダフィ大佐の絶叫演説とは裏腹に、政府軍の行動が冷静で、きちんと作戦を立てて、着々と拠点の奪回を進めている点は、烏合の衆に限りなく近い反政府側にとって、最大の恐怖でしょう。

  マルタへ逃げた戦闘機のパイロット達も、事態の推移を固唾を呑んで見守っている事でしょう。 反政府側が勝てば、英雄として凱旋できますが、政府側が勝てば、二度と国に帰れなくなります。 戦闘機という国の財産を盗んだ犯罪者として、マルタからリビアへ引き渡されれば、帰るには帰れますが、逃げ出す前とは、全く違う人生になるのは確実。

  今後、政府側の反撃が続かなくなり、また反政府側が主導権を取り返すかもしれないので、リビアがどうなるかは、まだ分かりませんが、もし、世界の安定を優先して考えるのなら、カダフィ政権に踏ん張って貰った方が、一連の騒乱は早く収まると思います。 ドミノの連鎖が止まるわけですから。 「独裁政権の崩壊は、歴史の流れ」などと、青臭いばかりで脳足りんな事を抜かしている連中も、事がサウジやイランに波及したら、対岸の火事では済まなくなる事くらい想像できるでしょう。

  リビアも駄目、サウジやイランも駄目では、世界から石油が無くなってしまいます。 石油が無いのでは、文明社会は立ち行きません。 「一時的に混乱しても、民主化が進んだ方がいい」? アホか。 その一時的の間に、日本の会社は、全部潰れてしまうわ。 いいや、世界中の会社が潰れてしまうわ。 石油の存在がどれだけ大きいか、知らんわけでもあるまい。 燃料だけではないのだぞ。 プラスチックも繊維も、みんな石油から作っておるのだぞ。 それらが無くなる事を想像してみい。

  大体、民主化すれば、何もかもよくなるなんて、今の日本の政治を見ていて、よく言えるな? 観察力ゼロか? 民主化すれば、政治家は人気取りばかり考えて、国が借金だらけになるに決まっているのであって、その例が、デカデカと目の前にあるではないか。 中東諸国にも、そうなれというのか? 無責任極まりない。