2011/04/10

お金の話

  ずううぅぅーーーーっと休み。 入社以来、こんなに長い休みは、もちろん初めて。 言うに及ばず、今後も退職するまで二度と経験できないと思われます。 もっとも、週に一回くらい、雑用で出勤はしているのですが、本当に雑用としか形容できない、≪真・雑用≫なので、あんな事では、とてもとても、働いたなどとは申せません。

  この雑用、単に、「ずっと休みでは、給料が減ってしまって困るだろう」という、上層部の余計なお節介で、無理やり捻り出された仕事なのです。 ラインの作り替えだの、床のペンキ剥がしだの、しなくてもいいばかりか、するとお金が掛かってしまって、会社に損害を齎すような事ばかり。 工場というのは、ラインが動いて、製品が外へ出荷されなければ、一円も儲けられないのだという事を、認識していないのです。

  ヒラ社員は不出勤の場合、≪休業≫扱いになるため、給料は90%支給。 それに対し、職制は基本的に、毎日出勤しているので、給料は、定時分までとはいえ、100%出ます。 それも奇妙なのであって、工場が動いていないのですから、職制も出勤に及ばないはず。 会社に来ても、雑用しかやる事が無い点は、ヒラと変わらないのですから。 思うに、自分達が100%貰っていて、後ろめたさを感じるのが嫌なので、罪滅ぼしとして、ヒラにも週一で出勤させているのではありますまいか。

  そもそも、会社が一円も儲けていないのに、従業員に給料が支払われるというのがおかしいです。 たとえ90%であっても、休んでいる人間に金をくれてやるというのは、札束をドブに捨てているのと変わりありません。 どうも、自然災害などの外部要因で操業を停めざるを得なくなると、国から補助金が出るらしいのですが、それでなくても借金で全身ギプス状態の国に、よくそんなお金があるものです。 一応、資本主義のはずなのに、民間企業を国が助けるというのは、どういう事でしょう?


  金といえば、≪復興財源≫ですが、あれも、どこから持って来るつもりなんですかねえ。 とても、とーても足りないと思うのですよ。 何度も言うように、日本は震災前でも、超特大スケールの借金国だったのであって、その上更に、復興用の資金が必要になるんですよ。 義援金が1兆や2兆集まったところで、あの見渡す限りの瓦礫の原が、元に戻せるとは、到底思えません。 一体、どうするつもりなんでしょう?

  義援金といえば、私も、会社でちょこっと出しましたけど、一人千円くらいでは、焼け石に水だと思いますぜ。 俄かに義侠心に駆られて、何万円とか何十万円とか、一人で出そうとしている方もいると思いますが、あまり先走らない方がいいです。 その内、増税でがっぽり持って行かれる可能性があるので、そうなると、二重取りされたような、嫌~な気分になること請け合いです。

  つまらん事に拘るようですが、義援金というのは、いくら出しても、表彰されるわけでもなければ、礼状一枚貰えるわけでもないので、時間が経てば経つほど、「ああ、私の出した、あのお金は、どうなったんでしょうねえ・・・」と、虚しい気分が盛り上がって来るものです。 礼状を出せばいいと思うんですがね。 たとえ、印刷された葉書一枚であっても、「ありがとうございました。 有効に使わせていただきました」という文面を見れば、誰でも、「ああ、出して良かったなあ」と、満足できると思うのですよ。

  そういや、新聞社を通して義援金を出すと、≪希望者に限り≫、紙面に名前が掲載されるのだとか。 うう・・・・、新聞社めらが、巧みに人の弱みを突いて来るのう。 そうまでして、名前を出したいとは思わないのですよ。 何だか、いやらしいですわなあ。 ≪希望者に限り≫というのが、さりげなくも大きな落とし穴でして、そんなのに名前が載った日には、世間に恥を曝すようなものですぜ。 もっとも、そんな名簿なんざ、≪希望者≫当人以外、誰も読まないと思いますけど。 ああ、いやらしい! 鳥肌立つ!


  「復興させるなら、津波に耐えられる街にすべきだ」という事で、高床式の人工地盤を設け、その上に街を作る案を出していてる学者がいましたが、いやはや、参りましたね。 バブルの頃に流行った、≪千メートル・ビル計画≫を思い出しましたよ。 今では信じられない話ですが、バブル最盛期には、階層式に人工地盤を積み重ねた、超巨大ビルの建設計画が、かなり真面目に検討されていたのです。 もちろん、莫大な資金が必要とされるのであって、金が唸っていた当時ですら、到底、現実の話にはなりませんでした。

  まして、国が借金で押し潰される寸前の情況にある今、どうして、そんな物が作れるのか・・・。 資金の事を一切考えずに提案しているとしか思えません。 津波でやられた地域が、どれだけ広大か、テレビを見ていないんでしょうか。 その全てに、高床式人工地盤を立ち上げるんですか? 全世界の全ての国の予算を百年分注ぎ込んでも、とてもできないと思いますがねえ。

  経済的に、もっと現実的な案としては、

1・ 津波被害地域に街を再建するのは諦め、住民は他の地域へ移住する。
2・ 津波被害地域に、そのまま街を再建し、今までよりも高さ厚さ共に頑丈な堤防を作り直す。

  のどちらかという事になると思います。

  1案は、被災者の心情からすれば、非現実的なようですが、津波対策としては完璧になります。 究極の津波対策は、津波が来ない所に住む事だからです。 土地の所有権の問題や、故郷への愛着を考えると、実行は難しいと思いますが、街の再建はしないで済みますから、資金的には一番安く上がります。

  2案は、現実的といえば最も現実的で、たぶん、実際にそうなるのではないかと予想されますが、「今回より大きな津波は、向こう百年くらいは来ないだろう」という、≪楽観的見込み≫に大きく依存する事になります。 この場合でも、高床式人工地盤ほどではないにせよ、大変なお金が掛かるわけですが、現実的で、尚且つ、住民の理解が得やすいという点では、断然優れています。

  今回の津波が今までと違うのは、「これで充分」と思われていた堤防が、破られてしまった事にあります。 「今回のような津波に耐え得る堤防を作るのは不可能」と、土木業界が言っているそうですが、実際、そうなのでしょう。 いつか破られると分かっている堤防を再建して、不安と背中合わせで暮らすか、移住の苦難を乗り越えて、安心を手に入れるか・・・、それは、難しい選択になるでしょうな。


  お金の話に戻りますが、復興資金を、増税ではなく、国債発行で賄う案が出ているのだとか。 結局、お金の出所は国民の財布なので、国債であっても、いずれは税金で払わなければならなくなります。 一体、何十兆何百兆かかるのか分かりませんが、今までにも到底返せない金額だった借金が、輪を掛けて到底返せなくなるわけで、それでも、国債を引き受けましょうという金融機関の気が知れません。

  お金というのは、数字だけ見ていると、実際に存在するのかしないのかピンと来ませんが、家に借金取りが押し掛けて来ると、自分がそれを持っていない事を実感できるのだとか。 大方、日本の金融機関も、自分達が動かしているお金が、実際には、すでに存在しないという事に気付いていないのでしょう。 気付いた時が、日本経済が破綻する時なわけだ。 復興国債の発行が、その引き金になってしまわなければいいんですがね。 もし、そうなったら、泣きっ面に蜂に藪蛇ですぜ。


  オマケ。

「使っていない電気はこまめに消そう」
「その買い物は、本当に必要ですか?」
  テレビの震災後CMで、芸能人が真面目ぶって、問いかけていますが、あれには、腹の底から片腹痛いです。 あんたらみたいに、金をジャブジャブ使って暮らしているやつらに、そんな事言われたかないよ。 そうゆうCMの仕事を引き受ける前に、自分の生活レベルを落としてみなよ。 とても、できまいて。

「日本は一つ」
  これも、噴飯物。 実際問題、富士川から西に住んでいる人達は、震災前と何の変わりもなく、「ふつーに」暮らしているわけで、そんな事、口にできる立場ではないでしょう。 冷静且つ客観的に見ると、今現在、「日本は三つ」に分かれています。 被災地、停電地域、それ以外の地域に。 被災地に住んでいなくても、そんなに後ろめたさを感じる必要はありません。 天災は回り持ちでやって来ますし、復興費用は、全国一律に税金で取られるからです。 そうなってから税務署が使うコピーなら、まだ分かりますが。

「日本は強い国」
  馬鹿めが。 戦争でも始めるつもりか。 大体、元から強い国なら、おまえに励まされる必要などないではないか。 それ以前に、地震・津波の被害が、強い弱いの問題か? 相手は天災だぞ。 強くたって死ぬし、弱くたって生き残るわ。 まったく、馬鹿で、馬鹿で・・・、そんな脳足りんなコピーしか思いつかんのか。

「こんな時だからこそ、花見をしてください」
  いやいやいや、それは、こちらで決めます。 自粛するかどうかは、自粛する側が判断する事です。 逆に訊きたいのですが、こういう時に自粛しないで、どういう時に自粛するんですか? 自粛と言えば、昭和天皇が死んだ時を思い出しますが、あの時はたった一人、今回は死者・行方不明者だけでも3万人近い人数ですぜ。 3万倍自粛してもいいくらいです。 人の命に、価値の差はありますまい。

「自分が頑張る事で、被災者を励ましたい」
  昨今のスポーツ選手が、まじないのように唱えるセリフですが・・・、いやあ、あなたの成績と、被災者とは、全然関係ないと思いますよ。 中には、あなたのライバルのファンもいると思いますが、そういう人達は、あなたが頑張れば頑張るほど、胸糞悪いだけじゃないですかね? 自分の仕事と、被災者応援を勝手に結びつけるのは、控えるべきでしょう。

  傍から見ると、被災者応援を売名に利用しているように見えてしまうんですが、それは錯覚ですか? 少しでも、自分の心に恥じるところがあったら、考え足らずの言動は慎んだ方がいいですよ。 体育会系好みの聞こえのいいセリフを鵜呑みにするほど、世間の人間は馬鹿じゃないですから。 心配しなくても、スポーツ選手がスポーツをやるのは当たり前なのであって、被災者応援を口実にしなくたって、誰も批判などしませんよ。 実際問題、「仕事をやるな」とは言えないでしょう?

「世界が、日本人の冷静な対応を賞賛している」
  アホけ? 天災に見舞われたら、助け合うのはどの国だって同じだよ。 空き巣狙いや、瓦礫場泥棒が出るのもな。 誰が何を賞賛してるって? その馬鹿は、福島第一の放射能だだ漏れも誉めてるのかい? まったく、日本にいる者ですら、情報が少なくて困っているというのに、外国にいる人間が、何を知っていると言うのだね?

  無資格批評者に誉められて、喜んでいる方も喜んでいる方だ。 そんなに誉めて欲しいのかね? 「誉めて、誉めて! 日本人て凄いでしょ! 俺も日本人! 偉いでしょ?」 くぅぅ・・・、およそ、奥ゆかしさのかけらもない・・・。 自家撞着を恐れず言わせて貰えば、「おまいら、ほんとに日本人か?」 は、は、は、耳~心を知るべし! 東照神君家康公に顔向けできぬ! いや、この恥ずかしい実態こそ、真の日本人の姿なのだと思えば、矛盾もないが・・・。