2017/03/12

老後の備えに早過ぎはない

  年中、言い訳ばかりしていますが、このブログも、もう書きたい事なんて、ないんですよねー。 理由としては、やはり、人生の最終ステージに入ったのが大きいですなあ。 引退前と引退後では、同じ人間のような気がしません。 ちなみに、子供の頃の自分と、今の自分も、同じ人間のような気がしないのですが、それはまた、別の問題。

  引退前は、職場ストレスに、常に曝されていて、決して楽な日々ではなかったけれど、それでも、僅かながらでも、未来への希望がありました。 私の場合、定年まで勤めず、途中で退職しましたから、尚の事、僅かな希望がある内に、スパッと切り落とすように、引退生活に入ってしまったわけで、希望が消えるのが急激だったのです。

「引退したら、今まで、時間がなくてやれなかった趣味に取り組んで、悠々自適の生活を・・・」

  あー、そんなの、無理無理。 だーからねー、引退したら、収入がなくなるわけだから、お金を、ホイホイ、気軽に使えなくなるんですよ。 貯蓄で、年金が出るまで食い繋がなければならないとなれば、検討するまでもなく、生活費が最優先です。 趣味に浪費なんて、とんでもない心得違いだわ。 読書習慣がない人は、お金がかからない趣味と言ったら、テレビか、散歩か、そんなものしかないでしょうなあ。

  老後資金を貯めてあるどころか、定年後まで、家のローンが残るような人は、引退なんて、できませんよ。 なーにを、寝惚けた事を言ってるだーか! あなたの借金を、他の誰かが、代わりに払ってくれるわけないでしょうに。 でもねー、そういう人って、思いの外、たくさんいるんですよ。 人生全体の金勘定をした事が、一度もないんでしょうなあ。

  私が勤めていた頃にも、先輩に、そういう人がいて、私が、「定年後は、ローンをどうやって返すんですか?」って訊いたら、「うーん・・・、それはねー・・・」と、しばらく考えてから、「・・・、一生働くしかないねえ」と、笑ってましたが、なになになに、笑い事じゃないでしょうに! マジで、死ぬまで働かなければなりませんぜ。 60歳過ぎて、楽な仕事なんて、ないよ。

  工事現場で、交通整理をしている老人を見たら、それが自分の未来の姿だと思うべきでしょう。 いやいやいや、交通整理でも、雇って貰えるのなら、まだ、いい方でして、その内、食い詰め老人が、どかどか増えて来たら、仕事の取り合いになって、働きたくても働けなくなるのは、容易に想像できる事です。 どうして、ローンを組む前に、そういう事を考えないのかなあ? 自分で方向性を決められる人生なのに、自分で自分を、生き地獄に追いやってるんだわ。

  まあ、そういう人達に比べれば、希望がなくても、働かずに暮らしている私は、まだ、マシなのかもしれませんな。 幸福の実感はありませんけど・・・。 「人は、パンのみにて生きるにあらず」、食えていれば、幸福というわけでもないようです。 だけど、食えないのは、明らかに不幸だわ。


  老後資金というのは、どの程度貯めておけばいいのか、見当もつかないという人がいると思うので、老婆心ながら書いておきましょう。 大体、一人、一年、100万円かかると思っていれば良いです。 夫婦なら、200万円。 それが、最少限必要な金額ですな。 その金額に、収入がなくなってから、年金が貰えるようになるまでの年数をかければ、老後に必要な資金の、総額が出ます。

  年金制度は、将来、破綻する危険性が高く、減額が予想されるので、貯蓄の方は、ゆとりがあればあるほど、良いです。 「わははは! その計算式の時点で、全然 足りないわ」と、笑ってしまう方もいるでしょうが、何度も言うように、自分の老後の生活がかかっているわけですから、笑い事ではないです。 生活保護? それも当てにしない方がいいと思いますよ。 対象者が増えれば、やはり、じわじわと、減額せざるを得ないでしょう。

  まだ、20代30代の人で、今現在の一年間の貯蓄額に、定年までの年数をかけて、計算してみて、とても、足りそうにないと思ったら、すぐに、お金の使い方を改めて、低消費人生に切り替えたほうが良いです。 計算の際、将来の出世による収入の増加は、当てにしないように。 そんなの、こちらの都合に合わせて、出世させてくれるかどうか、分からないじゃないですか。 なに? 他人を蹴落としてでも、出世する? あー、それは、お金の問題以前に、人生の道そのものを踏み外す事になるでしょう。

  結婚や子育てを考えている人達は、予測不能な出費が想定され、計算ができないので、とにかく、貯められるだけ貯めておくしかないのですが、困った事に、ケチな人間は、結婚相手を見つけられないという厳然たる事実がありまして、ジレンマになっています。 自分の人生の安泰を第一に考えるなら、結婚しない方が、確実に、お金に関する悩みは減らせますが、推奨はしません。 相手がいるなら、結婚した方がいいでしょう。

  交際している相手が、金遣いが荒い場合、それは、結婚しない方がいいですわ。 「結婚したら、真っ当な人間になり、無駄遣いしなくなるに違いない」なんて、夢みたいな成り行きは、期待しないのが賢明。 「夫婦で協力して、より良い人生を築いて行こう」といった考え方は、金遣いが荒い人間には、全く通用しますまい。 鼻で笑われてしまいますよ。

  私が指摘するまでもなく、今の若い世代には、最初から、生涯独身を覚悟している人が多いようですが、そういう人達は、少なくとも、お金で困る事はないと思います。 配偶者を得るというのは、ほんと、良し悪しなんだわ。 悪い方へ転ぶと、貯金なんぞ、全部、使い尽くされた上に、莫大な借金まで背負わされてしまいます。 とてもじゃないが、恋だの愛だの性欲だので、相殺できる損害ではありません。 最初から、骨までしゃぶるつもりで、結婚してんだよねー。 おっそろしい人間も、いたもんだわ。


  もう、40歳過ぎて、人生を折り返してしまっている人達には、有効なアドバイスのしようがないですが、とりあえず、車の買い換えなど、出費が嵩むものは諦めて、少しでも、お金を残す方向にシフトしておくのを、お薦めします。 100万円あれば、一人なら、一年間 生きていられる事を考えると、車の買い換えを諦めるのが、いかに価値のある選択かが分かろうというもの。

  老後資金が足りないと分かっているのに、家の購入なんて、とんでもない! 結局、払いきれずに、家は取り上げられるわ、ローンだけ残るわで、生き地獄になってしまいます。 マジで、誰も、代わりに払っちゃくれんよ。 分かっとんのかいな、その深刻さが? 自分で地獄を招き寄せて、なんとする?

  老後資金が足りないからといって、間違っても、株や債券など、相場商品で増やそうなどと考えてはいけません。 投信? いやいや、相場の要素が関わっているものは、元本保証がないわけですから、みんな同じです。 あのですねえ、相場商品いうのは、一年365日、起きている間は、ずっと、パソコンに向かって、値動きに目を光らせているような人達だけが、得をするようなシステムなんですよ。 素人は、その人達に、お金を貢いでやる為に、出資しているようなもんなんです。

  資産運営の基本中の基本である、貯金すらできないあなた方に、相場商品が扱えるわけがないじゃないですか。 自転車に乗れない人が、オートバイ・レースに出場するようなものです。 馬鹿馬鹿しい。 話にもならんわ。

  もちろん、ギャンブルで増やすなんて、大馬鹿な事は、考えないように。 ギャンブルで金持ちになった例なんて、聞いた事がない。 大当てした後、やめられればいいんですが、ギャンブラー心理的に、そんな理性的な判断はできないので、また、やって、必ず、すってしまいます。 そういうシステムなんですよ。 だから、事業として、運営側に利益が出るんですわ。

  宝くじ? あれも、あまり、推奨しませんなあ。 私だったら、宝くじに投入するお金があれば、迷わず、預金に回します。 定期的に買い続けて、小額だけ当たっている人と比べた時、一切買わない者の方が、残るお金が少なくなるとは、到底思えないからです。 考え方の方向性の問題でして、「宝くじで、一発」という考え方をする人は、他のギャンブルほど大損をしないというだけで、やはり、貯蓄には向かないんですな。



  私が、なんで、こんな事を繰り返し書くかというと、お金の価値や扱い方を知らない人間が、あまりにも多いので、貧すりゃ貪すで、今後、泥棒、強盗、引ったくり、置き引きなど、犯罪が増える事が予想され、私一人だけ助かればいいというわけにはいかないからです。 詐欺師が増えているのは、自分で自分の人生に必要なお金を稼げない人が増えている証拠ですな。

  そういや、相変わらず、詐欺師を主人公にしたドラマを作っているようですが、いい加減に、よせと言うのよ。 ああいうドラマを、一番、興味津々で見ているのは、オレオレ詐欺や、振り込め詐欺に関わっている連中でして、「やっぱり、詐欺師は、カッコいい商売なんだ」と、世間からお墨付きを貰ったつもりで、意欲万倍、せっせと仕事に励むんですわ。 とんでもないわ! 犯罪を推奨してしまっているのが、分からんのかね?