2018/08/05

時代を語る車達 ⑥

  出かけた先で撮影した車の写真に、個人の感想的な解説を付けたシリーズです。 本体の写真と解説文は、写真ブログで出した物を移植し、前文と後文は、書き下ろしているわけですが、同じシリーズが続くと、書く事がなくなって、困ってしまいます。 というわけで、前文は、この程度で・・・。




  写真が、はっきりしなくて恐縮ですが・・・。

  向かって、左側の白い車は、ホンダの、ザッツ。 ロゴは、「That's」で、かなり、変わった名前です。 2002年から、2007年まで、生産・販売されていた車種ですが、一代限りで終わりました。 3代目ライフをベースにして作られた模様。

  私は、こういう車種があった事を、ごく最近まで、全く知りませんでした。 実質的な後継車の、ゼストも知らず、去年、そちらを調べていたら、ザッツも引っ掛かってきて、初めて知った次第。 ホンダのトール・ワゴンと言ったら、ライフしか、頭に入れてなかったんですな。

  ライフよりも、強い個性を欲しがる顧客向けに作られたのだと思いますが、これは、車のデザインと言うより、古い冷蔵庫のデザインですな。 ただし、この車を見て、古いという感じは、全然しません。 むしろ、未来的ですが、些か、チープな未来っぽさでしょうか。 ダイハツの、ムーヴ・コンテ(2008-2017年)は、このザッツのデザインを戴いたのでは? もっとも、ムーヴ・コンテには、未来っぽさはないから、印象は、だいぶ違いますが。


  向かって右側は、スズキの、5代目ワゴンR・スティングレー。 ワゴンRは、基本型の4代目と5代目の区別が難しいのですが、スティングレーになると、もっと、難しいです。 グリルの辺りを、しげしげ眺めて、ようやく、5代目だと分かった次第。

  デザインだけで言えば、5代目ワゴンRは、基本型でも、充分、魅力的で、スティングレーに、全く負けていません。 それは、4代目でも、同じ事が言えます。


  ダイハツの、6代目ムーヴ。 2014年から、現在も販売中の現行車。 おっと、現行車の写真を撮ってきたのは、これが、初めてですな。 まあ、それはどうでもいいとして。

  初代ムーヴは、初代ワゴンRの対抗馬として出て来たわけですが、2年も遅れて登場したにも拘らず、モデル・チェンジのペースは、ライバルよりずっと早くて、追い抜いてしまい、6代目が出たのは、2014年。 ワゴンRの6代目は、3年も遅れて、2017年に出ました。 ダイハツは、トヨタ・グループなので、開発資金が、スズキより、潤沢なのかもしれません。

  例によって、私は、デザインしか見ていないのですが、この6代目は、ベタにカッコいい線を狙っていますな。 「ガンダム・デザイン」という、誉めているのか、馬鹿にしているのか分からない、微妙な言葉がありますが、それに、かなり近いです。 特に、後ろ姿が。 だけど、私は、こういうのが、嫌いではないです。 デザインに特徴があるお陰で、背の高さを感じさせないのは、良いと思います。 この車を上から押し潰すと、2代目ミラ・イースになるわけだ。

  ガンダム・デザインというのは、素人にも、「こういうデザインなら、自分にもできそうだ」と思わせるレベルの難易度でして、少し、気恥ずかしい感じがするのは、素人っぽいからでしょう。 素人っぽいから、応援したくなるという心理もあります。 一方、ワゴンRの4代目・5代目のデザインとなると、素人レベルでは、思いつきもしません。 応援などおこがましくて、ただただ、感嘆するのみ。

  それにしても、ガンダム・デザインの車が、普通に走っていて、特に目立ち過ぎる事もないというのは、70年代・80年代を知っている者にとっては、ちょっと不思議です。 時代が変わって、車に対する視線が、冷めたんでしょうか。 車のデザインを見る日本人のセンスが、段階的に洗練されて来たのは確かなのですが、それを上回るスピードで、車に対する興味が冷めてしまったというのが、実情です。



  こちらは、ダイハツの、ネイキッド。 1999年から、2004年まで生産販売されていた車。 一代限りで終わったようです。 いわゆる、「変り種グルマ」でして、そういう車種は、一代で終わる事が多いです。 すでに、生産が終わってから、14年も経っているのですが、かなりの数が出回ったようで、今でも、見つけるのに、苦労しません。

  ドアのヒンジが外に出ていたり、バンパーを留めているボルトが見えていたりと、大変、特徴があるデザインで、車に対する興味がなくなっていた私でも、この車が出て来た時には、面白いと思いました。 このデザインを、オフロード車のカテゴリーで捉えた人も多いと思うのですが、本来のターゲットは、むしろ、機械弄りが好きで、自宅にガレージを持っているような人達だったんじゃないでしょうか。

  2002年に、マイナー・チェンジで、ヘッド・ライトが、規格丸灯から、異形角灯に変わりますが、この写真の車は、その後期型ではないかと思います。 前に回って確認しなかったから、自信はありませんが。



  スズキの、2代目MRワゴン。 2006年から、2011年まで、生産・販売されていた型。 MRワゴンは、初代は、ワン・ボックス・フォルムで、分かり易かったんですが、2代目になったら、風変わりな方向に行ってしまい、個性が強いというか、こういう形が好きな人しか分からないというか、何とも言いようがないデザインになりました。



  こちらは、2代目MRワゴンの相手先ブランド供給車、日産の、2代目モコです。 フロント・グリルが異なっているらしいのですが、この写真では分かりませんな。 他は、ほとんど同じ。 私個人的には、モコの方が、目にする機会が多いような気がします。

  MRワゴンとモコの、初代と2代目に、何か共通点がないかと考えてみたのですが、どちらも、雰囲気が、チョコボールの「キョロちゃん」に似ていますな。 いや、あくまで、何となくのレベルですけど。




  今回は、以上、6台まで。

  写真を撮って来たはいいが、さほど、気にかけていなかった車の場合、解説文を書く段になって、はたと窮する事があります。 私の場合、興味の対象がデザインなので、書こうと思えば、あそこが悪い、ここが気に入らないと、何かしら、書けるわけですが、それでも、厳しい。

  ましてや、車をデザイン中心に見ていない人は、こういうシリーズは、そもそも、やる気にもならないでしょうねえ。 機能・性能なんて、所有してみなければ、運転してみなければ、最低限、乗せてもらわなければ、分かりませんものねえ。