2018/06/17

セルボ・モード補修 ⑪

  久しぶりですな、このシリーズ。 去年(2016年)の11月にオイル交換をしてから、車を弄る事はなかったんですが、古い車ですから、問題は、常に発生するわけです。 傾向的に、冬の間は、無事に過ごし、暖かくなると、いろいろな不具合が出てくるように感じられますが、もしかしたら、車ではなく、人間の方の問題で、暖かくなると、心身ともに活動的になるので、冬は気にならなかったような事でも、春になると、何とかしようという意欲が湧いて来るのかも知れません。




【ホイール・カバー補修】

  3月頃からだと思いますが、左前輪のホイール・カバーが、一部が浮いてしまい、押すと、パコッと入る状態が続いていました。 5月半ば、いい加減、乗る度に、押して直すのが面倒になり、いよいよ、修理しました。

≪写真1左≫
  ホイール・カバーを外したら、爪が、三箇所、折れていました。 去年(2017年)の7月に修理した時とは、別の爪も折れていて、全体的に、プラスチックの劣化が進んでいる事が分かりました。

  向かって右側は、健在な爪です。 根元の白くなっている部分は、去年7月に、補強に塗ったパテです。

  左側は、爪がないです。 修理は、折れた爪を、針金で固定すればいいわけですが、爪の根元が短か過ぎて、穴を開けられません。

≪写真1右≫
  そこで、ブリキ板を切って、こういう部品を作りました。 爪の根元ではなく、側面に立っている板に、ブリキ部品を固定し、そこに爪を付けようという目論見です。 ブリキは、金切り鋏で切り、ラジオ・ペンチで曲げ、電気ドリルで穴を開けました。

≪写真2≫
  取り付けた様子。 側面板の穴は、角度的に、ドリルが使えなくて、針金をL字に曲げて、先端を蝋燭の火で熱し、溶かして開けました。 固定用の針金は、最初、被覆タイプを使ったんですが、穴が小さくて、通し難いので、途中から、普通のタイプに変えました。 いずれ、錆びて来るわけですが、私の車の場合、雨の日には滅多に使わないから、切れるほど錆びるには、相当時間がかかると思います。

≪写真3≫
  修理後の全景。 奥側二ヵ所、手前左側一ヵ所を直しました。 ブリキ部品の重さの分、ホイール・バランスが狂うわけですが、私は、高速走行も、遠出もしないので、実質的な問題は起こらないと思います。 今後、何か問題が起こるようだったら、全ての爪に、ブリキ部品を付ける事にします。

≪写真4≫
  ホイールに装着。 付けてしまえば、綺麗なものです。 裏を、ブリキ板で修理してあるとは、お釈迦様でも気がつきますまい。 表面を押してみましたが、浮いて、パカパカする所はないようです。 今回は、全ての爪が揃ったわけだから、浮きたくても浮きようがないとは思うのですけど。 ブリキ板を入れた爪に関しては、折れる心配もなくなったわけだ。




  ここから先は、一般論。

  ホイール・カバーは、外す時にも、付ける時にも、腕力と神経を使います。 外す時には、タイヤ・レバーの扁平に尖った端を、ホイールとカバーの隙間に差し込むのですが、梃子でこじ開ける格好になるので、カバー本体の割れが起こり易いです。 外縁部だけが割れているケースも多く見られます。

  まだ、実際に試していないのですが、思いついた外し方として、太い紐、もしくは、帯のようなものを、ホイール・カバー本体の穴に通して、引っ張れば、外縁部を割る恐れなしに、外せるかもしれません。 ただし、穴の位置が外縁に近いのが条件になります。 スポークを模して、中心近くまで穴が切れ込んでいるデザインの物も、たくさんありますが、紐がズレ落ちて、本体の中心に近い所を引っ張ったら、たぶん、中心部が割れてしまうと思います。


  付ける時には、バルブの位置に注意しながら、まず片側を嵌め込み、爪を一つずつ入れて行きます。 最後に、二ヵ所くらい残るので、先に入れた爪が浮いて来ないように、膝の横で押さえながら、一ヵ所をタイヤ・レバーで押さえ込みつつ、もう一ヵ所を、カバー表面から掌の土手で叩いて、勢いで押し込みます。 結局、最後は、勢いに頼らなければならないのが、厳しいところ。

  「全体を、少しずつ入れる」といったやり方を紹介している人もいますが、爪だけならともかく、ワイヤーがあるのですから、そんな事ができるとは思えません。 ワイヤーの撓み分が、逃げるところがないではありませんか。 それは、昔使われていた、金属製のホイール・カバーの入れ方なんじゃないでしょうか。 全周が爪になっていて、ワイヤーがないから、できるのです。



  ホイール・カバーの爪というのは、本体に、がっちり付いていなければいけないというものではなくて、本体から一定の間隔を保っていれば、根元が針金で縛ってあっても、別段、問題ないと思います。 そもそも、爪と本体を、プラスチックの一体整形で作るから、爪折れが起こるのであって、最初から、爪を別部品にして、蝶番で動くようにしておけば、脱着も簡単にできるし、ずっと、長持ちすると思うんですがね。 ホイール・カバーの脱着は、強引に押し込んだり、梃子で引っ張り出したりするので、プラスチックの弾力に頼るには、ハード過ぎるのです。

  もっとも、私は、高速走行をしないから、ピンと来ないだけで、爪を全て、蝶番式にしてしまったら、高速走行中、ホイール・カバーが偏って、とんでもない事になるのかも知れませんな。 中心部の裏に、車軸にスポッと収まる突起を付けるとか、何か、対策は考えられないものでしょうか。


  ちなみに、車の車輪で、一番、ホイール・カバーが外れ易いのが、左の前輪です。 それには、ちゃんと、理由があって、車道から、歩道に上がる時に、いの一番に段差に乗り上がるのが、左前輪だからです。 他の車輪が段差に乗る時には、車の速度が落ちていて、ショックが少なくなります。 一方、対向車線を横切ってから、反対側の歩道に上がる場合は、車が、歩道に対して、ほぼ直角になっているので、右前輪だけが、強い衝撃を受ける事はありません。

 「ホイール・カバーは、コーナーリング中の遠心力でも外れる」というのは、嘘ではないですが、分析が足りません。 その前に、爪が何ヵ所か外れているから、遠心力程度でも、ホイール・カバーが外れてしまうのです。 で、なぜ、爪が外れるかというと、段差に乗り上げた時に、タイヤだけでは、衝撃を吸収しきれずに、ホイールが歪むからなんですな。

  つまり、ホイール・カバーの脱落を防ぐには、段差を乗り越えた時、「あっ、今のは衝撃が大きかったな」と思ったら、その後、車から下りた時に、爪が外れてないか、チェックすればいいのです。 目視だけだと分かり難いので、爪がある所を親指で押して行く方が確実。 あまり、神経質になって、チェックばかりしていると、嫌になってしまいますけど。

  ただし、これらは、メーカー純正のホイール・カバーの場合でして、汎用ホイール・カバーの場合、サイズが微妙に違っていて、最初から、爪の引っ掛かりが浅くて、外れ易いという物があるそうです。 そういう場合、爪の引っかかる所に、パテを盛ったら、外れ難くなると思いますが、問題は、ホイール・カバーをホイールに嵌め込む時の強い力に、パテが耐えられるかどうかですな。 ホイールにキズがついても気にしないというのなら、爪に穴を開けて、ボルト・ナットを付ければいいかも。 自分で経験したわけではないから、推測ですけど。

  ホイール・カバーが脱落するのが嫌なばかりに、アルミ・ホイールに換えたという人もいると思いますが、アルミにすれば、全面的に良くなるというわけではないです。 アルミは、キズがつくと、直せません。 研磨し直してもらうなんて事になったら、いくらかかるか分からない。 その点、ホイール・カバーは、キズがついても、補修が利きます。 シルバー一色のタイプなら、塗り直しも簡単。 100円ショップのスプレー缶でも、新品同様の外見に戻せます。

  一番安いホイールで、シルバー塗装の鉄ホイールというのがあり、それにしてしまえば、ホイール・カバー脱落の恐怖から逃れられますし、再塗装も利きます。 その代わり、シルバー塗装の鉄ホイールには、車軸部分だけを覆う、センター・キャップという部品があって、それが脱落する事があります。 私が最初に乗った初代ミラでも、一つ落ちてしまい、ディーラーに言って、中古品を付け直してもらいました。

  また、シルバー塗装鉄ホイールの場合、ハブ・ナットが露出するので、頭を塞いで、メッキを施した、化粧ナットが欲しくなり、それがまた、そこそこ、値段が高いという問題も出て来ます。 気にしなければ、センター・キャップがなかろうが、普通のハブ・ナットだろうが、構いはしないのですが、やはり、車の持ち主としては、そういう所が気になると思うのですよ。