2018/04/15

時代を語る車達 ④

   出かけた先で撮影した車の写真に、個人の感想的な解説を付けたシリーズです。 元は、日替わり写真のブログで出している写真と記事なのですが、そちらのストックがなくなったので、とりあえず、今回で終わりです。




  これは、3代目ワゴンR。 生産・販売期間は、2003年から、2008年まで。 ワゴンRは、初代は、思い切った特徴的デザイン、2代目は、安定感の強いデザインで、それぞれ、良かったのですが、この3代目になったら、方向性を見失ったらしく、典型的な、「デザインレス・デザイン」になってしまいました。 いくら、機能重視だからと言って、デザインレスは、まずいでしょう。

  それはともかくとして、この車ですが、最も新しくても、10年も経っているのに、赤い色が褪せていないのは、不思議ですな。 車庫に保管しているんですかね? この色だけで、デザインの欠点を、充分に補っている観あり。



  とある事業所の前に並んだ、スズキの5代目エブリイ(2005年-2015年)。 スズキの場合、軽ワン・ボックスは、「エブリイ」、軽トラックは、「キャリイ」と、車形で名前が分かれているので、割と分かり易いです。 とはいえ、私は、パッと見て、何代目なのか分かるほど、詳しくはありません。

  同じ車種が、ズラリと並んで、壮観です。 この事業所、建物の裏手にも、何台か、同じエブリイが停まっていて、全部で、7・8台あると思います。 車も、纏めて買うと、お安くなるんですかね? 良く見ると、真ん中の車だけ、アルミ・ホイールを履いています。 乗り手が、個性を出したいんでしょうか。



  前の方が、陰に入ってしまっていますが、スズキの、5代目ワゴンR(2012年 - 2017年)です。 ワゴンRは、4代目で、デザインが飛躍的に良くなりますが、5代目でも、その形を、ほとんど変えず、魅力を保ちます。 機能性と美しさを両立させた、稀に見る傑作デザインだと思います。

  4代目と5代目の違いは、慣れれば、顔を見ただけで分かるようになりますが、慣れない内は、側面で見分けます。 後席三角窓の後ろの辺が、緩やかにカーブしているのが、4代目で、途中で角度が付いて曲がっているのが、5代目。 ・・・、三角窓と言っても、実際には、四角形や、五角形ですけど。



  ある時、スーパーに入って、たまたま、車をここに停めたのですが、しばらくして、ふと見たら、左右を、21世紀セルボに挟まれている事に気づきました。 私の車も、一応、セルボですから、セルボ・サンドが出来上がったわけです。 色も、全車シルバーだし。

  21世紀セルボは、型式名が、「HG21S」で、2006年から、2009年まで、生産・販売されていた車。 セルボとしては、4代目。 セルボ・モードをセルボに含めるのなら、5代目です。 車高を高くして、セミ・トール・ワゴン・スタイルにしたもの。 たった3年で、消えてしまったのは、車が悪かったというよりも、ワゴンRの4代目が、2008年に登場し、そちらに喰われてしまったからではないかと思います。

  左側の車は、「SR」のプレートがあり、スポーツ・タイプです。 しかし、手前側の車も、パンパーにエアロ・パーツが付いていますな。 いやいやいや、私は、セルボ・モードについては、結構、詳しくなったのですが、21世紀セルボについては、そんなに調べていないので、いい加減な事を書くのはやめておきます。

  名前が近いせいで、世間的には、21世紀セルボは、セルボ・モードの後継車という事になっていますが、スタイルを見ると、むしろ、初代MRワゴンの流れを汲んでいるように思えます。 スポーティーなイメージも、広い室内スペースも、と欲張って、中途半端になってしまった観があるものの、悪いデザインではないですし、使い勝手も良さそうに見えます。



  11代目ブルーバードにして、初代ブルーバード・シルフィーです。 2000年から、2005年にかけて生産・販売されていた車。 今は、3代目になっていますが、ブルーバードという名前は使われておらず、シルフィーだけの名前になっています。

  今時、セダンなんて、ほとんど、売れないのですから、ブルーバードのままの方が、対象年齢的には、通りがいいと思うんですがね。 名前を変える目的は、新しいイメージにして、若い世代にアピールする事ですが、そもそも、今の若い人達は、車に乗る人が少ないですし、乗る人でも、セダンは選びません。 改名の効果が期待できないではありませんか。

  デザイン的には、ゴーン氏が経営に入る前の、日産の社内デザインだと思います。 良くも悪くもない感じ。 先代の10代目ブルーバードが、ごついデザインだったのに比べれば、街なかで目障りでなくなっただけ、良くなったと思います。 ただし、2000年頃には、もう、セダンそのものが評価されなくなっていて、話題になるような事はありませんでした。




  今回は、以上、5台まで。

  私は、20歳前後の頃には、車好きでしたが、自動車工場に勤めて、自分で車の生産に関わり始めたら、たちまち、興味を失ってしまいました。 「こんなの、ただの、鉄とプラスチックの塊ではないか」と・・・。 通勤も、車で行っていたのは、3年だけ。 その後、電車・バスが、3年。 残りの、19年間は、バイクでした。 といって、バイクに詳しいというわけではなく、バイクよりは、車の方が、まだ分かります。

  ただし、私の、車の対する興味は、98パーセントくらい、デザインが対象なので、エンジンやサスペンション、グレードなど、中身の方は、ほとんど分かりません。 デザインにしか興味がないというのは、どういう事かというと、同じ車種で、外見が同じなら、最小排気量の最低グレードでも、最大排気量の最高級グレードでも、価値の違いを感じないという事です。

  デザインというのは、感じ方が人それぞれで、共通見解に達しにくいのが難点でして、自動車工場では、ほとんど、話の種になりませんでした。 それは、ネット上でも同じ事で、自分が良いとか悪いとか思っていても、それを他人に同意させようというのは、困難を通り越して、不可能に近いです。

  車関係のブログを持っている人達は、話相手の乗っている車のデザインを、不用意に貶したりしないように注意すべきですな。 自分の所有物を貶されて喜ぶ人間はいないです。 「全体的にはいいけれど、この部分が駄目」といった、限定的な批判すら、控えるべき。 どうしても、良し悪し言いたいのなら、私のように、コメント受付拒否にして、独り言的に書くしかありません。

  デザインは、悪ければ売れませんが、良くても、デザインだけの魅力で売るというのは難しくて、「大量に売れたから、いいデザインだったのだ」という、結果から判断する評価方法は、危ういです。 もっとも、もはや、車が売れるだの、売れないだの、そんな事は、話題にすらならない時代になってしまいいましたけど。