2018/04/08

時代を語る車達 ③

   昨年の12月に、2回連続でやったシリーズの続きです。 カメラを持って出かけた先で、目についた古い車を撮影し、過ぎ去った時代を振り返ろうというもの。 後ろ向きな企画ですが、撮影そのものは、今やっているわけで、いくらかは、前向きな面もあります。




  5代目アルト(1998-2004年)。 この型から後は、現行規格です。 この型のアルトは、随分前から、デザインが好きで、一昨年、車購入シミュレーションをした時に、候補に入れていたくらいです。 後輪側のフェンダーに、ブリスターを使っているところが、何ともいえぬ。 アルトは、この後の、6代目から、奇妙なデザインになってしまいます。

  この車は、5ドアで、5ナンバーなので、乗用。 ホイール・カバーは、オリジナルのままだと思います。 塗装の劣化は、ほとんど、感じられません。 マット・ガードのデザインが、妙にシンプルで、車本体の凝ったデザインと合わないような感じがします。 本体とは、別の人がデザインしたのかも。

  この型、まだまだ、いくらでも、見る事ができますが、やはり、少しずつ減っているのでしょうなあ。 この型のデザインが優れている事に気づいているのは、少数派だと思うので、特別に珍重される事もなく、姿を消して行くものと思われます。



  一部、白飛びしてしまっていて、恐縮ですが・・・、ダイハツの、6代目ミラ(2002-2009年)です。 今世紀に入ってからの車だから、ずっと新しいですな。 だけど、ここ2・3年で、急激に数が減ったような気がします。 この車は、4ナンバーなので、ボンバン。 車輪も、ホイール・カバーなしの、シルバー塗装した鉄ホイールで、実にシンプルです。

  そういや、私が、まだ会社務めしていた頃、この型のミラを通勤用に使っている人が多かったです。 トヨタ・グループだったから、通勤は、トヨタ車か、ダイハツ車に限られていて、足と割り切って、ミラのボンバンを選んでいたんでしょう。 そういう人は、通勤用とは別に、他社製の車を所有しているのが普通でした。

  デザインとしては、5代目よりは良いけれど、4代目以前には、及ばないというところでしょうか。 運転者の性別を問わないのは、良いと思います。

  何年の事だったか忘れてしまいましたが、≪冬ソナ≫ブームの頃、ヨン様が、この車のCMに出た事で、印象に残っています。



  ダイハツの初代ムーヴ(1995-1998年)。 旧規格車です。 旧規格の軽は、ただいま、急激に、姿を消しつつあります。 残存率は、ライバルだった、初代ワゴンRと、どっこいでしょうか。 私のセルボ・モード後期型と、同じ時期に売られていたのですが、この車の方が、遥かに、程度が良いです。

  この型のムーヴを初めて見たのは、1995年の秋に、愛知県の田原工場へ応援に行った時、道路上で、この車の新車を載せたトランスポーターが走っていて、その後ろに、バイクでついた時だったと思います。 リア・ドアに貼られた、四角いネーム・プレートをしげしげ眺めた記憶があります。 あれから、長い時間が経ちました。



  ダイハツの、5代目ミラです。 1998年から、2002年まで売られていた型。 「ミラ・デザイン」と呼ばれていたスタイルは、3代目で終わり、4代目は、幾分、セルボ・モード風になったのですが、この5代目では、完全に変質して、独特のスタイルになりました。

  初代ミラ・ジーノのベースになった車で、明らかに、レトロ・デザインに影響されています。 レトロ風デザイン車をベースに、本格的なレトロ・デザイン車を作ったのだから、初代ミラ・ジーノの完成度が高くなったのは、理の当然。

  しかし、そのせいで、この普通のミラは、中途半端なデザインになってしまいました。 どう見ても、21世紀の車という感じがしません。 これを買うなら、ジーノを買った方が、満足度は高かったと思います。

  それはさておき、この車ですが、大変、程度が良かったです。 こまめに手入れしているんでしょうねえ。 車庫に入れているんじゃなかろうか?



  日産の、「ティーダ」。 2004年から、2012年まで、生産・販売されていた車。 日本国内では、一代限りで終わってしまったのですが、海外では、代を重ねているとの事。

  特別、この車が好きというわけではないんですが、カルロス・ゴーン氏が経営者になった後、日産車のデザインが大変わりし、その期間に登場した車なので、印象に残っています。 セダンもあったんですが、そちらは、「ティーダ・ラティオ」という、サブ・ネームが付いた、派生型という位置づけでした。

  クラス的に、サニーの後継車だったのに、ハッチ・バック車をメインにするとは、思い切って、変えたものだなあと感心していたのですが、まさか、一代限りでなくなってしまうとは、思っていませんでした。 ちなみに、この車の後継車は、2代目ノートらしいです。

  日産の車は、いつのまにか、車種の統廃合が進んで、私のように、80年代の車を基点に、「どれが、どれの後継車」という形で、認識して来た者には、捉え難くなってしまいました。 普通の乗用車だと、マーチ以外、80年代の名前を残しているものが、一車種もないというのは、改めて考えると、驚きです。 名前を変えたから、売れるというものでもないと思うのですが。




  今回は、以上、5台まで。

  撮影の方は、今現在も続けています。 初回の前文で、「古ければ、何でも撮るというわけではなく、主観で被写体を選んでいる」と書きましたが、その後、撮れる車は、片っ端から撮る方向にズレつつあります。 なかなか、いい印象に残っている車が、見つからないんですよ。 ちなみに、もはや、80年代の車は、滅多に見られなくなりました。 それ以前の車なら、尚の事。 時間の川は、流れが速い。