2021/08/01

新型肺炎あれこれ ⑬

  本来、新型肺炎について、日記ブログに書いた事を移植するシリーズですが、今回は珍しく、書き下ろしです。 シリーズに関係なく、このブログでは、書き下ろし自体が珍しいのですが、それはまあ、この際、措いておくとして・・・。




  「ワクチン関連のデマ」の一つに、「ワクチン接種を受けた者が、感染を広めている」というのがあるそうです。 その記事を読まなかったので、正確な内容は分からないのですが、もし、「ワクチン接種した後、『自分はもう、感染しない体になった』と思い込み、マスクもしない、三密も避けない、流行前と同じ生活に戻ってしまった」という意味でなら、それは、デマではなく、大いにありうる事。 というか、実際に起きている事だと思います。 ワクチン接種に反対する意見を、何でもかんでも、デマにしてしまえばいいってもんじゃないんだわ。

  そういう人は、多そうだな。 バーゲン・セール意識に強迫されて、「他人より早く! 一日でも早く!」と、ワクチンに飛びついた人達、全般的に思慮が浅い人達、医学知識に疎い人達は、ほとんど、そのタイプではないでしょうか。 ワクチンに闇雲な信頼をおいているから、「早く、早く!」という行動になったのであって、理に適っている。 無限大の信頼を置いているから、「打ちさえすれば、感染とは、金輪際、無縁になる」と決め込んでいるのも、理に適っている。

  しかし、それは、完全な間違いです。 ワクチンの効果について、正確な知識がないから、そんな、間違った思い込みをしでかすのです。 その思い込みは、医学でも、科学でもなく、宗教に近い。 いや、宗教意識そのものと言うべきでしょう。 ワクチンで、ほぼ、確実な効果が期待できるのは、ウィルスに感染しても、「死なない」という事だけ。 以下、「重症化しない」、「発症しない」と、順次、確実性が下がり、「感染しない」は、期待しない方がいい程度の効果しかありません。

  当然、無マスク・顎マスク・鼻出しマスクや、三密上等など、感染防御を怠れば、ワクチンを打っていても、非常に高い確率で、感染すると思った方がいいです。 ワクチンを打つ前から、感染していた、もしくは、打った後、感染したのに、「ワクチンを打っているから、大丈夫」と信じ込んでいる連中が、マスクも、三密回避もせずに、活動しまくれば、感染が広まるのは、理の当然です。 何が、デマなものか。

  昨今のイギリスの感染拡大を見れば、くどくどしい説明は不要でしょう。 感染対策の全面撤廃など、とても、正気とは思えぬ。 あの首相、目つきが異常なだけでなく、論理性も、科学的思考力のかけらも持ち合わせていないらしい。 新型肺炎による死者が少なければいいというものでもなく、感染者が増えれば、病床逼迫するのであって、関連死が増えるのは、火を見るよりも明らかです。

  だからよー。 イギリスを手本にするのは、よせって言うのよ。 あの国は、科学力も、経済力も、文化力も、あらゆる面で、一流でも、最先端でもない。 アメリカの最先端イメージが損なわれたせいで、他に手本がなくなって、先代最先端だったイギリスに縋りついているんでしょうが、そんなのまやかしです。 とっくの昔から、真似て、益があるような国じゃないんだわ。

  コロナ対策の滑稽愚劣な迷走ぶりを見ていて、それが、分からんかな? 「イギリスでは、こうやっている」というのは、何の説得力もないんだわ。 時代の変化に、頭の切り替えができないというのは、救いようがない。 憐れを通り越して、おぞましささえ覚える。 1980年代どころか、第二次世界大戦前で、頭が止まっている。 大英帝国なんて、もう、遥かな昔に消え去ったのに、幻を見ているとしか思えん。

  もっとも、日本も、方向性は異なるものの、コロナ対策が滅茶苦茶という点では、イギリスと同じくらい、滑稽愚劣ですが・・・。 お互いに笑い合うのも、虚しいくらい、どちらも、大失敗したのであり、大失敗を続けているのです。


  ワクチン接種を受けた人間で、「感染防御は続ける」という慎重な人と、「元の生活に戻す」という馬鹿と、どちらが多いか? 馬鹿の方が、多いと思うんですよね。 だって、「元の生活に戻れる」と思ったからこそ、ワクチンに飛びついたんでしょう? 打った後、戻さないわけがない。 平気な顔して、無マスクで、街や近所を闊歩し、知り合いを見つければ、ヤシヤシ近寄って行って、ベラベラ話しかけるわけだ。 相手が距離を取ろうとすると、「大丈夫、大丈夫、俺、ワクチン打ってるから」。

  馬鹿が・・・。 もーう、馬鹿で、馬鹿で、馬鹿で、馬鹿で、救いようがない。 いっそ、死んで欲しい。 こういう馬鹿に、「ワクチン打っても、感染する事はあるんだよ」と説明して、分かると思います? 「なに、言ってんだ! 世界中で打ってるんだぞ! そんないい加減なワクチンを打つもんか!」。 あーもー、熱が出てくる。 馬鹿に打つワクチンはない。

  こういう輩、ワクチン以前から、感染防御なんて、ろくにしてなかったと思うのですよ。 無マスク・顎マスク・鼻出しマスクは、当たり前。 三密なんぞ、屁とも思っていない。 そういう連中が、早々とワクチン打って、「感染防御をしない、言い訳」を手に入れたわけですな。 言い訳の為に、ワクチンを打ったわけだ。


  うーむ。 新型肺炎が流行してから、はっきり分かってしまった事があります。 それは、この世の中は、私が思っていた以上に、馬鹿な人間が多いという事です。 愚かと言った方が、語感が正しいでしょうか。 知能が低いとは言いせんが、考え方がおかしいというか、常識的な判断ができないというか、そんな人間が、6・7割はいるのではないかと。 ちなみに、流行前までは、そういう人間は、多くても、2割くらいだと思っていました。 世の中を、高く評価し過ぎていたわけだ。

  マスクだけ見ても、馬鹿の多い事よ。 最悪なのが、「飛沫感染」を理解できず、「マスクなんて、意味ない」と公言して憚らない、スペシャル馬鹿。 これは、さすがに少ないと思いますが、それでも、1割はいるのでは? ズボラの比率も、1割と見ていますが、それと、ほぼ、重なると思います。 無マスクや、顎マスクは、みな、この類い。 顎マスクの方が、人目を気にしている分、幾分、社会性が高いですが、ウィルスに対して、無防備なのは、どちらも同じです。 五十歩五十一歩というところでしょうか。

  地方局のテレビ番組に出ていた、ローカル・タレントが、感染して、回復して、テレビに出て来て、「みなさんも、手洗いとかして、気をつけてくださいね」などと言っていましたが、驚いたのは、その後で、「マスクは、ちょっと、ぼくは、仕事の関係で、できないんですけどね」と付け加えていた事です。 馬鹿か? マスクをしないから、感染したんだよ。 本物の馬鹿か? マスクをしないから感染したに決まっているではないか。 ほんとに、それが、理解できないのか? 信じられん。 しかし、こういう人間が存在する事は、否定のしようがない。

  次に、これは、どっと割合が増えると思いますが、「エアロゾル感染」を理解できず、鼻出しマスクや、鼻の横スカスカ・マスクで通している、ゼネラル馬鹿。 エアロゾル感染という言葉が悪かったか。 ズバリ、「空気感染する」と言ってしまえば良かったのです。 どうせ、一般人には、空気感染も、エアロゾル感染も、区別がつかないのですから。

  「エアロゾル感染」という言葉を聞いた事がないか、聞いた事があっても、意味を理解していないか、そのどちらかでなければ、鼻出しマスクや、鼻の横スカスカ・マスクで、他人の中に入って行けるわけがないです。 空気が通っていたら、感染してしまうではないですか。 いくら、馬鹿でも、知能が低いわけではないのだから、隙間が開いてりゃ、そこから、ウィルスを含んだ空気が出入りしてしまう事くらい、分かるはず。 なのに、隙間を開けて、平気でいるのは、「エアロゾル感染」の意味を理解していないからとしか思えません。

  ところで、「鼻の横スカスカ・マスク」ですが、多いのは、ウレタン立体マスクで、顔の形に、マスクの形が合っておらず、隙間が、ガバッと開いているケースを、いくらでも見る事ができます。 そこから、ウィルスを含んでいる可能性がある、エアロゾルを、顔の上の方へ向けて、ボーボー吹き上げているわけだ。 また、他人が吐いた、ウィルスが含まれている可能性があるエアロゾルを、ズーズー吸い込んでもいる、と。

  不織布マスクがいくらでも手に入るのだから、さっさと、変えればいいのに。 あんな、マスクの用を半分もしていない、ウレタン立体マスクに拘る理由が分からない。 やっぱり、馬鹿なんでしょうねえ。 ウレタン立体マスクをカッコいいと思ってるなら、残念でした。 馬鹿としか思われてないですよ。 どんな美人でも、ウレタン立体マスクをしていると、底なしの馬鹿に見える。 馬鹿か、馬鹿でないかが、外見で分かる時代になったわけだな。

  不織布マスクでも、鼻の横が開いているのがいる。 ノーズ・ワイヤーを曲げていないのです。 おそらく、何の為に、ワイヤーが入っているのか、知らない、分からない、考えた事もないのでしょう。 馬鹿だねえ。 いや、これは、知能が低いというべきか。 道具の正しい使い方が分からない人って、いますよね。

  家庭用の洋式便器で、立小便をして、横にそらせて、床や壁を汚しておきながら、掃除もせず、掃除をさせられる女房から、最大限に顔を歪めて、「死ねばいい」と憎まれている馬鹿亭主に通じるものがある。 大も小も、座って、やれよ。 便器の形を見て、そういう物だと分からんか? その道具をどう使っていいか、見ただけでは、理解できないんだわ。 原始人か?

  もっと恐ろしい想像としては、「このワイヤーは、マスクを浮かせて、鼻の横に隙間を作り、呼吸し易くする為の物だ」と思っているケース。 存外、結構、いそうだな。 馬っ鹿だねー! ビックリしちゃうねー! マスクの説明書を読めば、「鼻の形に合わせて曲げ、隙間をなくすように」と、全く逆の事が書いてあるんですが、世の中、説明書なんて読まないという人間も多いですからねえ。 こんな憐れな勘違いも、「エアロゾル感染」に関する知識がないのが、原因でしょう。

  流行の最初の頃、ワイド・ショーや報道番組を見ていた人なら、「エアロゾル感染」の何たるかが、分かるのですが、学生や勤め人で、その種の番組を全く見ていなかった人達が、その後、「エアロゾル感染」について、頭に入れる機会がなかったのは、無理からぬ事と言えば、言えます。 ネットで調べれば、出ていますが、そこまで調べる人は、決して、多くはありますまい。

  すでに、流行開始から、1年半経ち、一見、新型肺炎に関する知識は、世に広まり尽くしたかのようですが、いやいや、そんな事はないです。 大雑把な知識すらない人は、何割という規模で、存在すると考えた方がいいでしょう。 だって、知識を頭に入れる機会がないんだものね。 ワイド・ショーでも、今頃、「エアロゾル感染」の解説なんて、やってないものなあ。

  そういえば、まだ、そんなに前ではありませんが、西村担当相が、「お札に付いたウィルスは、12日間、生きているそうですよ」と、突然言って、「今頃になって、この人は、何を言い出すんだ?」と、世のコメンテーター達の、首を傾げさせた事がありました。 これは、推測ですが、西村担当相、その頃になるまで、接触感染について、よく知らなかったんじゃないでしょうかね。 ひょんな事で、「お札が、12日間」という知識を耳にして、「他の人にも教えてやろう」という軽い気持ちで、口にしたんじゃないでしょうか。 でなければ、あの時期に言う、理由が分からない。

  西村担当相に限らず、政治家で、感染防御について、割と正確な知識を持っているのは、少数派だと思いますねえ。 医師出身者でも、どれだけ、分かっている事やら。 ちなみに、医療関係者というのは、ほぼ全員、ズボラか、非潔癖でして、潔癖は、一人もいません。 そもそも、潔癖は、医療関係者になろうと考えません。 医療関係者になってから、潔癖になった人は、仕事をやめてしまいます。 潔癖には、日常的に、他人の体に触れるなんて事はできないのです。

  一方、ズボラと非潔癖は、見えない汚れを、汚れと認識する事ができないので、感染防御の質が落ちるのは避けようがなく、院内感染が起こっても、ちっとも不思議ではないです。 「医療関係者でさえ」ではなく、「医療関係者だから」、院内感染を起こすのです。 これは、常識の盲点でしょうな。

  この三者の区別について、もう少し書きましょうか。 潔癖は、外から家に帰れば、手が汚れていなくても、手を洗います。 非潔癖は、目で見て、汚れていなければ、洗いません。 ただし、汗や脂が付いていると感じれば、洗います。 ズボラは、汚れていても、洗いません。 というか、掌を確認する習慣そのものがないです。 一番多いのは、非潔癖で、分かり易い横棒グラフにすると、非潔癖が中央の8割、潔癖とズボラが、両端の1割ずつ。

  で、この三者の内、新型肺炎の感染防御ができるのは、潔癖だけなんだわ。 非潔癖+ズボラで、全体の9割は、できないんですわ。 絶望的な事に・・・。 一人一人の感染防御で、流行を押さえ込もうという方針が、いかに、現実離れしているかが分かろうというもの。 非潔癖は、武器も持たずに、手ぶらで戦場に来ているようなものです。 ズボラに至っては、手ぶらの上に、裸で戦場に来ているようなもの。 バタバタと撃ち殺されて行くのは、当然ですな。


  そういえば、「接触感染」について、誤解している人も多そうですな。 これも、名前が悪い。 正確に言えば、「接触、経口・経鼻・経眼、感染」ですな。 ウィルスに触った手指などで、口、鼻、目に触れる事で、呼吸器系にウィルスが入って、感染するのです。 感染者に、手で触ったからと言って、手から感染するわけではないですが、手で触れるほど近づいている場合、感染者の口や鼻から出た、飛沫やエアロゾルを吸い込んで、感染するから、そもそも、近づく事自体、避けた方が、無難です。

  しかし、こんな細かい事、非潔癖やズボラに説明しても、分かって貰えるとは、とーても思えません。 私の母は、非潔癖、つまり、普通の衛生感覚の人ですが、私が、いくら言っても、外から帰った後、汚れた手で回した蛇口ハンドルを、洗った手で締めて、それで良しにしてしまいます。 「汚れた手で、ハンドルに触ったのだから、ハンドルも汚れた」という理屈が分からないのです。 もう、疲れたので、何も言わなくなり、あとから、私が、ハンドルを洗い、タオルは、電子レンジで、殺菌(殺ウィルス)する事にしました。 非潔癖と一緒に暮らしている以上、完璧な感染防御は、期し難い。




  結構、長くなってしまったので、今回は、このくらいで終わりにします。