2022/05/15

読書感想文・蔵出し (87)

  読書感想文です。 前回出したのが、2月13日でしたから、だいぶ、間が開きました。 読書意欲は衰えたものの、一応、図書館通いは続けています。





≪モンタギュー・エッグ氏の事件簿≫

論創海外ミステリ 258
論創社 2020年11月20日/初版
ドロシー・L・セイヤーズ 著
井伊順彦 編・訳

  沼津図書館にあった単行本です。 一段組み。 短編、13作を収録。 本国刊行の短編集を、そのまま訳したものではなく、翻訳の際に、編集されたもの。 内訳は、ピーター・ウィムジイ卿物1、モンタギュー・エッグ物6、ノン・シリーズ6。 

  ドロシー・L・セイヤーズさんは、イギリスに於ける、長編推理小説黎明期の、代表的作家の一人。


【アリババの呪文】 約44ページ 1928年
  主亡き後、犯罪組織に加わった、元従僕。 歳月を費やして、信用を得るが、ある時、秘密集会で、裏切り者である事を指摘されてしまう。 殺されそうになって、自宅の金庫に、組織の名簿が隠してあると脅し、首領に探しに行かせるが・・・、という話。

  長編の探偵役として活躍する、ピーター・ウィムジイ卿物。 金庫に仕掛けが施してあって、そこが、読ませどころなのですが、機械仕掛けは、いくらでも、複雑な物を設定できるので、推理物としては、破格になってしまいます。 実際、ウィムジイ卿のファン以外には、ちっとも面白くありません。


【毒入りダウ'08年者ワイン】 約16ページ 1933年
  ワインのセールスマン。 出入りしているお屋敷の主人が、自社製のワインで毒殺されたと聞いて驚き、素人探偵として、捜査に当たる話。

  どうやって、ワインに毒を入れたかが、謎になっていますが、トリックは、物体的なもので、読者には推理が不可能な、特殊な道具が使われています。 こういうのは、ズルなのでは? トリックには、読者が誰でも知っているような物を使わないと、読者の意表を衝けないではありませんか。


【香水を追跡する】 約16ページ 1933年
  ワインのセールスマンが、あるパブで、逃亡中の殺人犯の経歴を聞き、店に居合わせた顔ぶれの中から、ある癖を観察して、犯人指名に至る話。

  これは、何とか、ズルを避けられているかな? 結末を知ってから、読み返せば、その癖について、先に記述があるのが分かります。 しかし、普通に読んでいると、見逃してしまうでしょうねえ。 すでに、パブには警官が来ていて、店内の誰かが犯人だと分かっているとなると、設定が不自然な気がせんでもなし。 そこまで分かっていれば、普通、全員しょっぴいて、一人一人、調べるんじゃないでしょうか。 


【マヘル・シャラル・ハシュバズ】 約16ページ 1933年
  猫を売りにいくという少女を助けた、ワインのセールスマン。 乗りかかった舟で、ついて行ってやるが、買い取り側の様子が、少しおかしい。 やがて、引き取られたはずの猫が、自分で戻って来てしまい、引き取った家を見に行くと・・・、という話。

  タイトルは、猫の名前。 こんな凝った名前をつけるほど可愛がっているのに、売りに行くというのは、かなり、おかしな設定です。 猫を使った犯罪なのですが、大量の猫の遺骸が出て来たりして、露悪趣味に流れています。


【ゴールを狙い撃ち】 約18ページ 1935年
  殺された男が握っていた紙切れに書かれた文字に特徴があり、たまたま、パブで関わったワインのセールスマンが、特定の職種の人間が犯人だと指摘する話。

  モンタギュー・エッグ物は、パブが舞台になる話が多いですな。 文字の特徴を見せる為に、紙切れの絵が入っていますが、読者としては、こういうものを見せられても、その特定の職種の人物が誰なのか分からないのだから、推理のしようがありません。 文字遊びも入っているのですが、英語圏の読者でなければ、全く分からないものです。


【ただ同然で】 約18ページ ?年
  安ホテルに泊まったワインの・セールスマン。 夜中に、時計の鳴る音と、人間の呻き声を聞く。 朝になると、知り合いの宝石商が殺されていた。 時計の音から、犯人を指名する話。

  昔は、一時間ごとに、鳴る時計があったわけですが、今考えてみると、夜中まで鳴られたのでは、うるさくて、目が覚めてしまいますな。 トリックが使われているわけではなく、謎解きも、ワインのセールスマンが、勘違いしていた事に気づくという、それだけの話。


【偽りの振り玉】 約18ページ 1934年
  安ホテルで、殺人事件が起こり、犯行時刻をごまかす為に、時計の針が操作されている可能性が出てくる。 振り玉の位置を見て、ワインの・セールスマンが謎を解く話。

  また、時計ですか。 セイヤーズさん、よっほど、時計が好きなようで。 たぶん、自分の家の中にある時計を眺めながら、トリックを考えていたのでしょう。 振り玉の動きについて、細々と書いてありますが、振り玉を使った時計というのを見た事がないので、どこがどう、面白いのか、全く分かりません。

  登場する機械が時代遅れになって、内容が分からなくなってしまう現象は、ポケベルを使った犯罪をモチーフにした推理小説が、瞬く間に陳腐化したのを思い起こさせます。


【噴水の戯れ】 約20ページ 1932年
  ある金持ち。 かつて、刑務所にいた事を知る男に脅され、金を要求される。 殺してしまう事に決め、自邸の庭にある噴水を利用して、アリバイを作ろうとするが・・・、という話。

  ノン・シリーズで、探偵役は出て来ません。 噴水は、誰でも知っているから、トリックに使う道具としては、合格印つきですな。 だけど、だから、面白いというわけではないです。


【牛乳瓶】 約16ページ ?年
  配達された牛乳が取り込まれずに、何本も溜まっている貸家の部屋。 それを見かけた新聞記者が、事件の匂いを感じ取って、小さな記事にしたところ、読者から反応があり、本格的な取材に乗り出す。 やがて、部屋から、異臭が漏れ始め・・・、という話。

  オチがついている話。 ストーリーが入り組んでいる割には、結末が軽いので、何だか、馬鹿にされたような気分になります。 どうも、この作者、短編を、その程度のものと見做していたようですな。 ここまで読んで、いい印象の話が一つもないのは、どうした事か。


【板ばさみ】 約12ページ ?年
  火事を起こした執事の命より、研究の成果を持ち出す事を優先して、批判された医学者がいた。 それに類した話として、弁護士事務所で働いていた男が、列車事故に遭った時、被告人の無罪を証明する証拠品より、閉じ込められた子供の命を助ける事を優先した顛末を語るが、実は・・・、という話。

  サンデル教授の白熱教室に出て来る、題材みたいな話。 究極の選択的な、倫理の問題ですな。 この作品が書かれた当時、すでに、この種の話のネタ本があったのでは? と、思わせます。

  さらりと書き流されていますが、人種差別・民族差別が含まれています。 この作者は、そういう人だったわけだ。 「差別意識を持っていた事が逸話で残っている」というのならまだしも、作品に直接書き込んでしまうのは、相当、人格が卑しいのでは?


【屋根を越えた矢】 約18ページ 1934年
  しょっちゅう、編集者から原稿を付き返されている小説家。 編集者に、次回作への興味を引かせる為に、作品から切り取った文章を送りつけていた。 やがて、その編集者が殺され、送りつけた文章から、捜査の手が及ぶ事を恐れた小説家の秘書が、証拠になりそうな原稿や書付を焼いてしまうが・・、という話。

  アイデアは分かるんですが、オチ話にしてしまうと、終わりの方のバランスが悪くなってしまいますな。 小説家が捲し立てる独り言みたいな書き方をせず、もっと、普通に書けば、読み易くなったと思うんですがね。 しかし、ケチをつけないのであれば、面白い話だと思います。


【ネブガドネザル】 約16ページ ?年
  あるパーティーで、幾つかの寸劇から、それぞれが表している単語を当て、それらの頭文字を並べて出来る単語を当てる、「ネブガドネザル」というゲームが行なわれた。 妻を失っていた男が、目の前で繰り広げられる寸劇が、自分の妻の名前を表していると思い込み・・・、という話。

  寸劇の内容ですが、聖書のエピソードからとられたものばかりで、聖書に詳しくないと、全く分かりません。 おそらく、第二次世界大戦後生まれだと、英米人でも、理解できないのでは? かつては、知識人の教養とされていたものでしょうが、今では、全く外れてしまっていますから。

  ある病気への差別表現が含まれています。 この作者、とことん、差別意識が強かったんですな。 一生、劣等意識に苛まれ続けた口なんじゃないでしょうか。 そういや、衒学趣味も、劣等意識をもっている者が、嵌まり易いものですな。


【バッド氏の霊感】 約19ページ 1925年
  流行らない理髪店の店主。 懸賞金がついた殺人事件の新聞記事に興味を引かれていたところへ、客がやってくる。 髪を染めたいというので、その準備をしながら観察するに、どうも、記事に出ている殺人犯の特徴が見て取れる。 恐怖に震え上がりながらも、この好機を逃すまいと、ある工夫を凝らして・・・、という話。

  前置きが長いのが、些か鬱陶しいですが、客が入って来てからは、テンポ良く進み、痛快な結末まで、一気に読ませます。 この短編集の中では、一番、面白い話。 逮捕場面を、船の上にしたのは、変化があって、読後感を、より味わい深いものにしています。


  短編集全体として、概ね、辛い評価になりましたが、こういう、人を食ったような、皮肉たっぷりの話が好きな読者なら、もっと、高評価になるのではないかと思います。 それでも、作者の持つ差別意識は、論外だと思いますが。

  私は、過去に、セイヤーズ作品の長編を、片手で数える程の数、読んでいて、それっきり、やめてしまったのですが、その感想を読み返したら、やはり、差別表現が引っ掛かって、それ以上、読む気をなくしたのだと分かりました。 この本を読んで、短編も同じらしいと分かったので、もう、この作者の作品は読まない事にしようと思います。




≪ゴルフ場殺人事件≫

クリスティー文庫 2
早川書房 2011年7月15日/初版 2014年7月15日/3刷
アガサ・クリスティー 著
田村義進 訳

  沼津図書館にあった文庫本です。 長編1作を収録。 アガサ・クリスティーさんの作品は、随分前に、有名なのを、片手で数える程度、読んだのですが、その後、避けていました。 理由は、デビッド・スーシェさん主演のドラマで、一通り見ていたから。 

  早川文庫の中に、クリスティー文庫というのがあり、なるべく、番号が若いのから、借りて来ました。 【ゴルフ場殺人事件】は、コピー・ライトが、1923年になっています。 約356ページ。 文庫としては、厚い方だと思いますが、読み易いので、ページがスイスイ進みます。


  南アメリカで財をなし、フランスに別宅を持っているイギリス人から依頼を受け、ドーバーを渡った、名探偵ポワロと、ヘイスティングス大尉。 着くなり、依頼主が殺されたと報される。 夫人や使用人の証言には、異同があり、隣の屋敷に住む婦人が、被害者の愛人だったという話が出る一方、被害者の息子の行動に不審な点があり、ヘイスティングス大尉が知り合った軽業師の娘まで事件に絡んで来て・・・、という話。

  梗概には、あまり、意味がありません。 なぜなら、後半で、ころころと、話が何度も引っ繰り返って行くからです。 犯人は、Aだと思ったら、B・・・、と思わせておいて、実はC、といった具合。 最初から、それを狙って書いたものと思われます。 クリスティーさんが、長編推理小説の草分け的な存在だったから、許された事で、今の推理作家が、こういう話を書いたら、「なんだ、このパターンか・・・」と、眉を顰める読者もいると思います。

  タイトルに反して、ゴルフは、ほとんど、関係ありません。 屋敷の横に、ゴルフ場があり、バンカーになるはずの場所に、死体があった、というだけの話。 全く関係ないというわけでもないですが、少なくとも、ストーリー上は、ゴルフ場が出てくる意味は薄いです。 原題は、「MURDER ON THE LINKS」になっています。 「LINKS」を調べて見たら、ズバリ、「ゴルフ場」だそうです。

  やはり、先に、ドラマを見ているからか、のめりこむほど面白いという感じはしませんでした。 ストーリーが複雑すぎるからかも知れません。 どんでん返しを何度も予定しているせいで、犯人と目される事になる登場人物が多いだけでなく、読者を目晦ましする為に、キャラが被っている人物もいる有様。 誰がどんな役割をしているのか、謎解きをされるまで、全く分かりません。

  ポワロ物の第一作、【スタイルズ荘の怪事件】は、1920年の発表なので、その3年後とすると、まだ、初期の作品ですから、いろいろと、長編推理小説の可能性を模索していたのかも知れません。 この複雑さは、ホームズ物の長編と比べると、完全に、時期を画していてる感があります。 クリスティーさんは、並々ならず、頭が切れて、複雑な事を処理する能力が高かったんでしょうなあ。 ドイルさんが、頭が切れなかったわけではないですが、推理小説を、どう長編化すればいいのかまでは、辿り着かなかったわけだ。




≪ビッグ4≫

クリスティー文庫 4
早川書房 2004年3月15日/初版 2019年5月15日/11刷
アガサ・クリスティー 著
中村妙子 訳

  沼津図書館にあった文庫本です。 長編1作を収録。 ≪ビッグ4≫だから、クリスティー文庫の、4番目なんでしょうか。 2よりも、4の方が、先に出版されているのが、よく分からぬ。

  【ビッグ4】は、コピー・ライトが、1927年になっています。 約330ページ。


  結婚して、南米に移住したヘイスティングス大尉が、久しぶりに、イギリスへ戻り、ポワロの元を訪ねて来たところ、ポワロは、驚くような高報酬につられて、南米に旅立とうとする寸前だった。 途中で、罠であるに気づいて、引き返すが、それ以来、「ビッグ4」と名乗る四人の頭目に率いられた国際組織による、犯罪が頻発する。 警察、諜報部のみならず、関係各国まで巻き込んで、目的の為なら殺人も厭わない相手との戦いに、明け暮れる話。

  これは、推理小説ではなく、スパイ物の冒険小説です。 解説によると、元は、雑誌に連載した短編が何作かあったものを、編集者の勧めにより、纏めて、長編にしたのだとか。 短編向きのアイデアが、幾つも出て来るのは、そのせいで、説明されれば、納得できます。 本来は、短編の推理小説だったものを、強引に、長編の冒険小説にしてしまったわけだ。

「あの、クリスティーが、そんな雑に事をやるのか?」

  とは、誰もが思うところですが、これも、解説によると、長編に纏めるに当たって、編集側で手を入れているようで、つまりその、クリスティーさん本人は、長編化作業に関わっていない可能性もあります。 どうにも、本人らしくない、ストーリー展開を読むに、確かに、これは、誰か、器用な文章を書ける人物による、半代作だと思われて来ます。

  話の方は、何せ、冒険小説なので、大人の読者が楽しめるようなものではありません。 クリスティー作品の中でも、評判が悪いそうですが、推理小説のつもりで買った読者は、そりゃ、不満でしょうな。 私は、借りただけだから、懐に痛みは感じませんけど。 それにしても、らしくない。 これが、【アクロイド殺し】や【そして誰もいなくなった】などの傑作と、同じ作家が書いたものとは、とても思えません。 実際、そうではないわけですが。

  デビッド・スーシェさん主演のドラマ・シリーズでは、【ビッグ4】は、全く違う話に変えられて、普通の推理物になっていました。 個人による犯罪になり、物語の世界観は狭くなっていましたが、そちらの方が、ずっと、クリスティー作品らしかったです。 しかし、どちらも、クリスティーさん本人が考えたものではない、贋物である点では、同じですな。




≪邪悪の家≫

クリスティー文庫 6
早川書房 2011年1月15日/初版 2014年2月15日/2刷
アガサ・クリスティー 著
真崎義博 訳

  沼津図書館にあった文庫本です。 長編1作を収録。 【邪悪の家】は、コピー・ライトが、1932年になっています。 約348ページ。 原題は、【PERIL AT END HOUSE】で、直訳すると、【エンド・ハウスでの危難】。 「エンド・ハウス」というのは、中心人物である若い女性が住んでいる屋敷の事です。


  保養地に滞在していたポワロとヘイスティングスが、近くにある屋敷の主人である、若い女性と知り合いになる。 彼女は、立て続けに命の危機に見舞われたと語り、その場でも、銃撃される。 彼女の警護を買って出たポワロだが、花火の夜に、彼女の従妹が、彼女と間違えられて、殺されてしまう。 彼女には、冒険家の婚約者がいて、その青年は、ごく最近死んだ叔父から、莫大な遺産を受け継ぐ事になっていた・・・、という話。

  大変、複雑な話で、梗概では、この程度しか書けません。 フー・ダニットでもあり、ハウ・ダニットでもあり、内容は濃密です。 ダラダラと、注意散漫に読み始めても、次第に引き込まれ、ゾクゾク感を覚えずにはいられなくなります。 これは、推理小説のマジックですな。 さすが、クリスティーさんと言うべきか。

  地の文に比べて、会話が多くて、ページはスイスイ進みますが、それでいて、話の中身が、入り組んでいて、濃いというのは、不思議です。 複雑な話を、平明に書くというのは、難しいのですが、クリスティーさんは、そういう文章術の極意を、この時点で、確立していたわけだ。 素晴らしい。 視点人物を、ヘイスティングスにしている点が味噌で、純粋素朴な人物の目を通しているから、語られる事が分かり易いんですな。

  この話の犯人は、まーず、読者には、推理できません。 最も、ありえそうにない人物なのですから。 とはいえ、ズルで隠しているわけではなく、最初に、犯人の本名が出て来た時点で、気づく人は気づくかも知れません。 「あれ? 同じような名前の人が二人出てきたぞ」と。 英語母語話者なら、そうでない読者より、分かり易いはず。

  ポワロは、相変わらず、どの時点でも、自信満々ですが、この話では、全体の9割進むまで、殺人の真犯人が誰か分かりません。 名探偵でさえ、分かっていないのだから、読者が分からなくても、恥ずかしくありませんな。

  犯人は、ある人物になりすましているわけですが、全くの別人が、ある人物になりすましているわけではなく、ある一点を除いて、その人はその人で、本物であるという点、実に巧妙な、なりすましになっています。 どういう知能があれば、こういうアイデアを思いつくんですかね? 不思議だ。




  以上、四冊です。 読んだ期間は、今年、2022年の、

≪モンタギュー・エッグ氏の事件簿≫が、1月24日から、29日。
≪ゴルフ場殺人事件≫が、2月2日から、6日。
≪ビッグ4≫が、2月8日から、10日まで。
≪邪悪の家≫が、2月16日から、19日まで。

  いよいよ、アガサ・クリスティー作品を読み始めたのは、他に読みたい本がなくなってしまったからです。 クリスティー文庫の番号が、飛び飛びなのは、他の人が借りていて、図書館になかったか、もしくは、すでに読んでいて、飛ばしたものがあるからです。

  各本の感想の中にも書いていますが、ドラマで見ている話が多いので、犯人を知っているわけで、小説を純粋に楽しむ事ができません。 面白い話ほど、記憶が強く残っているから、小説の方が、つまらなくなってしまいます。