2022/04/03

新型肺炎あれこれ ⑰

  新型肺炎について、日記ブログに書いた文章を、移植したシリーズ。 記録のつもりなので、現在の感染状況関係なく、前回の続きから、始めます。 「何を頓珍漢な事を言っている?」と思ったら、日付を確認してください。 例によって、日記ブログには、他の事も書いていますが、移植に当って、新型肺炎関係の文章だけを取り出しています。




【2021/10/03 日】
  認定感染者数が、だいぶ、減りました。 これは、予測ではなく、期待に過ぎませんが、何とか、このまま、終わってくれないものか・・・。

  この減り方の原因が、「ウィルスの自壊」だとして、蔓延したデルタ株が、それ以上の自己複製ができなくなって、今が正に、消えて行く過程にあるのだとしたら、このまま、終息する可能性がないではないです。 デルタ株が蔓延する過程で、他の変異株を圧倒し、一掃してしまったのだとすれば、他の変異株による、再蔓延も起こらない事になります。

  ああ、しかし、この期待の、なんと、根拠の薄弱なことよ。 今のところ、支持者が少ない「ウィルス自壊説」と、御都合主義の「デルタ株完勝説」を組み合わせて、辛うじて成立する、ヘロヘロの予測に過ぎません。 

  本来、新型肺炎の流行動向について、辛い予測をしがちな私が、こんな期待に縋る気になったのは、デルタ株の後、他の変異株が日本国内で広まっていない期間が、だいぶ続いているからです。 「もしや、このまま、終わってくれるのでは?」と思ったとしても、無理もない事。 いい加減、感染防御には、うんざり・げんなりしており、マジな話、そろそろ、終わって欲しいのです。 人間不信がマックスの状態が続くと、生きる希望が失われてしまうではありませんか。

  だけど、緊急事態宣言が解除されてしまったから、もし、「ウィルス自壊説」よりも、「行動変容説」が正しいのだとしたら、2週間後には、また、認定感染者数が、増加に転じるはず。 戦々兢々で、推移を見守るしかありません。



【2021/10/12 火】
  着々と、月の半ばが近づいています。 それ即ち、緊急事態宣言が解除されてから、2週間が経つ事になるわけで、認定感染者数が、減少から増加に転じる可能性が、極めて高い。 もし、反転せずに、このまま、減り続けたら、それで、終息になる可能性が出て来ますが、甘過ぎる期待でしょうか。

  あくまで、日本国内限定の話ですが、デルタ株が自壊してしまったとするなら、次の変異株が増え始まらない限り、一旦は、終息する事になります。 甘いかなあ。 日本の水際検疫は、依然として、笊なので、常に新しい株が持ち込まれていると思われ、次の変異株が広まらない可能性は、非常に低いです。

  もっと、曲芸的な理屈で、再拡大しない理由を捏ね上げる事は容易ですが、それでは、去年の夏頃、怪しい医学者達が主張していた、珍説群と変わりがなくなってしまいますから、やめておきます。

  まあ、首を洗って、月半ばを待つしかありませんな。 もちろん、終息するしないに関係なく、私は、感染防御を続けます。 たとえ、奇跡的に、新型肺炎が終息したとしても、外出時に、マスクを外す気はないです。 新型肺炎を生き延びて、インフルエンザで死んだら、アホですから。

  それにしても、この急激な減少で、「もう、終わった」と見て、無マスクで出歩いている人間は多そうだな。 この冬は、2年分のインフルエンザで、相当、死ぬんじゃないでしょうか。



【2021/10/16 土】
  いよいよ、月の半ばを越えましたが、まだ、認定感染者数が、増加に転じた様子はありません。 ただし、下げ止まりの観はあります。 やはり、自然にゼロにはならないのか・・・。

  それにしても、これから、増加に転じて、第6波が来るとして、それは、一体、何株なのよ? デルタ株は、予想外の急減を見るに、自壊したとしか考えようがないのですが、次は、何株なのか? 一度、負けた株は、もう再増加できないようにも見受けられますが、デルタ株に勝てる変異株は、すでに、登場しているのかどうか。

  一方、もし、デルタ株を最後に、終息すると言うのなら、インドと日本だけというのは、奇妙な話で、他の国・地域でも、同じ傾向が見られるはず。 新型肺炎については、未だに、分からない事ばかりですな。



【2021/10/22 金】
  とうとう、静岡県の認定感染者数が、ゼロに。 実際数が、認定数の50倍いると考えても、ゼロに50かけても、ゼロなので、これはもう、感染の危険は、ほぼ、なくなったと見るべきでしょう。 理由は、「ウィルスの自壊」以外、説明がつきません。 「行動変容」が理由なら、とっくの昔に収束しているはずだからです。

  で、ゼロになったわけですが、これで終わるとは、全く思っていません。 次の変異株が入り込んでくるのは、避けようがないので、また増えるのは、確実、くらいにとっておくべきでしょう。 こういう時、勇み足で、感染防御を解いて、感染し、命を落とすのは、あまりにも、馬鹿馬鹿しい。 マスクを外すのは、全世界で完全に終息してから、半年後、一年後でも、遅くはないです。



【2021/10/30 土】
  認定感染者数の再拡大が見られず、すっかり、終わったような雰囲気になっていますな。 私のように疑り深い人間でさえ、緊張が緩んでいるくらいですから、非潔癖や、ズボラの面々が、緩まないわけがない。 さぞや、我が世の春を謳歌しておる事でしょう。

  このまま、本当に終わってくれればいいのですが、何と言っても、急減した理由が、「ウィルス自壊説」以外に考えられず、それは、科学的な証明ができなくて、仮説に過ぎません。 つまり、確実な理由となると、何も分からないわけです。 行動変容が理由でない事だけは、確か。 そんな簡単な事なら、これまでに、こんなにたくさんの感染者や死者は出ません。

  「日本人が、頑張ったからだ」とか、「やはり、ファクターXは存在する」などと、非科学的な事を言う者も出て来ますが、何の根拠もない、単なる意見ですから、頭に入れない方がいいです。 そういう意見が正しいのなら、去年の春に終わっているはず。 今回、急減した本当の理由は、誰も分からない。 これからも、解明できない可能性が高いです。

  という事は、ウィルスの振る舞い次第で、また、拡大する恐れはあるわけだ。 そうなった時、今のように、感染防御意識が緩み切っていると、とんでもない被害を出すのではないかと、それが怖いです。 終わったと思って、マスクを外したり、人混みに入って行ったり、旅行に行ったりと、流行前の生活に戻していた人達が、一気に、感染する恐れがあります。

  しかし、今の時点で、「気を引き締めろ!」と掛け声をかけても、聞く人は、ほとんど、いないでしょうなあ。 これは、もはや、賭け事ですが、再拡大しない方に、賭けるしかありますまい。 もちろん、賭け事は、負ける時もあります。

  私個人的には、どう転んでもいいように、感染防御を続けます。 前にも書きましたが、こういう、気が緩んだ時に、感染して死ぬのが、最も馬鹿っぽい。 愚か過ぎて、弔辞も読んでもらえやしない。 



【2021/10/31 日】
  衆院選挙の日でしたが、母ともども、投票には、行きませんでした。 主な理由は、感染防御の為。 なんで、インターネット投票を導入しないのか、不思議でならぬ。 マスコミも、「期日前投票所が増えて、以前より投票し易くなりましたね」などと言っていましたが、何を時代遅れな事を言っているのか。 頭が、1995年以前で止まっている。 投票なんて、ネットでできて、当たり前ではないのかね?

  投票に行かなかった理由は、他にもあります。 今、国政に期待する事というと、新型肺炎対策以外にありませんが、どの政党が勝とうが、対策に違いが出るとは思えないからです。 で、投票所での密を避ける方を優先した次第。

  政党に関係なく、日本の政治家は、保守派ばかりでして、新たな感染症に対応する能力など、元からないのです。 保守派というのは、

「今日は、昨日と同じ。 明日は、今日と同じ」

  という考え方が染み付いた人達でして、今までに経験した事がない新事態には、全く対応できません。 保守派と対になるのは、進歩派ですが、そんな政治家、どの政党を見ても、一人もおらんでしょうが。

  立憲民主や、国民民主は、建前上は、リベラル(進歩自由主義)政党ですが、一人一人の政治家は、やはり、保守派だと思います。 社会主義系統の政党は、そもそも、進歩派とは、直接、関係がありません。 「社会を、不断に、どんどん進歩させて行こう」というのが、進歩派でして、「理想的と考える、特定の状態に持って行けば、あとは、その状態を維持するだけ」というのは、進歩派ではありません。

  興味深い事に、日本に限らず、民主主義でやっている国・地域は、それが何十年も続くと、政治家に、進歩派が一人もいなくなり、政党に関係なく、保守派ばかりになってしまう傾向が見られます。 アメリカ民主党なんて、本来は、進歩派の牙城だったのですが、いつのまにか、すっかり、保守化してしまいました。

  それは、バイデン政権の新型肺炎政策が迷走している事を見れば、一目瞭然。 「今日は、昨日と同じ。 明日は、今日と同じ」と思っているから、昨日と違う今日が来ると、どうしていいか分からずに、右往左往してしまうんだわ。 もちろん、今日と違う明日に対して、備える事もできません。 バイデン政権の政策を見ると、これといった方針が定まっていないように感じられますが、実際、自分達が置かれている状況が把握できず、何をどうしていいか、分からなくなってしまっているのでしょう。

  そんな有様でも、アメリカ民主党は、まだ、マシな方で、アメリカ共和党に至っては、選挙に勝つ為に、トランプ人気に縋るだけの集団に成り下がり、元々、進歩派でないのは当然の事ながら、今や、保守派とすら言えぬ、奇妙奇天烈な政党になってしまいました。

  保守派ばかりになってしまって、新たな事態に対処できない、というのが、民主主義国家・地域が嵌まりこんだ、最悪の状況なんですな。 新型肺炎対策に限って言うなら、対処できているのは、中国、台湾、ニュージーランドだけで、ベトナムが、何とか、感染抑制組に復帰できるかどうか、舵取り中というところ。 それ以外の国は、話になりません。 インドや日本など、自然に減ったなどというのは、感染が制御下にないわけですから、政府の対策で減らしたとは言えません。

  イギリス? アホ臭い。 あの国は、悪い方の手本だわ。 社会実験が聞いて呆れる。 人の命を実験台にして、人権無視だとは思わないのかね? シンガポールは、ゼロ・コロナだったのを、わざわざ、ウィズ・コロナに切り替えて、感染者・死者数を増やしてしまったわけですが、イギリスという悪い手本に倣った結果としか言いようがありません。 失敗している国に合わせて、方針を変えて、その結果、死んだ人に、一体、どう詫びるのよ?

  イスラエルも、成功しているとは言えませんなあ。 いろんな事を、先行して試して、データを出してくれるのは、ありがたいのですが、あれだけの実力がありながら、一斉検査をやって、ゼロ状態にしようとしないのは、奇々怪々。 それは、韓国も同じで、それだけの検査能力がありながら、一斉をやらないから、いつまでたっても、感染者がゼロにならないのです。

  ちなみに、今現在、韓国より、日本の方が、日当たりの認定感染者数が少ないですが、検査能力や追跡能力は、韓国の方が遥かに勝っている事を考えると、そんな事はありえないのであって、単に、日本では、認定感染者数と、実際の感染者数に、大きな開きがあるというだけの事でしょう。 韓国でも、市中感染が続いているという事は、開きがあるわけですが、日本のそれより、ずっと、小さいと思います。

  進歩派の話に戻しますが、

  面白い事に、中国と台湾は、自分の社会を進めて行く方向を、しっかり見定めているという点で、世界中で最もよく似ています。 進歩派の政治家が、主流を占めているんでしょうな。 まあ、どちらも、中国文明の継承者だから、似ていても、不思議はありませんが。 ニュージーランドも、そのようですが、あまり、情報が入ってこないので、詳しく分かりません。

  歴史を振り返ってみると、日本では、進歩派の政治家というのが、驚くほど、少なかった。 近代以降で、はっきり、そうだと言いきれるのは、石橋湛山さんだけなのでは? 一人かよ! そーりゃ、未来へ進まないわなあ。 では、どうやって、社会を変えて来たかというと、手本になる外国を真似して来たのです。 ずーーっと、真似で押し通してきたから、自分で考えて、進歩させるという考え方そのものが根付かなかったわけだ。

  だから、同じ東アジアの国・地域なのに、中国、台湾、韓国が、真似ではなく、自力で考えて、社会を進歩させているのを見ると、不思議で仕方がないわけだ。 別に、日本人が特別、進歩的発想が苦手というわけではないと思うのですが、言い出す人間がいても、変化を嫌う周囲が、黙らせてしまうでしょう。 そういう社会風習が染み付いているんですわ。




  今回は、ここまで。

  去年の10月の記事だけになりました。 この頃は、新型肺炎について、さほど、書いていなかったと思っていたんですが、探したら、こんなにありました。

  最後のは、特に、新型肺炎の話というわけではありませんが、一応、中身で触れているので、入れておきました。 本来なら、加筆して、≪進歩派≫といったタイトルをつけ、独立した記事にすべきなんですが、その加筆が面倒臭いので・・・。