時事旧聞 ②
6月に予告した通り、時事旧聞の第2回目を、お送りします。 旧聞なので、話題が古いです。
【2024/02/18 日】 「H3」
新型ロケット、H3。 打ち上げ成功で、騒いでいますが・・・。 ロケットを打ち上げる技術は、何十年も前から、あるんですよ。 問題は、技術ではなく、コストなのです。 コストを無際限にかけられるのなら、どんな国でも、どんな民間企業でも、必ず、成功させられます。 コストに制約があるから、難しいのです。
失敗した1号機から、2号機までの間に、いくら開発費を投じたかが、問題。 実用機以降は、1機50億円で打ち上げるそうですが、たぶん、「開発費は別扱い」という考え方で、2号機には、50億円より遥かに多くの金額を注ぎ込んでいるはず。 これまでに、H3の開発に使った資金は、2197億円だそうですが、1機当たり、いくらの利益が出るかによって、開発費を回収するのに、何年かかるかが決まります。
打ち上げ頻度について、詳しい事は知りませんが、年に、10機、打ち上げると仮定して、約2200億円を回収するには、1機当たりの利益が、1億円だとしたら、220年かかります。 2億円なら、110年。 この辺りでは、問題外ですな。 4億円なら、55年。 まだ、長過ぎるか。 8億円なら、27.5年で、一機種の寿命としては、まずまず妥当か。 しかし、1機50億円の廉価ロケットで、利益が、8億円も採れるものですかねえ?
「だったら、搭載する人工衛星の契約単価を、高くすればいいではないか」
なに、寝ぼけた事を言ってるんですか。 全世界で、その単価を安くする競争をしているんですよ。 一番肝心なところを高くして、競争に勝てるわけがないでしょうが。 高くてもいいというのなら、H2シリーズの方が、ずっと、成功率が高いです。 しかし、契約単価が諸外国のロケットの2倍もするから、受注競争で、勝負にならぬ。 だから、安いロケットとして、H3の開発が始まったという流れなのです。
JAXAや、製造メーカーが、どういう計算をして、事業計画を立てているのかが分からない。 たった、2機造るだけで、2197億円も使ってしまって、どうやって、元を取るつもりなのか? マスコミも、マスコミで、簡単に調べられる事なのに、なぜ、そういう問題点を取材をしないのか、気が知れません。 そんな様では、花火大会気分で種子島まで見学に押しかけている、単細胞のロケット・ファンと、大差ないではないですか。
開発費を回収して、真の利益が出始めるのに、100年もかかるようなロケットは、到底、成功とは言えません。 利益が出なくても、国から金が出るから、事業は続行できますが、赤字分は、全部、税金で補填されるわけで、それを思うと、実に、苦い気分になります。 コンコルドでも、YS11でも、そうですが、黒字にならない事が分かっている事業は、それまでに、いくら投入していたとしても、途中でやめた方が、損害が少なくて済みます。
「頑張って、続けていれば、いつか、成功する」
なんて事を、1号機の失敗の後で、ロケット・ファンの小学生が言ってましたが、そういう問題じゃないんだよ。 100パーセント、コストの問題なんだよ。 最終的に積み上がった損害は、君が払ってくれんのかい?
【2024/03/06 水】 「ドラマと出生率」
≪花嫁の賭け≫
1986年の、2サス。 石野真子、柳葉敏郎、石橋蓮司、江波杏子、という出演者。 ゲーム好きの少年と知り合いになった若い二人が、誘拐犯と間違われたり、銀行強盗をやった男と戦ったりする話。
2サスなんですが、誰も死にません。 それでも、そこそこ、ゾクゾクさせられて、観後感は良いです。 こういう、若い恋人同士が中心になって、ちょっとした冒険を繰り広げる話が、今では、とんと、見られなくなってしまいましたなあ。 今でも、若い世代は、減ったとはいえ、厳然と存在しているというのに。
高齢者尽くしになった結果、廃止された2サス枠に、復活して欲しいとは思いませんが、推理小説を原作としたドラマは、まだ、作って欲しいものです。 原作の方まで、色褪せたわけではないのですから。
そういえば、ドラマの傾向で思い出しましたが、韓国で、出生率が、恐ろしいほどに、低下しているとの事。 何が原因か? 私の考えでは、たぶん、ドラマが原因だと思います。 ドラマに出て来る人物達が、美形ばかりなので、視聴者も、面食いばかりになってしまい、「不細工な相手と結婚するくらいなら、生涯独身の方が、マシ」という考え方になってしまったのだと思います。
日本でも、恋愛結婚の補完システムとして機能していた、見合い結婚を滅ぼしてしまったのは、1990年前後に流行した、トレンディー・ドラマでした。 「恋愛結婚以外は、結婚ではない」という風潮が広まって、結局、ある程度、外見がいい人間しか、結婚できなくなってしまったんですな。 日本の少子化も、そこに端を発しています。 ドラマの影響は、侮れません。
少子化対策に、「子育て支援」なんて、やってますが、ほとんど、効果がありますまい。 結婚する人間そのものが、激減しているのですから。 一人の女性が産む人数を増やす方向性では、旗を振っても、誰もついて来ません。 お金にゆとりがあれば、子供を多く持ちたいという人間ばかりではないからです。 むしろ、そういう人は、少数派でしょう。
そんな事より、見合い結婚や、結婚相談所の紹介で結婚するドラマを、テレビ各局、一期に一本ずつ作る事を義務化すれば、自然に、結婚する人間が増え、子供も増えて来ると思います。 効果の程には、自信があります。 しかし、たぶん、そんな作戦が採用される事はないでしょう。 表現の自由を制限する事になってしまいますから。 静かな引退生活を送りたいと思っている私としては、近所を騒がすガキどもなど、少ないに越した事はなく、採用されると困るわけで、大変、好都合です。
【2024/05/27 月】 「任意保険」
車の任意保険の更新通知メールが来たので、手続き。 ノンフリート等級が上がっているのに、また何か、契約条件の抱き合わせがあり、数百円、高くなってしまいました。 まったく、自動車関連の業界は、詐欺まがいの事をやるところが多い。
任意保険は、かけ捨てだから、事故を起こさない人は、毎年、払い損になってしまうのですが、なんで、繰り越しタイプが出て来ないのか、不思議です。 事故が起きない、つまり、保険会社側に損が出ない場合、翌年に繰り越せばいいではないですか。
それができないのは、頻繁に事故を起こす顧客のせいで、賠償金が出て行くからです。 つまり、事故を起こす連中の為に、事故を起こさない人間が、金を補填してやっているわけで、理不尽極まりない。 世の中、何か、間違っている。
今回は、以上です。 どうせ、旧聞なので、急いで出す必要もないでしょう。
実は、この、≪心中宵更新≫というブログは、最初、こういう、時事問題を取り上げ、「世の中に、物申す」という内容の文章を書いていました。 読書感想文を出し始めるのは、ずっと後になってから、プチ・ツー紀行に至っては、僅か、ここ数年で始めた事です。
記録に残っている、一番古い記事は、2002年6月1日付で、その頃は、まだ、ブログではなく、ホーム・ページに、コンテンツとして掲載していました。 「コンテンツ」は、もう、死語ですが・・・。 ブログとして独立させたのは、2005年頃でしたから、それ以前の記事は、ネット上では読めません。 私だけが読み返せるわけですが、何せ、時事ネタなので、わざわざ、読み返すような事はないです。
【2024/02/18 日】 「H3」
新型ロケット、H3。 打ち上げ成功で、騒いでいますが・・・。 ロケットを打ち上げる技術は、何十年も前から、あるんですよ。 問題は、技術ではなく、コストなのです。 コストを無際限にかけられるのなら、どんな国でも、どんな民間企業でも、必ず、成功させられます。 コストに制約があるから、難しいのです。
失敗した1号機から、2号機までの間に、いくら開発費を投じたかが、問題。 実用機以降は、1機50億円で打ち上げるそうですが、たぶん、「開発費は別扱い」という考え方で、2号機には、50億円より遥かに多くの金額を注ぎ込んでいるはず。 これまでに、H3の開発に使った資金は、2197億円だそうですが、1機当たり、いくらの利益が出るかによって、開発費を回収するのに、何年かかるかが決まります。
打ち上げ頻度について、詳しい事は知りませんが、年に、10機、打ち上げると仮定して、約2200億円を回収するには、1機当たりの利益が、1億円だとしたら、220年かかります。 2億円なら、110年。 この辺りでは、問題外ですな。 4億円なら、55年。 まだ、長過ぎるか。 8億円なら、27.5年で、一機種の寿命としては、まずまず妥当か。 しかし、1機50億円の廉価ロケットで、利益が、8億円も採れるものですかねえ?
「だったら、搭載する人工衛星の契約単価を、高くすればいいではないか」
なに、寝ぼけた事を言ってるんですか。 全世界で、その単価を安くする競争をしているんですよ。 一番肝心なところを高くして、競争に勝てるわけがないでしょうが。 高くてもいいというのなら、H2シリーズの方が、ずっと、成功率が高いです。 しかし、契約単価が諸外国のロケットの2倍もするから、受注競争で、勝負にならぬ。 だから、安いロケットとして、H3の開発が始まったという流れなのです。
JAXAや、製造メーカーが、どういう計算をして、事業計画を立てているのかが分からない。 たった、2機造るだけで、2197億円も使ってしまって、どうやって、元を取るつもりなのか? マスコミも、マスコミで、簡単に調べられる事なのに、なぜ、そういう問題点を取材をしないのか、気が知れません。 そんな様では、花火大会気分で種子島まで見学に押しかけている、単細胞のロケット・ファンと、大差ないではないですか。
開発費を回収して、真の利益が出始めるのに、100年もかかるようなロケットは、到底、成功とは言えません。 利益が出なくても、国から金が出るから、事業は続行できますが、赤字分は、全部、税金で補填されるわけで、それを思うと、実に、苦い気分になります。 コンコルドでも、YS11でも、そうですが、黒字にならない事が分かっている事業は、それまでに、いくら投入していたとしても、途中でやめた方が、損害が少なくて済みます。
「頑張って、続けていれば、いつか、成功する」
なんて事を、1号機の失敗の後で、ロケット・ファンの小学生が言ってましたが、そういう問題じゃないんだよ。 100パーセント、コストの問題なんだよ。 最終的に積み上がった損害は、君が払ってくれんのかい?
【2024/03/06 水】 「ドラマと出生率」
≪花嫁の賭け≫
1986年の、2サス。 石野真子、柳葉敏郎、石橋蓮司、江波杏子、という出演者。 ゲーム好きの少年と知り合いになった若い二人が、誘拐犯と間違われたり、銀行強盗をやった男と戦ったりする話。
2サスなんですが、誰も死にません。 それでも、そこそこ、ゾクゾクさせられて、観後感は良いです。 こういう、若い恋人同士が中心になって、ちょっとした冒険を繰り広げる話が、今では、とんと、見られなくなってしまいましたなあ。 今でも、若い世代は、減ったとはいえ、厳然と存在しているというのに。
高齢者尽くしになった結果、廃止された2サス枠に、復活して欲しいとは思いませんが、推理小説を原作としたドラマは、まだ、作って欲しいものです。 原作の方まで、色褪せたわけではないのですから。
そういえば、ドラマの傾向で思い出しましたが、韓国で、出生率が、恐ろしいほどに、低下しているとの事。 何が原因か? 私の考えでは、たぶん、ドラマが原因だと思います。 ドラマに出て来る人物達が、美形ばかりなので、視聴者も、面食いばかりになってしまい、「不細工な相手と結婚するくらいなら、生涯独身の方が、マシ」という考え方になってしまったのだと思います。
日本でも、恋愛結婚の補完システムとして機能していた、見合い結婚を滅ぼしてしまったのは、1990年前後に流行した、トレンディー・ドラマでした。 「恋愛結婚以外は、結婚ではない」という風潮が広まって、結局、ある程度、外見がいい人間しか、結婚できなくなってしまったんですな。 日本の少子化も、そこに端を発しています。 ドラマの影響は、侮れません。
少子化対策に、「子育て支援」なんて、やってますが、ほとんど、効果がありますまい。 結婚する人間そのものが、激減しているのですから。 一人の女性が産む人数を増やす方向性では、旗を振っても、誰もついて来ません。 お金にゆとりがあれば、子供を多く持ちたいという人間ばかりではないからです。 むしろ、そういう人は、少数派でしょう。
そんな事より、見合い結婚や、結婚相談所の紹介で結婚するドラマを、テレビ各局、一期に一本ずつ作る事を義務化すれば、自然に、結婚する人間が増え、子供も増えて来ると思います。 効果の程には、自信があります。 しかし、たぶん、そんな作戦が採用される事はないでしょう。 表現の自由を制限する事になってしまいますから。 静かな引退生活を送りたいと思っている私としては、近所を騒がすガキどもなど、少ないに越した事はなく、採用されると困るわけで、大変、好都合です。
【2024/05/27 月】 「任意保険」
車の任意保険の更新通知メールが来たので、手続き。 ノンフリート等級が上がっているのに、また何か、契約条件の抱き合わせがあり、数百円、高くなってしまいました。 まったく、自動車関連の業界は、詐欺まがいの事をやるところが多い。
任意保険は、かけ捨てだから、事故を起こさない人は、毎年、払い損になってしまうのですが、なんで、繰り越しタイプが出て来ないのか、不思議です。 事故が起きない、つまり、保険会社側に損が出ない場合、翌年に繰り越せばいいではないですか。
それができないのは、頻繁に事故を起こす顧客のせいで、賠償金が出て行くからです。 つまり、事故を起こす連中の為に、事故を起こさない人間が、金を補填してやっているわけで、理不尽極まりない。 世の中、何か、間違っている。
今回は、以上です。 どうせ、旧聞なので、急いで出す必要もないでしょう。
実は、この、≪心中宵更新≫というブログは、最初、こういう、時事問題を取り上げ、「世の中に、物申す」という内容の文章を書いていました。 読書感想文を出し始めるのは、ずっと後になってから、プチ・ツー紀行に至っては、僅か、ここ数年で始めた事です。
記録に残っている、一番古い記事は、2002年6月1日付で、その頃は、まだ、ブログではなく、ホーム・ページに、コンテンツとして掲載していました。 「コンテンツ」は、もう、死語ですが・・・。 ブログとして独立させたのは、2005年頃でしたから、それ以前の記事は、ネット上では読めません。 私だけが読み返せるわけですが、何せ、時事ネタなので、わざわざ、読み返すような事はないです。
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