2007/10/07

キーボード購入始末

  今週も書く事が無いので・・・・・というより、考えるのが面倒臭いので、ここ二週間ほど振り回された、≪キーボード購入始末≫を、日記の方から抜き書きします。 本来なら、読み易いように整文すべきなんでしょうが、日記のままの方が、経過が分かって面白いと思うので、そのまま並べます。 決して手抜きではないので、くれぐれも、お疑い無きよう。


9月24日(月)
  キーボードの夢を見ました。 キーボードと言っても、パソコンのではなくて、楽器の方です。 正確には、キーボードというより、電子ピアノでしょうか。 ある店に行って、どれを買うか見繕っているのですが、次々に見て行く内に、分解されたような製品が出てきて、最後には、鍵がバラ売りされているという始末。

  なぜ、こんな夢を見たのでせう? まさか、欲しいと思っているんじゃなかろうね? おいおい、あたしゃ、リコーダーも吹けなかった男だぜ。 子供用のピアノだって、弾けるものかね!

  何なんでしょうねえ? ≪何でもいいから音を出したい願望≫というのがあるんでしょうか? 電子楽器なら、ヘッドホンが使えますから、家族や近所に遠慮なく、いくらでも練習できるわけですが、どうせ、すぐ飽きるに決まってます。 大体、今でさえ時間が無くてキリキリしてるのに、楽器を弄る時間なんてないですぜ。

  と言いつつ、ざっと調べてみたら、61鍵の電子キーボードなら、一万円くらいであるようですな。 それでも、幅が1mもあって、置く場所がありませんが。 もっと小さいので、32鍵というのがあるらしいですが、どうも子供向けのようです。 いや、私の実力は、3歳児にも劣ると思われるので、それでも釣りが来そうですがね。 リコーダーの時の乏しい経験から推して、私が演奏したい曲というのは、せいぜい2オクターブもあれば間に合うものばかりですから、オモチャで充分という見方もあります。 カッコつけて大人買いしたりすると、後で粗大ゴミになるんですわ、往々にして。

  だけど、弾けないのが分かりきっていて、どうして欲しいなんて思うんですかねえ? 自分が分からぬ今日この頃です。


9月28日(金)
  夢のお告げで、自ら足を踏み入れた≪キーボード欲しい病≫ですが、急激に悪化しています。 腕時計の時のように、百円ショップの品で代用するというわけにいかないので、否でも応でも、一万円前後ぶっとびそうな予感。

  で、この二三日で調べた薀蓄ですが、電子式鍵盤楽器は、大まかに分けると、電子ピアノとキーボードの二種があります。

  電子ピアノというのは、ピアノとほぼ同じ数の鍵盤(88)を持ち、電子的に音を出す物。 弦部分が無いので、本体は鍵盤とその基部だけの細長い形をしています。 サイレント・ピアノとは別物でして、サイレント・ピアノというのは、本物のピアノに消音装置と電子センサーを付けた物。 どちらも音を消せるという点では共通していますが、電子ピアノの方が圧倒的に軽量コンパクトで、値段も桁違いに安いです。

  一方、キーボードは、鍵盤数が少なく、多くても61くらいになります。 元が電子楽器なので、電子音から各種生楽器の模倣音まで、100種くらいの音色が出せます。 その中にはピアノの音もあり、それを使えば、電子ピアノとほぼ同様の使い方が出来ます。

  電子ピアノの特徴に、≪タッチ・レスポンス≫という機能があります。 これは、本物のピアノの鍵を叩いた時と同じように、弱く叩けば弱い音が、強く叩けば強い音が出るというもの。 また鍵を押した感触も、本物のピアノのそれに似せてあります。 ただし、この機能は最近、キーボードの上位機種にも取り入れられていて、もはや電子ピアノだけの専売特許ではなくなっているらしいです。

  キーボードは、大は61鍵から小は32鍵まで各種ありますが、鍵一つの幅や長さに違いがあり、本物のピアノと同じ大きさの≪標準鍵≫と、少し小さめに作ってある≪ミニ鍵≫に分かれます。 一万円以下で売っているような物は、大抵、ミニ鍵です。 ミニ鍵だからといって必ずしも子供用とは限らないようで、ギターのようにベルトで肩にかけて使うポータブル・キーボードは、大人向けでもミニ鍵が使われています。

  以上を踏まえた上で、私個人の事情になりますが、案の定、厄介な壁にぶつかっています。 サイズが大き過ぎて、部屋の中に置く場所がないのです。 実は最初に欲しいと思ったのは電子ピアノなのですが、値段は37000円くらいで全然大した事無いものの、幅が1330ミリもあって、そんな長い物、据える場所なんかありゃしません。

  で、すっぱり諦めて、キーボードにしようと思ったんですが、61鍵の場合、やはり幅が950ミリくらいあって、机の上にしか置けません。 しかし、机の上に置いてしまったら、パソコンが使えなくなってしまいます。 パソコンを使う時だけ、キーボードを他へ移すなんて面倒な事は、金輪際したくありません。 61鍵の下は、49鍵というのがありますが、幅は100ミリくらいしか縮まらず、大差なし。 その下は32鍵ですが、さすがに鍵数が少なすぎるという感じ。 しかも、ミニ鍵だし。

  ちなみに、これらの鍵数は、半音(黒鍵)も含めた数え方でして、全音だけだと、32が19くらいになってしまいます。 2オクターブちょいですな。 鍵数が少なくなれば、高音や低音が出せないわけで、演奏できる曲は限られてきます。 どうせ、遊びで終るのだから、そんなに多くの曲に対応していなくてもいいとは思うものの、最初から限界が分かっている機械というのは、何となく買う喜びが湧かぬものです。

  てな具合に、サイズと置き場所の事で延々と悩んでいるわけですが、一方で重大な事を忘れています。 それらが解決し、いざ買ったとして、果たして、練習するでしょうかね、この私が? 何でも、初心者は一日30分くらいやらないと上達しないそうですが、30分捻り出すのは並大抵じゃありません。 それに、大人になってから始めた楽器は、結局ものにならないというのも分かっています。 よっぽど精進したとしても、一曲か二曲たどたど弾けるようになるのが関の山といった所でしょう。

  一番いい解決策は買わないで済ます事ですが、それもつまらなくてねえ。 人間という奴、いらない物と分かっていても、時々散財していないと、気分が鬱屈してしまうんですな。


9月29日(土)
  しつこく、キーボードの話ですが、部屋のレイアウトを弄ったら、どうにかこうにか、61鍵タイプが置ける空間を捻り出す事が出来ました。 カラーボックスを一つ押入れに突っ込んだだけで、家族に迷惑を掛けず、また一円も使わずに模様替え出来たのは幸いでした。

  で、肝腎のキーボード本体なんですが、当初、61鍵ならば、アマゾンに10850円で出ていた、ヤマハの≪ポータトーン PSR-E203≫を候補にしていたのですが、昨日の帰りにドンキホーテに寄ったら、カシオの≪CTK-800≫が9980円で置いてあるのを発見。 型落ちの現品限り品ですが、元が中級機なので、タッチ・レスポンス機能がついています。 出来れば、展示品よりは真っ更の方がいいんですが、ヤマハの方は、届くまでに1~3週間かかるそうで、そんなに待つのも白ける話。 「どうせ、思いつきで始めた計画なんだから、勢いに任せて、ドンキで買ってしまえ」などと思っています。 店で買った方が、返品だの修理だの、都合がいい面もありますし。

  ただ、あくまでも、最も重大な点は、私が、≪きらきら星≫すら弾けない、超々ド素人だという事実です。 「何を買うか」が決まったのに、「なぜ買うか」が決まっていないという大欠陥計画なのです。 ほんとに買うのかね? しかし、置き場所まで作ってしまって、買わないというのも、それはそれで変だし。


9月30日(日)
  紆余曲折の末、日曜の夜に、ドンキホーテに行って、カシオの≪CTK-800≫を買って来ました。 型落ち・現品限りで、9980円。 相当長期間、店頭デモ機を務めていたらしく、強か汚れていましたが、店員さんが綺麗に掃除してから梱包してくれました。 ドンキホーテという店、客は不良・ゴロツキ・ろくでなし・頭カラッポみたいな連中ばかりですが、店員さん達は、至って真面目で、好感が持てますな。 店内にいる人間の落差が大き過ぎて戸惑いますが。

  馬鹿でかい箱を車に積んで帰宅し、床の間で開梱。 自室に運んで据え付けました。 電源を繋いで、動作確認をしてみた所、細かい操作は分からないものの、一応音は出る様子。 これから説明書を読まなければ。 まあ、ピアノ音色で普通に音が出れば、それで充分なんですが。 大きな箱の始末に悩みましたが、取り敢えず解体してぺたんこにし、二つ折りにして押入れに突っ込みました。 来週にでも片付けるとします。

  いやあ、本当に買ってしまいましたよ。 そもそも夢で見たのが思い立ちですが、たった一週間で買う事になるとは思っても見ませんでした。 腕時計なんか、三ヶ月くらい悩んで、結局買わなかったのにね。 店頭デモ機だったので、あちこちキズがあるんですが、どうせ自分で使っていてもキズはつくので、気にしない事にします。 新品でタッチレスポンス付きとなると、どんなに安くても17000円くらいしますから、9980円で手に入ったのは幸運と思わねばなりますまい。 どうせ、すぐに飽きると思うので、最終的には、「安い物にしておいて良かったなあ」と、その時また幸運を噛みしめると思います。

  でも、本当に練習するんですかね、私は?


10月3日(水)
  キーボードですが、教科書通りに、≪きらきら星≫から練習しています。 全音だけ6音しか使わないので、誰でもすぐに弾けるようになります。 リコーダーの時に買った楽譜にも載ってました。 リコーダーは、アルトとソプラノでは押さえる穴が違って来ますが、ピアノの場合、一種類しかないので、すっきりしていて良いですな。

  キーボードなんですが、グランド・ピアノの音色にしてあるので、どう聞いてもピアノにしか聞こえません。 録音されたデータを再生しているだけなのだと分かっていても、非常に不思議な感じがします。


10月5日(金)
  ≪きらきら星≫、≪ちょうちょ≫、≪ぶんぶんぶん≫を、地味に、マメに、くどくどと練習しています。 グランド・ピアノ音で弾くような曲じゃないですけどね。 最初は楽譜を見てるんですが、だんだん面倒臭くなって、山勘で弾き始めるので、いつまでたっても、譜面のオタマの高さと、鍵盤の位置が頭に入りません。 やれやれ、先は長い。


10月6日(土)
  今日の午後半日かけて、キーボードの譜面台を改造しました。 本体の取り付け位置に付けると奥行きが深くなり過ぎて部屋の入口の引き戸に当たってしまうので、本体の後ろに板を立てて、譜面台をその板に取り付けました。 奥行きの代わりに、高さで場所を稼ぎ出そうという算段。

  ついでに、置き場所の関係上、夜に手暗がりになるのを解決する為、板の上にクリップ・ライトを付けました。 このライトは、リコーダーの時に、簡易防音室内の照明として使った物で、スパイラル電球型蛍光灯をつけてあります。 反射板が無いので、あまり明るくないんですが、まあ譜面と鍵盤だけ照らせれば充分なので、こんなもんでいいでしょう。

  更に、譜面台に裁縫用の細い紐ゴムをかけて、譜面押さえに。 楽譜が冊子状になっているので、押さえないと閉じてしまうのです。 これもリコーダーの時に会得した知恵。 人間、どんなに下らない事でも、経験は蓄積されるものですな。

  これで、キーボード関連の改造は終わり! これ以上は何もやりません! なぜ、そんな事を強調するかというと、私の悪い癖で、設備をあれこれ弄り始めると、改造の方に夢中になってしまって、楽器の練習という本来の目的を忘れてしまう危険性があるからです。 これも、リコーダーの時の経験から得た教訓。 人間、どんなに愚かしい失敗でも、経験は蓄積されるものですな。


≪付記≫
  9月30日(日)の冒頭部に、≪紆余曲折の末≫とありますが、どれを買うかで悩みに悩み、一心不乱、二六時中、三々九度、四苦八苦、五里霧中、六根清浄、七転八倒、八面六臂・・・・いや、八面六臂はちょっと違いますが・・・・おっと、そんな事を言い出せば、三々九度は全然関係ないですが、とにかく、悪戦苦闘し、金土日の三日間に、中古品店≪ハードオフ≫へ一回、ホームセンター≪エスポット≫へ三回、≪ドンキホーテ≫へは、呆れた事に五回も足を運びました。 その他、ネット上では、あちこちの通販サイトを何時間うろついたか分かりません。 各お店の皆様、挙動不審な男が出たり入ったりして、大変申し訳ない。 この場を借りて、お詫び申し上げます。