2009/05/24

蒼白豚合戦

  テレビのニュースで、「大阪の高校生が、オカンに襲われた」と聞き、「むむ、親が子供を襲うとは、何たる破廉恥!」と怒りに身を震わせたのも束の間、別の局では、「大阪の高校生が、オカンを訴えた」と報じているので、「うーむ、いくら襲われたとはいえ、子供が親を訴えるとは何事か! 人道地に堕ちたり!」と嘆いていたら、「オカン」ではなく、「悪寒」の間違いだそうで、ホッと安堵の胸を撫で下ろしました。 いやあ、一時はどうなる事かと思った。


  全く、つまらん世の中の割には、いろんな事件が次から次へと起こりますなあ。 もっとも、豚インフルの流行に伴う騒動自体は、決してつまらぬという事はなく、むしろ極めて面白いです。 ちなみに、面白いといっても、興味深いという意味ではなく、笑えるという方の面白さです。 エイズが登場した時にもそうでしたが、死と関わりのある流行というのは、ブラック・ユーモアの最高の温床になるんですな。

  まず、鳥じゃなくて、豚だったというのが、意表を突いています。 長年、WHOが音頭を取って、鳥インフルエンザを迎える準備をして来たのに、実際にやって来たのは、豚だったんですな。 イソップ物語に一編付け加えられそうな話じゃありませんか。 お客が違ったために、用意していたもてなしの品が、全部使えなくなってしまって、大混乱に陥るという。

  次に、発信地が、メキシコだった事です。 WHOは、かなり昔から、「スペイン風邪級の新型インフルエンザは、中国南部で発生する」と予想していて、それを何の臆面もなく、堂々と公言していました。 この数年、中国よりもインドネシアの方が鳥インフルの感染者数が多くて、WHOの自信満々の≪予言≫に黄信号がチカチカ灯っていたのですが、メキシコで豚インフルが爆発し、一気にトドメを刺されてしまったわけです。 WHOの面目、丸潰れだね。

  ちなみに、WHOの認識では、過去に起こったインフルエンザの大流行は、全て、大元の発信源が中国なのだそうです。 科学的証拠など全く無いのですが、いかにも、欧米や日本の学者が決め付けそうな学説ですな。 医学は自然科学の一部とされていますが、医療も範疇に含めると、俗説がうようよ蠢く人文の世界に引き込まれてしまいます。 これらの学者の念頭にあるのは、まず中国に対する偏見であり、「悪い事は何でもかんでも、中国のせいにしてしまえばいい」という、科学的思考とは、まるっきり正反対の態度です。

  そういえば、≪A香港型≫だの、≪Aソ連型≫だのといった名称がありますが、いずれも、香港やソ連の許可を取って用いているものではなく、差別意識を原動力にして今の今まで使われ続けて来たものです。 欧米や日本の学者が、いかに腐れ切った脳味噌を持っているかが分かろうというもの。 品性的に、≪ダッチ・ワイフ≫の命名者と同レベルでしょう。 科学者が聞いて呆れる。 病名やウイルスの通称は、国によって、相当な違いがあり、いかがわしい病気ほど、差別的な名称がついているものが多いです。

  今回の騒ぎですが、日本では最初、≪豚インフルエンザ≫と言っていたのが、WHOから、「豚肉の流通に支障が出るので、その名前を使わないように」という意見が出ると、途端に、≪新型インフルエンザ≫に切り替えてしまいました。 珍しく素直に変えた事自体は良いとして、他に名前は思いつかなかったんですかねえ? ≪新型~≫なんてつけちゃって、今後また別のインフルエンザが出て来たら、その時はどう呼ぶのよ? その昔、新幹線の駅名をつけるのに、≪新大阪≫や≪新横浜≫といった具合に、単純に、≪新≫を頭にくっつけたのが、安直だと批判されましたが、その頃と言語センスが全然変わってませんな。

  ちなみに、中国での呼び方は≪甲型H1N1流感≫、略して≪甲型流感≫、更に略して≪甲流≫とも呼んでいるようです。 アメリカでは、≪swine flu≫。 つまり、≪豚インフルエンザ≫そのまんまでして、変えるつもりはないようですな。 発生源のメキシコでは、≪gripe A≫と、≪gripe porcina≫を両方使っています。 それぞれ、≪Aインフルエンザ≫と、≪豚インフルエンザ≫の意。 WHOの意見に従った所と、完全に無視した所、そして両者が混在している所の三様があるようです。

  だけどねえ、覚えやすいという点では、≪豚インフル≫が一番だと思いますぜ。 WHOは保健の事だけ考えていればいいのであって、言葉狩りにまで手を広げる必要はありますまい。 食肉業者の心配をするほど繊細な配慮が働くのなら、証拠も無いのに特定の国を感染症の発生源呼ばわりして貶めるような、低劣な振る舞いを、まず改めるべきでしょう。

  WHOは、今回の騒ぎでも、態度がはっきりせず、とても専門家の集団とは思えないような優柔不断ぶりを露呈しています。 最初は、≪パンデミック≫などという言葉を流行らせて恐怖感を煽り立てたかと思いきや、一転して、「重篤化はしないようだ」と言ったり、またまた豹変して、「でも、油断するのは早い」と言ったり、およそ、意見が定まりません。 そんな事なら、右顧左眄を座右の銘にしている脳味噌スッカラカンのコメンテーターでも言えます。

  また、「メキシコは医療水準が低いので、重態化してから病院に来るケースが多く、それが死者の増加に繋がった」などと言ってましたが、各国の保健関係者の寄せ集めであるWHOが、メキシコの医療体制について詳しい知識を持っているとは全く思えず、この見方そのものが、空想の産物でしょう。 だーから、偏見の持ち主が国際機関で抜け抜けと働くなっつーのよ! お前が、メキシコの何を知っていると言うのだ? ソクラテスじゃないけど、「メキシコについて、何も知らない」という事を、まず知れ!

  私がテレビで見た限りでは、メキシコの都市の街頭で、兵隊達が道行く人々に、マスクを無料で配っていた様子が印象的でした。 分かります? タダですぜ。 日本で、行政が、タダでマスクを配ってくれますかね? 話にならんでしょうが。 メキシコの医療が遅れているなどと、一体誰が言い出したのだ? まず絶対に、メキシコ人ではないでしょう。 第一感染者を探すより、そちらを探して吊るし上げた方が、今後の人類の発展には役立つと思います。

  アメリカが、メキシコとの国境を封鎖しなかったのも、面白かったですねえ。 アメリカ映画を見れば分かるように、アメリカ人はメキシコ人に対して猛烈な差別意識を抱いていますが、それと同時に、合理な思考法も持っていて、長い国境を封鎖する事が不可能である事を承知していたんでしょう。 アメリカ国内での感染者が増えても、さほど慌てていなかったのが、また面白い。 国民に死者が出ても、まだ騒がない。 死に至ったのが、特別な健康状態にあった患者だった事を冷静に見究めていたんですな。 メキシコでの感染者増加がピークだった頃でも、国境を閉じなかったのは、大した度量だと思います。


  さーて、日本ですが、予想していたとはいえ、思いっきりピエロを演じてしまいましたな。 私は、機内検疫そのものが無意味だとは思いませんが、やるのであれば、徹底的にやらなければ効果が望めないのであって、日本が取っていた検疫方法は、ほとんど、ザルだと思っていました。 発熱や不調を訴えた乗客だけを検査するというのが、既に手ぬるいです。 また、隔離対象になるのが、感染者の周囲の半径2メートル以内の席にいた人だけというのも、お話になりません。 その、≪半径2メートル≫という数値が、何を根拠にして決められたものなのかが、全く分からないじゃありませんか。

  感染者は、ずっと自分の席にいるわけではなく、長いフライトですから、当然、トイレにも行くでしょう。 そうなれば、彼らが通った通路の周りでうつされる人間が出ても全然不思議ではありません。 そして、そういう人達は、そのまま飛行機から下ろしてしまっていたわけだ。 そもそも機内という密閉した空間で空気が対流しているのですから、ウイルスはどこへ流れて行ってもおかしくないです。 「インフルエンザは飛沫感染だから、絶対に空気感染はしない」と言い切れるなら別ですが、現実には、そんなに厳密な違いではないでしょう。

  客室乗務員が媒介になる可能性も極めて高いです。 体調が悪い乗客がいれば、職務上、当然、そこへ行かなければならないわけで、真っ先にうつされるでしょう。 隙間だらけのマスクで、完全防御は望むべくもありません。 たとえ、直接うつされなくても、客室乗務員の体にくっついたウイルスが、機内全域に運ばれていけば、感染の可能性は全乗客に広がります。

  検疫で水際防御をするのだったら、外国との間を行き来する飛行機や船舶を全てシャットアウトするくらい徹底してやらなければ、実は上がらないでしょう。 そして、そんな事は、実際問題として不可能です。 やれば、日本経済が崩壊してしまいます。

 「検疫でウイルスの侵入を少しでも遅らせて、国内での感染対策が整うまでの時間を稼ぐ」などと、一見もっともらしい理屈を並べている人達がいましたが、結果的には、呆れるばかりに、実効を伴わずに終わりました。 最初の一人が出るまで、別の感染者が入国しなかったのは、単なる偶然に過ぎず、検疫のおかげではありません。 現に初めて引っ掛かった時には、機内でうつされた疑いのある同乗客をみんな入国させてしまったではありませんか。 検疫態勢がザルだった事が露呈してしまったわけです。 結局のところ、検疫による水際対策は、ウイルスの侵入を遅らせるのに、何の役にも立たなかったのです。

  出来もしない事を、「やれる」と思い込んでしまっていると、いざ、「出来ない」と分かった時にも、今まで大言壮語していた事に対する面子が絡んで、次の対策に移行するのが遅れるため、この上無く始末が悪いです。 「日本は島国だから、水際対策には有利な条件が揃っている」などと、政府閣僚が大真面目に言っていたわけですが、これだけ外国との往来が膨大な人数に上っている時代に、何を戯言を抜かしていたのやら。 感覚が江戸時代で止まっているのです。 ただし、こういう無知な事を言っていたのは政治家や、自称識者の連中であって、医療専門家は、「侵入自体は防げないだろう」と、はっきり言っていた事を覚えておく必要はあります。 誰も彼も信用できないというわけではないわけです。

  国内最初の感染者になった高校生達や、その学校の感染対策の不備が批判されましたが、どうせ誰かが最初の一人にならざるを得なかったのですから、あんなのは理不尽な吊るし上げ以外の何ものでもありません。 一方、隔離を、「非人道的だ」と批判する者もうじゃうじゃいましたが、感染症を広げない為に患者を隔離するのは、医療の常識であり、批判するのは的外れだと思います。 「国境検疫で食い止められる」と信じ込んでいたのが問題なのであって、隔離そのものに問題があったわけではありません。 隔離すれば防げる感染を、野放しにしたら、その方がおかしいです。

  ただし、感染が広まってくると、隔離は意味をなさなくなります。 現在は、正にその状態ですな。 国内にうじゃうじゃ感染者がいるのに、今更、検疫など続けて、何の意味があるのよ? 検疫をするなら、日本に入って来る人間ではなく、日本から出て行く人間を調べるべきです。 ただ、そういう事は、外国でも全くやっていないようですが。 面白いよねえ。 自分がうつされるのは大ごとだけど、自分が他人にうつすのは問題にならないわけだ。

  しかし、こんなに急激に感染者が増えるとは、ほとんどの日本人が予想していなかったでしょうなあ。それどころか、政府関係者なんぞは、≪SARS≫の時と同様に、「周辺諸国に感染者が広まっても、日本にだけは入って来ない」と思い込んでいたふしがあります。 信じ込んでいたと言ってもいい。 そういや、≪SARS≫の時に、キチガイ・コメンテーターや、インチキ医学者が言ってましたよねえ。 「日本は衛生水準が高く、綺麗好きな国民性だから、≪SARS≫ウイルスが侵入できなかったのだ」とかなんとか。 今となっては、とんだ寝言だね。 テレビ局も、その人探し出して来て、コメントさせりゃあいいじゃん。 この状況を見て、何て言うか、是非聞いてみたい。

  ≪SARS≫が広まらずに済んだのは、日本の衛生水準とは何の関係も無く、中国や香港、台湾で、徹底的に抑え込んだから、外国へ出るのを防げたんでしょう。 当時のニュース映像を今でも覚えていますが、向こうじゃ、消防ホースで水をぶっかけて、ビルごと洗ってたり、凄かったものねえ。 それに比べて、日本では、駅員が手持ち噴霧器で自動改札機を消毒して回っていましたが、「こりゃ、対策の規模がまるで違うな」と思いましたっけ。

  「日本人は綺麗好き」という見方は、「病的に」という観点からなら、肯定できないでもないですが、それは大人に限った話で、中高生なんかは、むしろ不潔な方だと思います。 まず、滅多に洗わない制服を、年中着ている。 学校帰りに雨で濡れても、一晩、部屋の中に干しておくだけで、翌日も同じ服を着て出かけます。 まあ、汚ねーったらないですな。 しかも、当人達が、それを不潔だと思っていないから始末が悪い。 女子高生の制服に萌えてるキミ、悪い事は言わんから、認識を改めなさい。 あれは、たぶん黴が生えてるぞ。

  また、昨今は風呂に入らない奴が増えているらしく、汗臭さをごまかす為に、香水をつけよる。 匂いで匂いが消えるわけはないのであって、より臭くなるだけなのですが、当人は、「それが大人のたしなみだ」と思い込んでいるから救いようが無いです。 まず、風呂に入れよ。 夜遊びばっかしてるから、風呂に入る時間がなくなるんだよ。 出かけるなら昼間出かけて、夜は風呂入って寝ろ。


  おっと、話が脱線しました。 大阪府では、知事がブチ切れて、普通のインフルエンザ並の対応にするように厚生省に捻じ込む傍ら、見切り発車で、休校や行事の自粛を取り止めてしまいましたが、気持ちは分かるものの、事が最終的に人命にかかわる事だけに、「ちょっと思い切りが良すぎるかな」という感じもしないではなし。 経済を救う為に、保健を危険に曝したわけですが、もしこの措置によって、感染者が増えたり、死者が出るような事態になった場合、やはり、決定を下した知事の責任は免れないでしょう。

  しかも、普通のインフルエンザ並の対応に切り替える根拠が宜しくない。 「弱毒性で、さほど恐れる必要が無い事が分かったから」というのは、後付けした理由に過ぎず、「感染者が急激に増えすぎて、対応しきれないから」という方が本音ではねえ。 これは、どう考えても、本末転倒しており、行政の対応としては、相当まずいと言えます。

  対策とは、前以て決めた原則に、現実を合わせて行く方向で進めるものですが、これでは、現実に合わせて、原則を捻じ曲げているだけであって、対策とは言えません。 そういえば、WHOも、欧米日諸国の圧力に屈して、≪フェーズ5≫から、≪フェーズ6≫への引き上げを先延ばしにしていますが、あれも原則を捻じ曲げているわけで、科学的態度とはいえません。 本来、感染の拡大状況のみを表わす段階指標なのに、「重症度を加味して決定する」などと、途中で基準を変えてしまっており、そんなのがアリなら、もはや原則など要りますまい。 白を黒とも、馬を鹿とも、その時の都合で意のままに言い換えられるわけだ。

  大阪府知事は、「すでに感染のピークは過ぎた」とも言っていますが、その判断に何の根拠も無いのは哀しいくらいに明白です。 感染者数の増加率が減ったのは、検査機関の対応能力を超えてしまった為に、検査が済んだ分しか発表されなくなった事と、「どうやら、家で寝ているだけでも治るらしい」という情報が知れ渡ったせいで、保健所にも病院にも行かずに、自宅でこっそり療養する感染者が増えたからでしょう。 「軽症者は、自宅療養を」というのは、アメリカでもそうしているようですが、短期的にはともかく、先々の事を考えると、感染者の全体数を把握できないのはまずいと思います。

  またぞろWHOですが、そこの日本人職員が、「日本は医療体制が整っているので、感染状況を観察するモデル・ケースになる」などと言ったとか。 アホか、わりゃ。 この、国を挙げての不様な混乱ぶりを見て、まだ、医療体制が整っていると言えるか? そもそも、検体を東京に送らなければ、感染を確定できないというのが、お粗末極まりないです。 でも、無理だよねえ。 普段の状態ですら、医師不足で、急患を救急車で盥回しにしているような国だものねえ。 これ以上、負荷が増えたら、そりゃ、パンクもしようってもんです。

  そういえば、機内検疫で使っていた簡易検査キットが、発症前だとみんな陰性に出てしまっていたというのも、随分と粗漏な話ですな。 じゃ、一体、何のために、機内検疫やっとったのよ? 一週間、ホテルに缶詰にされた人達が、馬鹿みたいじゃないですか。 簡易検査キットがどの程度有効かくらい、現場の医師達は知っていたはずですが、なぜそれを早く指摘しないんですかねえ。 自信満々で水際作戦を指揮していた首相や厚労相は、恐らく全然知らなかったんでしょうなあ。 知らなかったんだから、責任が無いというわけではなく、よく知りもしない事を実行していた点は、やはり問題でしょう。

  こういう事態の時に、医学知識を持っていない人間が指揮系統の中枢にいるのは大いに不安ですな。 豚インフル対策に関してだけでも、医療の専門家に指揮権限を委ねた方が賢明でしょう。 相変わらず、「全力で・・・」とか、「あらゆる情報を開示して・・・」とか、言葉ばかり威勢がいいですが、言葉ではウイルスは死んでくれんぞ。


  マスクが足りなくなるのは分かり切っており、政府やマスコミがマスク着用を薦めるのも、どうかと思います。 現実問題として、手に入らない人間はどうすればいいのか、そこまで考えずに、「マスクをしましょう」と言うのは、無責任というものでしょう。

  そういえば、マスクは、アメリカやイギリスでは、「感染を防げるという科学的な根拠が無い」として、推奨していないそうですが、彼らは単にマスクをしたくないがために屁理屈を並べているだけですから、真に受ける必要はありません。 しかし、したくても、物が無いのでは致し方ありませんな。 買い占めて、数倍の値段で売っている輩がいるそうですが、いやあ、必ず出て来ると思ってましたよ。 これだけ、詐欺師の多い国ですから、マスクで一儲けを企む奴が出て来ないはずがないです。 街頭でタダで配る国とは、どえらい違いですな。

  それにしても笑っちゃうよねえ。 まだ日本で感染者が出ていなかった頃は、メキシコにマスクを贈ってたんだよ。 恩着せがましく、「へへへ、大変そうじゃないか。 援助してやるぜ。 うちは余ってるからよ」ってな調子で。 今となっては、その贈ったマスクが恨めしかろう。 逆に、メキシコに縋りついて、使い古しを送り返して貰ったらいかがかな?


  国内を三種の地域に分け、発生状況によって、それぞれ別の対策を取るというのも、これだけ人の行き来が激しいと、無意味なんじゃないかと思います。 大阪で数百人に上っている感染者が、東京では未だに一桁なんて、信じられますか? 毎日、何十本、新幹線が往復してるのよ? 感染者が入り込まないわけが無いですし、入り込んだ感染者がうつさないわけがない! にも拘らず、表に出てこないのは、感染者として、吊るし上げられるのが嫌で、隠れておるのでしょう。 そういうのが怖いんだわ。 密かに、うつして回るから。

  日本には、タミフルやリレンザの備蓄が、3800万くらいあるらしく、政府広報でも、「想定される患者数より多いですから、安心してください」と言っていますが、素朴な疑問として、あの種の薬って、一錠で効くもんなんですかねえ? 確か、「タミフルを飲みすぎて、高い所から転落した」なんてニュースがありましたが、≪飲みすぎ≫がありうるという事は、一人一錠とは限らないわけですよね。 もし、一人二錠だったら、1900万人しか助からない事になり、一人三錠だったら・・・・と、順次助かる人数が減っていくわけだ。 簡単な算数ですが、誰もその事を指摘しないようなので、ここで触れておきました。

  薬の数に限りがあるとすれば、むしろ早めに感染した方が、お得かもしれませんな。 患者数が少ない内なら、薬も潤沢だし、VIP待遇で竜宮城並みの看護が受けられますから。 兵庫や大阪は既に時期を失していますが。


  なんだか、取り留めない文章になってしまいましたが、≪豚インフル騒動≫に関する感想は、こんな所でしょうか。 いろいろ書き捲りましたけど、実は私、この騒動について、確たる事を言えるほどの、医学・医療関係の知識を持っていません。 ただ、「このウイルスに関しては、世界中の誰も、確たる事が言えないはずだ」という事は分かっています。 またまた、ソクラテスにお出まし願いますが、「自分は分かっていない、という事が分かっている」というのは、五里霧中の状況下では、唯一頼りにできる指標と言えます。 今、確実に言える事は、「この先どうなるか、まだ分からない」という事だけなのです。