2009/08/23

掲示板よ、さらば

  私は、2001年の10月に開設し、ほとんど死に体状態で維持して来た個人サイトを持っているのですが、去る7月19日に掲示板を廃止し、それに伴って、ネットに於ける活動方針の根本的な改変に踏み切りました。 掲示板を外すと、どうして、ネット活動が変わるのかというと、それはまあ、追い追い説明します。

  掲示板を外した直接の理由は、下劣写真付きの迷惑投稿と縁を切る為でした。 画像添付式の掲示板では、ほとんど全てに、その種のキチガイ投稿者が入り込んでおり、私の所もその例外ではなかったというわけ。 当然、マメに削除はしていたのですが、削除するにも管理者コードを打ち込まなければならないので、結構面倒臭いのです。 「なんで、こんな馬鹿の為に、こんな手間を取らされなければならないんだ?」と、ずっとムカムカしていたのですが、それに加え最近は、削除前に下劣写真を見せられるだけで気持ちが悪くなってしまい、とうとう、キレたというわけです。

  画像添付式をやめて、文章だけのタイプに変えたとしても、今度は、下劣文章を投稿してくるに違いなく、根本的な解決にはなりません。 IPを調べて投稿拒否にしても、すぐに別のIPで入ってくるから、イタチごっこになってしまいます。 最終手段としては、廃止するしかないんですな。 「廃止は敗北だ」という方もいますが、廃止してしまえば、キチガイどもは、こちらにちょっかいを出す手段を失うわけで、損は向こうの方が多く、必ずしも敗北とは言えないと考えました。

  あの種の下劣投稿は、形式的には、≪出合い系サイトなどに呼び込む為の宣伝≫という事になっていますが、実際には、ほとんどが見つけ次第削除されるために、宣伝効果は微々たるもので、とても投稿の手間に見合うとは思えません。 ことによると、不特定多数に対する宣伝などではなく、その掲示板の管理人個人を狙った嫌がらせなのではありますまいか。 ぞっとする話ですが、ネット上をうろついている者の大半は、はらわたの腐った人間のクズですから、ありえない事ではありません。

 「わざわざ、画像認証キーまで打ち込んで、よく投稿するもんだ」と、不思議に思っていたのですが、もしかしたら、画像認証キーを自動的に読み取って打ち込むソフトがあるのかもしれませんな。 掲示板によっては、一日数十件、それが一ヶ月分くらい、全て下劣書き込みで埋め尽くされてしまっているような所もありますが、とてもじゃないが、こつこつキーボードを叩いていたのでは、投稿しきれますまい。 しかし、人間というのは、腐り始めると、とことん落ちていくものですな。 他人に嫌がらせをする以外に楽しみが無いほど人生がつまらないなら、もう死んだ方がいいだろ。 何のために生きてんだよ?


  恨み言はさておき、そういう理由で掲示板を廃止したわけです。 サイトを開設した時は、掲示板をメイン・コンテンツにしていたくらいですから、それを無くすのには抵抗感があったんですが、まあ、仕方ありませんな。 思い切ったついでに、サイトもやめて、プログにしてしまおうかと思ったんですが、ブログの場合、テンプレートが限られているので、デザインに自由が利かず、どうにも気に入った物が出来なくて、諦めてしまいました。 おっと、そういえば、ここもブログですが、ここは私のネット活動の中心地ではないので、デザインは、あまり気にしていません。

  それにしても、最近のブログ・サービスは、背景真っ黒とか、真っ白とか、シンプルなテンプレートが無いんですよね。 アニメ・キャラのトップ背景などが用意されてますが、あんな物、こっ恥かしくて、使えるかっていうのよ。 それに、他人の描いた絵を、平然とトップに掲げて、そりゃ一体、誰のブログなんじゃい? そんなに絵で飾りたいなら、自分で描けっていうのよ。 サイトやブログは、そもそも自己表現のために作る物なのだという事が分かってないんじゃないですかね? アイコンを借りるようなつもりで、イラストを借りてたら、個性も糞もありますまいて。

  うわ、また脱線した。 どこまで書いたっけ? そうか、掲示板を外した所までだ。 で、掲示板を外したんですよ。 するとですね、あら不思議! 急に身軽になったんですな。 一番改善された点は、もちろん、下劣投稿を見ないで済むようになった事ですが、それとは別に、ゲストの方々に迷惑を掛けずに済むようになった事が、私の精神的負担を大幅に取り除いてくれたのです。

  個人サイトも長くやっていると、つきあう人達の数も限られ、話題はとうに枯渇し、内容のマンネリ化が著しくなります。 書き込むのも苦しければ、レスを返すのも苦しく、単に社交辞令でやりとりを続けているだけになってしまうんですな。 特に私のサイトは、ろくなコンテンツが無かったため、ゲストの方々は、「何を書こうか・・・」と、毎回苦労していたに違いないと思うのですよ。 掲示板が無くした事で、そんな苦労を掛ける事もなくなり、私も気が楽になったというわけです。

  それまで書き込んでくれていたゲストの方々は、それぞれ、サイトを持っていますから、話したい事があれば、こちらから出向けばいいわけで、実害はありません。 緊急の連絡がある場合には少々不便ですが、ネット上の交友では、緊急を要する用事そのものが、ほとんどありません。 8月11日の地震の時も、先手を打って、サイトの日記ページに、「無事でした」と書いておいたため、何の問題も起きませんでした。


  単に、気楽になっただけでなく、新たな活動もできるようになりました。 新規の訪問先を開拓できるようになったのです。 自分のサイトを長くやっていると、自分の所の運営や、知り合いのサイト・ブログへの巡回でうんざりしてしまって、それ以上、交友相手を増やそうとしなくなります。 時間に余裕が無いというより、「もう、ネット歴が長いのだから、初心者みたいに、『はじめまして』なんて書き出しで、他所へ初訪問するのは、恥かしいし、面倒臭い」という、≪ベテラン意識≫が邪魔をするのです。

  ところが、実際に初訪問するつもりで、あちこちのサイトを覗いて見ると、この≪ベテラン意識≫が、全くの錯覚である事に気付きます。 単にネット歴の長短という意味ならともかく、ネット利用の熟達度という意味で考えれば、ベテラン意識に囚われている人ほど、ネットをうまく利用できていないのが分かります。 ネットというのは、他人と話してナンボなのであって、その為には、まだ知りあっていない人達と話す為に、自分の方から、どんどん外へ出て行かなければならないのです。 自分のサイトに閉じこもって、お客が来るのを待っていても、交友範囲は狭まる一方です。

  個人サイトの運営者で、「最初の頃は、レスを書ききれないほど、お客が来てくれたのに、今では、週に一人書き込みがあればいい方だ」という方、たぶん、たくさんいる事でしょう。 私も、つい先月まで、そうだったので、あなたの気持ちは、よーく分かります。 「でも、昔の知り合いが見ているかもしれないから、サイトを閉めたりしたら、馬鹿にされるに決まってる」と恐れているでしょう? 分かる分かる、その気持ち。 でもねえ、掲示板に何も書き込んで来ないという事は、見ていないか、見ていたとしても、もう交友するつもりは無いかのどちらかである可能性が高いですから、そういう人達を気にする必要は、もう無いと思いますぜ

  「頑張って続けていれば、また昔のように、お客がたくさん来てくれる時が巡ってくるはずだ」と期待していますよね。 でも、それはありえないと思います。 実際に、他のサイトの状況を見て回れば、それが、はっきり分かります。 誰も彼もみんな、自分のサイトに篭って、同じ期待に縋って、お客を待っているのですよ。 三竦みの逆バージョンをやってるわけですから、新しい客なんて、来るわけないです。 譬えて言えば、「いつか、お客が戻って来る」と励ましあいながら、近所同士で買物しあって食い繋いでいる、寂れた商店街と同じです。

  いいんですよ、別に。 ネット歴が長い人が、「はじめまして」を書いたって。 相手が自分よりネット歴が浅くたって、そんな事、構わないじゃありませんか。 そもそもは、全員、赤の他人なんだから、関係の基本は、≪対等≫です。 自分の方が上だと思っているから、腰を低くするのに抵抗があるのです。 対等だと思えば、「はじめまして」くらい、素直に言えるでしょう。 それどころか、下位に立ったって、いいじゃありませんか。 相手を誉めていれば、喜ばれますし、機嫌の良さそうなレスが返って来れば、こちらも気分がよくなります。 上に立とうとするから、そこから全てがおかしくなってしまうのです。

  これねえ、実践すると、世界観ががらりと変わりますよ。 その点は、胸を叩いて請け合います。 ただ、自分の所の掲示板を維持したまま始めると、すぐ躓く恐れがあります。 こちらから新規の訪問先を増やしていけば、その返礼書き込みで、掲示板の投稿者が一時的にどっと増えます。 長い事、閑古鳥で、レスを書き慣れていなかった人達には、それを捌くのが大変だと思います。 ほくほく顔を通り越して、げんなりしてしまい、「これなら、つきあいなんて狭い方がいい」と逆戻りしてしまうかもしれません。

  また、もっと恐ろしい問題は、返礼に来ない相手に激怒してしまう事です。 自認ベテランでも、返礼をしない人はいくらでもいるのであって、いちいち怒っていたらキリが無いのですが、自分自身もベテラン意識に毒されているために、「返礼もしないような奴とつきあう必要は無い!」と、切り捨ててしまうのです。 ところが、そういう事で怒っていると、他人への不信感が募って、別の所へ行くのも、だんだん怖くなって来ます。 で、結局、交友意欲が萎んでしまうのです。 つくづく、怒りは何も産まないねえ。 壊すだけだわ。 その点、自分の所の掲示板を廃止しておけば、返礼が多かろうが無かろうが、どこ吹く風でいられます。

  「もう、お客なんて、何ヶ月も来てないし、潰れたも同然だ」と思っているサイト運営者の方々、ものは試しで、是非、実行してみる事をお薦めします。 自分の所の掲示板を廃止した上で、どこでもいいから、他人のサイトというサイトにアクセスしまくって、波長が合う相手を探し、「はじめまして」と書き出して、ほんの数行、コンテンツを誉める感想を書き込むのです。 もし首尾よくレスを貰えたら、恐らく何年かぶりで、ネット交友の幸せを感じる事が出来ると思いますよ。 繰り返しますが、ネットとは、他人と話してナンボの世界なのですよ。