2012/01/01

バイク・タイヤ交換計画①

  さて、新年の元日ですが、これを書いているのは、旧年の大晦日です。 年が暮れるのですから、2011年の総括でも書くべきなのでしょうが、今年は、社会的に、重大な出来事があったので、そういう事は、誰でも書いていると思われ、私が書いても、似たような内容にしかならないので、やめておきます。

  で、思いっきり、個人的な事ですが、2011年の12月に熱中した、バイクのタイヤ交換の顛末を紹介しましょう。 思い立ってから、実行するまで、二十日くらい掛かっており、回想形式で書くと、臨場感が無いので、日記形式で書きます。 いや、白状しますと、日記の方から移植したわけですが、加筆部分が多いので、日記そのものではないです。


≪12月9日 金≫
  専ら通勤に使っているバイクのタイヤが、前後ともツルッツルで、いつ転倒してもおかしくない状態なのですが、バイク屋に頼むと、工賃だけでも、4000円から5000円は取られるので、二の足を踏むところ。 で、先日、折自のタイヤ交換に成功した事に味を占め、「バイクも自分でやれぬものか・・・」と密かに企み始めました。 

  調べてみると、タイヤそのものは、ネットで買える様子。 しかも、バイク屋のタイヤより、明らかに安いです。 問題は、交換方法で、前輪はチューブ式なので、何とかできるような気がしますが、後輪のチューブレスは、相当手強そうです。 特に、新品を嵌める時のビード入れが、エア・コンプレッサー無しでは、困難だとの事。

  タイヤを買ったはいいが、失敗して入らなかっただの、リムを傷つけて、ホイールを駄目にしてしまっただのという事態に至ったら、最悪にして、超悲惨ですな。 やはり、餅は餅屋に任せるべきか。 ろくに工具も持っていない事だし。

  バイクは、ほとんど、通勤にしか使っていないのですが、勤め先の工場が、事によったら、数年以内に休止か閉鎖になる可能性があり、そうなったら、他の工場のある土地へ移住するにせよ、会社を辞めるにせよ、バイクには乗らなくなるわけで、あまり、お金を掛けたくないのです。

  タイヤ交換も、これが最後になると思えば、バイク屋に工賃を払っても、それほどの損とは感じないかもしれませんな。 何と言っても、何もしなくていいので、楽だし。 自分でやると、汗みずくになるくらい、疲れるらしいです。 それに、タイヤがちゃんと入っているかどうか、ビクビクしながらバイクに乗るのも、精神衛生に悪いですけんのう。


≪12月10日 土≫
  バイクですが、今日清掃をしたら、タイヤよりも、エンジンのオイル漏れの方が重大問題に思えてきました。 漏れというより、滲み出しですが、一度、修理に出しているにも拘らず、別の箇所から、またジワジワと滲み出して来ています。 これはつまり、ドリフの箪笥ギャグであって、一箇所塞げば、圧力が高まって、他の箇所から出て来るのでしょう。

  エンジンの寿命が尽きかけているのは、否定のしようがないところです。 出費を惜しまず、部品をどんどん換えれば、復調させる事は不可能ではないですが、そんなお金があったら、新車を買った方が、合理的でしょう。 新車にしてしまえば、タイヤ交換の必要もなくなるわけですし。 しかし、新車を買うほど、今後長く乗るとは思えないのです。 ううむ、ジレンマだ。


≪12月11日 日≫
  今日は、折自で出掛けて、バイク用品店や車用品店を回り、タイヤ・レバーを見て来ました。   4軒回りましたが、内、3軒は無し。 オートバックスにも無いとは、驚きです。 自分でタイヤ交換をする人が、それだけ少ないという事なんでしょうなあ。 唯一あった店の物は、グリップ付きで、1450円。 高いな。 ネットだと、板状のが、500円くらいであるんですがねえ。 ただし、ネットで買うと、送料その他が掛かるので、結局、同じくらいの値段になってしまいます。 自転車用のレバーで、代用できんもんでしょうか。

  一度は諦めたのに、どうしてまた、こんな計画を進めているかというと、つまり、なんです、私は、冬の連休にやる、≪イベント≫を探しているのです。 きっと、そうに違いない。 実際には、タイヤ交換をどうしてもしなければならないわけではないのに、「何か、実益がある事をやりたい」という衝動にかられて、その対象を漁っているのです。

  しかし、自転車のタイヤと違って、バイクのタイヤは、私ごとき真っ白な素人の手には負えないかもしれませんなあ。 また、バイクは、通勤の必需品ですから、「やってみた、失敗した、しょうがねえな」では済まされない、恐ろしさがあります。 どうしたものか・・・。 ちなみに、計算してみたら、バイク屋に頼むと、全て込みで、28000円。 自分でやると、13000円です。 うむむむむ・・・、悩むところです。


≪12月18日 日≫
  バイクのタイヤ交換計画の一環として、タイヤ・レバー、ビード・クリーム、バルブ虫回しを探しに、ホーム・センター巡りをして来ました。 先日とは違う店を回ったのですが、タイヤ・レバーは一軒にしかなく、ビード・クリームは、どこにも無し。 虫回しは、ホーム・センターならどこにでもあったのですが、安くても、300円。 恐ろしく単純な道具なので、原価が100円以上するとは思えず、絶対必要な物であるにも拘らず、気が進まなくて、買いそびれてしまいました。

  これらは、ネットでも買えるのですが、全部、店舗よりも高いです。 タイヤ・レバーは、とりあえず、自転車用の物で代用できるか試してみてからでも遅くはなく、ビード・クリームは、石鹸水でも代用できるとの事。 やはり、絶対必要なのは、虫回しですな。 来週は早番なので、会社の帰りに買って来るとしますか。 並行して、タイヤそのものも、ネットで注文しなければ。


≪12月19日 月≫
  ≪Webike (ウェビック)≫というネット通販店で、バイクのタイヤ、前後を注文しました。 前が4900円、後ろが7865円。 商品合計一万円以上なので、送料は無料。 代引き手数料が420円で、合計13185円です。 前よりも後ろの方が高いのは、チューブレスだからという事もありますが、たとえ、チューブ・タイプであっても、千円しか安くなりません。 ちなみに、前よりも後の方が、直径は小さく、幅は広いです。 帰納的に考えると、幅が広いタイヤの方が、作るのにお金が掛かるという事でしょうか。

  私のバイク、≪ヤマハ セロー≫は、オフロード・タイプなので、純正では、オフ用の凸凹したタイヤが着いているのですが、私の場合、通勤オンリーで、舗装路しか走らないので、オフ用である意味がありません。 今までは、バイク屋任せで、純正品ばかりでしたが、今回は自分で好きに選べるので、オンロード用にしてみました。 人の話では、オンロード用の方が、乗り心地が良く、寿命も長いとの事。

  奇妙なようですが、「オフロード・バイク用の、オンロード・タイヤ」というのが売っているのです。 それなら、最初から、「オンロード用のバイクを買えばいいだろう」と思うかも知れませんが、いやいや、オフロード・バイクは、軽いし、乗車姿勢も楽だし、オンロード・バイクには無いメリットが、たくさんあるのですよ。 乗ってみれば分かります。

  この通販サイトのタイヤは、サイズだけでなく、車種ごと、年式ごとに、ページが別になっていて、私が買ったのは、≪ヤマハ セロー225WE 97年~ 用≫という商品です。 しかし、タイヤというのは、サイズが合っていれば、どのホイールにも着くのが建て前というもの。 恐らく、この車種・年式指定は、買い手が確実に自分のバイクに着くタイヤを見つけられるように配慮した、便宜的なものなのでしょう。

  すぐに返信メールが来ましたが、これは、アドレスの確認用で、注文確認メールは、在庫を調べてから、改めて送るとの事。 いわゆる、≪メーカー取り寄せ品≫という奴です。 「メーカーに在庫を問い合わせた結果、無かった」という場合もあるわけで、こういうのは、注文確認メールが来るまで、不安な時間を過ごさなければなりません。

  同じ店で、ビード・クリームも扱っていましたが、石鹸水で代用できるなら、わざわざ買う必要は無いと思い、やめておきました。 タイヤ・レバーは、自転車のタイヤを交換した時の物を使う事に決めました。 おっと、誤解が無いように書いておきますと、それは、自転車用レバーというわけではなく、昔乗っていた車に付いていた車載工具の一つで、長さは、25センチくらいあります。 さすがに、15センチ程度の自転車用では、バイクのタイヤは外せますまい。

  時間指定が選べたので、18時から20時にしておきました。 それなら、今週は早番なので、私が家にいる時に受け取れます。 私がいない時だと、父母に頼んでおく事になるのですが、「昼間、外出できない」と文句を言われるのです。 しかし、もし、今週中に来るとしたら、お金を下ろしてありません。 手元のお札は、千円札が二枚しかないです。 母が、13000円くらい持っているだろうか?

  ところで、昨日、ホーム・センター巡りで見て来た、タイヤ・バルブの虫回しですが、「どこかで見た事がある形だな・・・」と、脳の奥の古い感覚が、何度も何度も、意識の扉をノックするので、昔の日記を取り出して、過去にバイクのタイヤを弄った時の記録を読んでみたら、なんと、「虫回しを買って来た」という記述があるのを発見しました! つまり、私は、すでに、虫回しを所有しているのです。 大変驚き、大急ぎで、バイクの整備用具入れを引っ掻き回してみたら、果たして、見つかりました。 ケースに入った、新品同様の虫回しが!

  日記によると、2000年の9月に、前に乗っていたバイクの後輪タイヤから、ごく僅かずつ空気が抜けてしまうようになり、バイク屋へパンク修理に持っていくのが嫌で、パンク修理剤を使ったり、エア・ゲージで空気圧を測ったりと、素人的対策を取って様子を見ていたのですが、その時に、「バルブの虫に問題があるのではないか」と思って、購入したらしいのです。 ものの見事に、すっかり、打ち忘れていました。

  300円程度の品ですが、新しく買わないで良かったです。 もし、買ってしまった後で、すでに持っていた事に気付いたら、ショックで、その場にへたり込んでしまったでしょう。 年寄りだったら、そのまま寝込んで、死んだかもしれません。


≪12月20日 火≫
  仕事が早く終わったので、帰りに、スーパーのATMに寄って、お金を下ろして来ました。 14000円下ろしたのですが、1万円と4千円を分けずに、一遍に下ろしたため、千円札が14枚出て来ました。 予想外の札束を手にして、「リッチな気分!」などと浮かれている場合ではなく、このまま、宅急便の人に渡して、迷惑がられないか、心配になります。 彼らが一番嫌がるのは、お釣りが必要になる事態なので、小銭を別に用意して、金額がピッタリ、13485円なら、大丈夫だとは思うのですが。

  通販サイトから、注文確認メールが来ました。 「21日に出荷する」との事。 明日ですな。 店の所在地は、神奈川県なので、明日21日出荷なら、明後日22日には、確実に届くでしょう。


≪12月22日 木≫
  タイヤが届きました。 ちなみに、佐川急便。 配達員は、60歳前後のおじさんです。 千円札を13枚出して、「全部、千円札なんですが、いいですか?」と訊くと、「ああ、いいですよ」という返事。 数え易いように、5枚・5枚・3枚に分けて渡しました。

  どんな梱包で来るのかと思ったら、二本重ねてビニール・バンドで縛っただけでした。 ダンボール箱や、ビニールの袋に入っている姿を想像していたので、このワイルドさには、軽いショックを受けました。 いや、過剰包装より、こちらの方がいいんですけど。

  タイヤに貼られたラベルを見ると、やはり、サイズだけ書いてあって、車種・年式などの指定はありません。 そりゃそうだよねえ。 生産の都合を考えても、車種・年式ごとにタイヤを作り分けていたのでは、タイヤ・メーカーがたまったもんじゃありません。

  チューブ式の前タイヤは、そのままでしたが、チューブレスの後ろタイヤには、ビードの所に、一周ぐるりと、幅10センチくらいのダンボールを咬ませてありました。 たぶん、タイヤのゴムに、開き癖をつけるためでしょう。 ビードの間が狭まってしまうと、ホイールに入り難くなるからです。

  休みになるまで、物置で保管します。 タイヤはゴムの塊なので、自室はもちろん、家の中のどこに置いても、ゴムの臭いで凄い事になると思われるからです。



  以上が、企画から、下準備までの経緯です。 「肝腎の交換方法は分かるのか?」と思うでしょうが、それは、いの一番に、ネットで調べました。 チューブ式は、基本的に自転車と同じらしく、それなら、経験があります。 チューブレスは、車のタイヤと同じで、バイクのタイヤと車のタイヤ、どちらのやり方も載っていましたが、タイヤをホイールから外す方法、着ける方法は、変わらないようです。

  チューブレスでは、ビードを入れる時に、エア・コンプレッサーが必要ですが、それは、ガソリン・スタンドで借りる事ができるらしいです。 最悪、ビード入れだけ、バイク屋に頼むという手もあるとの事。 コンプレッサーで空気を入れるだけですから、工賃を取られたとしても、知れているでしょう。

  車体から車輪を外す方法も書いてありました。 まず、それをやらなければ、タイヤの換えようがないのですが、そんなに難しいわけではない模様。 バイクの場合、車軸のアクスル・シャフトが抜けるので、自転車より単純だと思われます。

  それにつけても、ネットのハウツー・サイトというのは、写真入りの解説で、一から十まで丁寧に教えてくれるから、ありがたいにも限度があるというべきか、感謝袋の緒が切れるというべきか。 しかも、タダ! こういう事をやろうとする時、ネットは実に役に立ちますなあ。 ハウツー・サイト万歳! 親切なサイト制作者に栄光あれ! それに比べて、ブログやツイッターの糞の役にも立たないことよ・・・。

  そういえば、質問掲示板にも目を通しましたが、いやあ、いろいろと、面白い事が書いてありますなあ。 大抵は、良心的な回答ですが、時に、笑ってしまう物が見受けられます。

Q. 「車のタイヤ交換は、自分でできるでしょうか」
A. 「そのくらい、自分でできなくて、どうすんの? 教習所で習わなかった?」

  わははは! 何が笑えるか、分かりますか? この回答者、≪タイヤ交換≫を、ホイールごと換える、≪車輪交換≫の事だと思っているのです。 いや、確かに、普通のタイヤをスタッドレスに交換する時などは、「タイヤを交換する」と言いますが、それこそ、そんな事は、一般ユーザーでもできる事であって、わざわざ、質問掲示板で訊ねるような事ではありません。 常識で考えれば、ホイールからタイヤを外して、別のタイヤを着けるという意味での、≪タイヤ交換≫であると、察しが付くと思うのですがねえ。

  この質問には、他の回答者も答えていましたが、根本的な所で勘違いしていたのは、こやつ一人だけでした。 質問者の無能を嘲おうとして、自分の馬鹿を曝け出してしまったんですなあ。 「タイヤ交換」で検索している人は、全国的にいると思いますから、この恥はデカいでなも。 公園早朝首括りレベルだね。

  これほどの馬鹿でなくても、もう少し、グレード・ダウンした馬鹿もいます。 同じ質問に対して、

A. 「素人では、到底無理!」

  いやあ、これもなかなかですなあ。 じゃあ、ハウツー・サイトで写真入りで解説している人達は、どうなるのよ? ちなみに、タイヤ交換を仕事にしているプロ達は、ネット上で手の内をバラすような事はしません。 店のサイトに、タイヤ交換のページを設けるにしても、「こういう機械を使いますよ。 こういう手順で交換しますよ」という、サービス内容の紹介のみに留め、細かいコツなどは、絶対に教えません。 素人に自分でやられてしまったら、商売上がったりだからです。

  この回答者、タイヤ交換に関する質問に答える前に、まず、自分自身が、「タイヤ交換」を検索して、実際にやっている人がいないかどうか、調べるべきでしたな。 もっとも、馬鹿の悲しさで、自分が無知である事に気付かず、そこまで知恵が回らないのでしょうけど。 

  大体、敬語で質問している相手に、タメ口、というか、見下し口で答える回答者に、ろくな奴はいません。 内容も、いい加減である事が多いです。 最初から、質問者を小馬鹿にしているのですから、まともに答えるわけが無いとも言えます。 こいつらにも、他の回答者の真面目な回答文が目に入っていると思うのですが、自分が人一倍馬鹿だと、なぜ、気付かないんでしょう。 ネットの七不思議の一つですな。