2012/08/26

天城山縦走路

  今年の夏休みは9日間ありましたが、前半は、8月13日に≪天城山≫に登り、後半は、16日と17日の二日間を使って、≪房総半島≫から≪鹿島灘・霞ヶ浦≫へツーリングに行って来ました。 今回は、天城山の方の記録を紹介します。


  今は昔の2008年、西伊豆の≪達磨山≫に登る前の事。 ネットで、附近の山について、あれこれ調べていたら、「伊豆半島の最高峰は、天城連山の≪万三郎岳≫である」という事を知りました。 最高峰と聞くと、何となく登りたくなるのが人情。 しかし、その後、≪愛鷹山≫の全峰登頂を果たすと、急激に登山への興味が失せてしまい、それっきりになっていたのです。

  それが、今年の5月の連休に、伊東市の≪大室山≫に行った時、割と近くに、万三郎岳の姿が見えて、意外な感じを受けました。 「万三郎岳というのは、大室山から、こんなに近くにあったのだなあ。 最高峰というから、近づき難い難所だと思っていたが、なんだか、妙に身近ではないか」 そんな風に感じて、「夏休みにでも、登ってみるか」と、計画を温め始めたのです。

  改めて、地図を見ると、伊豆半島で高い山系は、三つしかない事がわかりました。 一つは、箱根から続く、北東部の連山。 もう一つは、≪達磨山≫と≪金冠山≫を含む、北西部の連山、そして、残る一つが、天城連山です。 前二者には、すでに行っているので、天城さえ攻略すれば、とりあえず、伊豆半島の高山は制覇した事になります。

  天城というと、≪伊豆の踊り子≫や≪天城越え≫といった作品の影響で、≪天城トンネル≫が有名ですが、それは、伊豆半島の中央を通る、国道414号線の方の話で、そちらからでも、天城連山に入る事はできますが、万三郎岳に登るには、えらい遠回りになります。 日帰りで414号側から登るなら、基本的に、≪八丁池≫までが、目的地の限界ですな。

  今まで知らなかったのですが、天城山は、≪日本百名山≫の中に入っていました。 家に、百名山を紹介した冊子集があったので、天城山が含まれた巻を見たところ、登山コースや、アクセス法が詳しく載っていました。 ちなみに、「天城山」という名前の一つの峰は無くて、天城連山を一括りにして呼ぶ時に、この呼称を使います。

  万三郎岳に最短コースで登るには、方向で言うと、東の伊東側から、車で山道を登り、≪天城高原ゴルフクラブ≫にある、≪ハイカー専用駐車場≫にとめて、その脇にある、登山口から登ればいいとの事。 ゴルフクラブの中に、ハイカー専用駐車場があるというのが、ちと解せませんが、まあ、行った人が、「ある」というのだから、あるのでしょう。

  とまあ、その辺まで調べて、「あとは、現地に行けば、どうにかなるだろう」と、うっちゃって、気軽に、実行に移した次第。


  さて、8月13日の朝です。 5時50分に起きて、7時に出発。 バイクで、≪天城高原ゴルフクラブ≫を目指しました。 しばらく行ってから、帽子を忘れた事に気付きましたが、もはや手遅れ。 途中で買うという手も考えましたが、こんな朝早くでは、100円ショップは開いていないし、他の店では高いでしょう。 まあ、帽子無しでも、よほどのカンカン照りにならない限り、大丈夫だとは思いますが・・・。

  清水町を横切って、国道136号へ。 修善寺からは、県道12号に入り、東へ向かいます。 山道に入る前にコンビニに寄ろうと思っていたのですが、うっかりしている内に、周囲の景色が山道風になってしまったので、修善寺駅前の商店街まで引き返しました。 路側帯に駐輪し、コンビニでパンを二つ購入。 カツサンド148円、2色パン110円。 なぜか、レシートをよこしません。

  中伊豆の、信号がある三叉路で、左折して、伊東に向かう道に入ってしまい、「違うだろ、この道は」と思い直して、三叉路まで引き返し、右へ向かいました。 以前来た事がある、≪ろくろば村≫のТ字路で道端の地図を確認。 右折します。 その後、≪ろくろばテラス≫の分岐で、左折。 ちなみに、そこを直進すると、≪伊豆スカイライン≫に入ります。 後は、別荘地の間をぐねぐね登って、目的地に着きました。

  ≪天城高原ゴルフクラブ≫の門を入り、若干の不安を感じつつも、クラブハウスの前まで行くと、ゴルフ場の駐車場の手前に、≪ハイカー専用駐車場≫がありました。 ほんとにあったよ、おい。 駐車場は広大ですが、とまっている車は、二三台。 バイクが一台ありました。 ヤマハのSR400でしたが、それはまあ、何でも宜しい。

  登山中にバイクを盗まれないように、奥側の駐車場の一番奥にとめました。 ヘルメットは、カバーに入れて、バイクにつけます。 メットを持って登山する事もありますが、それは、短時間で下りて来れる山の場合です。 今回は、何時間かかるか分からないので、メットを持って行くわけには行きません。

  登山道入り口は、道路を挟んで、駐車場の向かい側にありました。 万三郎岳は、標高1406メートルありますが、駐車場のある位置が、すでに千メートルを超えているので、そんなにハードな登山ではないはず。 ハイキング・コースと言うには、ちと標高差がありすぎますけど。

  荷物は、ナップ・ザックの中に、水の入った500ccのペットボトルと、朝買ったパン、駐車場で脱いだ、ツーリング用の春物ジャンパーだけの、超軽装です。 シャツは半袖。 他に、腕時計と、胸ポケットに、カメラ。

  歩き出して間も無く、山の中の交差点、≪四辻≫という所を通過。 まずは、標高1300メートルの≪万二郎岳≫に向かいます。 コース通りに行くと、先に、そこを通らざるを得ないのです。

  やがて、上の方から、「ちきしょ~!」という声が聞こえてきました。 登って行くと、丸太階段に座り込んでいる、小太りで重装備の青年を発見。 荷物が重すぎて、へばってしまったのでしょう。 私が近づくと、すぐ、どいてくれましたが。

  これは、あくまで私論ですが、もし日帰りで登山をするのなら、持ち物は、食べ物とペット・ボトルの水だけで充分です。 岩登りでも予定に入っていない限り、登山専用の道具は、何も要りません。 軽ければ軽いほど、楽になります。 靴も、スニーカーで充分。 登山靴は、丈夫な反面、重いので、車のサスに例えれば、吊り下げ重量が大きくなり、脚の疲労を助長します。

  プロの登山家は、日帰り登山をあまりしない、と言うか、日帰りできる山でも、無理やり一泊しようとする人達なので、彼らに訊いても、有効なアドバイスは返ってきません。 「装備が軽いから、遭難した」というのは、彼らの決まり文句ですが、それは、冬山や、泊まり登山の話で、日帰り登山には、当て嵌まりません。 それどころか、逆に危険ですらあります。

  山の事故で最も多い、≪滑落≫ですが、あれは、不必要な重装備が、大きな原因になっていると思われます。 軽装備なら、足を踏み外しても、咄嗟に重心を下げ、踏み止まる事ができますが、重いリュックを背負っていると、一度、バランスを崩したが最後、加速度がついて、荷物の重さに引っ張られるようにして、谷底へ落ちて行ってしまいます。

  「合羽は必需品」というのも、大いに疑わしい。 合羽は、一番嵩張りますし、軽い物でも、結構重いですが、登山中に着ると、ゴア製だろうが、透湿繊維製だろうが、結局、汗で、ぐしょぐしょになってしまい、雨に濡れているのと、大して変わりがありません。

  雨の後、山で一泊するのであれば、体温を保つために、少しでも濡れないように、というのも分かりますが、日帰りなら、合羽を着て動きを鈍くするより、濡れたまま先を急いで、さっさと山を下りてしまった方が、あらゆる意味で、始末がいいです。

  とにかく、「重装備なら、重装備なほど、安心できる」というのは、精神的にならともかく、実際的には、間違っているので、要注意。 途中でへたり込んでしまうほど、重い装備など、必要なわけがありますまい。

  おっと、誤解の無いように言っておきますが、これは、別に、この時に見た小太りの青年の事を批判しているわけではありません。 日帰りではなく、泊まり登山者の可能性もあるのであって、それなら、重装備になるのは、仕方ないからです。


  閑話休題。 山の険しさの程度は、愛鷹山に比べれば、全く大した事はなく、あっさり、万二郎岳に到着しました。 しかし、頂上が狭い上に、木が生い茂っていて、眺望が悪く、かてて加えて、絵に描いたようなドス曇りで、何も見えません。

  ちなみに、この辺りから、水滴がポタポタ落ちてくるようになりました。 雨ではなく、霧でぬれた木々の葉から、滴り落ちてくるのです。 大事を取って、胸ポケットのカメラをビニールで包み、 腕時計は、リュックに入れました。 この日は、この後も終始、こんな陽気で、寒いくらいだったので、帽子は必要ありませんでした。 髪は濡れましたが。

  ≪馬の背≫を通過。 なだらかな尾根道ですが、横幅もゆったりしています。 どんなに踏み外しても、滑落のしようがないような道。 愛鷹山にもありましたが、馬の背と名づけられる場所は、どの山でも同じような地形です。 その先の急な下りで、白いТシャツに重装備の青年とすれ違いました。 向こうから訊ねて来て、

「水場はありませんかね」
「はあ。 無いようですね」
「この先も、こんな感じですか」
「はい。 でも、そんなにかかりません。 すぐに、万二郎ですから」
「そうですか」

  実は、すぐというほどでもなかったのですが、あまりにかったるそうで、気の毒だったので、元気づけようと、そう言っておきました。 この青年、八丁池の方から、縦走して来たのでしょうか。 装備から見て、たぶん、泊まりだと思います。

  ≪万三郎岳≫にも、同じくらい、あっさり着きましたが、ここも、頂上の様子は、全く同じで、何も見えません。 しかし、それは、ネットの下調べで、知っていたから、まあ、いいのです。 登ったという、実績が欲しいのであって、景色は、「運が良ければ、見れる」程度の期待しかしてませんでしたから。

  先客が一組、父母と、成人した娘の三人連れ。 後客が、60歳くらいの男性一人。 この人、そこそこの装備をしていましたが、ナップ・ザック一つの私に追いついてきたわけで、かなりのツワモノと見ました。 三人連れは先に出発し、ツワモノは休みに入りました。 私は、三人連れの後から出発したのですが、すぐに追いついてしまい、先に行かして貰いました。

  万三郎岳を西の方へ下っていくと、≪万三郎岳下分岐≫から、山の北側を回るようにして、元の場所に戻るルートがあるのですが、あまり早く着いてしまうのもどうかと思って、≪天城縦走路≫を通って、≪八丁池≫まで足を延ばす事にしました。 来る前から、漠然と、そうするつもりではいたのですが、ここで、時計を見て、最終決定しました。

  ちなみに、八丁池には、2009年に、天城トンネルの方から登って、一度来ているので、こちらから歩いて、八丁池まで行けば、天城縦走路は、全て通った事になります。 私の登山は、動機が不純なので、「完全走破」といった言葉の魅力に、すぐにひきずられてしまうのです。

  ここからは、登山道というより、林の中のハイキング・コース風になりました。 楽といえば楽ですが、距離は、うんざりするほどありました。 通過点は、≪片瀬峠≫、≪小岳≫、≪戸塚峠≫、≪白田峠≫。 峠と言っても、別に普通の道端に標識が立っているだけです。 ≪アセビのトンネル≫や、≪ブナの森≫を通りましたが、天気が悪いせいで、あまり感動がありません。

  行程の真ん中あたりだったか、スティックをついた、中装備の青年とすれ違いました。

「太った人、いませんでしたか?」

  と訊くので、朝見た小太りの人の事かと思い、

「ずっと、先にいました」

  と答えましたが、「先」ではなく、「前」だったのかもしれません。 小太りの人が遅いので、この青年が一人で≪八丁池≫まで行き、戻って来たと考えた方が、しっくり納得できます。 この後、縦走路では、誰にも会いませんでした。

  八丁池までが、遠いわ遠いわ。 ≪万三郎岳下分岐≫から、歩きに歩いて、3時間歩き詰め。 もう、脚が棒です。 昼前には着くつもりが、八丁池の湖面を拝んだ時には、12時50分になっていました。 朝、駐車場を出たのが、8時50分でしたから、ここまで、4時間もかけてしまったわけで、スケジュール的に、極めてまずいです。 帰りも、同じだけかかるとすれば、駐車場に戻るのは、4時50分になってしまうではありませんか。

  八丁池は、周囲が八丁あるから、そういう名前なのですが、結構大きな火口湖です。 この日は、湖面に霧が立ち込めていて、眺望最悪。 湖畔には、誰もいませんでした。 こんな日に、こんな山奥まで来るのは、私くらいのものか。 ちなみに、八丁池には、天城トンネル側からでも、一時間以上、山道を登らなければならないので、そう簡単には来れません。

  八丁池のあずまやで、忙しなく、パンを食べ。 歩幅を広くして、元来た道を引き返します。 尻に火が点いた気分というのは、この事でしょうか。 面白いもので、一度通った道は、二度目には、早く感じられます。

  行きにパスした、≪ヘビブナ≫を見に、ちょっと、寄り道。 0.1キロと書いてありましたが、もっと近くにありました。 幹がぐにゃりと曲がったブナ。 わざわざ、立て札を立てるだけあって、相当には不気味です。

  ≪万三郎岳下分岐≫まで戻り、そこからは、まだ通っていない、北回りのコースを選んだのですが、ここが、近道かと思いきや、凄い急傾斜の下り道で、もう、膝や踝が、ガクガク。 他の登山者達が、難渋して、三組も詰まっていました。 最初の一組は二人連れで、その一人が、先にすれ違った、スティック青年だったようで、私が追い抜く時に、

「ああ、折り返して来たんですか」

 と、言いました。

「はあ」

 とか、適当に返事して、先を急ぎます。

  次に、四人連れが一組。 この辺りで、雨が時折降るようになったので、全員で、透明ビニール合羽を羽織っていました。 ビニール合羽じゃ、暑かろうなあ。 挨拶を交わし、さっさと抜きます。

  最後に、山ガールらしき二人連れ。 脚に自信があるようで、ぐいぐい進み、なかなか抜けません。 5分くらい、後ろについて歩かざるを得なかったので、二人でくっちゃべっている声が、嫌でも耳に入って来たのですが、その内容が、話題もあろうに、男遍歴の失敗談でした。 わざわざ、山に来て、するような話かね? 頂上でタバコを吸うオッサンと同次元です。

  こんな話は、とても聞いていられないと思い、道が平らになった所で前に出してもらうと、引き離す為に、そこから一頻り、走りましたよ。 なんで疲れきっている時に、走らねばならんのか。 山ガール、恐るべし。

  何とか、駐車場に戻って来たのが、4時20分。 帰りは、行きよりも、30分ほど、早かったです。 駐車場でも、雨が降ったらしくて、バイクが濡れていました。 標高が高くて、気温が低いせいか、エンジンがかからず、夏だというのに、チョークを引きました。

  帰りは、連休中の定番の、渋滞に嵌まりました。 国道136号が混むんだわ。 バイクだから、路側帯を抜けてきましたけど。 家着は、6時。 とにかく、無事に戻って来れて良かったです。


  天城連山の感想ですが、この山が、≪日本百名山≫の一つに名を連ねているのは、ちと不可解です。 とにかく、眺望が悪過ぎ。 生憎の曇りであった事を除いても、見晴らしがいい場所が、ほとんど、存在しません。 奇妙なもので、下界が見えないと、高い所にいる感覚が湧かず、とても、最高点1406メートルもあるような気がしないのです。

  さりとて、環境保護の事を考えると、「頂上の木を切れ」とも言えないのは、苦しいところ。 ちょっとした、展望梯子のようなものは作れないものですかね? 壊れ易いものは、危険だから、駄目かな?

  山道は、雨水に削られて、抉れている所もありましたが、愛鷹山のそれほど、ひどくはなかったです。 登山者は、天城の方が多いと思うのですが、この違いは何でしょう? 山の地質の関係でしょうか。


  以下、写真で、紹介。 持ち運びの便の為に、胸ポケットに入る大きさの、≪HDC-2≫を持って行ったんですが、山の中と曇りに弱いカメラだったため、惨憺たる写真ばかりになりました。


 ↑ ハイカー専用駐車場の、二面ある内、奥の一面。 ネットで調べた時には、「シーズンには、ほぼ、満杯」という情報があったのですが、この日は、朝も帰りも、ガラガラ。 天気が悪そうだと、こんなに来ないもんすかね?


 ↑ 倒れて、根が浮いてしまったヒノキ。 生物の授業で、針葉樹は、根が真っ直ぐに下へ伸びると習いましたが、条件によっては、こうもなりうるという例。 土壌が薄いのを考慮せずに、針葉樹を植林したのが、間違いの元。 もっとも、直根を伸ばせないのに、ここまで育った事が、凄いといえば、凄いですが。


 ↑ 最初に行き当たる分岐点、≪四辻≫ 。 四辻とは言うものの、集まっている道は三本です。 昔は、四本あったんでしょうか。 一本は、駐車場がある≪ゴルフ場≫へ。 もう一本は、≪万二郎岳≫へ。 残る一本は、≪万三郎岳下分岐≫へ向かいます。 帰りにも、ここを通ったのですが、ここまで来れば、すぐに駐車場だと思っていたのに、まだ、700メートルもあり、往生しました。


 ↑ ≪万二郎岳≫の山頂。 紛らわしい事に、なぜか、≪万三郎岳≫の頂上標識が、隣に立っています。 どういうつもりやねん? 左側の、印刷された標識が、本物。 標高は、1299メートルとあります。 眺望は極悪。 その上、霧が濃くて、何も見えません。


 ↑ ≪アセビのトンネル≫。 道が抉れています。 傾斜が強い登山道に雨水が集中して、土が流され、U字状に抉れてしまう事は、よくありますが、ここの場合、ほぼ平坦なのに、こんなに抉れているというのは、ちと不思議です。 「アセビの樹高が低いため、歩き易いように、地面を掘ってある」という情報がありましたが、本当にそうなのかもしれません。


 ↑ ≪万三郎岳≫の山頂。 標高、1406メートル。 伊豆半島、最高峰。 ここも、眺望極悪。 狭いですが、まあ、山の頂上なんて、大抵はこんなもんです。 登山ツアーで、何十人も行列を作って登って来る人達がいますが、そんなのが来た日には、休む場所も無いでしょう。


 ↑ ≪ブナの原生林≫。 幹がところどころ白いですが、シラカバではなく、ブナです。 天城山縦走路は、全行程通して、ヒノキの人工林でなければ、ブナやアセビの原生林でした。


 ↑ 駐車場から、4時間歩いて到着した、≪八丁池≫。 普通は、反対側の、≪天城トンネル≫の方から、一時間くらいかけて、やって来るところ。 火口湖で、「天城の瞳」と呼ばれているそうです。 モリアオガエルの生息地としても有名。 誰もいませんでしたが、ここも霧が深く、対岸は見えませんでした。


 ↑ ≪ヘビブナ≫。 幹が、ヘビのように曲がりくねっているから、こう名付けた模様。 本道から、ちょっと外れるのですが、感覚的には、すぐそこです。 ブナを守るため、根元に近づかないようにという注意書きがありました。


 ↑ ≪万三郎岳下分岐≫から、北側コースを通って、≪四辻≫に戻る道。 嫌になるような急な下りの連続で、この日歩いた中で、最も神経を使いました。 丸太階段が、随所に設けられていますが、あまりの急傾斜に、土がみんな流れてしまって、丸太だけ露出しています。 こういう場合は、危ないようでも、丸太の上を歩いた方が、効率が良いです。 飛び石を跳ぶ要領で、ポンポンと。


 ↑ 注意標識の一つ。

≪英語≫
 植物の保護のために、コースの上にいろ。

≪中国語≫
 植物分布を愛護して下さい、歩道の範囲から離れるな。

≪韓国朝鮮語≫
 植物保護のために、コースから外れないで下さい。

  むむむ・・・、微妙に違うな。 中国語の「離」の簡体字は、間違っています。 草冠は不要。 文の内容も、だいぶ、変。 韓国朝鮮語は、翻訳ソフトにかけたら、文末が滅茶苦茶になりましたから、たぶん、間違いでしょう。 この調子では、英語も、正確とは思えませんな。 訳文は、「たぶん、そう言いたいのだろう」という、良心的意訳。