2013/05/12

日本平動物園リニューアル





  今年の春の連休は、9日間あったのですが、初日と二日目は、腰が痛くて、身動きとれませんでした。 続く、四日間は、天気が悪くて、遠出どころの話ではなく、無理に折自で出かけて、雨に降られて、渋い顔で帰って来る始末。 七日目になって、ようやく晴れて来たので、連休前から予定していた、≪日本平動物園≫へ行って来ました。 5月3日、金曜日の事です。

  前に行ったのは、2009年の5月1日ですから、ほぼ、4年ぶりです。 その間に、段階的に、施設のリニューアルが進められていたのですが、このほど、完了したというので、満を持して、様子を見に行ったというわけ。 前回は、同じ連休中と言っても、平日だったのですが、今回は、祭日なので、どんなに混んでいるかと、恐る恐る行ってみたら、案の定、殺人的に混んでいました。

  家を7時15分に出て、専ら、国道一号で行ったのですが、幹線道路は全く混んでいませんでした。 問題は、静岡市で県道に下りてからでして、日本平動物園は、山の中腹にあるのですが、麓から、車が数珠繋ぎの大渋滞を起こしている有様。 バイクでなければ、いつ入園できたか分かりません。 到着したのは、8時55分。 開園時間は9時ですが、もう、人がうじゃうじゃいました。

  門前の様子は、まるっきり変わっていたものの、二輪車の駐輪場が無料という点は同じ。 実にありがたい。 もっとも、駐輪場は満杯だったので、近くの歩道の脇にとめたんですけど・・・。 ちなみに、動物園・水族館で、駐輪場をたっぷり用意してある所は、まずありません。 その一方で、駐輪場以外の場所に停めて、怒られる事も、まずありません。


 ↑ 駐輪場と歩道。


  入場料は、600円でした。 前回は500円、その前に来た時は、1997年で、確か、400円だったと思います。 じわじわ高くなっている・・・。 しかし、私営に比べれば、まだまだ、ずっと安いです。 公営動物園の近くに住んでいる人は、お得ですねえ。 ちなみに、日本平動物園は、静岡市立です。


 ↑ 入場券。 もぎられる前に撮影。


  中に入ると、いきなり、風景が変わっていました。 設立以来、入ってすぐの所にいたフラミンゴは、奥へ移され、大きなレッサーパンダ館が出来ていました。 園内を巡る道はそのままの様子。 他に、猛獣館299、ふれあい動物園、フライング・メガ・ドーム、オランウータン館、草食獣舎、爬虫類館、ペンギン館が新しく作られた施設です。 お金、かけましたねえ、静岡市。


≪レッサーパンダ館≫
  大きな建物ですが、半分は、ビジター・センターという、ミニ博物館なので、レッサーパンダが占めている面積は、さほどではありません。 その上、入ってすぐの所にあるためか、凄い人の数で、肝心のレッサーパンダの姿を、ほとんど拝めませんでした。 よって、コメントは無し。


 ↑ レッサーパンダ館。


 ↑ 立って食餌するレッサーパンダ。 しかし、こうして見ると、後ろの人間の方が面白い。


≪猛獣館299≫
  この299は、「にっきゅっきゅう」と読むらしいです。 リニューアルの目玉になっている施設で、四階建てですが、一二階でアザラシとシロクマだけ先に見せて、ライオンなど猫科の動物がいる三四階は、一旦外に出て、順路に従って、ゾウやキリンを見た後に、高い所から、再入館するようになっています。 動物園の敷地が山の斜面にあるのに合わせて、工夫してあるわけですが、その構造に気付かないと、同じ建物なのに、なぜ一番上まで行けないのか、悩んでしまいます。

  アザラシは、垂直チューブをひっきり無しに通過していました。 旭山動物園の≪行動展示≫のパクリですが、そうと分かっていても、尚、面白いです。 これは、成功していると言えるでしょう。 シロクマとどういう位置関係になっているかは、じっくり腰を据えて見るには、人が多過ぎたので、分からずじまいでした。

  なぜ、アザラシが、猛獣館にいるかというと、シロクマの獲物役として、抜擢されたんですな。 ≪行動展示≫と≪生態展示≫を組み合わせているというわけ。 もちろん、アザラシを餌として与えているわけではなく、水槽は別れているのですが、アザラシの姿が見えるだけでも、シロクマが燃えるだろうという計算らしいです。

  逆から見ると、アザラシの方は、常に天敵と隣り合っているわけで、さぞかし、精神衛生に悪かろうと思っていたのですが、実際に様子を見てみると、至ってリラックスしており、アザラシ好きの私としては、ほっとしました。

  シロクマは二頭で、ロシアから来たオスのロッシーと、タイから来たメスのバニラ。 ロッシーは、前に来た時に既にいて、プールの中で、潜水とターンをエンドレスに繰り返していました。 今回も、建物が変わっただけで、やっている事は、ほぼ同じ。 ただ、飛び込みがプラスされていて、その様子をガラス越しに横から見られるので、凄い迫力です。

  バニラは、タイにいた時には、「バニア」という名前だったのが、似たような響きで、意味が分かり易い、バニラに改名したもの。 こちらは、陸に上がりっぱなしで、あまり、動きはありませんでした。 亭主が、あれだけ落ち着きがないと、相対的に、女房は落ち着いてしまうんでしょうか。

  ネコ科の方も、行動展示になってましたが、ガラスの前に人垣が出来ていて、動物が、どこにいるのか、しばらく分からないくらいでした。 その上、危険防止のためか、金網が二重になっていて、写真が撮れません。 金網の隙間から、レンズだけ伸ばすのが、動物園での基本的撮影テクニックなのですが、二重になっていると、内側の金網が写ってしまうのです。 困ったね、これは。 こと、写真撮影に関しては、開放的な≪生態展示≫の方が、ずっと便がいいです。

  前回来た時には、猛獣館が建設中で、トラはよその動物園に引き取られていたんですが、今回は、アムールトラを見る事ができました。 この前、トラを見たのは、富士サファリですが、その時は、全頭、昼寝していたので、動いているトラは、久しぶり。 しかし、同じところを行ったり来たりしている様子は、あまり快適そうではありませんな。

  ジャガーは、黒と豹柄の二頭で、これは、前回来た時と同じ個体でしょう。 前は、独立したジャガー舎にいましたが、彼らも猛獣館の住人になったようです。 ほとんど寝ているのは、相変わらず。 夜行性だから、無理もないですが・・・。 ここも、旭山方式で、ジャガーが金網の上を歩くのを、下から見上げられるようになっていますが、尿が落ちるせいで、かなりの臭気が漂っていました。


 ↑ 猛獣館299、一階入り口。


 ↑ アザラシの垂直チューブ抜け。 通るたびに、お客がどよめきます。


 ↑ ダイブするロッシー。 こやつは、永遠の子供では?


 ↑ 猛獣館299、ネコ科ゾーン入り口。


 ↑ うろつく、アムールトラ。 やっぱ、ネコ科はトラが一番絵になるな。


 ↑ 寝るジャガー達。 とても、同じ種類とは思えませんが、それを言い出せば、イエネコなんか、模様は無数にあります。


≪ふれあい動物園≫
  類似の施設は、リニューアル前にもありましたが、場所が変わって、敷地が大きくなっていました。 タッチ・コーナーでは、ウサギ、モルモット、ヒヨコが、群がる子供達に、触られまくっていましたが、こうと激しくては、身がもたんでしょう。


 ↑ ふれあい動物園。 確か、以前は、ここに遊園地がありました。


 ↑ 羽毛布団で眠る、アヒル。


 ↑ 羊毛布団で眠る、仔羊。


 ↑ 銀行の取り付け騒ぎと見まがう、タッチ・コーナー。


≪フライング・メガ・ドーム≫
  ドームという名前が付いていますが、骨組みに網を張って、ドーム形にしたものです。 かなり、巨大。 以前も、鳥類を入れた大型ケージがありましたが、それとは、比較にならぬ大きさです。 中に池があって、水鳥が浮いていますが、この池自体は、前にもあったかな? このドーム、ちょっと大き過ぎて、鳥が遠くにいて、よく見えません。 鳥にとっては、狭いよりも広い方が、いいでしょうけど。


 ↑ ドーム内。 入るには、二重の鉄のドアを押さなければなりません。


 ↑ こんな所に移っていたフラミンゴ。 一番手の栄誉は失ったけど、広くなって良かったじゃないか。


≪オランウータン館≫
  ここも、≪行動展示≫的な作りになっているわけですが、オランウータンが微動だにしなかったので、やはり、行動は拝めず。 旭山も、こんなもんなんでしょうか? 客に合わせて、しょっちゅう、枝渡りをしろというのも、酷な話か・・・。


 ↑ オランウータン館。 見るからに凝った構造の建物。


 ↑ 考え中のオランウータン。 ≪思索展示≫?


≪草食獣舎≫
  ワラビー舎、アクシスジカ舎、バーバリーシープ舎が並んでいる施設です。 この三種を、「草食獣」で括るのは、かなり強引な気がせんでもなし。 彼らは、前からいましたが、≪行動展示≫的な施設に移されたというわけ。

  しかし、ワラビー舎とアクシスジカ舎は、どういうところが行動展示なのか、よく分からず、バーバリーシープ舎のみ、高い所に上がれる岩棚が作ってあったものの、私が見ていた時には、それらしい行動は取ってくれませんでした。 行動展示の見せ方というのは、思いの外、難しいもののようですな。


 ↑ バーバリーシープ舎。


≪爬虫類館≫
  以前は、山の上のお城の中が、爬虫類コーナーだったのですが、平地の順路沿いの新居に、引っ越していました。 ヘビ、ワニ、トカゲ、カメ、それに、両生類もいます。 新しい建物なんですが、通路が狭くて、そこへ、人がうじゃうじゃ入っているものだから、前に進むのに難渋しました。 亀は、かなりの種類がいて、前よりも増えたのではないかと思われるだけに、じっくり見れないのは、残念でした。


 ↑ 爬虫類館。 外観はシンプルですが、中は、かなり、入り組んでます。


 ↑ リクガメの編隊。


 ↑ 腹がソフビっぽい、スッポンモドキ。


≪ペンギン館≫
  ここも、旭山の展示を真似て、プールの下や横から、泳ぐペンギンを見られる作りになっていましたが、どういうわけか、ペンギンが一羽もプールに入っておらず、飛ぶように泳ぐ姿は、見られませんでした。 どーも、アザラシとシロクマ以外の動物は、≪行動展示≫に、あまり、気が乗らないようですな。


 ↑ ペンギン館。 奥側が地下に潜れるようになっています。


 ↑ 頑として泳がないペンギン。


 ↑ 天井窓を通して、水がゆらめく、地下道の床。


  爬虫類館が、新しく、順路沿いに出来たので、以前、爬虫類を展示していた、山の上のお城は、子供向けの着ぐるみ体験所に変わっていました。 わざわざ登って、損した。 前回来た時には、遊歩道を歩いて登っているのは私だけで、他の人達は、オート・チェアという有料の乗り物を使っていましたが、今回は、遊歩道ですれ違う人が、うじゃうじゃいました。 懐が寂しい家庭が増えたのか・・・。


 ↑ 山の上のお城。 くねっているのは、下り用のローラー・コースターですが、整備中で利用禁止。


  日本平動物園には、前から、遊園地コーナーがありましたが、これもリニューアルされ、場所が変わって、新設されていました。 規模は、小さくなったのかな? 前来た時に、よく見ていなかったので、比較ができません。 普通、大人は、遊園地まで見ませんけんのう。

  メリーゴーランドはいいとして、動物を描いた板に、大きな水鉄砲で水をかける乗り物があったのですが、「動物と水遊び」というより、動物を苛めてるようなイメージが強く、一体、どういうつもりで、こういう遊具を発想したのか、首を傾げてしまいました。 子供は、動物を可愛がるより、苛める方が好きというのは、当たっているとは思いますが・・・。


 ↑ 別に、当たっても、ランプが点くとか、点数が出るわけではなく、何が面白いのか、イマイチ、解しかねます。


  園全体を見た正直な感想、リニューアルがどうこうという以前に、人出が多過ぎて、まともに見れる状況ではなかったです。 凄い人の数! 家族連れの海です。 屋内は、人いきれで、普通に呼吸ができません。 マスクを持って来れば良かった。 早く出たくて仕方ないと思ってしまうようでは、動物の観察など、とても侭なりません。 いずれ、空いている時に、出直して来る事にしましょう。

  3時間いて、11時55分に退園。 前に来た時にも、ほとんど同じくらいの滞在時間でした。 日本平動物園は、昔からそうですが、動物の種類は、多過ぎず少な過ぎず、園の敷地面積は、広過ぎず狭過ぎずで、ちょうどよいです。 600円でこれだけ見られれば、大変お得と言えるでしょう。

  念の為・・・、この記事では、リニューアルされた施設と動物だけ紹介しましたが、他にも、動物はたくさんいます。