2013/03/17

地デジ、散々

  地デジ化以降、地デジの番組が、あまりにもつまらないので、ほとんど見なくなってしまいました。 あれだけ、鳴り物入り+物入りで切り替えさせたくせに、中身がこれでは、話になりません。 犯罪を構成しない詐欺だと言っても、過言ではない。 一体、あの騒ぎは何だったのか・・・。 責任を取ってもらわなければなりませんな。 どこ行った、地デジカ及び、その他の宣伝関係者。 

  そういや、昨今ちらほら、≪4Kテレビ≫という言葉を耳にしますが、4Kテレビを4K画質で見るには、4K放送が必要だそうで、またぞろ放送規格を変えようという話が持ち上がっている様子。 しかし・・・、さすがに、そこまでやったら、テレビ視聴をやめる人が続出するのではありますまいか。

  推し量るまでもなく、軒並み業績が傾いている日本の家電メーカーが、「地デジ化の儲けを、もう一度!」とばかりに、全国規模でのテレビ買い替え需要を狙っているものと思われるわけですが、地デジ化してから、まだ2年も経っていないのに、よく言えるな、そんな事。 そこまで人に迷惑をかけなければ、生き残れない会社なら、さっさと潰れておしまいなさい。


  真面目な話、テレビを見ない生活様式が、もっと一般化しても、いい頃合いではないでしょうか。 タバコを吸わない人や、ネットをやらない人と同じくらいの割合で、テレビを見ない人がいてもいいはず。 実質、今のテレビ番組の内容なら、一切見ない生活に切り替えても、損は無いでしょう。

  バラエティー番組は、ほぼ全滅と言っていいです。 私個人に限って言えば、もはや、必ず見るバラエティーは、ゼロになっており、それで、何か不都合が出ているかというと、そんな事は全然無いのであって、別に、何の不満も感じません。 つまり、元々、見なくてもいいようなものだったのでしょう。

  すでに見ていないので、批判する資格も失っているのを承知で書きますが・・・、とにかく、芸人を増やし過ぎたのが、最大の失敗だと思います。 彼らは確かに有能だ。 任せておけば、笑いを取って、視聴者を楽しませ、番組の好感度を上げてくれる。 最初は、ゲストだったのが、いつのまにか、司会側に回って、番組の中心になってしまったのも、かれらの能力の高さからすれば、別段、不思議ではありません。

  しかし、物には適正配分というものがあるのであって、ゲストが10人いれば、その内、芸人の枠は2人が限度でしょう。 それなのに、10人中5人が芸人とか、10人全員芸人といったケースも珍しくなくなり、その上、司会まで芸人となると、もはや、番組というより、芸人同士の私的な宴会を見せられているような雰囲気になってしまうのです。

  芸人が持ち芸を発揮する上で、最もやり難い環境は、同業者の前なのであって、周囲が全員、同業者になれば、芸なんぞ見せるのは、不粋以外の何ものでもなく、勢い、持ち芸を封じて、体験談にちょっと落ちをつけたような話ばかりするようになります。 昨今のバラエティーに出て来る話題といったら、もーう、そんなのばっかり!

  知らんわ! おまいらの私生活の出来事なんて! そんな事に、興味を持ってくれというのが、理不尽だろうか! 誰なんだよ、おまえ? 俺の何なんだ? おまえの私生活のエピソードと、俺の生活に何の関係がある? 「僕って、○○じゃないですかあ?」 知るか、そんな事! 誰に訊いとんのじゃ、雄鶏ゃ! これが、無人島だったら、即、崖から突き落とすぞ!

  これだけ、芸人が増えてしまうと、当然の事ながら、能力不足とか、先輩芸人がいると、何も喋れないとか、何しに来ているのか分からないとか、異様にツラが醜いとか、いろいろと問題がある人間も出て来るわけですが、あまりにも、需要が多いものだから、そんな味噌っ滓まで、いつまでも生き残っており、増えて溜まる一方で、一向に新陳代謝が進みません。

  今や、芸能界とは、芸人に仕事を与えたやるために存在していると言っても宜しい。 駄目な奴にも、席を用意してやって、失業しないように、みんなで庇い合っているんですな。 だけどよー、それでいいのかい、あんたら? もっと厳しい環境で、芸を磨いた方が、人生にプラスになると思うぜ。

  しかも、そういう芸人過剰番組が、一つや二つならまだしも、夜7時から9時まで、全ての局で、全ての曜日、埋め尽くされてしまっては、もはや、見る番組がありません。 クイズ番組の形式で始めても、結局は、芸人ばかりになってしまうのは、さながら、臓器が次々と癌細胞に侵食されて行く様子を見ているようです。


  地デジで、バラエティー以外の番組というと、ドラマという事になりますが、これがまた、つまらないんだわ。 日本のドラマの問題点については、今までにも何度か書いて来たので、繰り返しませんが、それ以降も、悪化の一途を辿っている感があります。

  何と言うかねえ、ドラマの登場人物達の行動に、興味が湧かないんですよ。 自分とは何の共通点もない、遙か遠い所にいる、取るに足らない存在に思えてしまうのです。 そんな人間が、幸せになろうが、苦しもうが、悩もうが、どーでもいーと思うなっつーほーが無理でしょう?

  なんだろねえ・・・、自分の人生も、他人の人生も、何もかも色褪せてしまった、この感じ・・・。 世の中全体に活気が無くなり、暗く感じられる、この陰気な感覚。 昼間でも、日の光が溢れていても、尚暗い・・・。 私の年齢のせいでしょうか? しかし、たとえ、若者を見ていても、彼らから明るいイメージを感じ取る事ができないのです。

  実際の世の中が、そんな火が消えたような状態だから、そんな社会を舞台にドラマを作っても、面白くなるわけがないです。 昔から、農村・漁村や工場を舞台にしたドラマというのは、ほとんど存在しなかったわけですが、それには理由があり、つまりその、雰囲気が明るくならないんですな。 創造性が無い場所と見做されていると、ドラマの舞台として取り上げ難いのです。

  それと同じ事が、今や、大都会や、大企業のオフィス、洒落た職業など、昔ならドラマの舞台の中心だった場所にまで蔓延し、片っ端から、火を消しまくっている感じ。 「クリエイティブな仕事」などと聞くと、「ぷっ!」と吹き出してしまうから、この変化は凄い。 今、そんな仕事、あるのか、本当に?

  全ての年齢層を通じて、尊敬に値する人々が見当たらなくなったのも、ドラマをつまらなくしている大きな原因ですな。 ちょっと前までなら、「青年実業家」とか、「IT起業家」とか、もっと前なら「仕事に脂が乗り切った年配」とか、「ロマンス・グレイ」とか、敬意を含んだ呼称があったものですが、今や、全て、死語。 ちなみに、「ちょいワルおやじ」は、誉め言葉ではありません。

  若い頃に有名になるほど稼いだやつらは、落ちぶれるか、刑務所行きかの、憐れな末路。 時代の波に乗った者ほど、潮目が変われば、溺れるのも早いです。 ゲーム・ソフトの開発会社なんて、うじゃうじゃあったけど、あの経営者達、今頃、どうしてるんでしょうねえ?

  年寄りは、ただのボケ老人で、円熟の味わいどころか、人並みの判断力もありゃしない。 頻尿の残尿で、てめえの小便も止められない有様では、尊敬など受けられるべくもありません。 引退でもしようものなら、もう、全宇宙に存在意義無し。 来る日も来る日も、やる事が全く無くて、散歩する植物人間と化す始末。

  「キャリア・ウーマン」なんて、笑う以外にありませんな。 ただの、「嫁かず後家」やがな。 会社でどんなに権勢を振るってたって、一歩外に出れば、醜いババァなのであって、道行く人達が目を背けて、遠回りしてすれ違って行くというから、惨めの限界を極めています。 ちなみに、「お一人様」は、誉め言葉ではありません。

  面白いドラマが成立するには、登場人物の役割分担がはっきりしていなければなりません。 つまり、キャラが立っていなければならないんですな。 ところが、実際の社会で、階層が崩れて、それぞれの役割がはっきりしなくなったものだから、人間関係も、「好きか、嫌いか」の二つの感情でしか構成されなくなり、面白みが消えてしまったのです。

  これはねえ。 韓ドラを見ていれば、日本の社会が失った要素が健在で、たくさん出て来るから、よく分かります。 そして、そういう要素があるからこそ、韓ドラは面白いのです。 そういや、日本のドラマ制作者が、「日本のドラマが海外に売れないのは、円高と、著作権の規制のせいだ」とか言ってましたが、いやいやいやいやいやいや、そんな問題じゃないと思いますよ。 つまらないんだよ。 他に、理由は無いです。

  韓ドラで驚くのは、時代劇・歴史劇のテーマの取り方の多様さです。 日本の時代劇が、ヒーローの滅多斬り一本になってしまい、日本の歴史劇が、戦国末と幕末の二本だけになって、完璧なまでにマンネリ化し、視聴者に見捨てられたのに対し、韓ドラの時代劇・歴史劇は、単に過去の時代を舞台として借りているだけで、一作一作に個別のテーマが設定され、まずテーマ有りきで制作されている点が、全く異なっています。

  そーりゃ、毎度毎度、おんなじ事ばっかりやってりゃ、よほど根気のある視聴者でも、飽きるよなあ。 日本人を無作為に何人か選んで来て、韓ドラの時代劇を10時間と、日本の時代劇を10時間見せた後、「あと、10時間、ドラマを見てもらうが、韓国のと日本のと、どちらがいいか?」と訊いたら、よほどの馬鹿か、拷問好きでなければ、韓ドラの方を選ぶでしょう。


  ところで、今年の大河ドラマの≪八重の桜≫、ありゃ、どーしたもんですかねー・・・。 私は、一応、初回から見ていたんですが、4回目で、いよいよ限界を感じ、5回目で、とうとうアホ臭くなって、見るのをやめてしまいました。

  去年の≪平清盛≫は、最低視聴率を更新するほど不評でしたが、企画は新鮮で良かったと思います。 出だしは、「映像が汚い」と言われましたが、それは、リアルさに拘ったわけで、別に批判されるような事ではありますまい。 ただ、韓ドラの時代劇・歴史劇を見慣れている私の母は、一際、「汚い」を連発していました。

  終わりの方は、「無理やり、話を引き延ばしている」と言われ、それは確かに、その通りでした。 歴史資料が少ないため、一年間埋めるには、エピソードが足りなかったんですな。 無理に一年に拘らず、半年で一本とか、二年に三本とか、放送計画に柔軟性を持たせてもいいと思うのですが。

  で、≪八重の桜≫ですが、こーりゃ、ひどいでー。 何せ、歴史上の人物と言っても、有名人でも何でもないので、資料の少なさは、平清盛どころの話ではありません。 だもんで、最初っから、エピソードを水増しして、引き延ばしているのです。 主人公の八重が全場面の半分も出て来ず、兄を媒体にして、京都の情勢ばかりやってますが、そりゃ、もはや、八重の話じゃないじゃありませんか。

  この異常さに誰も気づかないというのが、日本のドラマ界が患っている病気の重症度を如実に物語っています。 主人公そっちのけで、時代背景ばかり追っているドラマが、どこの世界にあるーっ! おかしいのが分からんのけーっ! ・・・本当に気付いていないの? 信じられんで、おい・・・。

  また、主人公の八重が、変な女なんだわ。 鉄砲撃ちたくって、しょうがないんですって。 そんな女性、いますかね? まあ、男なら、いると思いますが、女では、どう考えても、変人でしょう。 ≪うぽって!!≫という、しょーもないアニメがありましたが、そのしょーもない登場人物達と、同レベルですな。 大河ドラマの主人公にするような人物かいな?

  変人を主人公にして、人間ドラマを描けるかと言ったら、それは、無理ですよ。 変人には、まともな視聴者が、シンクロできないからです。 八重の気持ちが分かるのは、鉄砲撃ちたい女だけですが、そんなのは、この世に、ほとんどいません。 そんなんじゃ、ドラマにならんでしょう。 オタク・アニメが関の山でしょう。 分からんかなあ。 

  ≪八重の桜≫の中身は別にしても・・・、もー、幕末はえーっちゅーのよ。 よくもまあ、おんなじような話ばかり、もっくり返し引っくり返し作って、飽きませんねえ。 病気なんじゃないの? 出て来るのは、みーんな同じ顔ぶれ。 直弼も象山も海舟も松陰も龍馬も隆盛も小五郎も容保も新撰組も、いい加減にしてくれんか。 うんっざりだ。 名前を見ただけで、虫唾が走る。


  あー、疲れた。 地デジの番組を、細かく貶し始めたら、こんなもんじゃ済まないわけですが、さすがに、貶し疲れたので、この辺でやめておきます。 それにしても、どーにかならんかねー。 NHKの聴取料と、ケーブル・テレビの料金が勿体無いよ。