2013/01/13

続・自転車で大荷物

    自転車で大荷物を運ぶ方法の続き。 リヤカーの次は、サイドカーです。

「え! 自転車にサイドカーなんてあるの?」

  と思うでしょう? 私もそう思ったんですが、それが、あるらしいんですよ。 しかも、ネット上で、キットが売られているから、ビックリ。 何でも、調べてみるものですなあ。

  「自転車 サイドカー」で検索すると、二件引っかかります。 一つは、≪株式会社ミヤジマ工業≫という、リヤカーのメーカーが作っている、荷物用の自転車サイドカー。 自転車別売りで、サイドカーだけで、5万円だそうです。

  写真を見ると、えらいごつい外見で、いかにも、実用品という感じ。 サイドカーと自転車は固定されているので、バイクのサイドカー同様、曲がる時には、こつが要りそうですな。 自転車だと、気にしていない人がほとんどだと思いますが、二輪車は、傾く事で曲がっていくので、傾けられないサイドカーは、ハンドルだけで曲がらねばならず、操作方法が、まるで違って来ます。

  サイドカーが着く側に曲がる時に、遠心力で外側へ振られ、サイドカーの車輪が浮いたりしますが、バランスを取るために車体を傾ける事ができないので、大変、怖いらしいです。 バイクのサイドカー・レースでは、サイドカーに乗っている者が、左右に体を乗り出して、バランスを取りますが、自転車サイドカーで荷物を運んでいる時には、もちろん、そんなサポートは期待できません。  

  この製品の場合、サイドカーは、自転車の左側に着くようになっています。 このレイアウトだと、車道を走る時、道路の左端との間隔を常に一定に保たなければならないので、ちと、扱いにくいかもしれませんなあ。 左折時や、二段階右折での右折時は、尚更、気を使います。


  もう一つは、≪プレザント≫という外国メーカーのもので、子供を乗せるためのサイドカー。 値段は、こちらも、サイドカーだけで、69300円。 高い! しかし、その分、よく出来ていて、自転車とサイドカーは固定されておらず、ボトム・ブラケット(ペダルのクランク軸の部分)の前に回転する取り付け基部があり、そこを軸に、サイドカーが自由にスイングします。

  つまり、曲がる時に、自転車は、普段通りに傾ける事ができるにも拘らず、どちらに曲がる時でも、サイドカーの車輪は、路面に設置しているのです。 これは、よく考えてありますな。 しかも、外見が、実にスマートに仕上がっています。 どうやら、実用車ではなく、スポーツ自転車に取り付ける事を前提にしてデザインされている様子。

  ただし、子供を乗せる事を目的にした製品なので、許容積載荷重は25kgまで。 これは、ちと少ないか。 取り付け部分が、パイプ一本というのは、いかにも華奢で、過積載でもしようものなら、すぐにでも壊れそうな雰囲気が、外見からヒシヒシと伝わって来ます。 人が乗る舟なんて要らないから、同じスイング機構で、荷物を載せる台だけというサイドカーが出来ないもんですかね?

  この製品は、サイドカーが、自転車の右側に着くタイプですが、こちらのレイアウトの方が、車道での走行は、楽だと思います。 自転車と同じように、道路の左端を走っていればいいわけですから。 サイドカーが車に引っ掛けられても、それは、車の責任であって、こっちのせいではないわけだ。 子供を乗せると思うと、ぞっとしますが、荷物なら、まあ、いいでしょう。


  どちらの製品にせよ、値段が高いのには、参ってしまいます。 たまーにしか使わない物に、5万円以上も出すくらいなら、10分100円レンタカーを2時間借りた方が、ずっと安いというのよ。 5000円くらいで、類似品が出来ませんかねえ。 簡単に取り外し可能で、折り畳み式なら、尚宜しい。 欲張り過ぎか・・・。



  自転車で、大荷物を運ぶ方法、これが最後になりますが、最も現実的な方法が、一つ残っていました。 三輪自転車を買ってしまう事です。

  前半分が普通の自転車で、後輪が二つあり、スイング機構で繋がっている、アレですな。 二つの後輪の間が荷台になるので、普通の自転車より、大きな荷物が積めます。 後輪のサイズは、20インチ以下なので、荷台の位置も低くなり、大きさ・重さ共にある荷物を載せても、安定度は高いです。

  電動アシストでない製品なら、3万円くらいからあるようで、リヤカーやサイドカー・キットを買うより、安いです。 割とよく見かけるので、乗っていても、恥ずかしくないのは、大変な利点です。 リヤカー牽引とは、大違い。

  実は、三輪自転車というのは、普通の自転車に乗れない人が、転ぶ心配無しに乗れるようにという目的で売れられてるのですが、そんな事を考えた事がある人自体が稀なので、誰が乗っていても、何とも思われません。 大荷物を運んでいれば、「ああ、荷物を運ぶ為に、三輪自転車を使っているんだな」と思われるだけで、それ以上の興味は引かないでしょう。

  荷台に籠が付いてしまっている物が多いですが、これは、ちょっと改造して、籠を外し、大きなベニヤ板を載せれば、大荷物に対応できると思います。 ただ、スイング機構という強度的に弱い部分があるため、際限なく重い物を載せられるわけではありません。 やはり、ブラウン管テレビが限界でしょうな。 そもそも、自転車で、洗濯機や冷蔵庫を運ぼうという発想に無理があるか。

  他に欠点というと、自転車を一台、新しく買う事になるわけで、置き場所の確保という、厄介な問題が附随して来ます。 この問題は、敷地が広い家だと、簡単にクリアできるのですが、私のように、置き場所がなくて、スポーツ自転車を諦めざるを得なかったような者にとっては、とてつもない難問になってしまいます。

  ブリジストンに、≪ミンナ≫という、後ろ一輪、前二輪の三輪自転車がありますが、あれは、何の利点があるのか、ちょっと理解できません。 前二輪の間に大型の籠が入るようになっているものの、所詮は籠ですから、大荷物は無理です。 前側だと、はみ出すわけにもいかないから、改造もできません。 後ろの荷台が無いのも、解せぬ話。

  以前、オランダの自転車事情を紹介したテレビ番組に、後ろ一輪、前二輪の、荷物運搬用三輪車が出て来ましたが、あの荷台は、小ぶりのリヤカーに匹敵するくらいの大きさがありました。 あれなら、冷蔵庫・洗濯機も、OKでしょう。 なんで、日本でも売らぬ?

  中国には、前一輪、後ろ二輪で、やはり、リヤカーと同じくらいの荷台を設けた三輪車があるようですが、スイング機構は省かれてようです。 やはり、スイング機構を付けたのでは、大きな荷台を維持できるほど、強度が出ないのか。 スピードを出さないのなら、スイング機構無しでも、走る事はできます。 普通の自転車で、リヤカーを牽引するよりは、扱いは楽でしょう。