2013/05/26

城山・葛城山・発端丈山



  日本平動物園を主目的として、静岡市へ行ったのが、5月3日の金曜日。 翌4日の土曜日は、折自で沼津の市街地をうろうろしただけで終りましたが、5日の日曜日になると、連休最後の一日を無為に過ごすのが惜しくなり、急遽、近場に出かける事にしました。

  今年のゴールデン・ウイークは、世間は6日の月曜日まででしたが、私の会社は5日が最終日でした。 毎度の事ながら、終わりが近づくと、悪足掻きして、どこかへ行きたくなるんですな。 で、伊豆の国市と沼津市に跨っている連山の、≪城山・葛城山・発端丈山≫へ行って来ました。

  ちなみに、私の勤め先は、国民の祝日をほとんど無視する、非国民会社なのですが、その分を春夏冬の三ヵ点に集中して、長期連休になるように、社内カレンダーが組まれています。 普通の会社では、9連休なんて、あり得ないですからねえ。


  7時20分頃、バイクで、出発。 我が家には、もう車が無いので、目的が登山であれ、何であれ、バイクで行くしかありません。 まず、≪城山≫から登るつもりなので、伊豆の国市の大仁へ向かいます。 ネットで調べたところ、城山の麓に駐車場があるらしいので、そこへ、バイクを置いて、登山にかかろうという心算です。

  海沿いの国道414号を下り、口野で内陸へ曲がって、長岡へ。 ≪伊豆の国パノラマパーク≫の駐車場に入りました。 営業は9時からで、まだ開いていませんでしたが、写真だけ撮りました。 ここのロープウェイに乗れば、≪葛城山≫の頂上まで行けるのですが、料金が往復1300円もするので、最初から、検討外です。 1300円あったら、山なんぞ登らずに、≪淡島マリンパーク≫にでも行きます。

  その後、ちょっと道に迷いましたが、口野から来た道を直進すればいいという事を思い出し、何とか、目印の大門橋を見つけました。 橋は渡らず、その手前の信号で右折して、狩野川の西岸の道に入ります。

  すぐの所に、分岐があって、≪小坂みかん共同農園≫の看板を発見。 山側へ向かう道を進めとあります。 下調べによると、そこにも、駐車場があり、葛城山に徒歩で登る道があるらしいです。 もし、城山の駐車場を見つけられなかったら、こちらを当てにするつもりでいましたが、とりあえず、城山の方を探してみようと思って、川沿いの道を進みました。 狭い道で、車同士では交われないような所もありました。

  いつまで走っても、登り口が見つからないので、上を見上げたら、城山をとっくに通り過ぎている事に気づき、愕然・・・。 Uターンして引き返して行くと、今度は、登り口の看板が目に入りました。 上流側から来ないと見えないような角度で立ててあったのです。 道路を挟んで、その向かい側に、駐車場がありましたが、路外に3台分、路上駐車しても、10台くらいが限界の、小さな駐車場でした。 ここで、8時。

  城山は、「じょうやま」と読み、伊豆の国市・大仁に行くと、どこからでも見える、大きな岩山です。 元は火山のマグマ溜りだったのが、噴火しないまま冷えて固まり、その後、周りの山体が無くなって、岩の塊だけが残ったもの。 ロック・クライミングのスポットになっているらしいですが、普通の登山道もあって、頂上まで登れます。 

  登り始めたら、暑くなり、20分くらい行った所で、上着を脱ぎました。 暑いので、帽子は、シャツのボタンに吊るして歩きます。 直射日光が差さない森の中なら、帽子は不要。 ハイカー・コースとロック・クライマー・コースとの分岐が、二ヶ所ありました。 何本も道が通っているようです。 やがて、城山と葛城山の分岐に至り、城山の方へ進みました。 割と簡単に、城山の頂上に到着。 8時45分。

  頂上は、そんなに広くはなくて、10人も溜まれば、満杯になるくらい。 標高342メートルあるので、見晴らしは、かなり良いのですが、一度刈り込まれたと思しき木が大きくなって、眺望を阻害しつつあります。 日陰が無くて、長居が出来ず、5分くらいで、頂上を後にしました。

  分岐に戻り、葛城山の方へ進みます。 しばらく行くと、舗装道路に出ました。 普段なら、興醒めな事ですが、今回は下調べで知っていたので、驚きませんでした。 ここにも、小さな駐車場があり、とちぎナンバーのクロカン車が一台停まっていました。

  舗装道路を数メートル南下すると、葛城山の登り口を発見。 どんどん進みます。 途中、≪葛城山背面登山口≫を見つけました。 これも、下調べで知っていたので、そちらへ入ります。 相当な急傾斜で、両手で立ち木を持って、這い上がる感じがずっと続きます。 しかし、山がそれほど大きくないせいか、うんざりする前に、頂上に出ました。 9時50分。

  やけに重装備の中高年達が、10人くらい屯していました。 写真を撮ってから、水を飲んで、一服していたのですが、どうも、周囲の様子が変。 どうやら、ここは頂上ではなく、パラ・グライダーの発進地点らしいと分かり、あたふた逃げ出しました。 道理で、みんな、荷物が大きいわけだ。 葛城山の頂上は、すぐそこにありました。 この人達は、パノラマパークのロープウェイで、頂上まで登り、そこから歩いて来ていたのです。

  葛城山の頂上は、伊豆の国パノラマパークになっているわけですが、ロープウェイで簡単に上がって来れる上に、こどもの日の事とて、家族連れで、ごった返していました。 飲食店のみならず、射的や輪投げの出店まで出ていて、まるで、お祭り。 あろう事か、足湯まで設けられていて、10人くらいずらりと並んで、湯に足を浸けながら、眺めを楽しんでいましたが、どうして、こんな山の上に来てまで、足湯に浸かりたいと思うのか、気が知れません。

  それはさておき、標高452メートルの眺望は、驚くほど良かったです。 富士山こそ雲に隠れていましたが、それ以外は、文句無し。 伊豆の国市と沼津市が、文字通り、一望できます。 人混みだけが、邪魔だな。 伊豆の国パノラマパークには、幸せの鐘や、百体地蔵尊、葛城神社、源頼朝公ブロンズ像、アスレチックなどがありますが、ここが目的地ではないので、テキトーにスルーし、パークの一隅にあった下り口から、発端丈山方面へ向かう道に入りました。

  まず、小坂みかん共同農園に下りる道との分岐があり、次に、城山に戻る道との分岐がありました。 かなり行くと、益山寺に下る道との分岐。 その後は、発端丈山まで、10分くらいでした。 葛城山から、発端丈山まで、1時間ちょっとでしょうか。 

  発端丈山には、何年か前に、三津側から登った事があるので、それ以上先に行く必要はありません。 頂上到着時間は、11時15分。 ここの標高は、410メートル。 駿河湾の眺めは良いですが、北側は森が邪魔しているので、南側の西浦方面しか見えません。 他の登山客が、2グループ、8人くらい来ていて、落ち着かないので、弁当を食べるのはパスして、すぐに腰を上げ、元に来た道を引き返しました。

  11時40分、益山寺で、弁当。 家から持って来たおにぎり、2個を食べました。 益山寺には、前に発端丈山に登った時に、麓側から来た事があるのですが、登り口を見つけられずに引き返した因縁があります。 今回、上から下りて行って、ようやく分かったのですが、寺の上にある神社まで行かなければ、登り口が見えなかったのです。 そうだったのか。 いずれにせよ、寺から登るとなると、寺の境内に乗り物を停めなければならず、それが許可されているのかどうか、分かりません。

  元来た道を戻り、葛城山の北側の、小坂みかん共同農園へ向かって下りて行きます。 ずっと、コンクリート舗装の道だから、歩き易いかと思っていたら、傾斜が急すぎて、靴の中で親指を痛めてしまいました。 なかなか、思い通りには行きませんな。 午後1時、小坂みかん共同農園に到着。 ここには、30台くらい停められる駐車場がありました。

  平地に下りたので、朝バイクで通った、狩野川沿いの道を徒歩で歩き、バイクを置いてある城山登り口まで戻りました。 これが結構、時間がかかり、着いた時には、1時40分になっていました。 平地は楽ですが、日差しを遮る物が無いので、暑さで体力を消耗します。 路傍であったにも拘らず、バイクもヘルメットも無事。 登山者は軒並み、泥棒するほど、性根が腐っていないようですな。

  長岡温泉に回り、黒柳の温泉饅頭を買って帰りました。 家着は、2時20分。 黒柳から、家まで、20分で着いてしまった。 走行距離は、かなりの近場なので、35キロくらいでした。 使ったお金は、黒柳の饅頭代、800円だけでした。

  総括しますと。 葛城山のパノラマパークこそ芋を洗うようでしたが、それはまあ仕方ないとして、他の場所では、すれ違った登山者が、総勢で30人くらいで、上天気の夏山としては、少ない方。 まずまず、気分の良い登山でした。 山にいた時間も、去年の8月に行った、≪天城山縦走路≫に比べると、3分の2くらいで、体力的にも負担が少なかったです。 無理をしないというのは、登山の鉄則だと、つくづく思いました。



 ↑ ≪伊豆の国パノラマパーク≫の駐車場。 広いです。 沼津の海側から行くと、伊豆長岡の温泉街に曲がる交差点近くにあります。 車で葛城山に来た人のほとんどが、ここのロープウェイを利用しているものと思われます。


 ↑ 城山の登り口。 ここを発見するのに、えらい手間取ってしまいました。 看板が南側を向いているから、北側から来ると、全く気付かないのです。 駐車場がありますが、ほんのささやかなもので、すぐに満杯になってしまうので、早朝に来られない場合は、あまり当てにしない方がいいかもしれません。


 ↑ ウバメガシの林。 伊豆近辺だけかもしれませんが、ちょっと高い山の、尾根筋に行くと、非常によく、この木が群生しているのを見る事ができます。 平地にはない光景なので、異世界に迷い込んだムード満点。 私は、この林を見ると、決まって、≪姥捨て山≫を連想します。


 ↑ 城山山頂。 そんなに広くありませんが、木が刈り払われているので、登山者向けの配慮がなされている点では、まずまず、気分のいい頂上だと思います。 山に登って、何がつまらんと言って、頂上の眺望が悪いのが、最悪ですけんのう。 何しに来たのか分からん。


 ↑ 標高342メートルの眺め。 ≪東京スカイツリー≫の展望デッキが、大体、このくらいの高さ。 山の場合、真下が見えるわけではないので、下界を仔細に観察するには、このくらいが限界で、これ以上高くなると、遠過ぎて、霞んでしまいます。 見えているのは、大仁の街。


 ↑ 城山から葛城山へ向かう途中、いきなり、車が通れる、舗装道路に出くわします。 私は、入り口を見つけられませんでしたが、山越えをする林道があるんですな。 ここにも、駐車場があるものの、やはり、数台しか停められません。 


 ↑ ≪葛城山・背面登山道≫を登りきったら、こんな所に出ました。 ここが頂上かと思ったら、さにあらず。 パラ・グライダーの発進場所でした。 写っている人達は、全員、パラ・グライダー愛好者。 標高450メートルくらいあると思いますが、よく、こんな高い所から、飛び立てるものです。


 ↑ 伊豆の国パノラマパーク内の、木道。 葛城山の山頂部が、そっくり、観光施設になっています。 ただし、そんなに広いわけではなく、30分もあれば、ゆうゆう、全部見て回れる程度。 「いかにも」な施設がたくさんありますが、月並みな写真ばかりになってしまうので、出しません。


 ↑ ロープウェイ乗り場前の広場に出ていた、露店の数々。 山の上とは、到底思えぬ光景。 人だらけで、気持ちが悪くなります。


 ↑ 様々な観光地で、アホな催しを見せられてきた私も、これには顎が外れた、足湯。 風流というより、場違い千万。


 ↑ 葛城山山頂から見た、駿河湾。 富士山は雲に隠れています。 淡島、沼津連山の他、沼津市街がちょこっと見えます。 標高452メートル。 写真が傾いている? いや、海岸線と水平線が一致しない場合、そう見える事があるんですよ。 水平・垂直の基準にする部分が無いんですな。


 ↑ こどもの日の事とて、パラ・グライダーの人が、空から、お菓子が入った包みを落とすイベントをやっていました。 あの発進場所にいた面々にも、この為に来た人がいたんでしょう。 私は、もちろん、子供ではないので、お菓子を拾うために狂奔するような真似はしません。


 ↑ ロープウェイの箱。 たぶん、4人乗り。 このロープウェイ、ちょっと驚くような急加速で、発進して行きます。 ロープで繋がっているのですから、発進だけ速いというのも変な話ですが、もしかしたら、特殊な機構を使っているのかも。


 ↑ 発端丈山の山頂。 広い所で、50人くらい入っても、まだ余裕があると思います。 標高410メートル。 ここには、何年か前に、三津側から登って来た事があります。 見えているのは、沼津の西浦地区。 この方角だけ開けていて、北の方は、森に遮られて、眺望がよくありません。


 ↑ 昼飯を食べた、益山寺。 ここにも、前に来た事があります。 境内に、大楓と大銀杏、そして、石仏群があります。 車でも来られますが、地元衆を除けば、登山者でもない限り、この寺の存在を知る人は少ないと思います。 


 ↑ 小坂みかん共同農園の駐車場。 朝見た分岐を山側へ進むと、ここへ着いたわけです。 ここなら、広い駐車場があります。 みかん狩り客用ですが、それは、秋限定なので、他の季節は、ガラガラ。 登山者が車を置いても、咎められないような雰囲気あり。 しかし、確証はありません。