2017/05/21

捨てた漫画 ①

  今年(2017年)の2月半ば頃に、保存していた漫画のコミックスを、捨てました。 捨てる前に撮った写真を、何回かに分けて、出します。






≪押入れ奥の本棚≫
  私の部屋は、押入れの一角が、クローゼットになっているのですが、その奥に、ゆとりがあるので、もう、30年以上前に、本棚を押し込んで、学生時代から、ひきこもり時代にかけて買った漫画のコミックスを、収めていました。 社会人になってからは、全く読まないまま、歳月が流れました。 引退して閑になったら、読み返すかも知れないと思っていたのですが、いざ引退しても、まるで、そんな気になりませんでした。

  2015年秋の大整理の時に、漫画を並べ替えたりして、少し、異動を加えましたが、それ以降も、相変わらず、読みたくなる事はありませんでした。 私の感性が、すでに、こういう青少年向けの作品に、面白さを感じなくなっているんでしょうなあ。 今後も読みそうにないので、いよいよ、捨てる決心がついたという次第。

  クローゼットの奥というのは、本を保存するのに適した場所ではなく、衣類の埃が、本の天に溜まり、それが水分を吸って、紙に浸み込み、変色して、斑点状の汚れが着いてしまいました。 もっとも、みんな古い漫画なので、状態が良かったとしても、売り物にはならなかったと思いますけど。

  ちなみに、手持ちの本の価値を知る方法というのがありまして、アマゾンの中古本で検索して、最低価格が、1円になっていたら、よほど、状態が良くても、売り物にはならないと思った方がいいです。 漫画の場合、読者の年代が入れ替わると、欲しがる人が激減しますから、10年経ったら、もう二束三文。 20年経ったら、完全にゴミと思った方がいいでしょう。

  ネット・オークションなら、値段がつくかもしれませんが、何かと面倒ですし、後で、苦情など言われると、厄介千万。 そんな手間をかけてまで、僅かのお金が欲しいわけではないです。


  写真右は、空になった押入れ本棚。 この本棚は、もともと、三段だったものを、私が、高校時代に、棚板を一枚自作して、四段に増やしたものです。 作ったのは、下から二段目。 ニスを塗って、色を近づけたのですが、やはり、違いが分りますなあ。 36・7年前の事ですが、その時買って来たニスは、まだ、ビンと中身が残っています。

  ボルト・ナットでとめる、組み立て式なので、解体は簡単です。 もう、こういう本棚を使う事はないですから、埋め立てゴミに出す事にします。

  ところで、この本棚、私自身が買ったものではなく、たぶん、母が買ったのだと思うのですが、私の部屋に来る前は、どこにあったのか、かけらも記憶に残っていません。 建て替える前の家の時に買ったのかなあ。



≪3×3 EYES≫
  「3×3 EYES」の、1~19巻。 初版は、1巻が、1988年10月、19巻が、1994年10月になっています。 私が買い集めたのは、94年12月から、95年3月までの間。 そもそもは、新刊書店で、平積みにしてあった、18巻の表紙絵を見て、気に入り、衝動買いしたのが最初。 それから、3分の2くらいを古本で、3分の1くらいを新刊で買いました。 19巻で終りではなく、まだ続いたはずですが、私が買うのをやめてしまったのです。 新しい巻が出るのを待っている内に、飽きてしまったんですな。

  内容は、アクション・ファンタジーで、中国やチベットを通して見たインド文化をモチーフにしているところに、特徴がありました。 アクションの方は、当時は、猫も杓子もアクション漫画ばかりだったので、まあ、普通だったと思います。 決して、つまらない作品ではなかったのですが、ちょっと、話を引き伸ばし過ぎているようなところがあり、それも、途中で買うのをやめてしまった理由の一つです。 OVAで、アニメ化もされたようですが、そちらは、見ていません。

≪ドラえもん≫
  「ドラえもん」の、1~44巻。 作品の説明は、不要ですな。 初版は、1巻が、1974年8月、44巻が、1993年5月になっています。 1巻を買ったのは、小学生の頃で、20巻くらいまでは、中学生の頃までに揃えていたのですが、その後、中断していたのを、大人になってから、1992・93年に、古本屋で買い集め、44巻まで揃えました。

  子供の頃は、ただ、面白かったから買っていたのですが、大人になってから買い足したのは、ストーリーのパターンを研究するのが目的でした。 当時の日記を読むと、えらく細かく、分類や分析を施しています。 実用的な役には立ちませんでしたけど。

≪ブラック・ジャック≫
  「ブラック・ジャック」の10巻。 これも、作品の説明は、不要と。 これ一冊しかありません。 初版は、1977年1月。 これねえ、中学生の頃、どこかへ旅行に行った時に、駅のキオスクで買ったものだと記憶しています。 ちなみに、私は、「ブラック・ジャック」は、高校生の頃に、立ち読みで、全作読破しています。 自慢にならんか・・・。



≪コブラ≫
  週間少年ジャンプに連載されていた、「コブラ」の、1~4巻。 初版は、1巻が、1979年8月、4巻が、1980年7月になっています。 私が、中3から、高1にかけての年です。 もっと前に買ったような気がしていたのですが、奥付の数字が間違っているはずはないから、私の記憶違いなのでしょう。

  ハード・ボイルド・タッチの、スペース・ヒーロー物。 私の世代で、男性なら、「コブラ」を知らない人なんて、ほとんどいないと思うのですが、さすがに、今となっては、遠い過去の作品ですなあ。 4巻で、買うのをやめてしまったのは、私の趣味が、ギャグ漫画や、ラブコメに傾斜して、アクション物への興味が続かなかったからだと思います。 

≪1・2のアッホ!!≫
  週間少年ジャンプに連載されていた、「1・2のアッホ!!」の、全10巻。 初版は、1巻が、1976年10月、10巻が、1978年11月になっています。 つまり、一年分の連載で、コミックスが、5巻くらい出ていた計算ですな。 私が、小6の時から連載が始まり、週刊誌上でも読んでいましたが、コミックスは、中2の時に、纏めて買いました。 少し遅れて、嵌まったわけですが、嵌まった時には、もう、連載が終わっていました。

  当時のナンセンス・ギャグ漫画の代表格のような作品。 作者の知性や教養を感じさせた点で、それ以前のギャグ漫画とは、確実に一線を画していました。 パロディー・ネタが多かったですが、ギャグなら、何でもアリという感じでしたねえ。 惜しむらく、ギャグ漫画家は、数年で、アイデアが枯渇する運命にありまして、この作品の作者も、その後、ギャグ漫画はやめて、青年誌に移ってしまいました。

≪こち亀≫
  「こち亀」の15巻。 初版は、1980年11月。 これ一冊だけ、買いました。 ちなみに、私は、こち亀の第一話を、週刊誌上、リアル・タイムで読んでいた世代です。 なぜ、一冊だけでやめてしまったのかは、もはや、不明。 アニメの方は、ほとんど見ましたが、今となっては、漫画よりも、アニメの方が、大昔な感じがしますねえ。 漫画は、つい、この間まで、続いていましたから。



≪ストップ!! ひばりくん!≫
  週刊少年ジャンプに連載されていた作品。 全4巻。 コミックスの初版は、1巻が、1982年11月、4巻が、1984年1月になっています。 ちょうど、私が高校生の時に連載されていて、週刊誌上で読んだ作品も多いのですが、嵌ったのは、ひきこもり時代に入ってからで、その頃にはもう、連載は終わっていました。

  江口寿史さんは、絵のタッチが、途中で大変わりした人なのですが、この作品は、過渡期にあたり、時折、ハッとするほど、芸術性の高い絵を見る事ができました。 漫画というより、イラストのレベル。 その後、≪老人Z≫などで、アニメのキャラクター原案を担当しますが、その萌芽がすでに見られます。

  ギャグ漫画でありながら、ファッションなどに、時代の最先端を映しているところがありました。 バブルへ向かう時期だったんですなあ。 この作品の頃の東京は、まだ、日本の文化の発信地として、「みやこ」としての機能を存分に果たしていたわけです。 私のような朴念仁タイプでも、憧れたくらいですから。

  性倒錯を主なモチーフにしていて、当時は、笑えたわけですが、今では、笑うような事ではなくなり、その点でも、この作品の価値は、時代に置いてきぼりを食らってしまったわけです。 ヤクザの家が主な舞台というのも、今では、ちょっと・・・、という感じ。

  実は、アニメ化もされたのですが、そちらは、さんざんな出来で、とても、見られたものではありませんでした。

≪すすめ!! パイレーツ≫
  江口寿史さんが、最初に、週刊少年ジャンプに連載した作品。 全部で、11巻あるのですが、私の蔵書は、8・9・10巻が抜けていて、8冊しかありません。 これは、先に捨てたわけではなく、最初から、買わなかった事が分かっています。 初版は、1巻が、1979年1月、11巻が、1981年7月になっています。

  ひばりくんより、こちらの方が、印象に強く焼きついている人が多いのでは? この漫画の全盛期には、毎週、これだけを楽しみに生きていたという人が多かったと思います。 「千葉パイレーツ」という架空のプロ野球チームを舞台にした、ナンセンス・ギャグ漫画。

  パロディー系のギャグが多かったです。 当時は、プロ野球界の注目度が、今より、一桁高かった時代でして、誰でも知っている事が多かったから、パロディーが可能だったのです。 

≪ひのまる劇場≫
  パイレーツと、ひばりくんの間に入る作品。 全2巻。 初版は、1巻が、1981年10月、2巻が、1982年2月になっています。 出だしは、ドジな私立探偵の話なのですが、途中で、サブ・キャラに主役の座を奪われ、カテゴリー不明の話になって行きます。

  大ウケしたパイレーツの後が、これだったので、「江口さんも、使い潰されてしまったか」と思ったのですが、その後、ひばりくんが始まって、ギャグ・センスが健在だった事が証明されます。

≪エイジ≫
  これは、全一巻。 初版は、1985年7月です。 ジャンプ・コミックスですが、連載されたのが、週刊なのか、月刊なのかは分かりません。 本屋で、たまたま、コミックスを見つけて、買って来たもの。 高校生が主役のボクシング物で、ギャグ漫画ではないです。

  もう、完全に、絵のタッチが変わっています。 薬師丸ひろ子さんをモデルにしたと思われるヒロインや、小泉今日子さんをモデルにしたと思われる少女キャラが登場するのは、当時の雰囲気をよく表しています。

  主人公の性格が粗野で、共感できるところが、ほとんどないのが、最大の欠点でして、買ったには買ったけれど、好きになれない作品でした。 絵はうまいんですがねえ。




  今回は、ここまでです。 あと、2回か、3回分くらいはあると思います。