犯人は他にいた!!
【「私は無実」と叫び続けたペダル 2年9ヵ月に及ぶ濡れ衣の果てに・・・】
めっきり乗らなくなっている折自、「レイチェル OF-20R」ですが、月に一度、乗って出ると、右のペダルの辺りから、「カッチン、カッチン」という音と共に、軽いショックが感じられます。 クランクが一回転するたびに、鳴る。 その症状が出たのは、ペダルを交換してからですから、2014年10月以来で、2年と9ヵ月間ずっと、という事になります。 「随分、長い事、放っておいたもんだな」と呆れるでしょうが、まあ、つまり、それだけ、折自に乗る機会が少なかったという事なのです。
ペダル交換直後から、鳴り始めたので、ペダルの取り付け部分に問題があるのだと思い込んでいたのですが、よくよく考えてみると、ペダルなんて、ねじ込んであるだけですから、鳴るような部分がないのではないかと・・・。 クランクが一周回転するごとに鳴るという事は、「緩む/締まる」を繰り返している事になりますが、ペダルのネジというのは、漕いでいる内に、どんどん締まるように出来ているのであって、そんなに簡単に緩むというのは、考え難いです。
となると、異音の発生源として考えられるのは、ボトム・ブラケット以外にない事になってしまいます。 先日・・・、正確に言うと、7月16日ですが、七月盆の最終日に、母方のお墓に折自で行って、相変わらず、ペダルが「カッチン、カッチン」言うので、困った事だと思っておったのですが、その帰り道、ふと、「もしや、ペダルではなくて、ボトム・ブラケットのベアリンクが欠けているか、リテーナーが破損しているのではないか?」と、思いつきました。
翌17日に、本格的に直そうと決心し、まずは、ペダルのネジの締まり具合を見たみたのですが、しっかり締まっていて、スパナで緩めようとしても、簡単には緩みません。 こんな状態で、異音なんか、出るわけがない。 内心、ペダルが原因なら、ボトム・ブラケットを弄らないで済むから、その方が好都合だと思っていたのですが、そちらの当ては外れました。
で、気が進まないながらも、ボトム・ブラケットをバラしにかかったのですが、手こずるだろうという予想に反して、割とスイスイ、作業が進みました。 2013年2月に、初めて分解し、左側のベアリング球を換えたのですが、その時に、工具も揃えていましたし、やり方も覚えていたからでしょうか。 二度目は、明らかに、難易度が低くなっている感じ。 一度もやらない内は、とても、素人には無理な作業に思えたものですがねえ。
最初に、ボトム・ブラケットを分解した時の記事は、このブログにアップしてあるので、手順を繰り返し書く事はしません。 詳しい事を知りたい方は、検索すれば、写真・イラスト入りで、丁寧に解説してくれている個人サイトがありますから、そちらを参照して下さい。 クランク抜きのような、ちょっと変わった工具が必要ですが、素人でも、できない事はないです。 現に、私もやりましたし。
で、ボトム・ブラケットをバラし、中を見たところ、リテーナーは原形を留めていたんですが、ベアリング球9個の内、2個の表面が、剥離していました。 皮一枚という程度の剥離ですが、たったこれだけの事で、あんなに、「カッチン、カッチン」引っ掛かるんですなあ。 恐ろしい事だて。
もっと、恐ろしいのは、2014年10月に、ペダルを新品に交換してから、つい先日まで、2年9ヵ月間も、ずーーーっと、「ペダルが悪い」と思い込んでいた、私の意識の方です。 一度、原因を決め付けてしまうと、他の可能性を考えようとしなくなるんですなあ。 ボトム・ブラケットに思い至れば、とっくに直せたのに。
2013年に、リテーナーを取り去ってあった、左側の球は、無事でした。 「リテーナーが悪さをする」というのは、どうやら、本当のようです。 で、今回は、右側も、リテーナーをやめる事にし、球の剥離したのを、2個捨てて、2013年に自転車店で買った球の残りから、4個出して、まともなのを、11個揃えました。 リテーナーがある場合は、9個ですが、リテーナーを取ってしまうと、隙間が空くので、2個足さなければならないのです。
ところで、ベアリング球ですが。 2013年に、自転車店で買った時には、シマノの18個入りのが、210円でした。 ところが、今回、ネットで調べてみたら、同じ品に、千円などという値段がついていて、ビックリ! 知らない人は、そのまま買ってしまうと思うのですが、とりあえず、最寄の自転車店を回って、いくらするか、訊いてみた方がいいと思います。 いくら何でも、千円はねーだろー。
ちなみに、ベアリング球には、各種サイズがありまして、測ってから買う事になります。 たとえば、私の折自の場合、1/4インチ、つまり、6.35ミリなのですが、「どうせ、数を調整するから、6ミリのでもいいだろう」というわけにはいきません。 ベアリング球を挟む、ワンと、シャフト側のRが、6.35ミリ用になっているからです。
リテーナーをやめるのはいいとして、ベアリング球だけだと、組み立てる時に、ワンに直接、球を並べなければなりません。 その際に必要なのが、粘度の高いグリスです。 2013年の時には、クレのグリース・メイトしかなかったのですが、ワンを取り付けようと垂直にしたら、グリスが軟らか過ぎて、球を保持できずに、落ちてしまいました。 やむなく、ラップで包んで、冷凍庫で凍らせ、融けない内に、大急ぎで取り付けるという、不器用な方法をとりました。
今回は、時間はたっぷりあったので、作業を途中でやめ、近くのホーム・センターに、グリスを買いに行きました。
AZ社の、「シャーシ・グリス DS770 400g」。 168円で、一番安いタイプです。 この、蛇腹に入ったグリス、安いのはいいんですが、外側まで、ベトベトしていて、気持ちが悪い商品。 なるべく、べとつきが少ないのを選ぼうとしたんですが、結局、どれも同じようなものでした。 といって、別に、中身が漏れているわけでもない様子。 もし、グリスが漏れているのなら、それらしいニオイがするはずです。 何か、わざと塗ってあるんですかね? 何の為に? 分かりません。
買って帰って、写真を撮った後、早速、使ってみると、これは、さすがに、粘度が高かった。 植木用のピン・セットで球を抓み、グリスをべとっとつけて、ワンに並べていきましたが、垂直にしても、微動だにしませんでした。 右側のワンは、本体に付けたままだったので、自転車を横倒しにして、球を並べましたけど。
で、組み立て直して、試し乗り。 すると、嘘のように、音がしなくなりました。 2年9ヵ月間も、勘違いしたまま、「ペダルでは、仕方ない」と思って、「カッチン、カッチン」を我慢してきたのです。 馬鹿じゃなかろうか? これが、ボトム・ブラケットの分解経験がない人間だったら、原因不明で諦めるというのも、アリですが、私には、経験があったわけで、尚の事、愚か度が高い。
まあ、直ったから、いいとしますか。 終り良ければ、全て良し。
そうそう。 グリスに触れたせいで、手にニオイがついてしまい、二日間も、とれませんでした。 ビニール手袋をして、作業した方が、良かったかも。 だけど、夏場、ビニール手袋は、きつそうですなあ。 汗が、手袋の中にたまって、手を上に上げると、ジョロジョロ、流れて出て来そうです。
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