2019/12/01

冬用ヘルメット塗り替え ①

  前回、「バイク関連としては、まだ、やった事があり、それは、いずれ、また、紹介します。」と結びましたが、勿体つけるほどの事でもないので、続けて、出してしまおうと思います。 以前、使っていた、冬用ヘルメットの色が、バイクに合わないので、塗り替えたという話。




【アライ・ヘルメット「アストロe 1996年」】

  1996年2月に、バイク店で買った、アライのフルフェイス・ヘルメット、「アストロe」。 セローで通勤を始めたのが、その前年の4月頃で、春夏秋は、シールド付きジェット・ヘルの「SZ-α」で問題なかったのですが、冬になったら、寒くて寒くて。 風邪を引いたところ、いつまで経っても治らず、たまりかねて、フルフェイスを買いました。 36500円。

  乗っていたバイクは、セローで、オフロード車だったのですが、オフ用のメットは、作りが簡単で、隙間が多く、寒さ対策にならないので、機能性優先で、オンロード用のメットにした次第。

  通勤時代は、冬の間、ずっと、引退後も、冬にバイクを出す時に使い、2016年の4月頃まで、20年間、これで通しました。 高かっただけに、機能は優れていて、不満はなかったです。 顎の下に出るエアロ・フラップは、あるとないとでは大違いで、大変な発明だと思います。

  色ですが、なぜ、白を買ったのかというと、その時乗っていたセロー225Wが、白ベースだったからです。 その後、2002年に、セロー225WEに乗り換えて、それは、黒ベースだったのですが、デカールに白いラインも入っていたので、「まあ、ギリギリで、オッケーだろう」という事で、白いヘルメットを使い続けました。 通勤がメインで、夜も乗っていたから、白いメットの方が、被視認性が高くて安全という理由もありました。

  しかし、今度のバイク、EN125-2Aには、白い部分が全くありません。 夏用のシールド付きジェット・ヘル「SZ-αⅢ」の方は、アルミナ・グレーという、青みがかったガンメタみたいな色なので、黒いバイクと合うのですが、白ではなあ。

  という事で、塗り直す事にしたのですが、元がどんなものだったのかを分かっていただく為に、ビフォー写真を撮っておきました。

≪写真上≫
  正面。 シールドは、ノーマルの透明です。 額部分に、「Arai」の、楕円マークあり。 口の所に、欠けがあります。 いつ、どこへぶつけて、こうなったのか、全く記憶にありませんが、とっくからで、この10年以内という事はないと思います。 中に詰めてあるのは、湿気取りの新聞紙です。

≪写真中左≫
  左側面。 汚れがありますが、キズが付いた所に、汚れが付いているので、拭いたくらいでは取れません。 左顎の辺りに、「Complex Laminate Construction」の文字シールあり。 構造につけた名前。

≪写真中右≫
  右側面。 後ろの方に、欠けがあります。 ここも、いつ、どこにぶつけたのか、記憶なし。 家の庭へ回った時に、植木にぶつけたのかも知れません。

≪写真下≫
  背面。 ヘルメットに、「背面」というのも、変かな? とにかく、後ろ側です。

  三角形のエアロ・ダクトは、別に注文したわけではないのですが、最初から付いていました。 帽体に小さな穴が開けられていて、開閉ができますが、使った事がありません。 雨の日も乗っていたので、浸水しないように、閉めっ放しにしていました。

  エンブレムの他、いろいろと、シールが貼ってあります。 「CLC」というのは、「Complex Laminate Construction」の略だと思います。 左下に、楕円のSGマークがあります。 3年間は、メーカーが補償するというもの。 とっくに切れているわけですが、別に、3年を過ぎているからと言って、使ってはいけないという法律はないです。



【ダイソー ふわっと軽い粘土 / エポキシ・パテ】

  冬用ヘルメットを白から黒へ塗り替える事に決めたのですが、ついでに、数箇所ある表面の欠けた所を、塞ぐ事にしました。 父の遺品のバンパー・パテを出したみたところ、二液式の一方が、チューブの中で完全に固まってしまい、使えなくなっていました。 買って来なければなりません。

≪写真上左≫
  10月17日に、近所のダイソーに行ったのですが、パテがありません。 文具コーナーへ行ったら、固まる粘土が売っていたので、代用品になるかと思って、それを買って来ました。 110円。

  練って、欠けた所に刷り込んで、乾くのを三日間待ったのですが、表面に耐水ペーパーをかけたら、呆気なく、剥がれ落ちてしまいました。 やはり、粘土では、無理か。

≪写真上右≫
  21日に、柿田川のショッピング・モールに入っている、大きなダイソーへ行ったら、「補修速硬タイプ 万能エポキシ・パテ」というのがありました。 110円。

  円筒形になっていて、もぎ取って使うのですが、残りが、長期間の保存に耐えられるのかどうかは、不明です。 もぎ取って、練り合わせてから、すり込みました。 アンモニア臭あり。 結果を言うと、このパテは、ちゃんと、くっつきました。

≪写真下左≫
  ヘルメットの口の部分。 これは、固まってから、耐水ペーパーをかけた後の様子です。 剥がれてしまわないように、おっかなびっくり、削りました。

≪写真下右≫
  右後ろの欠け部分。 こちらも、綺麗に埋まりました。 欠けは、結構、気になるので、110円で直せるのなら、安いもの。 全塗り替えでなくても、欠けた部分だけ、好きな形に小さくマスキングして塗れば、綺麗に仕上がると思います。 左右対象にする為に、反対側も塗る必要がありますが。



【ヘルメット塗り替え①】

  冬用ヘルメットの塗り替え。 10月23日に、庭でやりました。 椅子の上に新聞紙を張り、その上にヘルメットを置いて、作業しました。

≪写真1左≫
  内装は、すでに、自室で外してあり、目の部分と下の穴を、新聞紙で塞いであります。 ステッカーの文字を残す為に、その部分もマスキング済み。

  塗料を着き易くする為に、全体を、耐水ペーパーでこすって、細かいキズをつけます。 ただし、水はつけませんでした。 新聞紙が、べちゃべちゃになってしまうからです。 耐水ペーパーをかけたあと、粉を濡れタオルで拭き取り、乾いてから、ペイントうすめ液で脱脂しました。

≪写真1右≫
  シールド・ホルダーは、別にして、こちらも、耐水ペーパーをかけ、濡れタオルで拭いてから、脱脂しました。

≪写真2左≫
  シールド・ホルダーには、厚紙で作った持ち手をつけてあります。 先に、持ち手を持って、裏側の周辺部を塗ってから、このように立てて、表側を塗ります。

≪写真2右≫
  ダイソーで買って来た、ラッカー・スプレー。 110円。 以前は、ダイソーのスプレー塗料は、アクリル系だったのですが、今は、ラッカー系しか売っていません。 ヘルメットを塗るには、アクリル系の方がいいらしいのですが、予算の都合上、致し方なし。

≪写真3左≫
  最初に、プラサフを吹きました。 プラサフは、プラスチック系の素材に塗装する時には、必ず、吹いておいた方がいいようです。 車のバンパーを塗装した時に買った、ソフト99製のを使いました。 完全に薄灰色にしなくても、かかっている事が分かる程度で充分です。

≪写真3右≫
  黒を塗り始めました。 スプレーを往復させないように、同じ所をすぐに塗り重ねないように、周囲を一回りするように、吹いて行きます。 一回りしたら、5分待ちます。 それを繰り返して行きます。

≪写真4左≫
  元が白で、正反対の色だから、なかなか、黒くなってくれませんが、焦らず急がずに、少しずつ、塗って行きます。 垂れが出てしまうと、また、削り直さなければならないので。

≪写真4右≫
  充分に黒くなりました。 最後のスプレー吹きが終わった5分後に、ステッカー部分のマスキングを剥がしました。 塗料の乾きが進んでしまうと、残したい部分まで一体化して剥がれてしまうので、早い程いいです。

≪写真5左≫
  ところが、この様。 マスキングの線が雑過ぎて、とても、見られたものではありません。 剥がすのが早い遅い以前の問題で、ステッカーだけ残して塗装するには、専用のマスキング・シートが要る模様。 テープの手貼りで、曲線を出すなど、どだい無理な話だったわけだ。

≪写真5右≫
  後ろは、もっとひどいです。 これでは、狸の顔です。 見るに耐えないので、やり直す事にしました。




  今回は、ここまで。 途中なので、後文に書く事はないのですが、オマケ的に、少し書いておきましょうか。

  これから、バイク生活を始めるという人は、免許も取った、バイクも買った、その後で、ヘルメットが、意外と値が張るのを知って、たじろぐと思います。 名が通ったメーカーの、アライやショウエイだと、フルフェイスなら、ボトム機種でも、3万円以上、シールド付きジェットでも、2万円台後半くらいでしょうか。

  中古バイクを、10万円以下で買ったなんて人は、ヘルメットに、その3分の1も費やすなど、さぞや、頭がクラクラしてくる事でしょう。 「てゅーか、ボロいバイクなら、新品メットより安くネぇ?」ちゅー感じですな。 大変、理不尽。 アンリーズナブルだ。

  一方、アマゾンなどを見ると、名前が知られていないメーカーの品なら、5千円前後から、あります。 「まあ、そのくらいなら、バイクの値段と釣り合うかなあ」と思うのが、普通の金銭感覚でしょう。

  お金がある人は、悩むまでもなく、高いのを買えばいいのであって、アドバイス不要。 一方、どうしても、何万円も出す気になれないという人は、5千円前後のでもいいと思います。 ただし、自分が被っているヘルメットが、廉価品であって、安全性の点に於いては、有名メーカー品より、確実に劣るのだという事を、肝に銘じた上で、バイクに乗るのであれば、という条件付きです。

  「安いのだけど、別に、何の問題もないよ」と言うのは、事故が起こる前だからでして、起きた後では、同じセリフを口にできないでしょう。 頭に障碍が残ったりした日には、数万円程度の差額では、埋められないほど、治療にお金がかかってしまいます。 いくらかけても、治らない場合もある。

  「それなら、最初から、有名メーカー品を薦めろ」と思うでしょうが、むしろ、廉価品の方が、いい結果になる場合もあるのです。 安いメットだと承知した上で乗っていれば、命惜しさに、自然に、安全運転になるから、高いメットで、安心しきって、ガンガン飛ばしている人よりも、事故の発生率が落ちるという理屈です。

  命を失ったり、障碍が残ったりする、大きな事故は、大抵、スピードを出している時に、転倒したり、何かにぶつかる事で発生します。 古今東西、立ちゴケで、死んだ人はいないんじゃないでしょうか。 運転が巧い人、速い人、バイクの限界を引き出したがる人ほど、大きな事故に遭い易い。 死ねば、それまでですし、命が助かったとしても、それ以降、バイクに乗れない体になります。

  私のように、ビビリ・タイプは当然ですが、ビビリでなくても、「命あっての楽しみ」という事が分かっていて、自分を抑えて走れる人は、小さい事故は起こしても、大きな事故とは、無縁です。 抑えて走っているから、他人から、「運転が巧い」とは言われませんが、バイクというのは、孤独を楽しむアイテムという見方もできるから、そういう人達は、他人の評価など気にしないんじゃないかと思います。

  ガンガン行くのと、抑えて走るのと、どちらのタイプになるかは、早めに決めておいた方がいいです。 ガンガン行く乗り方を否定する気はないですが、事故のリスクが高くなるのは、本人達も認めている事でしょう。 そういう人達は、決まって、高いヘルメットを使っています。 頭だけは、ガッチリ守って、心置きなく、ガンガン行こうというわけだ。

  実際、ガンガン行くタイプの人から、「ヘルメットは、ケチっちゃ駄目。 大事な頭を守ってくれるんだから、5万円台のでも、全然、高くない」というアドバイスを受けた人も多いんじゃないでしょうか。 だけど、そのアドバイスをした本人が、早々と事故を起こして、死んでしまったというケースも、多いはず。 なぜなら、ガンガン行っているからです。

  「ガンガン行くけど、事故を起こした時に、頭だけは守ろう」と考えている人と、「そもそも、事故を起こさないように、抑えて走ろう」と考えている人では、事故率自体が、まるで違ってくるのは、理の当然。 「ヘルメットは、高いのにしろ」と言う人は、暗に、相手にも、ガンガン行く事を薦めている恐れがあるので、鵜呑みにせず、よく考えて、判断した方がいいです。

  「それならば、高いヘルメットを被った上で、抑えて走れば、より良いのでは?」と思うでしょう。 そう考えたから、私は、四半世紀前、バイクに乗り始めた時に、夏冬、アライで揃えたわけです。 だけど、今まで、スピードを出して走っている時に、事故を起こした事は、一度もないです。 立ちゴケはありますし、凍結路面で、走り出した途端にコケた事もありますが、その程度なら、安いメットでも、問題なかったと思います。

  そういう事を踏まえて考えると、むしろ、安いメットの方が、安全運転になるからいいのではないかと思うわけです。 怖ければ、スピード出さんじゃろう。 ガンガン行くタイプの人に欠けているのは、「怖さ」を感じる能力ですな。 そちらが鈍感だから、しょっちゅう、死ぬ寸前まで行っているのに、気づかないんだわ。 で、ある時、限界を超えて、あの世に行ってしまうんだわ。

  しかし、安いメットを、「これが、普通だ」と思っている人は、特に、安全運転意識が高くなるわけではないから、これに該当しません。 3000円以下のハーフ・キャップで、スクーターに乗っていた人が、マニュアル・バイクに乗り換える事になり、メットも、5000円出して、新品を買った。 「いやあ、散財したよ」。 こういう場合、安いメットという意識がないので、安全運転をしようなどとは、全く思わないわけだ。 やはり、事故率は高くなるでしょうねえ。