2019/11/17

EN125-2A補修 ④

  EN125-2Aの補修の記録です。 例によって、前文に書く事がないので、近況報告をしますと、今は、これと言って、何もやっていません。 来年の夏に被る、猛暑用ヘルメットをどうするか、検討しているだけ。 少しでも頭皮温度が高くなるのを遅くする為に、シルバーのシールド付きジェット・ヘルが欲しいのですが、安い新品を買うか、有名メーカーの中古品を買うかで、迷っています。




【チェーン交換①】

  EN125-2Aの補修です。 9月28日に、チェーンの張り調整をしようとしたところ、場所によって、張り具合が異なる事に気づきました。 チェーンが部分伸びしているのです。 調整できる事ではないので、新しいチェーンをアマゾンで注文しました。

≪写真1左≫
  10月2日の午後に、届けられました。 クロネコヤマト。 プチプチ・ビニールが中に貼られた封筒でした。

≪写真1右≫
  中身。 「EK 強化ノンシールチェーン 428SR スチール 118L 【クリップジョイント】」。 2633円。 ポイントが23あったので、それを使って、2610円。 「118L」というのは、コマが、118個あるという意味です。 バイクの取扱説明書に、指定があります。 私は、取扱説明書をもっていませんが、ネット上に、全ページを公開しているところがあったので、そこで確認しました。

  ちなみに、アマゾンに、同じ銘柄、同じタイプのチェーンで、コマ数が多いのに、これより安いという品もありました。 チェーン・カッターを持っている人なら、そちらの方が得になるわけですが、値段の差は、僅かです。

≪写真2左≫
  10月3日に、交換作業をしました。 まず、センター・スタンドを立てます。 普通、センター・スタンドを立てると、後輪が浮くので、後輪周りの作業は、割と楽です。

  チェーン・カバーを外した後、ドライブ・スプロケット・カバーを外した様子。 このカバーは、3本のボルトで留まっているのですが、7ミリのソケット・レンチがないと外せません。 ちなみに、7ミリは、ダイソーで売っているソケット・セットの中に含まれています。

  ドライブ・スプロケット・ギヤの周辺は、チェーン・グリスがこびりついて、固まっています。 こういう汚れは、ホーム・センターで安く売っている、パーツ・クリーナーというスプレーを吹きつければ、落とせるらしいですが、EN125-2Aの場合、シフト・インジケーターのセンサー・ケーブルが通っていて、電気系統に液物をぶっかけるのは怖いので、ペイントうすめ液をウエスにつけて、拭くに留めました。

≪写真2右≫
  後輪車軸・後ろ側の、左右についている、チェーン・アジャスターを緩めて、車輪が前に行くようにしておきます。 車種によって、アジャスターには、何種類かありますが、どの方式であっても、しばらく睨めっこしていれば、どんな仕組みになっているか、分かります。 そんなに、複雑なものではないです。

  EN125-2Aの場合、固定ナットを緩めると、アジャスト・ボルトが回るようになるというタイプでした。 アジャスト・ボルトは、締め込むと、車輪が後ろに行き、緩めると、前に行きます。 後ろに行かせたい時には、アジャスト・ボルトを締めて行けば、自然に引っ張られますが、前に行かせたい時には、アジャスト・ボルトを緩めた上で、車輪の後ろ側を押したり蹴ったりしなければなりません。 そういう事も、睨めっこしていれば、自然に分かるようになります。

≪写真3≫
  アジャスターを緩める前でも後でもいいのですが、車軸ボルト・ナットを緩めます。 マフラーにウエスを掛けてあるのは、スパナが当たって、キズがつかないように養生してあるのです。 緩める時にも、締める時にも、ボルトの方は、動かさず、ナットの方を回します。 チェーン交換や、張り調整の作業では、後輪を外すわけではないので、車軸を抜く必要はなく、ナットを緩めるだけにします。

  車軸は、ボルトとナットで、二面幅が違っていて、大きい方は、普通の組みスパナのセットには入っていないので、モンキーを使うか、買って来るか、どちらにかなります。 モンキーはナメ易いから、車軸を緩め締めする事がよくあるのなら、大きいスパナを買ってしまった方がいいです。 私が使ったのは、セローの時に買ったもの。 EN125-2Aでも、使えました。

  ナットが、キャッスル・ナットになっている場合は、ピンをプライヤーなどで真っ直ぐにして抜いてから、ナットを緩めます。 EN125-2Aは、ロック・ナットでした。 緩め締めするたびに、交換した方が良いらしいのですが、簡単に手に入らないので、再利用します。 しっかり締めて、定期的に、緩んでいないか確認するようにします。

  このバイクは、後輪ブレーキがドラムからディスクに改造してあり、その関係で、ブレーキの角度固定ボルト・ナットを緩める必要がありました。 作業終了後には、忘れずに、締め付けておきます。 ドラムはドラムで、ロッド調整などが必要らしいです。 私は、ドラム・ブレーキ車のチェーンを弄った事がないので、詳しい事は分かりません。

≪写真4左≫
  チェーンの外し方ですが、車輪を回して行って、クリップが付いているコマを探します。 他と違うので、かなり汚れていても、すぐに分かります。 クリップは、ラジオ・ペンチで外します。 ラジオ・ペンチは、100円ショップでも手に入ります。 クリップの口側の端と、コマの反対側の軸を挟むようにして、力を入れると、外れます。

  その際、クリップが飛んで、見失ってしまう事があるので、飛ぶ側に、ダンボール箱を置くとか、新聞紙を張るとかして、分かる所へ着地するようにしておいた方が無難。

≪写真4中≫
  外したクリップと、コマの手前側板。

≪写真4右≫
  この状態になれば、奥側板と軸は、奥側へ抜けて来ます。 抜け難い時は、ラジオ・ペンチで、隣のコマの手前側板と挟むようにすれば、抜けます。 書き忘れましたが、この種の作業は、軍手必須です。 汚れるし、怪我もし易いので。

≪写真5≫
  外れました。 ダランとしています。 新しいチェーンの説明書には、古いチェーンと新しいチェーンを仮連結して、引っ張って入れ換えろとありましたが、チェーン・カバーも、ドライブ・スプロケット・カバーも外してあれば、そんな事をする必要はありません。 古いのを外して、新しいのをかけるだけです。



【チェーン交換②】

≪写真1左≫
  新しいチェーンの中身を出しました。 大きい袋には、チェーン本体が、小さい袋には、クリップと、連結部のコマが入っています。 新しいチェーンには、脂がついているので、素手で触らないように。 手を汚してしまいます。

≪写真1右≫
  箱の裏に、図入りの説明書が印刷してありました。 バイク整備の難易度としては、かなり、低い方なので、全く経験がない人でも、説明を読めば、できると思います。 ただし、車軸や、チェーン・アジャスターの緩め方などは書いてないですから、そちらは、他で調べなければなりません。

≪写真2≫
  新しいチェーンに交換した様子。 アジャスターで張り調整してから、後輪を回してみると、どの場所でも、一定の張り具合になりました。 やはり、古いチェーンは、部分伸びしていたわけだ。 車軸のボルト・ナットも、この時点で締めてしまいます。

≪写真3左≫
  ドライブ・スプロケット周り。 うすめ液で拭いたから、幾分、綺麗になっています。 ちなみに、このギヤは、14Tで、歯が14枚あります。 ドライブ側ギアの歯の枚数を増やせば、ハイ・ギヤードになり、高速域で使い易くなります。 ネット情報によると、16Tまで入るらしいです。

  ただし、この大きなナットを緩めるには、大きなスパナか、ソケットが必要で、それだけで、千円くらいする模様。 ギヤは、2000円くらい。 何をするにも、タダというわけには行きませんな。

  ドリブン・ギヤの方なら、交換に特殊な工具は不要ですが、その代わり、後輪を外さなければなりません。 ドリブンは、デフォルトのままの、45Tがついていました。 こちらを、42Tにすれば、ドライブ側を15Tにしたのと、ほぼ同じギヤ比の、ハイ・ギヤードになるそうです。 ギヤの値段は、ドライブ側より少し高くなります。

  兄弟車種の、GN125のデフォルト部品で、43Tというのがあり、それなら、新品同様の中古部品が安く出回っていますが、45Tから、43Tでは、あまり、差が感じられないかもしれません。 おっと、チェーン交換とは関係ない話に脱線してしまいました。

≪写真3右≫
  クリップは、外した時の逆の要領で、ラジオ・ペンチで、軸と挟み、取り付けます。 向きがあって、チェーンが進む方向に、クリップのU字側が来ます。 チェーンの下側で連結するなら、車体後ろ側にU字側が来る事になります。

≪写真4左≫
  チェーンに注す油ですが、グリスだと、固まって、こびりついてしまうので、エンジン・オイルを注しておく事にしました。 別に、裏技というわけではなく、エンジン・オイルを使うように指定してあるバイクもあります。

  オイルは、車用のがあったのですが、油注しを、2・3年前に捨ててしまっていました。 で、ヨーグルトの容器に厚紙で口を付けたのが、これ。 早速、エンジン・オイルを入れて、チェーンに注してみたのですが、狭い所では、容器が他へ当たってしまって、うまく注せません。 あえなく、断念。

≪写真4中≫
  ホーム・センターに行ったら、油注しがあるにはありましたが、305円と、値段が高い。 そこで、100円ショップ、セリアへ行き、園芸用の水差しを買って来ました。 似たようなものでしょう。 

≪写真4右≫
  で、エンジン・オイルを入れて、使ってみたら、まずまず、油差しと同じように使えました。 余分な油は、ウエスで拭き取ったのですが、その程度で、拭き取れるものではないようで、この後、試し乗りで、飛び散る事になります。


  これで、チェーン交換作業は終わり。 難易度は、5段階なら、2。 10段階なら、3くらいでしょうか。 チェーンの張り調整をした事がある人なら、誰でもできると思います。



【ステム・ベアリング交換①】

  ヤフオクに出品されていた時点で、説明文に、「ステム・ベアリングが、へたり気味」と書いてあったのですが、初乗りしたら、確かに、ハンドリングがおかしい。 まず、ハンドルが、妙に重いです。 次に、真っ直ぐに走っている時にはいいのですが、交差点で曲がる時に、方向が定まらない感じで、手でハンドルを押さえ込まないと、思った所へ進んで行ってくれません。 これは、怖い。

  ワン(レース)の隙間から、スプレー・グリスを吹き込んで、ハンドルの重さは解消されましたが、曲がる時に方向が定まらないのは、どうにもならず、結局、ステム・ベアリングを交換する事にしました。

  作業難易度は、かなり高くて、5段階なら、4、10段階なら、7くらいでしょうか。 私は、自転車のレストアで、ワンを外した経験があるから、何とかなるだろうと思って、自分でやりましたが、バイク屋に持ち込んで、整備士に任せてしまっても、全然おかしくないような作業です。 工賃だけで、2万円くらいかかるそうですが、そう聞いても、ちっとも、高いとは思いません。 もし私が、人から頼まれたとしたら、2万円くれると言われても、断ります。

≪写真1≫
  まず、ネットで、ステム・ベアリングを自力交換した人の、サイトやブログを読み漁りました。 車種によって、異なる部品もあるのですが、同じ車種だけだと、記事の数が少ないので、応用できる事を狙って、10件以上は、経験談やハウツー解説を読みました。 多ければ多いほど、いいと思います。

  その上で、作業手順を書き出しました。 メモ帳テキストで書いて、A4コピー用紙に印刷したら、表裏になりました。 これを作業場所に貼って、見ながら進めました。 実際には、想定外の事態が頻発し、この通りには行かなかったのですが、目安にはなりました。

  作業は、10月9日に行ないました。 始める前に、各部の撮影をしておきます。 もちろん、作業途中にも、撮影します。 カメラをラップで包んで、レンズだけ出るようにし、手が汚れていても、持てるようにしておくと良いです。 分解したら、必ず、組み立てなければならないので、撮影は、こまめにしておくほど、後で助かります。

≪写真2左≫
  タンクを外します。 EN125-2Aの場合、簡単に外れると知って、当日の朝に、手順書に追加したもの。 タンクがなければ、工具を当てる心配がなくなるので、ステム周りの作業が、相当には、楽になります。

  まず、シートと、サイド・カバーを外します。 次に、タンク後端にある、ボルト2本を外します。

≪写真2右≫
  白いコネクターを外します。 黄色と黒の線が繋がっているもの。 

≪写真3左≫
  ガソリンのコックを閉め、燃料フィルター(白っぽい筒状の部品)の上にあるクランプをズラし、ホースを抜きます。 この時、ホース内にあったガソリンが少し零れるので、下に雑巾を当てておくと良いです。 燃料フィルター内のガソリンが零れないように、テープなどで、フレームに貼り付けておきます。

≪写真3右≫
  タンクは、後ろに引き出すようにすると、抜けて来ます。 後端のボルトの所に、スペーサーのような板が挟まっているので、タンクを外す時に、落とさないようにします。

≪写真4左≫
  カー・ポートの梁に、ロープを通しました。 ハンドルとライトを吊る為です。 天井がない場合、脚立があれば、工夫次第で代用できると思いますが、脚立がバイクの方に倒れて来ないように、重石を載せておくなど、対策が必要です。

≪写真4右上≫
  ライトを、新聞紙で養生した様子。 しかし、結果的に言うと、この養生は、全くの無駄に終わりました。 ライトは、コネクターを抜いて、完全に外してしまわなければ、ステムの三叉を抜く事ができない事が、後になって分かったのです。

  ハンドルとメーター、ステム・ヘッドは、一体のまま、要所を養生した上で、吊っておけば、外さなくても行けます。 その際、ミラーは、外しておいた方が、無難。 ハンドルを吊った時に、バランスが悪くなるのを避ける為です。

≪写真4右下≫
  バイクは、センター・スタンドをかけると、後輪が持ち上がります。 前輪が着地したままでは、ステム・ベアリングの交換ができませんから、前輪側を持ち上げます。 私は、踏み台と、ジャッキを使いました。 ジャッキとエンジンの間には、新聞紙で包んだ板を挟んであります。 エンジンにキズをつけない為です。 前輪が、少し浮けば、OK。

≪写真5左≫
  前輪車軸付近にある、メーター・ケーブルを抜きます。 ウエスで包んだ上で、プライヤーで挟んで回せば、緩みますから、後は、指で回して、外します。 付ける時は、その逆。 ワイヤー・インナーの先端は、マイナスの形に溝が切ってあるので、付ける時には、それを合わせます。

≪写真5右≫
  ブレーキ・キャリパーは、フォークに留めてあるボルト、2本を緩めれば、外せます。 ディスクから抜け難い時には、ゴム・ハンマーで叩いてもいいです。 外れたら、ホースはそのままにして、新聞紙で包み、本体フレームから、紐で吊っておきます。 上の方で、ホースをクランプで留めてあるボルトなどがあったら、そこも外しておきます。




  今回は、ここまで。 前回の後文で予告した通り、【ステム・ベアリング交換】は、途中までになり、次回に続きます。 組み写真のコマ割りが、細かくなり過ぎて、解説文と照合するのが、大変、面倒になっていると思いますが、写真のアップの都合上、バラバラにすると、私の方の負担が、膨大な物になってしまうので、御容赦あれ。