2020/11/08

コロナうつ

  私は、新型肺炎の事を、「コロナ」と呼ぶのを避けているのですが、「コロナうつ」という単語が普及してしまっているので、今回は、便宜的に、それを使います。 本心としては、「新型肺炎鬱」と書きたいところ。




  本題と直接関係のない話から始まりますが、とりあえず、日記から、抜粋。


【2020/10/18 日】
  外掃除をしている時、家の筋向いにある月極駐車場に、高齢男性がいる事に気づきました。 コンクリート製の輪止めに腰掛けていて、どうも、散歩の途中で、疲れた模様。 すぐに立ち去るかと思いきや、その内、アスファルト面に横になり、輪止めを枕にして、寝てしまいました。 無マスクで、人の家の近くにいるだけでも迷惑ですが、寝るのは、もはや、異常だわ。

  勿論、その月極駐車場の持ち主などではなく、利用者でもないのであって、他人の所有地・利用地で、寝転がっていたら、不法侵入、もしくは、行き倒れと見做されて、警察に通報されてもおかしくないです。 大方、引退後、社会と断絶してしまい、何が常識で、何が非常識か、分からなくなってしまったのでしょう。 憐れだけれど、それ以前に、迷惑です。



【2020/10/25 日】
  先日、うちの近くの月極駐車場で、座り込んだり、寝たりしている高齢男性の事を書きましたが、今日もやって来て、あろう事か、敷地の隅で、立小便をしていました。 あー、こりゃ、駄目だ。 認知不全ではなく、常識がなくなってしまっていると見ました。 社会と断絶しているのが原因だと思います。 社会との繋がりが切れて久しく、他人からどう見られるか、自分のやっている事が他人の迷惑になっていないか、そんな事は、どうでもよくなってしまったのでしょう。

  そういや、この老人、以前は、うちから、半ブロックくらい離れた、賃貸マンションの花壇に座っているのを良く見たのですが、なぜ、河岸を換えたのでしょう? もしかしたら、前の所でも、立小便をして、追い払われて来たのではないでしょうか。 ありそうな事です。 地べたに横になってれば、心配してくれる人もいるかもしれませんが、立小便をしている馬鹿を追い払わない者もいますまい。

  こういう迷惑老人の例が、ニュース番組や、ワイド・ショーで、よく取り上げられますが、精神病とはまた違うので、治るという事がなく、その人物が、その地域に住んでいる限り、延々と続くようです。 相手にされないから、周囲の気を引く為に、迷惑行為をやるようなのですが、相手になって、文句を言えば、逆恨みして、また迷惑行為をやるのですから、どちらにせよ、処置なし。

  うちから、もろに見える場所なので、胸糞悪い事この下ないのですが、解決方法を思いつきません。 ちなみに、月極駐車場のオーナーは、別の地域に住んでいて、たとえ、報告したとしても、しょっちゅう見に来るという事はできません。 立小便は軽犯罪ですから、違法行為ですが、相手が、そういう人間では、警察を呼んでも、せいぜい、注意する程度で、逮捕する事すらできないのであって、当の本人が考え方を改めない限り、やめようとしないと思います。


  もっと、うんざりするのは、今後、高齢者は増えるばかりですから、この一人をやめさせられたとしても、次から次へ、同類が出て来る事が、強く強く予想されるという事です。 なんだか、嫌になっちゃうねえ。 社会が腐りかけているとでも申しましょうか。 明るい未来が全く感じられない。 自分だけ、一生懸命、健康に気をつけ、他人と衝突しないように配慮して生きていたって、周囲の人間の方が壊れて行くのは、防ぎようがありません。

  私が若い頃は、「世の中は、科学の進歩や、社会システムの発展、富の蓄積などで、少しずつ良くなって行く」と漠然と思っていたのですが、バブル崩壊の頃から、暗転し始めて、今は全く、そんな感じがしなくなりました。 逆に、あらゆる点が、悪い方向に向かっているように思えます。 私が歳を取ったせいで、そう感じているだけなら良いのですが、もし、今の若い世代まで、絶望がすぐそばに近づいているように感じているのだとしたら、本当に、社会が崩壊し始めているのだと思います。

  うーむ、こういう暗い未来観に囚われてしまっているのは、「コロナうつ」の一パターンでしょうか。 コロナうつが原因で、女性の自殺が急増しているらしいですが、その気持ちがよく分かります。 「新型肺炎のせいで、失職し、生活が成り立たなくなってしまった」というのは、直接原因ではないので、コロナうつに入れるべきかどうか、首を傾げざるを得ませんが、直接的に影響を受けたという例の場合、恐らく、「新型肺炎への対応だけでも、キリキリ舞いしているところへ、他の問題が覆い被さって来て、対応しきれなくなってしまった」のではないかと思います。

  「もう、駄目だあ・・・・」が口癖になってきたら、かなり、重篤化していると見るべきでしょう。 実は、私も、そうなりつつあり、コロナうつの門前をうろうろしているわけですが。 ここは一つ、「いいや、まだまだ、先はある」を、無理やりにでも口癖にして、乗り切るしかないのかも知れません。



  日記は、以上です。 こういう事を書くようになった事自体、私が、精神的に、だいぶ、追い詰められている証拠だと思います。 一応、感染防御の対策をとりながら、暮らしているのですが、何せ、感染は、人際で起こる事なので、私だけが、必死に、躍起に、一生懸命、対策を取っても、周りの人間が、何の努力もしないのでは、防ぐにも防ぎきれません。

  たとえ、全員が、私と同程度の感染対策を取ったとしても、それで、流行が終わるかと言うと、大いに怪しいところです。 まず、無理でしょう。 また、私は引退者だから、勤め先での感染を完全に避けられますが、働いている人たちは、そうは行きません。 潔癖症の人たちは、感染の危険が高い職場に出ざるを得ず、ほとんど、ヤケクソになっていると思いますが、「こんな恐ろしい日々が、何年も続くのなら、いっその事、死にたい」と感じているでしょうねえ。 それは、コロナうつの一歩手前ですぜ。

  この流行が、いつ終わるとも知れないところが、特段に、気を滅入らせます。 何年何月何日まで我慢すれば、そこから先は、元の生活に戻れると分かっているのなら、努力もできるのですが、それが分からないから、絶望的になってしまうのです。 中国では、基本的に感染者ゼロになり、元の生活に戻る条件が整ったのですが、まだ、マスクをする人は多いですし、検温や、入店、入園、公共交通機関乗車時のQRコードチェックなどは、今でも続けられていると思います。 感染者ゼロになっても、即、元の生活に戻れるわけではないわけだ。

  また、感染者ゼロになって、ウィルスが完全に根絶され、衛生当局が、「もう、元通りの生活をしてもいいですよ」と保証したとしても、マスクを着けないで外出する事を拒む人は、相当な割合で出て来るのではないでしょうか。 一生、マスク。 なぜかというと、たとえ、ウィルスが含まれていないと分かっていても、他人の吐く唾を浴びせかけられるのが、嫌だからです。 んっもー、きったない!

  あの、スパコン富嶽の、飛沫飛散シミュレーションCGを見ましたか? テレビ・ニュースでもやっていたから、見た人の方が多いと思いますが、ウィルスが含まれていなくても、ただ、普通に喋っているだけで、あれだけ、ドッバドッバ、他人に唾を吐きかけているのですよ。 冗談じゃないよ! きったない! きったない! きったない!

  あれを見てしまった後で、マスクなしで、他人と話せますかね? ウィルスに感染する感染しないの問題ではなく、清潔・不潔の問題なんだわ。 ぞっとする。 背筋が凍る。 他人と話をして、家に戻ったら、着ている物は全部洗濯し、風呂かシャワーを使わなければ、椅子に座る事も出来ません。 会食なんて、以ての外。 他人の唾を飲みに行くようなものではありませんか。 あああー、気持ち悪い!

  まったく、スパコン富嶽も、とんでもない露悪趣味をやってくれたものですが、もちろん、科学的には意味があるのであって、その研究自体に、文句があるわけではないです。 それにしても、ショッキングな映像だった。 できる事なら、ああいうものは、一生、見ないで済ませたかった。

  私の事ですが、あれを見てしまった以上、もう、死ぬまで、外出時には、マスクをするつもりでいます。 一生です。 それを考えただけでも、気が滅入る。 「死んだ方が、マシ」と思えてくる。 恨めしや、スパコン富嶽。 知らぬが仏だったのだなあ。 今までの人生で、どれだけ、他人の唾を飲まされてきた事か。 もう、こういう指摘そのものが、露悪趣味になってしまいますけど。


  私はもう、そういう歳ではありませんが、これから、恋愛して、キスしたり、ハグしたり、性交渉したり、そんな事を夢見ている若人たちは、がっくり来ているでしょうねえ。 だってねえ。 感染しちゃうものねえ。 なに、キスぅ? ハグぅ? セックスぅ? 一発感染じゃーん! 相手が感染していたら、一発でうつされる! こちらが感染していたら、一発でうつす! そんな事、するんすか? マジすか? アホすか? 命と性欲と、どっちが大事すか? 命あってのモノダネだとは、思わないすか?

  人間、というか、動物の本能とは、生存欲と生殖欲が二本柱ですが、その内の一本を保つ為に、もう一本を捨てなければならないというのは、大変、厳しい。 感染上等で、キスハグセックスに挑む者もいるでしょうが、相手もそう思っているとは限らんぞ。 相手にうつして、死んでしまったら、どうする? 逆に、うつされて、自分が死ぬ事になったら、どうする? それでも、やりたいか?

  また、自分は、無症状や軽症で済んでも、媒介してしまって、同居している親や祖父母にうつし、死なせてしまったなどという事態になろうものなら、「この馬鹿めが! おまえは、性欲の為に、家族を殺したのかっ! この恥ずかしいチンチン野郎がっ!」と、親戚中から猛攻撃を受けるのは、必至。 一生、許してもらえますまい。 さあ、どうする? それでも、やるか?

  と、そんな事を心配しながら、恋愛なんか、できないわけでして、「恋愛どころじゃないよなー」と、性欲を抑え込んでいると、だんだん、生気が失われて行くわけです。 なんたって、本能の二本柱の、一本ですから。 生きる活力源を、一つ失ったに等しい。 で、「ああ、つまらいなあ。 こんな状態が、いつまでも続くなら、いっそ、死んでしまった方が・・・」と、そこへ落ち込んでいくわけだ。 コロナうつだなあ。


  残りの一本である、生存欲の方も、全うするのが大変。 外食は、即、危険。 用心深い人は、飲食店に入って食事するのを、全面的に避けていると思いますが、それは、正解です。 「お店が困るだろうから」なんて、仏心で、店に入って、他の客からうつされて、感染して死んだら、どうする? 馬鹿馬鹿しい。 自分の命と、仏心と、どっちが大事なのか、考えなくても分かろうというもの。

  「Go Toキャンペーン」なんぞ、「感染拡大している時に、キチガイ沙汰としか思えない」という批判は、さておくとしても、あんなのは、やりたい奴らだけにやらせておけば宜しい。 僅かなお金を得する為に、命を危険に曝すなど、愚かにも程があろうというもの。 あー、もー、飲食店や観光業は駄目ですな。 「Go To」で、いっとき凌げても、それで感染者が増えたのでは、結局、誰も来なくなって、いずれ、閉店に追い込まれて行くでしょう。

  事業者が死なないように、生活保護だけ出しておいて、感染流行が終わった後で、事業再開資金を援助した方が、ずっと、効率的なお金の使い方になったでしょうが、もとより、そんな事を政府に期待してはいません。 そういう、合理的な判断ができないのが、日本人の特徴だからです。 もっとも、欧米でも、同じくらい、失敗してますけど。 根絶してもいないのに、バカンス解禁で感染拡大したというのは、「Go To」と、五十歩百歩の愚かさだ。 どちらも、元が愚かだから、愚かな事を、何度でも繰り返す。

  おっと、脱線していますな。 話を戻します。 外食は、なしとして、家で食べるにしても、買い物が厳しい。 買ってきた物は、生産者、物流業者、商品を並べる店員、レジ打ちの店員の手で触れられているわけで、ウィルスが付着している危険性があります。 それを、どうしてますか? 全部、浄化してます? できないでしょう?

  私は、一人で買い出しをして来た時には、レジ袋2個分なので、ハンド・タオルに塩素溶液をしめして、全ての物を拭いていますが、母と二人で買って来た時には、レジ袋8個分になるので、とても、全部は、浄化しきれません。 時間が、30分以上かかりますし、疲れきってしまいます。 また、所詮、表面を拭くだけですから、完全にウィルスを殺せているかどうか、甚だ怪しいです。

  私は、引退者で、時間があるから、その程度の事はできるわけですが、勤め人では、とても、無理だと思います。 買い物して帰るたびに、こつこつ、そんな事をしていると、ふっと、絶望の悪魔が背後から忍び寄り、「そんな事を、ずっと続けるくらいなら、死んじゃった方が、楽かもよ」と、耳元で囁く。 それは、コロナうつだなあ。

  ちなみに、常温保存可能で、すぐに食べない物の場合、5日間くらい、触らずに置いておけば、自然浄化するので、塩素溶液で拭く手間が省けます。 要冷蔵・要冷凍品は、駄目。 冷やすと、ウィルスが延命してしまいますから。 うちの場合、私が、それを分かっていても、母が分かっていないので、買って来て、すぐに使ってしまう事があり、自然浄化に頼れないのですが・・・。 その点は、一人暮らしの人の方が、自由が利きますな。


  職場が地獄と化しているのも大問題ですが、家の中に敵がいるケースも、同じくらい大問題で、家族内で、感染防御の基準が異なる場合、軋轢、衝突は避けられません。 マスク装着や、手洗い、買ってきた物の消毒など、自分は必死で対策を取っているのに、配偶者が、天下御免のズボラ野郎で、マスクはしない、手は洗わない、買ってきた物をそのまま、居間やダイニング・キッチンのテーブルの上に置く。 もっと、ひどいと、ベッドの上に置く。 見ている方は、もう、卒倒ものですな。 「キーーーッ! なんで、そんなとこに置くのーーーっ! いてまうど、わりゃ、こりゃ、雄鶏ゃ、豚のケツーッ!」。 吉本新喜劇か。

  「後生だから、マスクをしてくれ」と懇願しても、「あー、分かった分かった、うるさいな」と、家を出る時だけマスクをして、10歩も歩くと、外してしまう。 帰ってくりゃ、手も洗わずに、家中、ベタベタ触りまくり、指摘すると、「大丈夫だよー。 今までだって、大丈夫だったんだからよー」。 馬鹿が。 世界中で大問題になっている事が、自分の身の周りだけ、無関係で済むと思っているのか。 冗談じゃない。 そんな奴と、一緒に暮らせるか!

  あー、そうそう。 主に男ですが、夫とか、父親とかで、家族で食卓に着くと、食べ始める前に、必ず、咳をする人って、いませんか? あー、いますか。 やっぱり。 ふふふ、いますよねえ、そういう奴。 もう、決まって、一発、「ゴホン!」とやるんだよなー。 それは、支配欲の顕れでして、「俺が稼いでやっているから、お前らは、飯が食えるんだぞ。 お前らは、俺の人生のオマケなんだ。 だから、俺の唾がかかったものでも、ありがたく、口に入れなければならないんだ」という意識を、自覚のあるなしに関係なく、もっていて、それが、「ゴホン!」に顕現しているわけだ。

  冗談じゃねーよ。 この、新型肺炎で、全人類が準パニック状態に陥っている御時世に、そんな糞下らない理由で、ウィルスが含まれているかもしれない、糞汚い唾を吐き散らされてたまるか! 狂ってるのか、お前! これがもし、飲食店で他人の皿に、同じ事をやった日には、袋田滝は、いや、袋叩きは免れまいて。

  春先、「コロナ離婚」というのが流行りましたが、たぶん、今でも、その状況に変わりはありますまい。 感染防御の基準が、許容範囲を超えて異なる場合、不倶戴天の敵と暮らしているようなものですから、離婚に至っても、全然おかしくないです。 ズボラを通した結果、家にウィルスをもちこんで、家族中に感染させた奴など、人生通しての敵でして、離婚して、当然。 ズボラな配偶者に媒介されて、自分の親が死んでしまったなどという事になったら、もはや、離婚しないで何とする。

  だけど、諸般の事情で離婚できず、いっそ殺してやりたい奴が家族内にいるのに、我慢して暮らし続けなければならない人たちも多いでしょうねえ。 そんな生活を続けていれば、そりゃ、コロナうつになりますわ。 結局、破綻してしまうのだから、単に決心するかしないかの問題であるならば、離婚しちゃった方がいいんじゃないですかね。 ズボラは、治りませんよ。 何かしら、協定を結んだとしても、見ていない所で、ズボラな事をしますから、結局、ウィルスを持ち込まれてしまいます。


  コロナうつにも、いろいろあって、直接、間接問わず、新型肺炎を原因としているものは、全て、コロナうつのバリエーションになっているようです。 ネットで検索すれば、もっと、様々な事例が出てくると思いますが、はっきり言って、読みたくないです。 読むと、また、気が滅入って来るからです。 他人が不幸になった話が大好きという人もいますが、私は、そういうタイプではなく、同情や共感などはしませんが、「自分が同じ目に遭ったら、どうしよう」と心配してしまうので、一緒に、気が滅入ってしまうんですな。

  日記にも書いてありますが、「もう、駄目だあ・・・・」が口癖になってきたら、かなり、危ない。 「いいや、まだまだ、先はある」を、無理やりにでも口癖にするしか、手がないです。 それにしても、ゴールが遠い。 もしかしたら、ゴールなんて、ないかもしれない。 少なくとも、私は、マスクに関しては、ゴールが消滅しています。

  あー、もー、こんな事を書いているだけで、気が滅入って来るな。 どーにかならんか、この身に纏わりつく、黒い靄のような雰囲気は。