2021/05/09

EN125-2A補修 ⑦

  EN125-2Aの補修の記録です。 このシリーズ、前回が、2020年の11月初めでしたから、半年ぶりになります。 例によって、日記ブログからの移植になるので、記述内容にダブりがあり、くどさを感じる向きもあろうかと思いますが、いちいち書き直していると、大変な手間になってしまうので、このままで、御容赦あれ。





【オイル交換】

  2019年9月に、中古で買ったバイク、EN125-2A・鋭爽ですが、いよいよ、エンジンの音が渋くなって来たので、2020年12月に、オイル交換をする事にしました。

  取説によると、交換頻度は、「初回が500キロ、二回目が1000キロ、それ以降は、3000キロごと」となっていて、前の持ち主が、その通りに交換していたと仮定すると、次は、28500キロという事になります。 今現在は、28000キロを少し過ぎたところで、まだ早いのですが、この渋り方では、放っておくわけにも行きません。 前の持ち主が、規定通りに交換していなかった可能性もありますから。

≪写真1≫
  まず、オイルと、フィルターをアマゾンに注文しました。 12月6日に注文し、8日に届きました。 左の箱が、オイル。 右の厚紙封筒が、フィルター。 どちらも、アマゾン発送ですが、発地が違うので、別々に届きました。

≪写真2≫
  中身。 オイルは、ホンダのG1で、最も良く使われている、バイク用4サイクル・エンジン・オイルです。 1リットル缶。 一本888円でした。 取説によると、一回に使うオイルは、オイル交換だけの場合、1100cc。 フィルターを交換する場合、1150ccとあるので、2本買っておきました。

  フィルターは、車外品ですが、EN125-2Aのエンジンは、もう、40年近く作られ続けており、出回っている車外品も多く、全く不安はないです。 こちらは、一つだけ買って、391円。 合計で、2167円にして、2000円以上、送料無料にしました。

≪写真3左≫
  まず、エンジンを1分間くらいかけて、オイルを温めます。 少し走って来れるのなら、その方が温まり易いですが、あまり熱くしてしまうと、作業中に、エンジンに触れて、火傷をする危険があります。

  オイル注入口のキャップを外します。 閉める時には、手で締めますが、外す時には、ウエスを挟んだ上で、プライヤーで回します。

≪写真3右≫
  次に、エンジン下のドレン・ボルトを外して、古いオイルを抜きます。 なんと、このボルト、二面幅21ミリのものでした。 ちょっと、大き過ぎるような気がします。 デフォルト部品ではないのかも知れません。

  ドレン・ボルトが付いている部品自体が、小さなボルト3本で取りつけられているのが分かりますが、これは、ドレン・ボルトのネジをナメてしまった時に、総取り換えできるようになっているらしいです。 よく考えられている。 セローでは、こういう、メンテナンスに配慮した設計はありませんでした。 逆に言うと、ドレン・ボルトをナメてしまう人が、いかに多いかという事ですな。

≪写真4≫
  ドレン・ボルトを外す前に、まず、古いオイルを受けるバットを置かねばなりませんな。 バットだけでは不安なので、ビニールと新聞紙を敷いてあります。 コンクリート面に、オイルが零れると、後が面倒なのです。 オイル交換作業そのものは、セローの時と全く同じで、何十回も経験しているので、簡単でした。

  オイルの量は、1リットルで、ちょうど良かったです。 規定値より少なくて済んだのは、エンジン内に、古いオイルが残っているから。 古いオイルを全て出すのは、エンジンを分解しない限り、不可能です。 1割弱くらい、古いオイルが残っていても、大した問題にはなりません。

≪写真5左≫
  左側の銅製のが、ドレン・ボルトについていた、ドレン・ワッシャー(ドレン・パッキン)。 右は、セルボ・モード用に、纏め買いした、アルミ製のドレン・ワッシャーです。 厚さと外径が異なりますが、内径が同じなので、流用できます。 これが、押し潰される事で、オイル漏れを防ぎます。

  ドレン・ボルトは、大きなトルクで、ぎゅうとこら締めるのは駄目で、レンチを短めに持って、「キュッ!」と一瞬引っ張るような感じで締めるのがコツ。 軽めに締めて、漏れるようなら、後で増し締めするくらいのつもりでやるのが、ちょうど良いです。

≪写真5右≫
  オイル・フィルターの交換や、エア・フィルターの洗浄もするつもりだったので、取説を読んで、手順を書き出しておきました。 日本語の取説が存在しないので、英語版の、必要なところだけ、訳しました。

  右の二枚は、取説の該当ページをコピーしたもの。 写真や図説を見る為です。




【オイル・フィルター交換 / エア・フィルター洗浄】

≪写真1左≫
  古いオイルを抜いた後、オイル・フィルターの交換を行ないました。 オイル・フィルター・カバーを外します。 袋ナット3個で留められています。 メガネ・レンチやコンビ・レンチでは入らないので、ボックスとラチェットを使いました。 10ミリ。 3ヵ所緩めると、オイルが流れ出して来ました。 予め、車体を左側に傾けておけば、出て来ないと思いますが、古いオイルを捨ててしまうのであれば、流れても、気にする事はないです。

≪写真1右≫
  古いオイル・フィルター。 色は汚れていますが、ゴミは目立ちません。 フィルターは、そんなに頻繁に換える必要はないのかもしれませんな。 新品は、明るいオレンジ色をしています。

≪写真2左≫
  フィルターが入る穴。 3本飛び出しているのは、袋ナットを締めるボルトです。 なぜ、ボルトではなく、ナットで留めてあるのかというと、たぶん、エンジンを分解すれば、このボルトを交換できるようになっているのではないかと思います。 締め過ぎて、ナメてしまっても、ボルトを交換すれば、元の状態に戻せるわけだ。 よく考えられている。 ここも、ナメてしまう人が多いんでしょう。 しかし、エンジンを分解するのは、結構な大工事になると思います。

≪写真2右≫
  外した、オイル・フィルター・カバーの裏側。 ゴムのOリングが溝に入っていて、それで、オイル漏れを防いでいます。 本来、Oリングの断面は、円形ですが、へたって、楕円形になっていいました。 嫌な予感はしたものの、交換部品を用意してなかったので、そのまま、戻しました。 案の定、後で、オイル漏れが起こりました。

  手順的には、フィルターを換えて、カバーを閉じてから、ドレン・ボルトを締め直し、新しいオイルを入れます。 オイル注入口のキャップを閉じて、エンジンを、20秒くらいかけます。 10分くらい待ち、エンジン横の窓から、オイル量を確認して、規定内なら、それでOK。

  取説には、「オイル交換のたびに、フィルターも交換せよ」とありますが、それほど、律儀でなくても・・・。 オイル交換2回ごとに、フィルター交換1回くらいでいいんじゃないでしょうか。 こまめにやりたい人に、やるなとは言いませんが、くれぐれも、フィルター・カバーのボルト・ナットをナメないように。

≪写真3左≫
  エア・フィルターの洗浄も行ないました。 車体の左側にあります。 シートを外し、サイド・カバーを取り去ると、こんな風になっています。 外側のボルト、3本を外します。 内側の3本は、外しても意味がないです。

≪写真3右≫
  エア・フィルターを外すと、ただの穴です。

≪写真4左≫
  これは、エア・フィルターのホルダーです。 洗浄するのは、これではなく、これに被さっている、スポンジの袋です。

≪写真4右≫
  これが、エア・フィルターのスポンジ袋です。 中性洗剤で洗ってから、干しているところ。 前の持ち主が、交換したのか、まだ、新しいように見えました。 乾いたら、エンジン・オイルに浸し、軽く搾って、ホルダーに付け、車体に戻します。

  取説には、「不燃性の溶剤で洗え」とありましたが、そんな物はもっていません。 要は、汚れたオイルを落とせればいいのであって、中性洗剤で充分だと思います。 スポンジですから、水を切ってから干せば、すぐに乾きます。

  浸み込ませるエンジン・オイルは、車用のを使いました。 直径15センチくらいの植木鉢の受け皿に、深さ2ミリくらい入れて、スポンジを押し付けるように全周に浸み込ませてから、両掌で挟むように、搾りました。 両手で捩るように絞ると、スポンジが裂けてしまいます。

  エア・フィルターは、そんなに年中、洗浄しなくてもいいと思います。 こまめにやりたい人に、やるなとは言いませんが、くれぐれも、捩って、壊してしまわないように。




【オイル・フィルター・カバー・Oリング交換】

  オイル・フィルターを交換した後、その蓋から、オイル漏れが起こりました。 ゴムのOリングがヘタっていた事から、新しい品を、アマゾンで買い、それが届いた翌日の、2020年12月18日に、交換しました。

≪写真1左≫
  プチプチ・ビニールの封筒に入って、郵便受けに届きました。 防水と緩衝、どちらへも対応しているわけだ。 日本にも、こういう封筒があるのなら、もっと普及させて貰いたいです。 ちなみに、取り寄せ商品だったようで、注文してから、届くまで、5日間かかりました。

≪写真1右≫
  中身。 デイトナの「フィルター・カバー・パッキン カワサキ・スズキ純正 52.6×2.4」とあります。 本体150円。 送料350円。 合計500円。 高いですが、アマゾンで、単品で買う場合、送料込みだと、この品が一番安かったのです。 買い合わせ対象商品なら、もっと安いのもありました。

  実店舗のバイク用品店で売っていそうなパッケージですな。 そういう店が近くにあれば、150円+税で、買えるわけだ。

≪写真2左≫
  フィルターの蓋を外すと、こんな感じ。 ヘタって、扁平に潰れたOリングが、へばりついています。

≪写真2右≫
  蓋側の溝に、新しいOリングをはめ込みました。 バイクが、サイド・スタンド立てで、左側に傾いていると、蓋をする時に、ゴムが落ちてしまいます。 Oリングに、オイルを少し塗って、粘着させておくと、多少は、もってくれます。

≪写真3≫
  蓋をしました。 ナットを締めて、接合部に隙間が出来なければ、Oリングが、正しく装着されている証拠です。 ゴムを噛み込んでいたのでは、どんなにきつく締めても、隙間がなくなる事はないですから。

≪写真4≫
  蓋を開けた時に、オイルが流れ出して来ないように、作業前に、バイクを左に傾けて、更に、厚さ3センチのプラスチック・パネルの上に、前後輪を載せて、傾斜が強くなるようにしました。 しかし、最初に、充分、傾けておけば、ここまでやる必要はなさそうです。 傾斜がきつくなると、バイクが倒れ易くなるので、人様には勧められません。


  その後ですが、オイル漏れは、起こらなくなりました。 オイル・フィルター・カバーからのオイル漏れは、どんなバイクでも起こると思いますが、Oリングを交換すれば、直るんですな。 バイク歴27年にして、初めて分かりました。 ボルトやナットの締め付けが足りないのではなく、Oリングのヘタりが問題だったわけだ。

  それなら、以前乗っていた、セロー225Wも、Oリングが駄目になっていたのかもしれません。 ボルトを締め過ぎて、オイル漏れが止まらなくなり、廃車にしてしまいましたけど。 今更、分かっても、後悔先に立たず。




  今回は、ここまで。

  オイル交換ですが、取説では、走行距離数ごとの規定しかありません。 しかし、一年間に乗る距離が、規定に達しない場合、年に一回のペースで、交換しておいた方がいいかも知れません。 私は、今後、そうする事にします。

  オイル交換を自分でできるようになると、ディーラーに頼むより遥かに安く上がる事に味を占め、「頻繁に換えれば換えるほど、バイクに良いだろう」と考えて、「1000キロごとに、換えている」などという人が出て来ます。 その気持ちは分かるのですが、くれぐれも、ボルト・ナット類のネジ山をナメないように。 頻繁に交換していると、やってしまうんですわ、どうしても。

  特に、ドレン・ボルトは、エンジンの底にあるので、ネジ山をナメて、しっかり締まらなくなると、オイルの漏れを止められなくなります。 走行中にも垂れますし、バイクを停めておくと、エンジン下にオイル溜まりが出来ます。 そんな状態になったら、乗っていられないので、結局、廃車という事になります。 バイクに良かれと思ってやって、逆に、バイクを壊してしまう典型例。 大変、勿体ないです。