2009/10/18

眼鏡違い

  個人サイトの方で、掲示板を廃止し、≪準・書き込み専科≫になってから、二ヶ月ばかり経過しました。 この間、「初めまして」の第一声で書き込み始めた、よそのサイトの掲示板が9箇所。 前から書いていた所と合わせて、13箇所の掲示板へ、週に一度のペースで、書き込みを続けて来ました。 飽きっぽい私にしては、まずまず順調に交友相手を増やして来たわけです。 えらいえらい。

  しかし、世の中、そうそう何でも順調に行くとは限らないもの。 まして、書き込みのように、相手が存在する行為となれば、うまく行かない方が普通と考えるべきものなのかもしれません。 やはり、問題は多々発生して来るものなのです。 こちらは温厚に書き込みをしていただけなのに、相手が異常な反応をして、それ以上書き込めない状況に追い込まれた所が、13箇所中、何と3箇所も出てしまったのです。

  というわけで、今回は、その失敗談を披露しようという趣向ですが、失敗談であるからには、私にとっては嫌な記憶に決まっているのであり、そういう内容を思い出すのは、書く前から気が重いです。 でもまあ、傍から見れば、他人の失敗談というのは、結構面白いものですから、ここは一つ、ムカつきを極力抑えて、筆を進める事にしましょう。


  最初に紹介するのは、レスが来なくなったパターンです。 レスを書かないという事は、そこの作者の、「もう来るな」という意思表示ですから、自動的に行けなくなってしまうのです。 そこは、スキューバ・ダイビングを趣味にしている人が作った、魚介類の動画を主なコンテンツにしたサイトでした。 サイトの掲示板の方は、お客が減り過ぎて、「新規投稿お断り」になっていたものの、ブログの方で、まだ更新が続いており、コメントも受け付けていたので、軽~い気持ちで、軽~い感想を書き込んだのです。

  一度目は、二日くらいでレスが来ました。 内容は、歓迎の雰囲気こそ無いものの、ごく常識的なものだったので、私は、「よし、何とか行けるだろう」と判断して、一週間後に、第二の書き込みを行ないました。 これも、ごく軽く、短いものでした。 ところが、そのレスが、なかなか来ないのです。 そればかりか、それまで二三日おきに行なわれていた更新も止まってしまい、音信不通状態になりました。

  十日くらい経って、ようやく更新が再開し、私の書き込みにも、「ついで」みたいな感じなから、レスがつきました。 それでも、レスの内容自体はまともだったので、「まあ、様子を見るつもりで、もう一回書いてみるか」と思い、一週間後に、第三の書き込みを行ないました。

  その後が長かった。 まるまる半月くらい、ほったらかし。 レスはもちろん、更新も全く行なわれません。 もう、書き込んだ内容も忘れてしまい、「どーでもいいや」と思いかけた頃になって、ようやく、更新が再開しました。 ところが、私の書き込みには、レスがつきませんでした。 二日続けて更新されたにも拘らず、私の書き込みにレスをつけないという事は、≪無視≫されたと見做して良いでしょう。

  こう書くと、大袈裟な話に聞こえるかもしれませんが、私が書いたのは、大した内容じゃないんですよ。 その人が、≪刑事コロンボ≫のDVD・BOXを購入して、見ているというので、

【≪刑事コロンボ≫のある回を、中学の時に、図書室にあった小説本で読みましたが、覚えていたのは、ラストの部分だけでした】

  って、たったそれだけの書き込みです。 こんな事は言いたかないですが、もうその人と話す事も無いでしょうから、ぶち撒けて言ってしまいますと、たかが、それんばっかの書き込みにレスが書けないなんて、大の大人の反応とは、とても思えませんぜ。

【そうですか。 小説で読むと、映像で見た場合より、記憶に残り難い事があるかもしれませんね】

  くらいのレスなら、子供だって思いつくでしょう? なにも、十行二十行の長レスを返せっていうんじゃないですよ。 たった一行、適当な言葉を並べて埋める事もできんのかい?

  どうも、私が怒っているように取られるかもしれませんが、ええそうなんです、実は、腹綿煮え繰り返っておるとです。 ちなみに、「はらわた」を漢字で書くと、正確には、「腸」ですが、そう書くと、十人中十人に、「ちょう」と読まれてしまうので、わざわざ、「腹綿」と書いたとです。 まったく、訓読みは紛らわしくて好かん! ・・・と、そげんこつはどうでんよか。

  大体、こんな簡単なやりとりもできないくせに、ブログを運営しているというのが奇妙ですわな。  「自分が考えている事を書きたいだけで、別に人と話をしたいとは思わない」というのなら、コメント受付をオフにしとけばいいじゃないですか。 「コメントは受け付けます。 でも、レスは書きません」なんて、ゲストをおちょくっていると取られても、言い訳できますまい。

  だけどねえ、この人、私に対して特別な悪意があって、こういう事をしたんじゃないと思うんですよ。 だって、悪意を抱かれるほど、突っ込んだ話をしていませんからね。 廃墟化した掲示板の過去ログを読むと分かるんですが、書き込んでいたのは、現実世界に於けるスキューバの仲間ばかりなんですな。 恐らく、この人、「掲示板やブログ・コメントは、現実世界での友人・知人に書いてもらうもの」と思い込んでいるタイプの人なのでしょう。 現実世界とは別に、ネットという世界が存在していて、そちら側から訪ねて来る客がいる事を、全く念頭に置いていないのだと思います。

  だから、知らない人間が書き込んでくると、「なんだ、こいつは! 一体、誰だ?」と驚きうろたえ、「赤の他人と話すつもりはない」という風に、拒絶反応を起こしてしまうんじゃないでしょうか。 書き込みを無視する前に何日も沈黙があったのは、別に忙しかったからでも病気だったからでもなく、≪招かざる赤の他人≫を追い払うにはどうしたらいいか、延々と悩んでおったに相違ありません。 ううむ、想像するだに鬱病的ですが、そういう人は確かにいそうだわ。

  だけどねえ、「俺は、現実世界の友人・知人だけを相手にしてるんだ」とツッパってみても、もう何年も書き込みが無いって事は、その人達に無視されちゃってるって事ですぜ。 つまり、その人が、友人・知人だと思っている人達は、その人の事を、友人とも知人とも思ってないわけだ。 どうして、そんな風になってしまったかといえば、恐らく、その人が私に対してしたのと同じような事を、過去に友人・知人達に対してもやっていて、そのせいで、「ああいう奴とは、つきあえない」と、愛想をつかされてしまったのでしょう。 哀れ極まりないですが、その人の性格のなせる業だから、もうどうしようもないです。


  さて、二番目は、レスに熱意が感じられないパターンです。 一応、レスは返って来るんですが、こちらが8行書くと、レスは3行くらいで、しかも、内容がありません。 たとえば、私が、

【こんにちは。 子供部屋の天井の模様というのは、思いの外、人格の形成に大きな影響を与えるのかもしれませんね。 以前、≪病院へ行こう 2≫という映画で、「不治の病の入院患者が、シミのついた天井を見て死んで行くのは可哀想だと思って、ホスピスを作った」というようなセリフがありましたが、天井は、毎日見て暮らす所ですから、恐怖や不快といった感情を引き起こさないように、模様を工夫した方がいいと思います】

  といった、書き込みをしたとします。 すると、帰って来るレスが、

【そうですね。 天井の模様は大切ですね。 恐怖や不快の感情を引き起こさない模様の方がいいですね】

  と、これだけ。 面白いでしょう? いや、全然面白くないんですが、これだけ面白くないレスを、平然と書けるという、その神経が面白いと言いたいのです。 別に、書き込みの意見に対して、否定をしているわけでもないし、皮肉も嫌味も言っていません。 しかし、このレスでは、何も応えていないのと同じです。 決して、ゲストの意見に同意しているのではないのです。 「ああ、わかったわかった、お前の言う通りだ。 そういう事にしといてやるよ。 こちとら、お前の意見なんか、全然興味ねえんだ。 勝手に言ってな」という反応を、慇懃にレスに書くと、こういう、≪全肯定受け流し文≫になるのです。

  この人ねえ、掲示板に入る前に、≪利用上の注意≫というページを設けている人でして、30行くらい、びっしりと、「誹謗中傷はいけない。 個人攻撃はダメ。 メール・アドレスは書いても書かなくてもいい」といった、小言幸兵衛的能書きをダラダラダラダラ垂れているのですよ。 もちろん上から目線ギンギンで、しかも鼻息がフンフン聞こえて来そうなほど偉そうにね。 だけど、ゲストの書き込みにイチャモンをつける前に、自分のレスがどんなにひどいものか、考えた事が無いんですかねえ?

  ただねえ、もしそれだけだったら、熱意が微塵も感じられないとはいえ、一応レスはついているわけですから、書き込みが出来なくなるという事は無かったのですよ。 もっと重大な問題がある事に、後になってから気付いたのです。 その人、いくつもの趣味を持っている人で、それぞれの趣味ごとに、サイト内にページを作っていたので、最初に読んだ時には、「ああ、これだけ、いろんな方面に興味がある人なら、話題に困る事は無いだろうな」と思って、門を叩いたのです。

  ところが、その人の趣味に合わせた内容の文を書き込んでも、上のような全肯定受け流しのレスしか返って来ません。 全く興味が無い様子。 「変だなあ・・・」と思って、私が分かる範囲内で、その人の趣味の幾つかについて、片っ端から触れて行ったんですが、やはり、受け流されるだけで、ちっとも乗って来ません。 こっちはもう、冷汗脂汗ですよ。 でねー、しばらくして、はっと気付いたのです。 その人、私以上に飽きっぽい性格だったのです。 たくさんの趣味を同時に楽しんでいるのではなく、一つやってはすぐに飽き、また一つやってはすぐに飽きるというパターンを繰り返して、異なる趣味のページばかり次々に増えていたんですな。

  普通なら、飽きたと言っても、以前熱中した趣味なら、人並以上に話のネタが出て来そうなものですが、この人の場合、一度飽きた趣味には、まるっきり興味が無くなってしまうタイプのようなのです。 ちょっと極端過ぎて、私も感覚的には理解し難い所があるのですが、飽きっぽさの度が高まれば、そういう反応を示す人がいても、そんなに不思議ではありませんわな。

  もしかしたら、私に対してだけ、そういうレスをよこすのかと思っていたんですが、途中で入って来た、新規のゲストに対しても、全肯定で受け流しやがったので、「ああ、こーりゃ、駄目だわ!」と、見切りをつけて、引導渡す事にしました。 こんな機械的なレスしか貰えないのでは、オウムと喋っていた方が、まだ有意義ですから。


  さあ、最後の一箇所だ。 実は時間的には、ここが一番最初にコケたのですが、内容的に最も大きな失望を味わわされたので、トリに持って来たという次第。

  ここも、魚介類のペット・サイトでして、コンテンツを見ると質・量ともに申し分なく、「面白そうな人だな」と思って、書き込んだのです。 一回目は、不熱心ながらも、社交辞令は弁えたレス。 二回目は、こちらが質問をしたのに対して、少し見下すような態度のレスが来て、「おや、ちょっと、まずいかな?」と、思うには思いました。

  そして、三回目に返って来たのが、意味不明の一行レス。 いや、行数はどうでもいいのですが、こちらの書き込み内容は完全に無視して、全く筋道が通らない、戯言のようなレスだったのです。 具体的に書きますと、その人が日記の中で、

【現在の政治状況とは全く無関係ですが、私はハトが嫌いで・・・】

  と、ハトのどういう所が気に食わないかを延々と書き綴っていたのです。 ちなみに、これは、8月の衆議院選挙の前で、≪政権交代≫が話題になっていた頃の事です。 現在の政治状況云々とは、つまり、「鳩山さんの事を言っているわけではないよ」という意味でしょう。 文の最後にも、「くれぐれも、政治とは関係なく、鳥のハトの事です」と断ってありました。 私は、「ああ、確実に鳥のハトの話だな」と判断し、ちょうど、野鳥に興味を持ち始めた時期だったので、

【ハトは人が近づいても逃げないから、写真撮影の対象としてはありがたいのですが、ハトの写真を撮っても、誰も誉めてくれないのが哀しいところです】

  といった内容の書き込みをしました。 ところが、そのレスが、こう来たもんだ。

【私は自由業なので、労組を応援しても得が無いもので・・・】

  はあ? なんじゃ、そりゃ? 「政治の話じゃない」というから、ハトの書き込みをしているのに、どういうレスやねん? ちなみに、私は工場労働者なので、一応、労組にも入っています。 私のサイトを見れば、私の職業は分かるはずで、私をからかったつもりなのかもしれませんが、実際には、日本の製造業の労組は押し並べて社内組織でして、会社と労組で支持政党が異なるという事はありません。 自由業だから、その辺の事情について知識が欠けているのでしょう。

  そうは思ったものの、こちらは別に喧嘩したくて書き込んでいるわけではないので、言い返したりはしませんでした。 低次元な口論をするくらいなら、最初から書き込んだりしませんや。 まだ知り合って二週間くらいしか経っておらず、冗談を言うような親密な仲ではないですし、からかわれる謂われは、ましてありません。 さて、冗談として聞き流すべきか、それとも、交流を打ち切るべきか、大いに悩まされる事になりました。

  で、それから、一週間経ったので、恐る恐る様子を見に行ったのですが、掲示板で、他のゲストの質問に対し、かなりやばい事を平気で回答しているのを発見し、「あー、この人とは、交友できんわ」と、とうとう諦めてしまいました。 ペットの命の問題について、ペット・サイトで、異常な人達が好んで使う過激な屁理屈を、この人も口にしていたんですな。

【ペットを飼えなくなった時、保健所に持って行ったり、捨てたりするくらいなら、自分で殺せ】

  というアレ。 まったく、何なんだろねえ。 そういう事を言えば、カッコいいとでも思ってるのかねえ。 可愛がっていたペットを自分で殺すようになったら、それはもう人間ではないよ。 そう思わんか? 子供が殺人を犯したからって、親がその子を殺したりしないだろう。 まして、何の罪も無い動物を、どうして殺せるのだね? ちゃんと考えてから物を言っているのか?

  しかし、私より半回りくらい年上の人なので、「それは、間違った考え方ですよ」などと説得を試みても、考えを改める事は期待できないでしょう。 それに、私は、議論はしない主義なのです。

  そういえば、最初にコンテンツを読んだ時に、ほんのちょっとそれらしい危ない事が書いてあって、気に掛かったんですよ。 でも、「あまり深く考えずに、言葉の綾で書いたのかもしれない」と思って、スルーしてしまったのです。 甘かったなあ。 やっぱり、問題がある事をちょっとでも書く人というのは、根底にそういう考えを持っているものなんでしょう。 見抜けていれば、最初から書き込まなかったのに。

  も一つそういえば、この人、ハンドル・ネームに、≪マイナス・シンボル≫を使っているんですよ。 マイナス・シンボルというのは、「悪」とか、「魔」とか、「影」とか、「黒」とか、「闘」とか、「撃」といった、否定的、もしくは、攻撃的な意味合いを持った言葉の事で、この種の言葉を含むハンドル・ネームを使っている人物は、荒らしや誹謗中傷など、問題行動を起こし易い傾向があります。

  「夜露死苦」など、暴走族が好む漢字が、正にそれで、マイナス・シンボルの典型例ですな。 誰でも、本名は自分でつける事が出来ないのですが、ハンドル・ネームは自分でつけられるので、自分の人格に最も相応しいイメージの言葉を探して来ます。 マイナス・シンボルにせよ、プラス・シンボルにせよ、ニュートラルにせよ、単なる記号ではなく、当人が自分自身をどんな人間だと思っているかが、ダイレクトに表出されるのです。

  その事にも、気付いていたのに、「これだけ面白いコンテンツを作る人だから、例外なんだろう」と思って、やはり、スルーしてしまったのです。 甘かった。 お話になりません。 反省しきりです。


  というわけで、この3箇所には、もう書き込むのをやめました。 交友を長く続ける事も、私の目的の一つなので、断絶は痛恨の極みなのですが、向こうが交友を望んでいないのだから、致し方ありません。 向こうは、私に何の興味も持っていないようなので、私が書き込みをやめても、痛くも痒くも無く、むしろ、「やっと来なくなったか」と、ホッとしている事でしょう。 その点が気楽なのが、せめてもの救い。

  やはり、最初に行った時に、サイトの隅々まで目を通し、作者がどんな人物か、今までどういうサイト運営をやって来たかをしっかり観察し、分析しなければ駄目なようですな。 面白そうな文章を書く人や、見応えのあるコンテンツを作る人の中にも、交友に値しない人物というのは、確実にいるのです。