2010/06/13

はよせい

  ここのところ、パソコンの反応速度を上げようと、あれこれ悪戦苦闘しています。 以下は、その醜い葛藤の記録。 日記の方からの引き写しですが、それぞれ書いた日が違うので、一本の文章に纏めると、却って流れが悪くなると思い、日付の通りに並べます。


≪5月22日 (土)≫
  欲しい物が無いと、パソコン・ショップの広告にばかり目が行くようになります。 今使っているパソコンの反応速度が遅くなっているので、「いっちょ、高性能なのに買い替えるか」などとも思うのですが、値段云々より、新品を一から設定し直すのが面倒で、すぐに意欲が挫けてしまいます。

  それに、買い替えたとして、今のパソコンをどうするかも難題。 それでなくても不用品でいっぱいの押入れに死蔵するのは気が進みませんし、私が住んでいる自治体ではパソコンをゴミとして引き取らないので、捨てる事も出来ません。 リサイクル店へ持っていけば、最低でも引き取りはしてくれるでしょうが、その場合、HDDのデータを消去せねば危険で、それはそれで面倒臭い。

  更に思うに、「新しいのに買い替えんでも、今のパソコンを、データ空っぽにして、リカバリーすれば、買った直後の速さが回復するのでは?」とも思うのです。 いろいろと後から詰め込んだから、遅くなったに決まっていますけんの。 しかし、リカバリーすると、XPが初期状態に戻ってしまうので、SP3やその他のアップ・デートをダウンロードせねばならず、それがうまくいくのかどうか。

  と、そういう事を考えている内に、もう天井知らずに面倒臭くなって、「何もやらない!」と硬く決心して、終わりになるのです。


≪5月28日 (金)≫
  パソコンの反応が速くなるかと思って、IE8を入れてみたのですが、履歴を出すのに2クリック必要など、使いにくいばかりで、全然速くならず、動画の処理速度も変わらないので、すぐに削除してしまいました。 削除すると、自動的にIE6に戻りましたが、それはつまり、XPのSP3に、IE6が含まれているという事ですかね? 戻って良かった。 戻らなかったら、どうしようかと思いました。

  ついでに、キャノン関係のアプリケーションで、プリンター以外のものを、片っ端からアンインストールしました。 キャノンのカメラに付いて来たソフトですが、どれもこれも見事に一度も使いませんでした。 これで、多少は速くなったか? 関係ないか。

  90年代にやっていたアニメで、オープニングや第一話を無料で見られるサービスがあり、懐かしいので、見てみたいのですが、音声は出るものの、動画の方が飛び飛びになってしまうのです。 回線ではなく、パソコンの処理速度の問題だと思うのですが、あれを見る為には、パソコンを替えるしかなさそうです。 いやあ、しかし、ただそれだけの為に、5万円は出せませんぜ。 駄目駄目駄目、そんなの。


≪5月29日 (土)≫
  8年ぶりくらいに、デフラグをやってみました。 なんと、4時間以上かかりました。 少しは速くなったか? 関係ないか。 文の打ち込みの反応は、幾分良くなったような感じがします。

  今のパソコンでも、メモリなら、まだ増設の余地があります。 最大で512Mのところを、現在、128Mと256Mの二枚が入っているので、128Mの方を256Mに変える事ができるのです。 256Mのメモリは、2002年には8000円くらいしましたが、今日見に行ったら、3000円で売ってました。 ただ、メーカーは不明で、相性も不明。 買ったはいいが、動かなかったでは、アホなので、悩ましいところです。 また、メモリ容量が増えても、動画処理が速くなるとは限らず、不確定要素があまりにも多いです。 まったく、パソコンは、どの部品が何を担当しているのか、はっきりしなくて困ります。

  危なっかしい冒険に3000円払うより、確実な新パソコンに40000円払った方が利口なような気もしますが、何の為に高性能なパソコンが必要かというと、そもそもは、昔のアニメの無料動画が見たいという、それだけなのであり、見てしまえば、不要な性能になる事は分かっているわけで、何とも馬鹿馬鹿しい話です。 動画を諦める方が、正解という事でしょうか。


≪5月30日 (日)≫
  ネットで、パソコンの反応速度を上げる方法を検索してみました。 予想していた通り、「メモリを増やせと」いう指示が多かったですが、XPの設定を変えるだけで速くなるという指示もあったので、二つばかり試してみました。 画面の視覚効果を減らす方は、まあ、問題なく、負担は減ったと思います。 もう一つの、表示をクラシックにする方は、上下のバーの雰囲気が、あまりにもギスギスになりすぎて、感性的に我慢できず、大急ぎで元に戻しました。

  ところで、相変わらず、質問サイトの回答というのは、参考になるものと、無礼千万な雑言の玉石混交ですな。 最も腹が立つのは、「それは、ググれば分かるはず」といった、言わずと知れた事をわざわざ回答として書き込んでくる輩です。 何たる馬鹿か。 そんなに答えるのが嫌なら、最初から質問サイトなど見なければいいではないか。 質問者と良心的な回答者の邪魔になっているだけなのが分からぬか。

  敬語で質問されているのに、ため口や名詞止めの文で回答しているのも、あまり感心しません。 「教えてやる立場なのだから、自分の方が偉いのだ」とでも思っているんでしょうか。 他の回答者が丁寧に答えている中に、そういう回答が混じっていると、確実に愚かに見えます。 また、そういう回答に限って、短か過ぎの説明不足で、何が言いたいのか伝わりません。

  パソコン用語を勝手に縮めた略語を使う者もいますが、質問者はそれでなくても、パソコン用語に詳しくないに決まっているのですから、略語など使ったら、もう何が何だか分からなくなるのは必定です。 そんな事にすら配慮できないなら、質問サイトへの回答は控えるべきでしょう。

  それらはさておき、調べていたら、≪タスク・マネージャ≫という、CPUの使用率を表示する方法が分かりました。 で、動画の再生をしながら、それを見てみると、ダウンロードでもDVDでも、使用率100パーセントになってしまいました。 メモリの問題ではなく、CPUの限界だったんですな。 これでは、メモリを増設しても、意味は無いです。 ちなみに、メーカー品のパソコンの場合、CPUの交換は前提としていないので、そんな事は考えない方が良いらしいです。 私個人の感覚で言っても、そんな危なっかしい事はできません。


≪6月5日 (土)≫
  使っていないアプリケーション・ソフトのアンインストールだけでなく、ファイルの削除も、パソコンの動作速度を上げるのに寄与するようですな。 動画を保存してあったファイルの容量を見たら、2ギガもあって、どうせ見ないので、すっぱり削除したら、かなり反応が速くなりました。

  ファイルは、HDDに収まっているわけですが、HDDの空き容量が多ければ多いほど、動作が軽くなるようです。 ここがパソコンの奇妙なところで、HDDは本来、データを収めるためにあるのに、容量いっぱい使おうとすると、パソコンの動作を阻害してしまうというのです。 予め、動作専用のデータを入れる部分を別にしておけばいいのに。 確か、私が最初に買ったコンパックのパソコンは、一つのHDDを二つに分割して使うようになっていました。 あれは、動作専用の区画を分けていたんじゃないかと思います。


≪6月6日 (日)≫
  十日ほど前まで、パソコンを買い換えるつもりで、機種選定まで進めていたのですが、ソフトとファイルの削除で、今のパソコンが見違えるほど速くなってしまったので、その気がすっかり失せました。 やっぱり、「動画が見たい」なんていうのは、一時的な衝動欲求に過ぎなかったわけですな。

  それはさておき、インターネットの今後の方向ですが、どうも、≪文字 → 画像 → 動画≫という流れで、情報の質が変化している模様です。 今となっては、文字情報を読むためにネットを使っている人は、少数派になっているのではないでしょうか。 「ほとんど、動画しか見ない」という人が、何割くらいになっているのか気になるところ。 今、個人サイトやブログを立ち上げても、閲覧者が全然集まらないというケースが大半だと思いますが、文字情報そのものがそっぽ向かれているのなら、無理もない話です。

  ネットの良さは、一般人でも情報発信ができる事ですが、動画でなければ、価値ある情報を発信できないとなれば、それが可能な人は限られてくるでしょう。 私のように、文字止まり、写真止まりの人間は、退場するしかないわけだ。 情報は、受け手が価値を認めてこそ流通するのであり、発し手がどんなに意欲に溢れていても、それだけでは誰も受け取りに来てくれません。

  「今流行りのツイッターは、文字情報ではないか」と、思うでしょうが、私は、あのツイッターというのは、文字情報の衰退の証明にしか見えません。 長い文章を読むのが面倒になった人達が、わざわざ字数制限を設けた情報ツールに飛びついたのです。 ただ、所詮、文字情報である事に変わりは無いわけで、いずれ、個人サイトやブログと同様に衰微して行き、事によったら、呆気なく消えて無くなるのではないかと思います。

  今後売られるパソコンが、動画対応性能を重視してくるのは確実だと思います。 文字情報の価値が限りなくゼロに近づき、ネット接続したテレビに吸収されてしまう可能性すらあります。 個人サイトやブログの衰退を見るにつけ、双方向性が、利用者がネットに求めている機能の中心でないのは、明らかだと思います。 ネットを長くやっている人達ほど、ネット交友にうんざりして、サイトもブログも放置し、閲覧のみに逃げ込んでいるではありませんか。 初期の興奮が冷めれば、自分から何かを発信する気など、無くなってしまうのです。

  今後、サイトにせよブログにせよ、個人が情報発信する場は、どんどん減って行き、最終的には、企業や公共機関のサイトしか残らないのではないでしょうか。 ≪ウィキペディア≫に代表されるように、個人が発信する情報には、信頼性の限界があります。 間違った情報に踊らされて、損害を被っても、誰も責任を取ってくれません。 個人のいい加減さが、情報発信者としての資格を損なっているのです。 双方向性は、ネットの特徴である事は確かですが、≪特徴≫が必ずしも、≪特長≫ではなかったわけですな。 そして、もし、ネットから双方向性を捨てたら、それはもはや、チャンネルが多いテレビと大差ありません。


  まあ、それらの流れは仕方がないとして、私個人の問題は、ネットの方で文字情報が減少し、古いパソコンの使い道がどんどん限定されていく情況になった場合、今のパソコンでは、動画時代に全く対応できないという事です。 現状の使い方なら今のパソコンで間に合いますが、今後はどうなってしまうのやら。 いずれは、買い直す事になるか、もしくは、「動画は見なくてもいい」と割り切って、ネットそのものから退場するか、どちらかに決めなければならなくなるような気がします。  


≪6月11日 (金)≫
  パソコンですが、ハード・ディスクの≪エラー・チェック≫というのを実行したら、ますます動作が速くなりました。 起動や終了も、同じ機械とは思えないほど、パタパタ進みます。 買った当初は、こんなスピードだったんでしょうなあ。

  しかし、動画の方は相変わらず、CPU使用率100%で、まともに動きません。 苦々しく、フラッシュ・プレーヤーの画面を見ていたら、下のバーに≪HQ≫という文字があるのに気づき、そこにカーソルを持って行ったら、≪SQ≫、≪LQ≫と、画質が選べる事を発見。 なんだ、それならそうと端役イワン会! で、≪LQ≫にして見たところ、普通の速度で再生されました。 うーむ、感動的だ。 惜しむらく、画質は見るに耐えないものになりましたが。


≪6月12日 (土)≫
  ユー・チューブで、昔のアニメの見逃した回を見れる事が分かり、ちょこまかと見始めました。 CPUの能力が足りないために、音声だけ先に進んで、後から画像が、細切れで追いついて来るという、しょーもないズタボロ再生ですが、そこはそれ、想像力で補って、見たような気になろうという算段です。 

  ところが、CPU使用率100%の状態を長く続けたせいか、パソコンから回路が焼けるような臭いが漂い始め、慌てて再生を止めました。 やはり、無理なものは無理か。 これが不思議なもので、同じアニメでも、海外サイトでアップしている動画には、ちゃんと動く画像で、音声と同時に見れるものがあるのです。 別に画質を落としているわけではなく、それどころか、むしろ日本のそれより良いくらいなんですが、解せない話です。

  ネットで昔のアニメが見放題なら、パソコンを動画対応の物に買い換えても、損にはならないと思うのですが、果たして、私に、そんなにたくさん、見たいアニメがあるのかどうか。 それでなくても、人間、いつでも見られると思うと、却って見ないものです。 パソコンを買い換えたはいいが、2・3本見て終わりになってしまったりしたら、あまりにも馬鹿馬鹿しい無駄遣いというもの。 さてさて、どうしたものか。

  それに、こういう、ネット上で見られるアニメというのは、当然、違法なんでしょうなあ。 公式サイトでは、有料配信しているし、レンタル店に行けば、料金を取って貸している物なんですから、ネットでだけ、ただで見れるなんて、ありえない話です。 たぶん、アップした者だけでなく、見た方も、罪に問われるんでしょうねえ。 現実には、囮の配信でもしない限り、見ている人間が誰かを調べるのは難しいと思いますけど。


  もし、パソコンを買い換えるとしたら、CPUの性能に注目しなければならないわけですが、今は、≪デュアル・コア≫やら、≪クアッド・コア≫やら、CPUの構造が複雑になっていて、クロック周波数だけで性能の高さが分かるわけではないとの事。 「だったら、別の性能基準を示さんかい!」と思うわけですが、パソコンの使い方によって、適不適があるので、一概に数値化できないとの事。 あああ、面倒臭い! そんな事、素人に判断できるわけがありません。 「何にでも対応できるように、一番性能が良いものを・・・」などと安直な方向に走ると、あっという間に、10万円を超えてしまいます。 そんな出せるかいな!

  そうそう、パソコンのハードウェア関連のサイトを覗いていて分かったんですが、彼らが解説の対象にしているのは、基本的に自作パソコンであって、次が、DELLやヒューレット・パッカードなど、外国の専門メーカーのパソコンであり、三番目が、比較的マイナーな家電メーカーのパソコンだとの事。 なぜ、これらが対象になるかというと、市場で手に入る互換可能な部品を使って組み立てられているからだそうです。

  一方、対極にあるのが、家電メーカーのパソコンで、個性を出そうとして、独自規格の部品を使ったりしているため、弄りようがないのだそうです。 最悪なのが、ノート・パソコンで、狭い空間にあれこれ無理やり詰め込んでいるため、部品の交換など、物理的に無理。 また、性能も低いとの事。 やはり、そうだったか。 だけど、店に行っても、折り込み広告で見ても、ノート・パソコンの方が、種類がたくさん並んでいるから、≪パソコン=ノート・パソコン≫だと思い込んでしまっていて、後々、デスク・トップの方が安い上に性能も高い事を知り、愕然とする人も多いでしょうなあ。 お気の毒に。 


  いや、そんな事はどうでもよいとして、買い換えるべきか、買い換えないべきか、それが問題だ。 たとえ、ネットでアニメが見れるとしても、違法と分かっていて行なうのは、善良な市民として取るべき道ではありません。 こういう場面で、「そんなの、文句言われてからやめても遅くないよ」とか何とか、世故長けたふりをしていると、夏の日のけだるい昼下がりに、刑事が二人訪ねて来て、あっさり逮捕されてしまったりするのです。 「だって、見れるから!」なんて、切歯扼腕、抵抗したところで、違法行為は違法行為。 犯罪者である事を認めざるを得ませんわなあ。

  やっぱり、見たいアニメがあったら、DVDを買うか、レンタル店で借りて来るのが本道というものでしょう。 候補がそんなに何百本もあるわけじゃなし、パソコン一台分の金額の、十分の一も使わない内に、飽きると思います。 よし、パソコンの買い替えなんて、やめたやめた! はい、これで、この一件はおしまい!

  ・・・・と、すっぱりすっきり思い切れる性格なら、こんなに苦悩はしないわけですがね・・・。