2016/02/07

錆との戦い③ 【鉄肌編】

  旧母自の錆取りですが、今年(2016年)の一月初めにやった分が、もう少しあるので、それを紹介します。 二日間かけて、左右のクランクと戦ったのですが、まずは、公開日記の方から、その日の内に書いた文章を移植します。




≪2016/01/04 (月)≫
  午前中に、バイクを出ちょっと遠いホーム・センターと、ダイソーを巡って、塗料や錆どめを買って来ました。 合計で、1400円くらい。 下らない事に、金を費やしている・・・。

  午後から、旧母自のクランクを外しにかかりましたが、左はあっさり外れたものの、右は、ギアと一体になっていて、外れませんでした。 折自のボトム・ブラケット交換をした時に、それを知っていたはずなんですが、綺麗すっかり、忘れていました。 これを外すには、後輪の車軸ボルトを緩めなければならず、手間がかかるので、今日は見送り。

  外せた左クランクだけ、耐水ペーパーをかけて、メッキの残りと錆を落としました。 鉄の地肌が露出したわけですが、思っていたよりも、明るい色でした。 灰色やシルバーのペンキを塗ってしまうより、このままの方が、メッキに近い光沢です。 で、とりあえず、今日買って来た、「水性エポキシさび止め」という透明錆どめを塗っておきました。

  私としては、新品同様に戻そうなどという、高望みはしておらず、赤錆が見えなくなれば、それでいいのです。 これで、錆が出てしまうようなら、後から、ペンキを塗っても遅くありません。 もっとも、錆どめなんだから、それを塗って、錆が出たのでは、話になりませんが。



≪2016/01/05 (火)≫
  昨日に引き続き、錆取り。 旧母自から、右クランクを外したのですが、後輪車軸は緩めるわ、チェーン・ケースは外すわで、えらい大作業になってしまいました。 たかが、クランクの錆を取るだけの為に、後ろ半分、バラバラですわ。

  その後、組み立て直しましたが、ガチャガチャやって、逆に傷を増やしてしまうという、大失態。 それでいて、綺麗になったのは、クランクだけなので、全体のみすぼらしい印象は、ほとんど変わりません。 弥が上にも、やる気が失せて行きますな。 余計な事はしないのが一番か・・・。




  日記は以上です。 ごく簡単な事しか書いてないのは、錆取り作業でエネルギーを消耗して、作文どころではなくなってしまったからです。

  1月4日に、買って来た物は、ホーム・センターのカーマで、

・水性エポキシさび止め 1/12L 820円
・ペイントうすめ液 250ml 354円

  ダイソーで、

・工作用水性ペイント(ダークグレー) 80ml 108円
・平筆5本組 108円

  の四点。 正確な合計額は、1390円でした。


  水性エポキシさび止めは、カーマで偶然見つけました。 透明タイプで、何かと使い道が多そうなので、それにした次第。 これは、予想が当たり、後々、大活躍する事になります。

  ペイントうすめ液は、家に、トタン用の油性シルバー塗料があり、もし、それを使う事になった時に、刷毛や筆を洗うのに必要なので買いました。 だけど、現時点では、油性塗料は使っておらず、うすめ液は、専ら、錆どめを塗る前の脱脂に使っています。 ペイントうすめ液は用途が広いので、量が多いのを買っておいた方が、お得。

  ダイソーのペイントは、父の自転車の前籠を塗るつもりで買ったんですが、その後、父と相談して、プラスチックの前籠を買う事になったので、出番がなくなりました。 まあ、腐るもんじゃなし、とっておけば、いつか、使う場面も来るでしょう。

  ちなみに、屋外で使う鉄製品に、工作用ペイントを塗る場合、ペイントそのものには、防錆成分が入っていないので、下地として、錆どめを塗っておかないと、すぐに錆びて来ます。 逆に言うと、錆どめを持っているなら、この種のペイントは、上塗り用として、安くて、お買い得です。 水性であっても、一度乾いてしまえば、雨で溶け出すようなことはないです。

  平筆は、ダイソーの文房具コーナーにあった、水彩画用です。 ペンキだからと言って、刷毛に拘る必要はないのであって、小さい部品などは、筆の方が綺麗に塗れます。 5本組は、大変、お得。 自転車くらいの塗装面積を手塗りする場合、刷毛よりも、平筆の方が、適しているかも知れませんな。 筆で塗っても、筆目が出来ますが、刷毛目よりは細かいので、ちょっと離れると、見えなくなってしまいます。


  買い物の事はさておき、1月の4日、5日にやった、クランクの錆落としですが、結構、疲れました。 外は寒いと思って、自室でやったのも良くなかった。 耐水ペーパーで削るので、水を使うわけですが、絨毯や家具に、撥ねが飛ばないように、腕の動作に制約を課す事になってしまったのです。 寒くても、外でやった方が、始末がいいですな。

  話が前後しますが、まず、クランクを外さなければなりません。 以前、折自のボトム・ブラケットを修理した時に、クランク抜きを買ってあったので、それを使いました。 順序としては、ペダルを外してから、クランクを外します。 先にクランクを外してから、ペダルを外そうとすると、クランクを押さえて力を入れる事ができないからです。 左側は、ペダルもクランクも、簡単に外れました。

  続いて、右も外そうと思ったら、日記にも書いてある通り、ギアと一体になっていて、簡単には外せなかったというわけ。 で、その日は、テスト・ケースとして、左側だけ、錆を落としました。 左クランクの、作業前は、↓こんな状態でした。


  元がメッキされていたとは思えない、見事な剥げっぷり。 せめてもの救いは、錆が平面的で、凹凸が少ない事です。 これは、旧母自が私の管理下に入ってから、割とこまめに、556で拭いていたからではないかと思います。 ちなみに、同じ場所に置いてあっても、父自のクランクは、錆が凹凸だらけです。

  耐水ペーパーは、20年以上前、まだ、車を持っていた頃に、錆取りに使っていた物の残り。 120番です。 破傷風になっては敵わないので、ビニール手袋をし、更に、その上に軍手をしました。 酸を使った時と同じ装備ですな。 削り始めると、凄い錆が出て、洗面器の水が、まっ茶色になりました。 色が出ないようになると、クランクの表面に、鉄の地肌が表れました。 「くろがね」と言うものの、実際の鉄の地肌は、かなり明るいと知りました。 つくづく、鉄の本当の色を目にする機会は、少ないんですなあ。

「これだけ、明るいのなら、透明錆どめを塗るだけで、いいんじゃないの?」

  とは、私でなくても、思うと思います。 最初の予定では、錆どめの上に、油性シルバーか、ダイソーのダーク・グレーを塗ろうと思っていたのですが、下手に色をつけるより、鉄の地肌の光沢を活かした方が、綺麗に見えそうです。 メッキにこそ見えませんが、ガンメタの塗料を塗ったようには見えるはず。

  で、水洗いしてから、水を拭い、透明錆どめを塗ってみました。 とろみが強い液体で、乾きは速いです。 垂れると、垂れた状態で固まってしまうという、些か厄介な性質。 だけど、透明だから、刷毛目は、ほとんど分かりません。 微細な気泡が出来ますが、これも、ちょっと離れると、見えなくなってしまいます。


  予想していた通り、ガンメタっぽい雰囲気になりましたが、こちらは、鉄の地肌の金属光沢でして、ガンメタ塗料よりも、本物度は高いです。 というか本物そのものなんですな。 おお、いいじゃん。 新品という感じには程遠いですが、今までの錆びた状態からも程遠く、ちょうどいい具合なんじゃないでしょうか。


  翌日には、右側をやりましたが、日記にもあるように、錆取りよりも、外したり着けたりの方が大変でした。 たかが、クランク一本外す為に、なんで、こんなに、あちこち、バラさねばならんのか、理不尽な気持ちで一杯に・・・。 このもやもやした感情を元に、不条理小説が一本書けるのではないか? いや、まあ、右クランクと、ドライブ・ギアは、分離しているより、一体化してある方が、漕ぐ時のエネルギー・ロスが少なくなるという理屈は承知しているんですがね。

  錆取り自体は、左側と同じ事をしただけです。 ギアの、外から見える部分まで落としたので、時間と手間が、少し多くかかっただけの違い。 クランクとギアの間が狭く、指が入らない所もありましたが、まあ、大体、赤錆が取れれば、良しとします。 で、同じように、透明錆どめを塗り、乾かしてから、着け直した写真が、↓これ。


  ビフォー写真を撮り忘れてしまいましたが、錆を取る前は、左側と同じような状態でした。 まあまあ、綺麗になったと思います。 左右共に、新品のように見えないのは、ポツポツと小さい黒い点が残っているからですが、これは、錆に浸食された微細な穴でして、耐水ペーパーの手がけでは、これ以上は、削れないのです。 グラインダーを使えば、ピカピカの鏡面仕上げにできるようですが、そこまでやる気になりません。


  左右のクランクまでやって、この後、1月16日まで、錆取りは、中断します。 年末から取り組んでいた、紙日記の索引作りが途中になっていたので、そちらを先に片付けていたからです。 もっとも、そちらの方は、13日には終わっていたのですがね。 なぜ、更に、三日間も再開しなかったかというと、なんつーかそのー、旧母自は、外見はボロですが、機能的には、何の問題もなく使える自転車でして、どうしても、錆取りをしなければならないわけではなく、一度中断すると、なかなか、再開するモチベーションが上がらないのです。 寒い季節であれば、尚の事。