引退生活⑨ 【暇潰し「昼寝/小旅行」】
引退生活の心得の、9回目です。 さて、今回で終わるでしょうか。 自信がありません。 他のシリーズも溜まっているので、そちらにしてしまった方が、移植するだけだから、簡単なんですが、その為には、このシリーズを終わらせなければなりません。 全力を尽くします。 まあ、ドラマなんかで、医者や刑事が、「全力を尽くします」と言ったらそれは、自信がない時ですけど・・・。
引退後、「やってもやらなくてもいいけれど、暇潰しにやる事」の続きです。
【昼寝】
昼寝と聞くと、「ナメとんのか、雄鶏ゃ! そんな事、他人からレクチャーされんでも、誰でもできるわい!」と思うでしょうが、いや、別に、昼寝の仕方について語ろうというわけではないのですよ。 「昼寝は、程々にしておいた方がいい」と言いたいのです。 その理由は、一つだけ。 昼寝に精を出すと、夜、眠れなくなってしまうからです。
うちの母が、正に、そうなんですが、昼間は、居間にいて、テレビの録画ばかり見ています。 韓ドラ、2時間サスペンス、旅番組で、95パーセントくらいを占め、たまに、1時間物の日本のドラマや、教養番組が挟まります。 しかし、正確に言うと、見ているのは、各番組の、ほんの一部過ぎず、ほとんどの時間は、居眠りしています。 まー、歳が歳だから、しょーがないといえば、しょーがないんですが。
で、昼間、たっぷり眠ってしまっているせいで、夜が眠れないんですわ。 母の寝室のテレビでも、外付HDDに録画できるので、一晩中、テレビを点けっ放しで、寝たり覚めたりを繰り返している様子。 犬の睡眠が、ちょうど、そんなパターンでしたが、人間でも、犬みたいになれるんですなあ。 逆に考えると、犬でも、昼間ずっと、何かしら仕事をし続けていれば、夜は、何時間も続けて眠るようになるのかも知れません。
ブツ切りで眠っても、続けて眠っても、睡眠時間が足りていれば、倒れてしまうような事はないですが、健康的とは言いかねます。 うちの母は、引退後、背丈が、5センチくらい、縮んでしまったのですが、もしかしたら、昼間、座椅子で眠っているのが、原因なのではないでしょうか。 本来、横になってする事を、座ってしているのですから、背骨に負担がかかってもおかしくありません。
私も、昼寝はしますが、昼食後、せいぜい、1時間くらいです。 頭がすっきりすれば、すぐに起き出して、運動登山や買い物などに出かけます。 そのおかげで、夜は、10時頃から、朝6時頃まで、普通に眠れています。 「歳をとると、眠りが浅くなる」とは、よく言われる事ですが、歳のせいだけとは、言いかねます。 昼間から、ブツ切りで眠っているから、そうなるのであって、昼間、眠らない時間を確保しておけば、夜、ちゃんと、眠れるはずです。
【小旅行】
先だって、他の項目で、「旅行は、金がかかるから、控えるべし」と書きましたが、日帰りや、半日帰りの小旅行なら、さほどの出費にはならないから、お勧めです。 といっても、毎日なんて、とても無理。 週に一回でも、多過ぎる。 月に一度くらいが、いいペースでしょうか。 なぜかというと、一定の範囲内しか行けないので、ポンポン出かけていると、行き先がなくなってしまうからです。
日帰りの場合、家を中心に、車なら、半径50キロくらい。 自転車なら、10キロくらい。 徒歩なら、5キロくらい。 そんなところが、行ける限界だと思いますが、週に一回のペースでは、すぐに、行ける所は行き尽くしてしまいます。 同じ所に、何度も行ってもなあ・・・。 私は、引退後も、2年間、バイクを維持していたのですが、夏場だけ、月に一度のツーリングでも、行き先を決められなくなって、四苦八苦していました。
同じ日帰りでも、車で、高速道路を使えば、もっと、行動半径が広がりますが、それでは、出費が大きくなるのであって、もはや、小旅行とは言い難い。 お金を使わないのが、最低条件とすべきでしょう。 車のガソリン代も、馬鹿にできませんし。 昼飯だって、飲食店に入るなんて、とんでもない。 弁当、持って行きなさいよ。 どうせ、閑なんだから、握り飯くらい、用意できるでしょ。
小旅行は、毎日の運動とは、また違って、気分転換する上で、大きな効果があります。 引退後、人づきあいが激減すると、気が滅入る事が多くなるので、時々、リフレッシュする必要が出てきます。 それには、初めての場所に行くのが、最も効果的なんですな。 別に、遠くである必要はないです。 初めての場所なら、どこであっても、同じ効果が期待できます。
神社巡りなんてーのは、一番、オーソドックスなところで、地図を見れば、神社は、かなり小さな所でも出ていますから、一つ一つ、潰して行けば宜しい。 別に、誰かと競争しているとか、全神社制覇を目論んでいるとか、そういうわけではないのですから、「同じ方角だから、5・6ヵ所、回ろう」などと欲を張らず、一度に一ヵ所にしておくのが良いです。 なぜというに、早々と行き尽くすと、興味が失せてしまうからです。
お寺は、人が住んでいますから、ちと、敷居が高いです。 墓地から入れば、さりげなく境内を抜けて、ごく自然に山門から出るという手も使えないではないですが、もし、誰何された場合、何と応えるか、言い訳を用意しておいた方がいいです。 不法侵入で訴えられるような事はないと思いますが、さりとて、歓迎されるわけでもありません。 基本的に、住職や、その家族は、檀家以外の人をもてなす理由はないです。 観光寺院なら、その限りではないですが、その場合、拝観料を取っているはずです。
特に、宗教施設や景勝地でなくても、目的地があるだけで、小旅行は成り立ちます。 たとえば、駅巡りとか、市町村役場巡り、郵便局巡り、極端な事を言えば、交番巡り、老人憩いの家巡りなどでも、とにかく、目的地に到着しさえすれば、達成感は味わえます。 スーパー巡り、ホーム・センター巡り、ショッピング・モール巡りというのも、アリなわけですが、お店の場合、「来たついでだから」などと言って、不必要な物を買わないように。
財布を持って行かない方がいいかも知れませんねえ。 「何かあったら、困るから」と用心するのもいいですが、持っていると、使ってしまいたくなるから、害の方が大きい。 自分の住所氏名を書いたカードを持ち歩くようにしていれば、出先で、倒れてしまったような場合でも、通りがかった人が、何とか、してくれるでしょう。
出先で死んでしまったら、死んでしまったで、その時はその時ですな。 いいんですよ、どうせ、引退者だから、いつ、どこで、死んだって。 死の絶対性は、こんな時に、心強い味方です。 そういう場合に備えて、身なりを整えておくという人もいますが、いいんじゃないですか、靴下に穴が開いているとか、肌着が変色しているとか、その程度の事は。 なんてったって、死者なんだから、大目に見てもらえるでしょう。
深く考えずに、「交番巡り」などと書いてしまいましたが、勿論、交番を訪ねて行けという意味ではありません。 「ああ、ここにあるのか」と分かれば、それで充分。 近づかずに、引き上げるべきでしょう。 引退すると、自由になる反面、身分が不安定になるので、人から怪しまれるような事は、進んで避けるのが肝要です。
あと、細かい事ですが、どうせ、毎日が休みなのですから、観光地や商業施設など、人が大勢集まって来る所には、平日に行くようにして、土日・祝日は避けた方がいいです。 なぜというに、学生時代や、勤め人時代の知り合いが来ていて、「おう! 久しぶり! 今、何やってんの?」といった邂逅が発生し易い。 それを避ける為です。
引退後、昔の知りあいに出会っても、ろくな事はないです。 ほんと、ろーくなこたーない! 挨拶くらいで、別れられればいいのですが、そうならず、近況を根掘り葉掘り訊かれ、挙句の果ては、「今度、一緒に飲もう」てな話になって、連絡先を半強制的に訊き出されるという、とんでもない展開になります。 住所を知られたが最後、「近くまで来たから」なんて、白々しい嘘をついて、家まで訪ねて来ますよ。
中には、自分の方から出会いを求めて、わざと、人出が多い所に出かけて行く人もいるようですが、ほとほと、気が知れぬ。 現役時代に未練たらたらで、引退者としての自覚が出来ていないのでしょう。 喝ッ! 目を覚ませ! おのれは、もはや、勤め人ではないのじゃ! 昔の知りあいなんぞ、迷惑なだけと悟るべし!
実際、老いらくのつきあいほど、始末が悪いものはない。 お金がないのに、閑ばかりあるものだから、しょっちゅう、一緒に出かけて行って、飯を食ったり、飲みに行ったり、料金が発生する所へ遊びに行ったり・・・。 そんな生活をしていたら、瞬く間に、破産してしまいますよ。 こういうケースを想像すれば、「老後破産」というのが、どこか遠くの他人事ではなく、容易に、自分にも起こり得る事だと分かるんじゃないでしょうか。
「人づきあいこそが、人生だ」と思っている人もいるでしょうが、お金のゆとりがないんじゃ、そんな事も言ってられないでしょうが。 その歳で、破産したいのかい? 「友達と遊びに行き過ぎて、破産しました」なんて言ったって、生活保護なんか、もらえないよ~。 アホか。 「遊ぶ元気があるなら、働いて下さい」と、追い返されるのがオチです。
あああ、また、長くなってしまったので、今回は、ここまでにします。 また、終わらせられなかったか。 一敗地に塗れる・・・。 天は我を見放した・・・。 それほどの事でもないか・・・。
引退後、「やってもやらなくてもいいけれど、暇潰しにやる事」の続きです。
【昼寝】
昼寝と聞くと、「ナメとんのか、雄鶏ゃ! そんな事、他人からレクチャーされんでも、誰でもできるわい!」と思うでしょうが、いや、別に、昼寝の仕方について語ろうというわけではないのですよ。 「昼寝は、程々にしておいた方がいい」と言いたいのです。 その理由は、一つだけ。 昼寝に精を出すと、夜、眠れなくなってしまうからです。
うちの母が、正に、そうなんですが、昼間は、居間にいて、テレビの録画ばかり見ています。 韓ドラ、2時間サスペンス、旅番組で、95パーセントくらいを占め、たまに、1時間物の日本のドラマや、教養番組が挟まります。 しかし、正確に言うと、見ているのは、各番組の、ほんの一部過ぎず、ほとんどの時間は、居眠りしています。 まー、歳が歳だから、しょーがないといえば、しょーがないんですが。
で、昼間、たっぷり眠ってしまっているせいで、夜が眠れないんですわ。 母の寝室のテレビでも、外付HDDに録画できるので、一晩中、テレビを点けっ放しで、寝たり覚めたりを繰り返している様子。 犬の睡眠が、ちょうど、そんなパターンでしたが、人間でも、犬みたいになれるんですなあ。 逆に考えると、犬でも、昼間ずっと、何かしら仕事をし続けていれば、夜は、何時間も続けて眠るようになるのかも知れません。
ブツ切りで眠っても、続けて眠っても、睡眠時間が足りていれば、倒れてしまうような事はないですが、健康的とは言いかねます。 うちの母は、引退後、背丈が、5センチくらい、縮んでしまったのですが、もしかしたら、昼間、座椅子で眠っているのが、原因なのではないでしょうか。 本来、横になってする事を、座ってしているのですから、背骨に負担がかかってもおかしくありません。
私も、昼寝はしますが、昼食後、せいぜい、1時間くらいです。 頭がすっきりすれば、すぐに起き出して、運動登山や買い物などに出かけます。 そのおかげで、夜は、10時頃から、朝6時頃まで、普通に眠れています。 「歳をとると、眠りが浅くなる」とは、よく言われる事ですが、歳のせいだけとは、言いかねます。 昼間から、ブツ切りで眠っているから、そうなるのであって、昼間、眠らない時間を確保しておけば、夜、ちゃんと、眠れるはずです。
【小旅行】
先だって、他の項目で、「旅行は、金がかかるから、控えるべし」と書きましたが、日帰りや、半日帰りの小旅行なら、さほどの出費にはならないから、お勧めです。 といっても、毎日なんて、とても無理。 週に一回でも、多過ぎる。 月に一度くらいが、いいペースでしょうか。 なぜかというと、一定の範囲内しか行けないので、ポンポン出かけていると、行き先がなくなってしまうからです。
日帰りの場合、家を中心に、車なら、半径50キロくらい。 自転車なら、10キロくらい。 徒歩なら、5キロくらい。 そんなところが、行ける限界だと思いますが、週に一回のペースでは、すぐに、行ける所は行き尽くしてしまいます。 同じ所に、何度も行ってもなあ・・・。 私は、引退後も、2年間、バイクを維持していたのですが、夏場だけ、月に一度のツーリングでも、行き先を決められなくなって、四苦八苦していました。
同じ日帰りでも、車で、高速道路を使えば、もっと、行動半径が広がりますが、それでは、出費が大きくなるのであって、もはや、小旅行とは言い難い。 お金を使わないのが、最低条件とすべきでしょう。 車のガソリン代も、馬鹿にできませんし。 昼飯だって、飲食店に入るなんて、とんでもない。 弁当、持って行きなさいよ。 どうせ、閑なんだから、握り飯くらい、用意できるでしょ。
小旅行は、毎日の運動とは、また違って、気分転換する上で、大きな効果があります。 引退後、人づきあいが激減すると、気が滅入る事が多くなるので、時々、リフレッシュする必要が出てきます。 それには、初めての場所に行くのが、最も効果的なんですな。 別に、遠くである必要はないです。 初めての場所なら、どこであっても、同じ効果が期待できます。
神社巡りなんてーのは、一番、オーソドックスなところで、地図を見れば、神社は、かなり小さな所でも出ていますから、一つ一つ、潰して行けば宜しい。 別に、誰かと競争しているとか、全神社制覇を目論んでいるとか、そういうわけではないのですから、「同じ方角だから、5・6ヵ所、回ろう」などと欲を張らず、一度に一ヵ所にしておくのが良いです。 なぜというに、早々と行き尽くすと、興味が失せてしまうからです。
お寺は、人が住んでいますから、ちと、敷居が高いです。 墓地から入れば、さりげなく境内を抜けて、ごく自然に山門から出るという手も使えないではないですが、もし、誰何された場合、何と応えるか、言い訳を用意しておいた方がいいです。 不法侵入で訴えられるような事はないと思いますが、さりとて、歓迎されるわけでもありません。 基本的に、住職や、その家族は、檀家以外の人をもてなす理由はないです。 観光寺院なら、その限りではないですが、その場合、拝観料を取っているはずです。
特に、宗教施設や景勝地でなくても、目的地があるだけで、小旅行は成り立ちます。 たとえば、駅巡りとか、市町村役場巡り、郵便局巡り、極端な事を言えば、交番巡り、老人憩いの家巡りなどでも、とにかく、目的地に到着しさえすれば、達成感は味わえます。 スーパー巡り、ホーム・センター巡り、ショッピング・モール巡りというのも、アリなわけですが、お店の場合、「来たついでだから」などと言って、不必要な物を買わないように。
財布を持って行かない方がいいかも知れませんねえ。 「何かあったら、困るから」と用心するのもいいですが、持っていると、使ってしまいたくなるから、害の方が大きい。 自分の住所氏名を書いたカードを持ち歩くようにしていれば、出先で、倒れてしまったような場合でも、通りがかった人が、何とか、してくれるでしょう。
出先で死んでしまったら、死んでしまったで、その時はその時ですな。 いいんですよ、どうせ、引退者だから、いつ、どこで、死んだって。 死の絶対性は、こんな時に、心強い味方です。 そういう場合に備えて、身なりを整えておくという人もいますが、いいんじゃないですか、靴下に穴が開いているとか、肌着が変色しているとか、その程度の事は。 なんてったって、死者なんだから、大目に見てもらえるでしょう。
深く考えずに、「交番巡り」などと書いてしまいましたが、勿論、交番を訪ねて行けという意味ではありません。 「ああ、ここにあるのか」と分かれば、それで充分。 近づかずに、引き上げるべきでしょう。 引退すると、自由になる反面、身分が不安定になるので、人から怪しまれるような事は、進んで避けるのが肝要です。
あと、細かい事ですが、どうせ、毎日が休みなのですから、観光地や商業施設など、人が大勢集まって来る所には、平日に行くようにして、土日・祝日は避けた方がいいです。 なぜというに、学生時代や、勤め人時代の知り合いが来ていて、「おう! 久しぶり! 今、何やってんの?」といった邂逅が発生し易い。 それを避ける為です。
引退後、昔の知りあいに出会っても、ろくな事はないです。 ほんと、ろーくなこたーない! 挨拶くらいで、別れられればいいのですが、そうならず、近況を根掘り葉掘り訊かれ、挙句の果ては、「今度、一緒に飲もう」てな話になって、連絡先を半強制的に訊き出されるという、とんでもない展開になります。 住所を知られたが最後、「近くまで来たから」なんて、白々しい嘘をついて、家まで訪ねて来ますよ。
中には、自分の方から出会いを求めて、わざと、人出が多い所に出かけて行く人もいるようですが、ほとほと、気が知れぬ。 現役時代に未練たらたらで、引退者としての自覚が出来ていないのでしょう。 喝ッ! 目を覚ませ! おのれは、もはや、勤め人ではないのじゃ! 昔の知りあいなんぞ、迷惑なだけと悟るべし!
実際、老いらくのつきあいほど、始末が悪いものはない。 お金がないのに、閑ばかりあるものだから、しょっちゅう、一緒に出かけて行って、飯を食ったり、飲みに行ったり、料金が発生する所へ遊びに行ったり・・・。 そんな生活をしていたら、瞬く間に、破産してしまいますよ。 こういうケースを想像すれば、「老後破産」というのが、どこか遠くの他人事ではなく、容易に、自分にも起こり得る事だと分かるんじゃないでしょうか。
「人づきあいこそが、人生だ」と思っている人もいるでしょうが、お金のゆとりがないんじゃ、そんな事も言ってられないでしょうが。 その歳で、破産したいのかい? 「友達と遊びに行き過ぎて、破産しました」なんて言ったって、生活保護なんか、もらえないよ~。 アホか。 「遊ぶ元気があるなら、働いて下さい」と、追い返されるのがオチです。
あああ、また、長くなってしまったので、今回は、ここまでにします。 また、終わらせられなかったか。 一敗地に塗れる・・・。 天は我を見放した・・・。 それほどの事でもないか・・・。
<< Home