2019/07/21

続・バイク再び?

  前回の続きです。 前回の文章を書いていた頃、少し、熱が冷めていたのですが、その後、またぶり返して、今に至ります。

  歯の痛みの方は、ほとんど、気にならない程度になりました。 特に、歯茎の腫れは、完全に引いたようで、唇をどんなに歪めても、痛みを感じなくなりました。 という事は、健康不安から来る、捨て鉢な気分も晴れたという事でして、バイクに逃げる理由もなくなったわけですが、それでも、欲しいという気持ちが収まらないのは、他に燃える対象がないからでしょうか。

  燃えているのは、バイクに乗る事ではなく、バイクを買う事の方だという点で、かなり、問題がありますが、何もやる事がなくて、本を読むとか、ブログの記事を書くとか、そんな事をしているよりは、遥かに、確実に、熱中できるのです。 今や、「吟味だけして、買わないという手もあるか」と、真面目に考えている次第。




  私のバイク吟味、今までは、日本メーカーが世界市場向けに中国やブラジルで作って、日本に輸入している、ネイキッドのスポーツ・バイクを候補にしていたのですが、どうも、しっくり来ない。 カッコ良過ぎるのです。 外観的には、250や400のバイクと全く同じで、エンジンと、ピンク・ナンバーだけが、125の証拠という面々。 若い人なら、問題ないですが、私のような、50代半ばの人間が乗ると、確実に、バイクのカッコ良さに負けてしまいます。 より直接的に表現にすると、「みっともない」。

  具体的に、車種名を挙げると、「ヤマハ・YBR125」、「ホンダ・CBF125」、「スズキ・EN125」の3種類。 画像検索していただければ分かりますが、引退者が、てれてれ乗って、格好がつくような、おとなしいデザインじゃありません。 それでも、この3種は、ネイキッドだから、まだマシなのであって、ツアラー風デザインの、「ヤマハ・YX125」なんてーのも出て来ましたが、もう、ガンダムですな。 50代で、乗れるか、そんなのーっ! まして、ピンク・ナンバー付けてーっ!

  そう言えば、あのピンク・ナンバーという奴ですが、バイクがフル・サイズで、カッコ良ければ良いほど、それをブチ壊す効果が大きいです。 前側から見て行って、「すっげーバイクだなー・・・」と思いつつ、後ろ側に回ると、ピンク・ナンバーが付いていて、一気に白け、「なんじゃ、こりゃ?」という、アハ体験をします。

  バイクの色が、黒とか、ガンメタとか、渋ければ渋いほど、ピンク・ナンバーの破壊力は、凄まじくなります。 ピンク・ナンバーに合う車体色というのは、存在しないのでは? ピンクのバイクなら、合うだけは合うかもしれませんが、そんなド派手なバイクに乗れるかーっ!

  ナンバーの色なんて、他の排気量と区別できれば、何でもいいんだから、せめて、赤にしてくれんか? はっきりした赤なら、結構、他の色とも合うのです。 なまじ、中途半端に、ピンクにしたものだから、却って、おかしくなってしまったのです。 バイクのナンバーは、黄色も、色が薄過ぎます。 軽自動車と同じ、山吹色にしてしまえば、ぐんと質感が上がるのに。 軽のナンバーの色がおかしいなんていう人は、いないでしょ?

  まあ、ピンク・ナンバーの件は、その辺にしておきます。 現状で、125を選ぶ以上、致し方ないですから・・・。 今現在、125に乗っている人達は、そういう低次元な劣等意識を超克しているんでしょうなあ。 ううむ、人格高潔だのう。 それに引きかえ、私の未熟な事よ。 といっても、お上が、ピンクを、他の色に変えると言ったら、125ユーザーの、ほぼ全員が、取り替えに殺到すると思いますけど。


  で、往年のビジネス・バイクなら、年齢にピッタリ来るかと思って、調べたところ、動く物が、ヤフオクに出ているには出ているのですが、最も年式が浅くても、2000年代初頭という、古い機械なので、いずれも、かなり危なっかしい状態である様子。 機械弄りの趣味がある人なら別ですが、私は、単に足が欲しいだけなので、こういう、良く言えば、貴重品、普通に言えば、骨董品、悪く言えば、ポンコツを所有する資格がありません。

  遠出をする気はないですが、伊豆半島くらいは行くわけで、下田の辺りで、バイクが動かなくなったら、顔色、真っ青になるでしょうねえ。 自転車じゃないんだから、押して歩いて、どうにかするというわけにも行きません。 それにしても、往年のビジネス・バイクという奴、現役で売っていた当時は、しょーもなくダサく見えたものですが、今見ると、なんで、こんなにカッコ良く感じられるのか、首をいくら傾げても、分かりません。

  メーカーも、馬鹿と言えば馬鹿で、往年のビジネス・バイクを、デザインそのまま、技術だけ新しくして、なぜ、売らぬ? 限定生産でもいい。 ホンダ・CD125なんて、発売前に、予約だけで、完売するでしょうに。 


  と、そんな時、ふと、見つけたのが、台湾メーカーの「キムコ・KCR125」。 すでに生産中止ですが、まだ、新車で売っている物もあるという、割と最近の製品です。 これが、いいんだわ。 オールド・スタイルで、70年代のスポーツ・バイクのようにも見えますが、ミリタリー・ペイントのタイプがあるせいか、もっと古い、戦時中のバイクのようなイメージもあります。 前後のバランスが絶妙で、実に安定感がある。 子供っぽいカッコ良さを狙った部分が皆無で、大変、落ちついています。

  ヤマハ・YBR125の派生車種に、ビジネスと、ビンテージの中間あたりを狙ったデザインの、「YB125SP」という車種があるのですが、それと比べても、圧倒的に、KCR125の方が、デザインの完成度が高いです。 KCR125を見た後に、YB125SPを見ると、何か、重大なところを間違えているような、強烈な違和感を覚える始末。 YB125SPは、ネイキッドのフレームをベースに、ビジネス/ビンテージ風にしたのだから、KCR125に比べて、デザインの自由度が利かなかったのは、致し方ないとはいえ・・・。

  ところが、そのKCR125、部品が出回っていないらしいのです。 最も交換頻度が高いブレーキ・パッドですら、日本国内では手に入らない様子。 そりゃ、まずいかな? もっとも、私の場合、通勤に使うわけではなく、月に一度、半日ツーリングに行く程度ですから、パッドを交換するほど、距離を乗らないまま、バイク人生が終わる可能性が高い。 それなら、気にし過ぎるのも、杞憂と言うものでしょうか・・・。

  大抵の人が、気に入った車やバイクを手に入れた直後は、「一生乗る!」つもりになるものですが、実際には、いつか必ず、手放す時が来ます。 もう、確実。 本当に、死ぬまで所有していた人なんて、珍しいと思います。 それが分かっているのなら、先の先まで心配する必要はないのかも知れません。


  私が吟味している場所は、ヤフオクと、ネット通販ですが、ヤフオクは、業者・個人に関わらず、押しなべて、出てくるバイクの状態が悪いです。 「実働車」と「不動車」の違いがあり、「不動車」と書いてあったら、どんなに安くても、買わない方がいいと思います。 動かなくなってから、相当長く放置されていたと考えられ、あちこち腐蝕していて、「どこそこの部品を取り替えれば、動くようになる」という、保証がないからです。 修理代が、天井知らずに跳ね上がっていく恐れあり。

  「実働車」と書いてあっても、業者の場合、「引き渡した後は、一切、責任をとらない」と説明文で謳っているところが多いです。 陸送中の振動や衝撃で、動かなくなってしまう事があるのだとか。 バイクや車の通販とは、そういうシビアの世界なのでしょう。 遥か遠くから陸送してもらったバイクが、動かなかったからと言って、業者のところまで、押しかけて行くわけにも行きませんし。

  で、動かないバイクを、どうすればいいかというと、最寄りのバイク屋に持ち込んで、動くところまで蘇生してもらうしかないのですが、もちろん、お金がかかるわけで、せっかく、ネットで安く手に入れた意味がなくなってしまいます。 そういう事態を避ける為には、極力、状態のいいバイクを選ぶ必要があります。 単なる「実働」ではなく、「快調」とか、「好調」とか書いてあるものなら、まずまず、安心なのでは。

  「事故車」は、問題外。 直してあれば別ですが、普通、「事故車」と書いてあったら、壊れた、そのままになっていると思った方がいいと思います。 バイクの場合、事故とまでは言わなくても、「転倒」を経験しているものがあり、それに関しては、説明文で触れられていない事がほとんどです。 グリップ、レバー、ステップ、ペダル、前輪泥除け、ウインカーなどが、曲がったり、取れたり、削れたりしていたら、「転倒」しているのは、確実。

  もっとひどいのは、転倒した後、道路上を滑って、電柱に突っ込んだとか、側溝に落ちたとかの場合で、直接衝突と同様、フォークやフレームが曲がっている恐れがあります。 あと、他の部分に損傷がないのに、前輪泥除けだけ割れていたら、直接、何かに衝突したのであって、やはり、フォークが曲がっている危険性が高いです。 最低でも、10万円以上かけないと、走れる状態になりますまい。 バイクの場合、そんなにまでして、直す事はなく、大抵、部品取り車になります。

  妙に安いバイクが出て、説明文に、「部品取りに」と書いてあったら、ほんとに、部品取りにしかならないので、「コツコツ直して、もう一度、風を切らせてやろう」などと、酔狂に走るのは、禁物です。 そりゃあ、機械だから、手間と資金を投じれば、直せないバイクはないでしょうけど、芸能人クラスの可処分所得と、整備士クラスの技術が必要で、一般人がやったのでは、お金と労力がもったいないだけです。


  ヤフオクは、そのくらいにして、バイク屋さんの通販ですが、店頭価格と、ネット上の価格が異なるものがあり、仕組みがよく分からないところがあります。 どうやら、店頭で売る場合は、整備してから売るので、その代金が加算される模様。 しかし、中には、「自分で整備するから、いい」というお客もいるのでは? 10万円以下の品を探している人の場合、2万円程度でも、整備費用が上乗せされるのは、大いに痛いものです。

  バイク屋の中には、中古の本体売買だけでは儲からないので、その後の整備・修理づきあいを確保する為に、客を囲い込もうとしているところもあると思います。 そういう店にとって、本体を買うだけで、もう二度と来ないような客は、苦々しい存在なわけだ。 で、客が、「整備は自分でします」と言うと、「いや、素人が中古バイクを弄るのは危険だから、そういう事なら、売りません。 うちは、そんな、いい加減な商売してないから」とでも言うのでは? ありそうだなあ。

  また、ネット上に出品しているのに、「通販不可」という店があるのも、面白い。 遠方の客お断りで、店に直接来られる、近くに住んでいる人に、どんな中古バイクがあるか知らせるためだけに、ネットにアップしているわけですな。 どうやら、陸送業者にバイクを渡すのに、結構、時間を取られるらしく、店側の人手が少ないと、対応できないという事情もあるようです。

  陸送以外、受け付けない所もあれば、手渡し歓迎、というか、手渡し以外、認めないというところもあり、事情は、店によって、様々。 手渡しにも、二種類あり、バイクを積めるトラックで引き取りに来いというのと、客がバイクで自走して帰るというのがあります。 自走引き取りの場合、先に、書類を客の元に送って、客が役所で登録手続きを済ませ、ナンバーを貰って、電車バスなどで、店に行き、そこで、ナンバーを取り付けて、乗って帰るわけだ。

  しかし、なにせ、中古車なので、道中、何が起こるか分からない。 で、「自走で帰る場合、店側は一切、責任を負わない」という一筆を入れさせるところもあるようです。 もちろん、引き取りに行く前に、登録だけでなく、自賠責と任意保険に入っておくのですが、それでも、初めてのバイクで、長距離を帰るのは、不安の塊を背負って走るようなものですな。 事故って死んだら、「安物買いの命失い」になるわけだ。




  長くなったので、このくらいにします。 あー、ところで、ここに書いているような事は、私の個人的な思い込みに過ぎないので、同じように、125のバイクを探している方々は、全面的に真に受ける事はせずに、吟味の参考にする程度にしてください。